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カブスとドジャースがブリットン獲得に興味か
2017.11.17 16:29 Fridayオリオールズはクローザーのザック・ブリットンに対するトレードの問い合わせを複数球団から受けているという。MLBネットワークのジョン・ヘイマンによると、問い合わせをしている球団の中にはカブスとドジャースが含まれているようだ。
ヘイマンによると、オリオールズはブリットンのトレードに関するオファーに耳を傾けるつもりでいる。ブリットン放出を検討する最大の要因がブリットンの年俸である。ブリットンは今オフが年俸調停3年目。今季の年俸は1140万ドルであり、今季の働きぶりを考慮すると大幅な昇給はないと予想されるが、それでも1200万ドルを超えるのはほぼ確実だ。また、来季終了後にはフリーエージェントとなる。戦力が充実しつつあるレッドソックスやヤンキースの存在を考えると、地区最下位に沈んだオリオールズが優勝争いに絡むとは考えにくく、ブリットンがフリーエージェントとなる前にトレードで放出してしまうのが得策と言えるだろう。
今季のブリットンは左前腕の故障に悩まされ、登板は38試合どまり。2勝1敗15セーブ、防御率2.89と数字だけを見れば決して悪いシーズンではなかったが、2016年と比較すると奪三振率が低下(9.94→6.99)し、被打率が急上昇(.162→.277)するなど、投球内容自体は褒められたものではなかった。また、8月23日のアスレチックス戦でセーブ失敗を喫し、2015年から継続していた55セーブ機会連続成功もストップしてしまった。
ドジャースには絶対的守護神のケンリー・ジャンセンが君臨しているものの、セットアッパーとして活躍したブランドン・モローがフリーエージェントとなり、リリーフ左腕が不足しているという事情もある。セットアップを担える左腕としてブリットンはうってつけの存在だろう。なお、ドジャースは今夏もブリットン獲得に動いていたが、最終的には小さな対価で獲得できるトニー・ワトソンとトニー・シングラーニを選択したという経緯もある。
カブスはウェイド・デービスがフリーエージェントとなり、クローザーの座が空席となっている。デービスとの再契約を目指しているとの報道もあるが、デービスに代わるクローザーとしてブリットンの獲得に動いても不思議ではない。実際、昨オフはアロルディス・チャップマン(現ヤンキース)がフリーエージェントとなったあとに契約残り1年のデービスをトレードで獲得しており、今オフも同様の動きを見せる可能性はある。
2016年に47セーブ機会すべてを成功させ、防御率0.54という驚異的な数字をマークしたブリットン。メジャー有数のリリーフ左腕の行方に注目が集まっている。
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内野のグレードアップを目指すエンゼルス
2017.11.17 15:25 Fridayエンゼルスは今オフ、内野のグレードアップを目指している。ESPNのジェリー・クラスニックによると、エンゼルスはザック・コザートとニール・ウォーカーの獲得に興味を示しているようだ。その一方で、獲得候補リストの最上位にはマイク・ムスターカスの名前があると見られている。また、イアン・キンズラー(タイガース)の獲得についても球団内で話し合いが行われているとの報道がある。
今季のエンゼルスは遊撃のアンドレルトン・シモンズが攻守に活躍した一方で、二塁と三塁のレギュラーを固定できなかった。二塁は64試合に先発出場したダニー・エスピノーザ、三塁は87試合に先発出場したユネル・エスコバーが最多出場であり、チーム全体の二塁手のOPSは.601(リーグ15位)、三塁のOPSは.713(リーグ14位)という惨状。この両ポジションについては補強が急務な状況となっている。
コザートはメジャー昇格後は遊撃一筋という選手であり、シモンズという不動の正遊撃手を抱えるエンゼルスにはややミスマッチかもしれない(コザートが二塁または三塁へのコンバートを了承するのであれば話は別だが)。打率.297、24本塁打、OPS.933という今季の打撃成績は魅力だが、シモンズがいる以上、コザート獲得は現実的ではないだろう。
そこで二塁の補強候補として挙がるのがウォーカーとキンズラーだ。ウォーカーは二塁と三塁を守ることができる選手だが、キャリアの大半を二塁手として過ごしてきた。今季はメッツで開幕を迎え、8月にブリュワーズへ移籍。シーズントータルでは打率.265、14本塁打、OPS.801をマークした。一方のキンズラーは再建に着手したタイガースが放出に動いていることが報じられており、獲得のチャンスは十分。今季は自己最悪の打率.236に終わったものの、22本塁打&14盗塁といまだパワー&スピードのコンビネーションは健在であり、二塁守備も高水準を維持している。二塁のグレードアップにはうってつけの存在かもしれない。
そして、三塁の補強候補としてエンゼルスが目をつけているのがムスターカスだ。長期欠場した昨季の鬱憤を晴らすかのように今季は本塁打を量産し、ロイヤルズの球団記録を更新する38本塁打を記録。38本塁打、85打点、OPS.835はいずれもキャリアハイを更新し、カムバック賞にも選出された。打線の中軸を担うマイク・トラウト、アルバート・プーホルス、ジャスティン・アップトンはいずれも右打者であり、左右のバランスという点においてもムスターカスはエンゼルスにフィットする存在である。
トラウトという球界最高のスーパースターを擁し、アップトンの引き留めに成功するなど、着々と戦力を整えつつあるエンゼルス。二塁と三塁のグレードアップに成功すればリーグでも有数の強力打線が完成するだけに、ビリー・エプラーGMの手腕に期待したい。
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レイズがバティースタ獲得を検討か
2017.11.17 14:49 Friday10年近くブルージェイズの主砲として活躍してきたホゼ・バティースタに対して、レイズは同地区のライバルとして接してきた。しかし、MLB.comのジョン・ポール・モロシによると、レイズは打線強化のためにバティースタの獲得を検討しているようだ。
