第1戦に敗れて迎えたダブルヘッダー第2戦。ナショナルズは先発のマックス・シャーザーが好投を見せたものの、1点リードの7回表にパブロ・サンドバルに5号ソロを浴びて同点に追い付かれてしまう。勝ち越し機を生かせず、試合は延長戦に突入し、迎えた11回裏のナショナルズの攻撃。ダニエル・マーフィーとライアン・ジマーマンの連打で無死一、三塁のチャンスを作ると、アンソニー・レンドンが敬遠されて無死満塁の大チャンスを迎える。ここで打席に入ったケンドリックがカウント2-2からのスライダーをしっかり捉え、左中間に突き刺さる4号グランドスラム。「打った瞬間は外野の間を抜けたかと思った。だから一生懸命走ったよ」と語ったケンドリックの一打でナショナルズが延長11回の熱戦を制した。

　1回表のカブスの攻撃。ゴッドリーは先頭のジョン・ジェイから空振り三振を奪うと、続くトミー・ラステラを見逃し三振に抑えて2アウト。クリス・ブライアントにヒットを打たれ、アンソニー・リゾーに四球を与えて二死一、二塁のピンチを背負ったが、ビクター・カラティーニを空振り三振に抑え、事なきを得たかに思われた。しかし、カラティーニから三振を奪ったチェンジアップが暴投となり、スタートを切っていたブライアントが二塁からホームイン。続くカイル・シュワーバーから空振り三振を奪ってなんとか1点で凌いだものの、強豪カブスを相手に先制点を与えてしまった。ゴッドリーは5.2回2失点と粘投したが、味方の援護なく5敗目（5勝）。なお、1イニング4奪三振は今季4人目、メジャー史上81人目の記録となっている。

　メッツは初回に二塁打で出塁したグランダーソンを二塁に置いてコンフォートが26号ツーランを放ち、2点を先制。直後に1点差に迫られたものの、5回表にグランダーソンが17号ツーランを放ち、フィリーズを突き放した。グランダーソンはさらに7回表にもタイムリーを放ち、この試合3安打3打点の大活躍。走者を還すだけでなく、3度ホームを踏むなどリードオフマンとしての役割もしっかり果たし、チームの勝利に大きく貢献した。今年3月に36歳となったグランダーソンだが、今季ここまで108試合に出場してOPS.807と衰えを感じさせないパフォーマンスを続けている。

　ロッキーズに逆転を許した直後の3回裏。この回の先頭打者として打席に入ったスタントンは、ロッキーズ先発のヘルマン・マルケスがカウント3-2から投じたアウトコースへの時速98マイル（約157.7km/h）のフォーシームを逆方向へ叩き込む42号同点ソロを放った。通算250号という節目の一発となるとともに、1996年にゲーリー・シェフィールドが打ち立てたシーズン42本塁打の球団記録に並ぶ一発。直近32試合で20本塁打という驚異的なペースで本塁打を量産しており、2013年のクリス・デービス（オリオールズ）以来となるシーズン50本塁打どころか、2001年のバリー・ボンズ（ジャイアンツ）とサミー・ソーサ（カブス）以来となるシーズン60本塁打すら現実味を帯びてきた。なお、出場941試合での250本塁打達成は史上6番目のスピード記録となっている。

　この日のクルーバーは2回裏にアデイニー・エチャバリアから最初の三振を奪い、5回裏にはマレックス・スミス、ヘスス・スクレ、コリー・ディッカーソンから三者連続三振。6回裏にローガン・モリソンから奪った三振がこの日8つ目となり、メジャー史上3位となる大記録を打ち立てた。メジャー記録は1999年と2000年にランディ・ジョンソン（当時ダイヤモンドバックス）が記録した15試合。クルーバーは次の登板でメジャータイ記録に挑むことになる。試合はクルーバーが6回裏にスティーブン・スーザJr.に25号同点ツーランを浴びたものの、8回表にオースティン・ジャクソンに4号勝ち越しソロが飛び出し、インディアンスが4-3で勝利。クルーバーは今季11勝目（3敗）をマークしている。