2010年に54本塁打、124打点と大ブレイクを果たし、翌2011年には打率.302、43本塁打、OPS1.056の好成績をマークして2年連続でハンク・アーロン賞を獲得するなど、長年にわたってブルージェイズの主砲として活躍してきたバティースタ。しかし、ここ数年は衰えが目立ち、1年契約でブルージェイズに残留した今季は打率.203、23本塁打、OPS.674というブルージェイズ加入後最悪の成績に終わってしまった。
84四球を選び、打率.203に対して出塁率.308を記録したように選球眼はまだ一定のレベルを維持しているものの、自己最多だった2010年の116三振を大幅に上回る170三振を喫するなど、年齢的な衰えは誰の目にも明らか。来季の契約は相互オプションとなっていたが、ブルージェイズ側がオプションを行使する意思がないことをバティースタ側へ伝え、現役続行を目指すバティースタは新天地を探すことになった。
バティースタは現役続行のために、慣れ親しんだライト以外のポジションにも積極的にチャレンジする意思があることを明らかにしている。外野3ポジションと内野の両コーナー(一塁と三塁)が対象のポジションになると見られるが、実際にバティースタは今季三塁を8試合、一塁を1試合守っているのである。守備面でも衰えが顕著になりつつあり、本来は指名打者として起用したいところだが、複数ポジションを守れるというのは多少のアピール材料にはなるかもしれない。
レイズはローガン・モリソンとルーカス・デューダがフリーエージェントとなり、一塁と指名打者に空きがある。今季は主にレフトを守ったコリー・ディッカーソンが指名打者に入ることも考えられるが、バティースタが加入する枠がないわけではない。モロシによると、現時点ではレイズとバティースタの間で契約交渉は開始されていないという。レイズは昨オフもバティースタ獲得に動いていた経緯があり、1年越しのバティースタ獲得が実現するか注目される。
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ヤンキースがプロファー獲得に興味?
2017.11.17 14:29 Fridayポジションに空きがあるようには見えないが、ヤンキースがジュリクソン・プロファー(レンジャーズ)の獲得に興味を示しているとの報道がある。MLBネットワークのジョエル・シャーマンによると、ヤンキースは内外野を守れるユーティリティとしてプロファーの獲得を検討する可能性があるようだ。
かつては球界ナンバーワンのプロスペクトと評価されていたプロファー。しかし、故障により2シーズンを全休し、その後の2シーズンも期待はずれ(今季は22試合で打率.172、OPS.501)。プロファーの才能に期待する声は徐々に聞かれなくなりつつある。そんな中、シャーマンはヤンキースがプロファー獲得に興味を持っているとの情報を伝えた。
ヤンキースは一塁にグレッグ・バード、二塁にスターリン・カストロ、遊撃にディディ・グレゴリウス、左翼にブレット・ガードナー、右翼にアーロン・ジャッジがおり、三塁にはチェイス・ヘッドリーやグレイバー・トーレス、中堅にはジャコビー・エルズベリーやアーロン・ヒックスがいる。プロファーは出場機会を求めていると報じられており、ヤンキースがプロファーの希望に沿ったチームであるとはとても思えない。ヤンキースがプロファーに興味を持っているとすれば、それは内外野をどこでも守れるというユーティリティ性を評価しているからだろう。
一方、シャーマンはレンジャーズがヤンキースの若手投手陣に興味を持っているとも伝えている。ルイス・セッサ、ブライアン・ミッチェル、ケイレブ・スミス、チェイセン・シュリーブ、ジョナサン・ホルダーといった投手たちがそれに該当する。レンジャーズは投手の補強が今オフの課題となっており、こうした興味はうなずける。
プロファー自身の希望は別として、見返りに投手を得られるのであればレンジャーズがプロファー放出に動く可能性は十分にある。プロファーはすでにオプションが切れており、マイナーに降格させる場合にはウエーバーを経由しなければならないからだ。ウエーバーにかければ他球団が獲得に乗り出す可能性は高い。そうなる前にトレードで放出してしまおうと考えるのは当然の判断だろう。
かつての球界ナンバーワン・プロスペクトは開花のときを迎える前に放出されてしまうのか。あるいは、プロファーのポテンシャルを信じてレギュラー級の出場機会を保障する球団は現れるのか。トップ・プロスペクトがキャリアのターニング・ポイントを迎えようとしている。
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マリナーズが速球派右腕・ビエイラをホワイトソックスへ放出
2017.11.17 13:05 Fridayマリナーズのジェリー・ディポートGMが再び動いた。昨日、アスレチックスからライオン・ヒーリーを獲得するトレードを成立されたばかりのディポートは、インターナショナル・スロットマネーと引き換えにチアゴ・ビエイラをホワイトソックスへ放出。この動きは大谷翔平獲得への布石と見られている。
マリナーズはインターナショナル・スロットマネー50万ドルとのトレードでビエイラをホワイトソックスへ放出した。MLB.comのジョナサン・マヨによると、マリナーズはすでにインターナショナルFA市場で394万2500ドルを使用しており、50万ドルを獲得したことで使用可能なスロットマネーの残高は155万7500ドルとなった。この155万7500ドルは大谷獲得のために使用される可能性が高い。
ビエイラは今季メジャーデビューを果たしたばかりのブラジル出身の24歳右腕。時速100マイルを超える速球が魅力の速球派リリーバーであり、将来のクローザー候補として期待される。ただし、制球面に課題を抱えており、制球力の向上がメジャー定着に向けてのカギとなりそうだ。今季はメジャーでは1試合のみの登板に留まったが、マイナーではAA級とAAA級の2階級合計で41試合に登板し、2勝4敗4セーブ、防御率4.00、被打率.236を記録した。
ディポートは今回のトレードにはいくつかの目的があったと話している。一つはもちろん、インターナショナル・スロットマネーを増額すること。このトレードは本気で大谷獲得を目指していることの証と言っても過言ではないだろう。また、今季は投手陣に故障者が続出したことにより、40人枠が投手偏重の構成となっていた。ここ2日間の2件のトレード前の時点では40人枠内に野手が13人しかいなかったのだ。「この(投手と野手の)比率では上手くいかない。特に一塁手と外野手が必要だし、控え選手も充実されなければならない。だから(投手と野手のアンバランスを解消する)解決策を探していたんだ。トレードはその一環だよ」とディポートは今回のトレードのもう一つの狙いを明らかにした。
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スタインブレナー共同オーナーはさらなる有望株の台頭に期待
2017.11.17 12:40 Friday一年前、ヤンキースのハル・スタインブレナー共同オーナーはアーロン・ジャッジが正右翼手に定着することを期待していた。ジャッジはその期待に応えたどころか、期待以上の大活躍を見せて新人王を受賞。そして、スタインブレナーはさらなる有望株の台頭に期待を寄せている。
「我々は転換期を迎えている。ジャッジや(グレッグ・)バード、(ゲーリー・)サンチェスをトレードしなかったことはその一部だし、我慢強く起用し続けた(ルイス・)セベリーノも結果を残した。我々は正しい方向へ向かっていると思うよ」とスタインブレナーは生え抜きの若手選手を主体としたチーム作りに手応えを感じている。
さらに、スタインブレナーは球団1位のプロスペクトであるグレイバー・トーレスのほか、同2位のチャンス・アダムス、同5位のミゲル・アンドゥハーらへの期待を口にした。「アンドゥハーが内野のどこかでレギュラーを獲ることを期待しているよ。彼は8月にAAA級でよく打っていたし、守備も大きく改善された。アダムスも来季のどこかで昇格してくるだろう。ドミンゴ・ヘルマンも良くなっているよね」
「アリゾナ秋季リーグを見てみると、ジャスタス・シェフィールドが活躍しているし、アルベルト・アブレイユもよくやっている。彼らは今、AA級(やそれ以下のクラス)にいるけど、すぐにAAA級へ昇格するだろう。メジャー昇格の準備ができるまでに2ヶ月も掛からないんじゃないかな」とその他の若手有望株についても言及した。
「ワールドシリーズを狙うチームを作るのに2億ドル以上のペイロールは必要ないんだ」と語るスタインブレナー。ジャッジ、サンチェス、セベリーノといった若手選手の台頭により、外部からベテラン選手を補強するのに大金を投じる必要がなくなり、その言葉は現実となりつつある。実際、今季はワールドシリーズ進出まであと1勝に迫ったのだ。ジャッジらに続く新たな若手選手が台頭すれば、スタインブレナーの言葉はいよいよ実現するはず。若手選手を中心に生まれ変わりつつあるヤンキースの来季の戦いに注目だ。
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2017年シーズンのベスト・ホームランはどれだ!?
2017.11.17 12:09 Friday2017年のレギュラーシーズンでは歴代最多となる6105本塁打が飛び出し、ポストシーズンでも最多本塁打記録が更新された。MLB公式サイトの「Cut4」では今季の本塁打の中から特に印象的だったものを選び出し、トップ10を発表している。10位から順に振り返ってみよう。
10位はアルバート・プーホルス(エンゼルス)が放った通算600号となる満塁本塁打。この一発によりプーホルスは史上9人目となる金字塔に到達した。9位に選ばれたのはコディ・ベリンジャー(ドジャース)。「ベリンジャーの鮮烈なルーキーイヤーから本塁打1本だけを選ぶのは難しい」としつつも、6月13日のインディアンス戦でアンドリュー・ミラーから放った勝ち越し弾が選出されている。ミラーが今季左打者に打たれた2本塁打のうちの1本がこのベリンジャーの一打だった。8位はノーラン・アレナード(ロッキーズ)がサイクルヒットを決めたサヨナラ本塁打。4対5と1点をリードされた9回裏、アレナードが逆転スリーランを放ち、サイクルヒットとチームの勝利を同時に決めた。
7位にはスクーター・ジェネット(レッズ)の1試合4本塁打がランクイン。昨季まで通算35本塁打だった男が4本塁打10打点の大暴れを見せ、ルー・ゲーリッグ、ウィリー・メイズ、マイク・シュミットといった歴代のスラッガーたちと肩を並べた。6位はラファエル・ディバース(レッドソックス)がアロルディス・チャップマン(ヤンキース)から放った同点弾。時速103マイルの速球を逆方向へ叩き込む衝撃の一打だった。5位はジョシュ・ハリソン(パイレーツ)がリッチ・ヒル(ドジャース)のノーヒッターを打ち砕いたサヨナラ本塁打。9回までノーヒットに封じられていたパイレーツ打線だったが、10回裏先頭のハリソンが一発を放ち、試合に決着をつけた。なお、サヨナラ本塁打でノーヒッターが終了したのは史上初の出来事だった。
4位に選ばれたのはジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)。特定の本塁打が選ばれたわけではなく、59本塁打を放った今季のパフォーマンス全体が評価された形となった。3位はNLCS第2戦でジャスティン・ターナー(ドジャース)が放ったサヨナラ本塁打。1988年のワールドシリーズ第1戦でカーク・ギブソンがデニス・エカーズリーから伝説のサヨナラ本塁打を放ってから丸29年。その伝説を再現するような見事な一打だった。2位にはアーロン・ジャッジ(ヤンキース)が放った今季最長495フィートの特大本塁打がランクイン。あわやヤンキー・スタジアムの場外に飛び出すかという超ド級の一発だった。
そして、1位にはジョージ・スプリンガー(アストロズ)が選出された。ワールドシリーズでは効果的な一発を連発し、史上最多タイとなる5本塁打。なかでも第2戦の延長11回表に放った決勝ツーランは印象的な一打だった。第7戦ではダルビッシュ有をノックアウトする一発。第4戦から4試合連続本塁打を記録するなど、文句なしの活躍でワールドシリーズMVPに選出された。
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9人全員がクオリファイング・オファーを拒否
2017.11.17 11:25 Friday日本時間11月17日午前7時、クオリファイング・オファーを提示された選手の返答期限を迎え、9人全員がクオリファイング・オファーを拒否してフリーエージェント市場へ打って出ることを選択した。今後はフリーエージェントとなり、複数年契約を模索することになる。