　ブルージェイズは先頭のホゼ・バティースタが四球を選んで出塁し、ドナルドソンが左中間へ16号ツーランを叩き込んで逆転に成功。一死一、二塁のチャンスでライアン・ゴインズがライトへの二塁打を放って2点を追加し、さらにゴインズのホームスチールで5点目を奪った。6回裏にはダーウィン・バーニーに3号ソロ、7回裏にはジャスティン・スモークに32号ソロが飛び出し、7-1とリードを広げ、先発のJ.A.ハップは6回1失点の好投。投打がガッチリと噛み合い、危なげのない試合運びでパイレーツに勝利した。

　この日のストラットンは変化球が良いところに決まり、カーブとスライダーで計7奪三振（ほかにフォーシームで3奪三振）。7回裏に二死からヒットと四球で一、二塁のピンチを背負って降板したものの、それまではピンチらしいピンチもなく、6.2回を投げて被安打5、奪三振10、与四球1、無失点という見事なピッチングを披露した。打線は2回表にゴーキーズ・ヘルナンデスとジョー・パニックのタイムリーで3点を先制し、ストラットンを援護。今季3度目の先発となったストラットンに嬉しい今季初勝利が記録された。「2ストライク後に素晴らしいボールを投げていた」とブルース・ボウチー監督。「カーブは素晴らしかったし、スライダーとチェンジアップも良かったね」と新人右腕の好投を絶賛していた。

　日本時間8月2日にメジャー昇格を果たしたロサリオはメジャー全体有望株ランキングで2位に選出されているほどの逸材だ。彼はドジャース戦でダルビッシュ有からも安打を記録している。そして迎えた日本時間8月12日のフィリーズ戦では6対6で9回表、無死走者なしの場面で打席に立つと5番手のエクトル・ネリスのフォーシームを捉えてその打球は初本塁打となった。これが決勝弾となりチームを勝利に導いた。

　8月のベニンテンディは絶好調だ。ここまで8試合に出場して打率.484 4本塁打 11打点と結果を出している。前日のヤンキース戦でも本塁打を放っており6試合連続安打を記録している。この試合ではアディソン・リードが打たれて惜しくも敗戦となったが、翌日はベニンテンディが3回と5回に本塁打を打ち、ヤンキースを大きくリードした。ちなみに2本とも3ランであり、自身2度目の1試合6打点を記録する最高の結果となった。

　8月も中旬に差し掛かったが、今月になってからアブレイユのバットからまだ「本塁打」という名の快音はなかった。打率.195と不振の中でどうにか復調の兆しをみせたいところだ。そして迎えたロイヤルズ戦では3対0で劣勢の場面で打席に立ち相手先発、イアン・ケネディのフォーシームを捉え、打球は左中間スタンドへと消えていった。これが節目のシーズン20号本塁打となり、チームは反撃ののろしをあげた。

　フィリーズの主軸として13年間プレーしてきたハワードは現在、37歳となった。2005年はナ・リーグ新人王、その翌年にはリーグMVPに輝き、メジャーを代表するスター選手として活躍した彼の通算成績は打率.258 382本塁打 1194打点だ。しかし、2012年から故障に苦しむことが多くなり、昨年オフにFAになってからは開幕までどこの球団からも声がかからなかった。一度はブレーブスと契約したが、メジャー昇格できずに退団しておりロッキーズが今季2球団目となる。果たして昔のような打撃を披露することができるのか、ハワードの復活に注目が集まる。

　8月は2試合の登板で1敗とまだ勝ちがなかったカラスコは初回からレイズ打線を三者凡退に抑えるとその後もまったく相手を寄せ付けず6回終了時にはなんと打たれた安打は「0」と試合を支配していた。残念ながら7回2死でローガン・モリソンに右安を浴びたことでノーヒッターは終わってしまったが、崩れることなく8回まで10奪三振無失点と先発としての役割を果たし、約1ヶ月ぶりの勝利を掴んだ。

　今季の得点圏での打率は脅威の.441を誇るアレナード。ゴールドグラブ賞を3度獲得する名手でもあるが、打撃でもクラッチヒッターとして打線をけん引している打者の1人だ。迎えたマーリンズ戦では1死三塁で迎えた第2打席で「その時」がやってきた。相手先発のホセ・ウレーニャが投じた4球目のチェンジアップを捉え、打球は右中間スタンドへ。バウンドでグラウンドに打球が戻ってきたが本塁打となり、この試合の先制点を叩き出した。