今季のクオリファイング・オファーは年俸1740万ドルの1年契約。一昨年は3人、昨年は2人がクオリファイング・オファーを受諾したが、今季は大方の予想通り、9人全員がクオリファイング・オファーを拒否する結果となった。新労使協定によりクオリファイング・オファーを拒否した選手を獲得した際のペナルティが従来よりも軽くなり、好条件の契約を得られる可能性が高くなったことが影響していると見られる。
ランス・リンが拒否したカージナルス、ジェイク・アリエタとウェイド・デービスが拒否したカブスは彼らが他球団と契約した場合、契約規模に関係なく来年のドラフトで戦力均衡ラウンドBのあとに補償指名権を得る。カルロス・サンタナが拒否したインディアンス、アレックス・カッブが拒否したレイズ、グレッグ・ホランドが拒否したロッキーズ、エリック・ホズマー、マイク・ムスターカス、ロレンゾ・ケインの3人が拒否したロイヤルズは彼らが総額5000万ドル以上で他球団と契約した場合、来年のドラフトで1巡目と戦力均衡ラウンドAの間に補償指名権を得る。5000万ドル未満の場合は戦力均衡ラウンドBのあとに補償指名権を得ることになる。
また、これらの選手を他球団が獲得した場合、獲得した球団には来年のドラフト指名権やインターナショナル・ボーナス・プールに関するペナルティが課される。新労使協定では各球団の最高位のドラフト指名権は保護されることになっており、基本的なペナルティは「2番目に指名順の高いドラフト指名権とインターナショナル・ボーナス・プール50万ドル」となる。ただし、ぜいたく税の上限額を超過しているチームは「2番目と5番目に指名順の高いドラフト指名権とインターナショナル・ボーナス・プール100万ドル」になり、収益分配金を受け取る側のチームは「3番目に指名順の高いドラフト指名権」のみとなる。
クオリファイング・オファーの返答期限を迎えたことにより、フリーエージェント市場はいよいよ本格的にスタート。今後の動向に注目だ。
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MVP発表 アはアルトゥーベ ナは2ポイント差でスタントン
2017.11.17 10:48 Friday日本時間11月17日、今季の最優秀選手(MVP)が発表され、ア・リーグはホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)、ナ・リーグはジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)が選出された。ともに初受賞となったが、スタントンは2ポイント差という歴代4位の僅差での受賞だった。
アルトゥーベは153試合に出場して打率.346、24本塁打、81打点、32盗塁、OPS.957をマーク。2年連続3度目となる首位打者に輝き、4年連続でリーグ最多安打を記録したのは史上初の快挙だった(4年連続200安打もクリア)。主に3番打者として強打のアストロズ打線を牽引し、101勝を挙げて独走でア・リーグ西部地区を制したチームの快進撃に大きく貢献。MVP投票の対象外とはいえ、ポストシーズンでの活躍も見事だった。アストロズとしては1994年のジェフ・バグウェル以来23年ぶり2人目のMVP。二塁手では2008年のダスティン・ペドロイア(レッドソックス)以来9年ぶりのMVP受賞となった。なお、アルトゥーベは1位票を27票、2位票を3票獲得し、2位のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)に100ポイント以上の大差をつけて圧勝。3位はホゼ・ラミレス(インディアンス)、4位はマイク・トラウト(エンゼルス)、5位にはフランシスコ・リンドーア(インディアンス)がランクインしている。
大接戦となったのがナ・リーグだ。スタントンとジョーイ・ボットー(レッズ)が1位票を10票ずつ獲得。2位票と3位票でボットーより1票ずつ多く票を集めたスタントンがわずか2ポイント差でボットーを上回り、マーリンズの選手としては初めてのMVPに輝いた。スタントンは自己最多の159試合に出場し、打率.281、59本塁打、132打点、OPS1.007の好成績をマーク。6月にクローズド・スタンスを取り入れたのが功を奏し、後半戦だけで33本塁打を放った。最終的には本塁打と打点の二冠を獲得。「故障がなければ…」と言われ続けてきた男がようやくポテンシャルを開花させたシーズンだった。なお、2ポイント差は1979年のナ・リーグ(同率)、1941年のア・リーグ(1ポイント差)、1944年のナ・リーグ(1ポイント差)に次ぐ歴代4位の僅差。3位はポール・ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)、4位はノーラン・アレナード(ロッキーズ)、5位にはチャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)が名を連ねている。
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大型補強を実現させるトレード・ピースを持つカージナルス
2017.11.16 18:48 Thursdayカージナルスは今オフ、強打者とリリーバーの補強を目指している。ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)やアレックス・コロメイ(レイズ)の名前が獲得候補として取り沙汰されているが、カージナルスには彼らを獲得する大型トレードを実現させるだけのトレード・ピースがあるのだ。
コロメイは今季両リーグ最多の47セーブをマークして自身初となるセーブ王に輝いた。防御率1.91をマークしてオールスター・ゲームに選出された昨季と比べると全体的な数字は悪化してしまったが、メジャーで上位のクローザーであることは間違いない。また、スタントンは言うまでもなく、球界トップクラスの長打力を誇るスラッガーだ。この両選手を獲得できるようであればカージナルスの戦力は飛躍的に向上し、カブスと対等に戦うことも可能になるだろう。
そしてカージナルスには彼らの獲得を可能にするであろうトレード・ピースが豊富にある。アレックス・レイエス、サンディ・アルカンタラ、ジャック・フラハティらはすでにメジャーデビューを果たしており、将来性と即戦力性を兼ね備えた魅力的な有望株である。すでにメジャーで実績を残し始めているルーク・ウィーバーのほか、マイナーでプレイしているダコタ・ハドソンやライアン・ヘルスリーもトレード価値の高い若手投手だ。コロメイやスタントンの獲得のためなら、カージナルスはこれらの若手投手のうち一人、あるいは複数を放出することも辞さない構えである。
また、外野にも人材が溢れており、今季22本塁打のランドール・グリチックや昨季85打点のスティーブン・ピスコッティですら定位置を保証されていない状況だ。ハリソン・ベイダー、マグネウリス・シエラ、タイラー・オニールといった若手選手も出場機会をうかがっており、若手投手と外野手をセットにして放出する可能性もある。プロスペクトを多数抱えている球団はあれど、即戦力のトレード・チップをこれほど豊富に抱えている球団はカージナルス以外にはないのではないだろうか。
カージナルスが将来を多少犠牲にして補強に動くことを決断すれば、すぐにでも大型トレードがまとまる可能性がある(スタントンにはトレード拒否権の問題が残されているが)。ポストシーズン返り咲きを目指して大型補強に動くと見られているカージナルスの今後の動向から目が離せない。
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アスレチックス 右打ちの外野手の獲得を目指す
2017.11.16 17:35 Thursdayライオン・ヒーリーをマリナーズへ放出し、指名打者の枠を空けることに成功したアスレチックスは、守備に難を抱えるクリス・デービスをフルタイムの指名打者として起用すべく、右打ちの外野手を探している。デービッド・フォーストGMはトレードでの補強を検討しているようだ。
ブルペンの補強が今オフの最優先課題となっているアスレチックスだが、フォーストは外野手の補強を検討していることを認めている。「(外野手の補強は)我々が目指しているものの一つだよ。外野手を補強できればクリス(・デービス)をより多くの試合で指名打者として起用することができるからね」
ライトには今季25本塁打を放ったマット・ジョイスがおり、センターはダスティン・ファウラー、チャド・ピンダー、ブーグ・パウエル、マーク・キャナらがレギュラーを争うと見られている。デービスが指名打者に回ることによりレフトが空席となるため、そこを埋める右打者を補強したいというわけだ。デービスの長打力はアスレチックスの最大の武器の一つだが、彼の守備力、特に肩の弱さは大きな欠点となっている。デービスを指名打者として起用したいという判断は当然のことだろう。
サンフランシスコ・クロニクル紙が報じたところによると、アスレチックスはマーセル・オズーナ(マーリンズ)とアビサイル・ガルシア(ホワイトソックス)をトレードのターゲットとしているという。オズーナの獲得には大きな対価が必要であると見られており、ガルシアが現実的なターゲットとなるだろう。今季のガルシアは打率.330、18本塁打、80打点、OPS.885の好成績をマークしてオールスター・ゲームに初選出されるなど、自己最高のシーズンを過ごした。しかし、再建中のホワイトソックスの長期計画には入っていない可能性が高く、今オフ中の放出が噂されている。ホワイトソックスでは主にライトを守っているが、レフトを守ることも可能だ。
MLB.comのジェーン・リーはその他の獲得候補としてスティーブン・ピスコッティ(カージナルス)、アダム・デュバル(レッズ)、ニコラス・カステヤーノス(タイガース)、マイキー・マートゥック(タイガース)、クリント・フレイジャー(ヤンキース)、ライアン・ルア(レンジャーズ)の6人をリストアップ。オズーナやガルシアも含め、この中からアスレチックスに加わる選手は現れるのだろうか。
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2007年サイ・ヤング賞右腕のピービーが現役復帰を検討中
2017.11.16 16:24 ThursdayMLB.comのマーク・フェインサンドが報じたところによると、パドレス時代の2007年に投手三冠王(最多勝・最優秀防御率・最多奪三振)に輝きサイ・ヤング賞を受賞したジェイク・ピービーが2年ぶりの現役復帰を目指しているようだ。
ピービーが最後にメジャーでプレイしたのは2016年。この年はジャイアンツで21先発を含む31試合に登板したが、5勝9敗、防御率5.54というキャリアワーストの成績に終わり、シーズン終了後にフリーエージェントとなった後はどの球団とも契約せず、実質的な引退状態となっていた。来年5月に37歳となるが、2014年には202回2/3を投げて防御率3.73、翌2015年も110回2/3止まりながら防御率3.58をマークしており、先発ローテーションの5~6番手を担う実力がまだ残っている可能性は十分にある。
2002年にパドレスでメジャーデビューを果たし、メジャー3年目の2004年に防御率2.27をマークして最優秀防御率のタイトルを獲得。それから3年後の2007年には19勝6敗、防御率2.54、240奪三振の見事な活躍でサイ・ヤング賞に輝いた。2003年からの6年連続を含め、通算8度の2ケタ勝利をマークし、メジャー15シーズンで通算152勝。2008年を最後に防御率2点台のシーズンはなく、全盛期は比較的短かったが、技術と経験を武器に生き残ってきた右腕だ。
1年のブランクがある36歳の右腕にメジャー契約を提示する球団は存在しないと見られており、現役復帰を目指す場合はマイナー契約からのスタートが濃厚。しかし、ピービーがマイナー契約を受け入れるかどうかは現時点では明らかになっていない。全盛期を過ごしたパドレスなど、再建が完了するまでのいわば「つなぎの選手」を探している球団にはフィットするはずであり、そうした球団とマイナー契約を結び、オープン戦で実力をアピールして開幕ロースター入りを勝ち取るのがメジャー復帰に向けての現実的なルートではないだろうか。
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パイレーツ ご当地選手・ウォーカーの呼び戻しを検討か
2017.11.16 15:20 Thursdayピッツバーグ生まれ、ピッツバーグ育ちのご当地選手、ニール・ウォーカーがパイレーツに戻ってくるかもしれない。MLB.comのジョン・ポール・モロシによると、パイレーツはウォーカーを呼び戻すことに興味を示しているようだ。パイレーツは姜正浩(カン・ジョンホ)の動向が不透明な状況であり、内野手の補強を検討している。