　ロッキーズ戦、3-1の劣勢で迎えた6回裏に1死走者なしの場面で打席に立ったスタントン。8月前半だけで既に6本の本塁打と打線をけん引している。前日も39号本塁打を放っており、その勢いは止まらない。相手先発のジョン・グレイが投じた3球目を捉え、打球は左翼スタンドへと消えていった。これで節目の40号に到達。これからもスタントンの本塁打は次々と生まれることだろう。

　2-2の同点で迎えた8回裏、ナショナルズは先頭のグッドウィンがこの回から登板した田澤純一のフォーシームを捉え、ライトポール際に飛び込む13号ソロを放って勝ち越しに成功。9回表はクローザーのショーン・ドゥーリトルがマウンドに上がったが、一死からミゲル・ロハスに二塁打を浴び、次打者の内野ゴロにより二死三塁のピンチを背負ってしまう。ディー・ゴードンが捉えた打球はレフト線を襲うヒット性の打球となったものの、代走で途中出場してそのままレフトの守備に就いていたスティーブンソンがこれを見事にダイビングキャッチ。「超」がいくつ付いても足りないくらいのファインプレイで試合を締めくくった。

　この日のダルビッシュは制球が不安定で球数が多くなり、初回の先頭打者から8人連続で6球以上を要するなど苦しいピッチングを強いられた。5回を投げ切ったところで球数が106球となったため、この回限りで降板となったものの、5イニングを2失点にまとめ、2試合連続となる10奪三振。先発投手として最低限の役割はしっかり果たした。ドジャースはダルビッシュ降板後に2点差まで追い上げられたが、最後はケンリー・ジャンセンが締めくくって試合終了。ダイヤモンドバックス3連戦に2勝1敗で勝ち越し、18シリーズ連続負け越しなしを継続している。

　1点ビハインドで迎えた9回裏の攻撃。ホワイトソックスは先頭のレウリー・ガルシアがアストロズのクローザー、ケン・ジャイルズの前に空振り三振に倒れたものの、続くモンカダがカウント2-0からのフォーシームを捉え、左中間スタンドへ同点弾を叩き込んだ。さらにモンカダは無死二塁で回ってきた延長11回裏の打席でフランシス・マルテスのフォーシームを弾き返し、二遊間を抜けるサヨナラタイムリー。モンカダの記念すべきキャリア初のサヨナラ打により、ア・リーグ最低勝率に沈むホワイトソックスがア・リーグ最高勝率を誇るアストロズとの3連戦をスイープした。

　5回までに3点を先行されながらも、6回裏にファウラーのタイムリー二塁打などで同点に追い付いたカージナルス。7回裏は先頭からの連打と四球で無死満塁のチャンスを作り、ファウラーが初球のフォーシームを豪快に右中間へ叩き込んだ。前日の試合では猫が乱入した直後にヤディアー・モリーナが逆転グランドスラム。2試合連続でリードを奪うグランドスラムが飛び出したのは球団史上初の快挙となった。カージナルスはこれで6連勝。ナ・リーグ中部地区で単独2位に浮上し、首位・カブスとの差はついに1ゲームとなった。

　今季のヤンキースは本塁打を3本以上放った試合で16戦全勝。他に同様の試合で全勝をキープしているのはレッドソックスだけである（10戦全勝）。この試合では2回表にサンチェスとフレイジャーが二者連続本塁打を放って2点を先制し、3回表にもディディ・グレゴリウスに一発が飛び出した。その後はブルージェイズ打線の反撃に遭い、6回終了時点で6-5と1点差に迫られたが、8回に2点、9回に3点を追加してダメ押し。3本塁打以上の試合での全勝をキープし、ワイルドカード争いでも2位マリナーズとの2.5ゲーム差を維持している。

　ポストシーズン進出に向けて負けられない戦いが続くカージナルス。4回裏にホゼ・マルティネスの9号ソロで勝ち越しに成功したものの、先発のマイク・リークが踏ん張れず、5回表に逆転を許してしまう。そして6回裏。カージナルス打線はブランドン・マウアーとピーター・モイランを攻め立てて二死満塁のチャンスを作り、猫乱入による中断をはさんでモリーナがレフトスタンドへ逆転グランドスラムを叩き込んだ。モリーナは手を叩いて大喜び。カブスとブリュワーズがともに敗れ、カージナルスはブリュワーズと並んで地区2位タイに浮上。首位・カブスとのゲーム差を1.5に縮めている。