ウォーカーは2004年のドラフトでパイレーツから全体11位指名を受けてプロ入りし、2009年にメジャーデビュー。2015年までの7シーズンを地元・パイレーツの一員として過ごした。2015年オフにジョン・ニースとのトレードでメッツへ放出され、昨オフはクオリファイング・オファーを受諾してメッツに残留。今季はメッツが優勝争いから脱落したこともあり、8月中旬にブリュワーズへトレードされた。今季成績は111試合に出場して打率.265、14本塁打、49打点、OPS.801。パイレーツの野手でウォーカーを上回るOPSをマークしたのはアンドリュー・マカッチェンしかいない。
パイレーツは飲酒運転による事故によって就労ビザが発行されず、今季を全休することになった姜の戦列復帰を期待しつつも、姜がいない前提でのチーム作りを進めている。ニール・ハンティントンGMは「姜が入国できるなら、それは我々にとってボーナスだ。もし彼が入国できなくても、我々は何も失わない」とコメント。現状では二塁にジョシュ・ハリソン、三塁にデービッド・フリーズが入る今季同様の布陣が有力だが、ウォーカーが復帰すれば、ウォーカーが二塁に入り、ハリソンが三塁、フリーズは一塁と三塁の控えに回ることになるだろう。
もちろん、姜の動向次第という部分もあり、ウォーカーのパイレーツ復帰にどれくらいの実現可能性があるかは微妙なところ。現時点で予想される2018年の年俸総額がすでに球団新記録となる1億300万ドルに達しており、資金面での問題もある。しかし、ピッツバーグで生まれ育ったご当地選手が復帰となれば、ピッツバーグのファンたちが盛り上がることは間違いなさそうだ。
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パドレス ホズマーに関心も最優先は投手補強
2017.11.16 14:24 Thursday再建中のパドレスはフリーエージェント市場を幅広く眺めている。すでに50人近くのフリーエージェント選手をチェック済みだと報じられているが、その中には今回のフリーエージェント市場で最高の一塁手であるエリック・ホズマーも含まれているようだ。しかし、あくまでも最優先課題は投手の補強である。
パドレスがホズマーの獲得に興味を持っているという情報を最初に伝えたのはMLBネットワークのケン・ローゼンタールだ。今季は打率.318、25本塁打、94打点、OPS.882の好成績をマークし、シルバースラッガー賞とゴールドグラブ賞をダブル受賞。間違いなく今回のフリーエージェント市場で最高の一塁手であり、レッドソックスなどが獲得に興味を持っているとの情報もある。今年10月に28歳の誕生日を迎えたばかりであり、2019年以降の優勝争いを目指しているパドレスにフィットしない選手ではない。
しかし、パドレスの一塁には昨オフに6年8300万ドルという球団史上最高額で契約を延長したウィル・マイヤーズがいる。もちろん、マイヤーズを外野に戻して一塁を空けることも可能だが、ホズマーの獲得には1億ドル以上の契約を要することが確実であり、パドレスがどこまでホズマー獲得に本気であるかは微妙なところだ。
ホズマー獲得に動くにせよ、撤退するにせよ、パドレスの今オフの最優先課題が投手であることに変わりはない。A.J.プレラーGMは少なくとも2人、計算できる先発投手を獲得したいとの方針を明らかにしている。今季チーム最多の13勝をマークしたヨーリス・チャシーンとの再契約も一つの選択肢となるはずだ。また、ブルペンの補強も行う予定である。
フロリダ州オーランドで行われているGM会議に出席しているプレラーは、今後に向けての情報収集を中心に精力的に活動した。「残りのオフシーズンのために、より多くの情報を仕入れている。全30球団の状況を把握し、彼らの関心を知る必要があるんだ。有意義な時間だったよ」と手応えを感じた様子のプレラー。情報収集を終えたプレラーの今後の動きに注目したい。
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マリナーズの一塁手が決定 トレードでヒーリーを獲得
2017.11.16 12:57 Thursdayダニー・バレンシアとヨンダー・アロンゾがフリーエージェントとなり、一塁手探しを進めていたマリナーズ。日本時間11月16日、マリナーズはエミリオ・パガーンとアレクサンデル・カンポスの2選手を放出し、アスレチックスからライオン・ヒーリーを獲得するトレードを成立させて一塁手の補強を完了した。
マリナーズのジェリー・ディポートGMはトレードを積極的に仕掛ける人物として知られているが、今オフのトレード第一弾は一塁手補強だった。今季メジャーデビューを果たして防御率3.22と好投した救援右腕のパガーンとマイナーリーガーのカンポスをアスレチックスへ放出し、今季25本塁打のヒーリーを獲得。ディポートはヒーリーをフルタイムの一塁手として起用する方針を明らかにしており、マリナーズの一塁手補強は早くも完了した。
「我々は一塁手を長い間固定することができていなかった。ライオン(・ヒーリー)がこの問題を解決してくれることを期待している。彼は右打席でパワーを発揮する攻撃的な選手だからね」とディポートはヒーリーの活躍に期待を寄せた。
ヒーリーはまだメジャー2年目を終えたばかりであり、少なくともあと2年は最低保証年俸に近い金額で雇うことができる。また、プラトーン要員の一塁手を用意する必要がなくなり、ロースター枠の面でも余裕ができた。資金とロースター枠の両面で余裕が生まれたことにより、ディポートはさらなる補強に動くことが可能になったというわけだ。ディポートは「このトレードは我々にとって、他のエリアへのフレキシビリティを生んでくれた。他にも補強すべきポジション(外野手と投手)があるから、このトレードによって生まれたフレキシビリティは大きいよ」と今回のトレードの戦力面以外での効果を強調する。
一方、アスレチックスにとってもメリットのあるトレードとなった。マット・オルソンとマット・チャップマンの台頭によりヒーリーは指名打者に追いやられていたが、ヒーリーを放出したことにより、守備に難を抱える主砲のクリス・デービスを指名打者として起用することができるようになった。さらに、メジャーで通用する実力があることを証明した若手右腕のパガーンを手に入れることもできた。同地区に所属する両球団の思惑が見事に一致したトレードと言えそうだ。
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カージナルス ファウラーを外野両翼へコンバートか
2017.11.16 12:38 Thursdayセントルイス・ポスト・ディスパッチ紙によると、カージナルスのジョン・モゼリアック野球部門社長は先日、正中堅手のデクスター・ファウラーと会うためにラスベガスを訪れ、センターから外野の両翼へコンバートする可能性について話し合ったようだ。
モゼリアックはチームがファウラーをトレードする意思が全くないことを直接ファウラー本人に伝えたかったと言われている。また、チームが守備力の向上を目指しており、そのためにファウラーのコンバートを考えていることを理解してもらうために直接ファウラーと話し合う機会を設けたようだ。
「私はファウラーと顔を合わせて会いたかったんだ」とモゼリアック。「彼がチームにいてくれるのは嬉しい。今後起こりうることについて、私が彼に話すより先にどこかで聞いたり読んだりしてほしくなかったんだ。我々がトレードを考えている対象ではないことを知っておいてもらいたかった。そして、今季と異なるポジションでプレイすることを頼む可能性があることを理解してもらいたかった」とファウラーのもとを訪れた理由を明らかにした。
5年8250万ドルの大型契約でカージナルスに加入した今季、ファウラーは故障の影響もあって118試合のみの出場にとどまったが、18本塁打と64打点は自己ベストを更新。OPS.851も自己2番目の数字と、打撃面では上々の成績をマークした。しかし、センターの守備では昨季+1まで改善されたDRS(守備防御点)が今季は再び-18へと急降下。チームが守備力向上を目指すなかで大きな穴となっていた。
カージナルスには好守を誇るトミー・ファムがおり、ファムをセンターに据えてファウラーを外野の両翼どちらかへ移す可能性が高い。しかし、ファウラーはセンター以外のポジションを守った経験がほとんどなく、メジャーではデビューイヤーの2008年にライトを1イニング守っただけ。マイナーでもプロ1年目の2005年にライトを4イニング守っただけである。
また、カージナルスはトレードでジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)の獲得を目指していることが報じられており、来季のファウラーのポジションは補強の進捗を見ながら最終的に決定されることになりそうだ。
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敏腕代理人・ボラス「ハーパーの契約延長はナショナルズ次第」
2017.11.16 11:34 Thursday2018年シーズンはブライス・ハーパーにとってナショナルズとの契約最終年となる。ハーパーの代理人を務めるスコット・ボラスによると、ハーパー側とナショナルズの間で契約延長についての交渉は現時点では行われていないようだ。
今オフ中に契約延長交渉を行う可能性について問われたボラスは「それはナショナルズ次第だろうね」と語るにとどめた。ハーパーは2018年シーズン終了後にフリーエージェントとなる見込みだが、ハーパーのようなスーパースターが26歳という若さでフリーエージェント市場に出ることは非常に稀であり、どのような契約が締結されるのか大きな注目を集めている。2014年にジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)が手にした13年3億2500万ドルという超大型契約を上回り、史上最大規模の契約が成立することが確実視されている。
ナショナルズのマイク・リゾーGMは「我々はブライス(・ハーパー)とともにもう1年戦うことができる。将来、彼はチームにいるかもしれないし、いないかもしれない。彼は球界でベストの選手の一人なのだから、彼が来季もチームにいてくれるのはとても嬉しいよ」と語ったが、契約延長交渉を行う可能性については言及を避けた。ハーパーは故障さえなければ超一流の成績を残せることをすでに証明しており、ボラスが代理人を務めているということもあって契約延長交渉は一筋縄ではいかないだろう。
もう一人、ナショナルズが契約延長に向けて動く可能性があるのがアンソニー・レンドンである。レンドンがフリーエージェントとなるのは早くても2019年シーズン終了後だが、すでに年俸調停2年目を迎えており、フリーエージェントを遅らせるような形での契約延長を行う可能性はある。ボラスはレンドンの契約延長交渉が開始されていないことを明言しているが、今オフのどこかで交渉が開始される可能性は高そうだ。リゾーGMは「我々は彼をドラフトで指名し、育ててきた。そして彼はチームによく貢献してくれている」とレンドンについて語った一方、「彼がチームにいてくれるなら嬉しいけど、契約延長交渉は双方向のものだからね」と慎重な姿勢を見せた。
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クルーバーが2度目、シャーザーが3度目のサイ・ヤング賞
2017.11.16 11:03 Thursday日本時間11月16日、今季のサイ・ヤング賞受賞者が発表され、ア・リーグはコリー・クルーバー(インディアンス)、ナ・リーグはマックス・シャーザー(ナショナルズ)が選出された。クルーバーは2014年以来3年ぶり2度目、シャーザーは昨季に続いて2年連続3度目の受賞となった。
1位票28票(満票は30票)を獲得したクルーバーはクリス・セール(レッドソックス)に大差をつけ、3年ぶりのサイ・ヤング賞に輝いた。今季は開幕から調子が上がらず、5月に故障者リスト入りした時点での防御率は5.06。しかし、復帰後の23先発では防御率1.62、被打率.175という圧巻のパフォーマンスを見せ、最終的には最多勝(18勝)と最優秀防御率(2.25)の二冠を獲得した(勝利数はリーグ最多タイ)。サイ・ヤング賞を複数回受賞した投手は史上19人目であり、インディアンスの投手としては史上初の快挙である。2位はセール、3位にはルイス・セベリーノ(ヤンキース)が入り、4位以下はカルロス・カラスコ(インディアンス)、ジャスティン・バーランダー(アストロズ)、クレイグ・キンブレル(レッドソックス)、アービン・サンタナ(ツインズ)、マーカス・ストローマン(ブルージェイズ)の順となった。
シャーザーは1位票27票を獲得し、クレイトン・カーショウ(ドジャース)に大差をつけて2年連続の受賞となった。初のサイ・ヤング賞はタイガース時代の2013年に受賞しており、ナ・リーグでは2度目の受賞。2年連続でサイ・ヤング賞を受賞したのは史上10人目であり、通算3度の受賞も同じく史上10人目の快挙となっている。今季のシャーザーは勝利数(16勝)と防御率(2.51)ではカーショウの後塵を拝したものの、リーグで7人しかいない200イニングをクリアし(200回2/3。カーショウは175回)、268奪三振はリーグ断トツ。質と量が伴ったパフォーマンスが評価された格好だ。2位はカーショウ、3位にはスティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)が名を連ね、4位以下はザック・グレインキー(ダイヤモンドバックス)、ケンリー・ジャンセン(ドジャース)、ジオ・ゴンザレス(ナショナルズ)、ロビー・レイ(ダイヤモンドバックス)、ジェイコブ・デグロム(メッツ)、ジミー・ネルソン(ブリュワーズ)、アレックス・ウッド(ドジャース)という顔ぶれになった。
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2017.11.15 18:41 Wednesday今季の新人王にはアーロン・ジャッジ(ヤンキース)とコディ・ベリンジャー(ドジャース)が選出されたが、MLB公式サイトではジョナサン・マヨが早くも来季の新人王候補を紹介している。メジャー挑戦が決定した大谷翔平(北海道日本ハム)も有力候補の一人に挙げられている。
マヨは来季の新人王候補として両リーグから各5名を選出。その他に注目すべき選手として数名の名前を挙げている。その中に大谷の名前はないが、記事の中で「日本の二刀流スター選手は近い将来、ポスティング・システムを利用してメジャーへ移籍し、開幕日にはメジャーのロースターに加わっているだろう。どちらのリーグに所属したとしても、新人王のフロントランナーとなるに違いない」と紹介されている。
ア・リーグの新人王候補に挙げられたのはウィリー・アダメス(レイズ)、フランクリン・バレット(アスレチックス)、ウィリー・カルフーン(レンジャーズ)、ブレント・ハニーウェル(レイズ)、フランシスコ・メヒア(インディアンス)の5名。特にアダメス、バレット、カルフーンの3名はレギュラーとして起用される可能性があり、有力候補と言えるだろう。カルフーンはダルビッシュ有とのトレードでドジャースからレンジャーズへ移籍した有望株である。また、その他に注目すべき選手としてはチャンス・アダムス(ヤンキース)、ジェイク・バウアーズ(レイズ)、ニック・ゴードン(ツインズ)、マイケル・コペック(ホワイトソックス)、ホルヘ・マテオ(アスレチックス)、フランクリン・ペレス(タイガース)、グレイバー・トーレス(ヤンキース)の7名が挙げられている。
一方、ナ・リーグの新人王候補に挙げられたのはロナルド・アクーナ(ブレーブス)、ルイス・ブリンソン(ブリュワーズ)、ウォーカー・ビューラー(ドジャース)、ジャック・フラハティ(カージナルス)、ビクトル・ロブレス(ナショナルズ)の5名。なかでも今季のマイナー最優秀選手に選出されたアクーナに注目だ。まだ19歳(来月20歳の誕生日を迎える)ながらすでにAAA級に到達し、今季はA+級、AA級、AAA級の3階級合計で139試合に出場して打率.325、21本塁打、82打点、44盗塁、OPS.896の好成績をマーク。AAA級でも打率.344、OPS.940と結果を残しており、オープン戦でのパフォーマンス次第では即レギュラーとなってもおかしくないくらいの逸材だ。なお、その他に注目すべき選手としてはホルヘ・アルファーロ(フィリーズ)、クリスチャン・アローヨ(ジャイアンツ)、ハリソン・ベイダー(カージナルス)、J.P.クロフォード(フィリーズ)、スコット・キンガリー(フィリーズ)、タイラー・マーリー(レッズ)、タイラー・オニール(カージナルス)、ニック・センゼル(レッズ)、ジェシー・ウィンカー(レッズ)の9名が挙げられている。
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2017.11.15 17:50 Wednesdayポストシーズンではリリーバーとして大車輪の働きを見せた前田健太(ドジャース)だが、ブルペンの一員として来季の開幕を迎える可能性は低そうだ。ドジャースのファーハン・ザイディGMは前田を来季も引き続き先発投手として起用するつもりであることを明言した。
フロリダ州オーランドで行われているGM会議に出席しているザイディは「我々は今もなお、彼(=前田)のことを先発投手と見なしているよ」と語り、来季も引き続き先発ローテーションの一角を任せる方針であることを明らかにした。「そのために我々は彼と契約したんだからね。我々は162試合分の先発投手を見つけなければならない。この2年間、彼は多くの試合で先発してくれたし、しっかり役割を果たしてくれた。我々にとって貴重な存在だよ」
前田は今季25先発を含む29試合に登板して13勝6敗、防御率4.22をマーク。チーム方針により早いイニングで降板することが多く、クオリティ・スタートは25先発で5回止まりだったが、奪三振率や与四球率はメジャー1年目の一昨年より向上した。被本塁打が増え、防御率は4点台となってしまったが、リリーフに回った時期があったにもかかわらず25先発はチーム2位タイの数字であり、計算できる先発投手として首脳陣からは一定の評価を得ている。
前田がポストシーズンで見せたリリーバーとしての働きは文句なし。10回2/3を投げて失点はわずか1点のみだった。ザイディも「ポストシーズンのような短期決戦において、前田が大きな武器となることを知ることができたのは良かった。今後のポストシーズンでも期待できる」と語っており、来季以降もポストシーズンではリリーフに回ることがあるかもしれない。ザイディは「選手の起用法を変えるときには常に多少の不確定要素が付きまとうものだ。しかし、彼は配置転換に見事に適応してくれた。彼にそうした能力があるということを知れて良かったよ」と前田の適応能力を絶賛していた。
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