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ジャイアンツ・ボウチー監督 通算成績が「1995-2019」に
2019.9.11 10:45 Wednesday今季限りでの退任を発表しているブルース・ボウチー監督(ジャイアンツ)は、1995年からメジャーリーグの監督を務めているが、ボウチーのように長期にわたって監督を務めていれば、不思議な事態に何度も直面するものである。日本時間9月11日の試合開始前の時点でボウチーの監督としての通算成績が1995勝2019敗となり、話題となっている。
ボウチーは1995年にパドレスの監督に就任し、メジャーリーグの監督としてのキャリアをスタートした。パドレスでは1996年、1998年、2005年、2006年と4度の地区優勝を経験し、1998年にはリーグ優勝を果たしてワールドシリーズにも進出。1996年は最優秀監督賞を受賞した。2007年からは同地区のジャイアンツに移り、2010年と2012年に地区優勝、2014年と2016年にワイルドカードでポストシーズンに進出。2010年、2012年、2014年と1年おきに3度にわたってワールドシリーズ制覇を成し遂げた。
よって、ボウチーがメジャーリーグの監督を務めた期間は1995年から2019年までの25年間。その期間を表す「1995-2019」と監督としての通算成績を表す「1995-2019」がピッタリ一致し、大きな話題となっているのである。ジャイアンツは日本時間9月11日にパイレーツとの試合が予定されているため、数時間後にはこの一致は解消されてしまうが、珍しい出来事であることに変わりはない。
なお、ボウチーはあと5勝で史上11人目となる監督通算2000勝を達成する。過去の達成者10人はいずれもアメリカ野球殿堂入りを果たしており、ボウチーもいずれ殿堂入りの栄誉に浴することになるだろう。ボウチーは通算勝率5割未満で監督としてのキャリアを終えることが濃厚だが、それも殿堂入りへの障壁とはならない。コニー・マック(通算3731勝3948敗)とバッキー・ハリス(通算2158勝2219敗)は通算勝率が5割を下回っているにもかかわらず、殿堂入りを果たしているからだ。リーグ優勝4回、ワールドシリーズ制覇3回という実績が、ボウチーの殿堂入りを後押しすることになるはずだ。
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カブス・ホーナー 2018年ドラフト組でメジャー昇格一番乗り
2019.9.10 12:50 Tuesday昨年のドラフトでカブスから1巡目(全体24位)指名を受けてプロ入りしたニコ・ホーナーが、2018年ドラフト組では一番乗りとなるメジャー昇格を果たした。正遊撃手のハビアー・バイエズとその代役を務める予定だったアディソン・ラッセルが故障により欠場するなか、ホーナーは日本時間9月10日に敵地ペトコ・パークで行われているパドレス戦に「6番・遊撃」で先発出場し、2回表の第1打席で記念すべきメジャー初安打を放った。
遊撃手に故障者が相次いでいるカブスは、チームのナンバーワン有望株をメジャーへ昇格させることを決断した。正捕手のウィルソン・コントレラスが「彼はこのチームの心臓だ」と語るバイエズが左手親指の亀裂骨折で戦列を離れ、代役として遊撃に入ったラッセルは日本時間9月9日のブリュワーズ戦で頭部死球を受けて途中交代。ユーティリティのデービッド・ボーティやベテランのベン・ゾブリストなど、他にも遊撃を守れる選手はいるものの、カブスはホーナーのメジャー昇格を選択した。
プロ1年目の昨季は左肘の故障もあってマイナー3階級合計で14試合しか出場できなかったが、限られた出場機会のなかで打率.327、OPS1.021の好成績をマーク。AA級でスタートした今季も4月下旬に死球を受けて左手首を亀裂骨折し、6月下旬まで欠場が続いたものの、7月の116打席で打率.229に終わったあと、8月以降の119打席では.321の高打率を残した。今季マイナーではAA級で70試合、ルーキー級で5試合に出場し、合計で打率.292、OPS.752をマーク。AA級での最後の8試合では、6度のマルチヒットを記録するなど、39打席で打率.378、わずか2三振という素晴らしい活躍を見せた。
AAA級にはザック・ショートという若手遊撃手もいたが、カブス首脳陣はショートよりもホーナーのほうがメジャーでの活躍が期待できると判断。また、4年間のメジャー経験があるディクソン・マチャドもAAA級に在籍しているが、故障によりメジャー昇格のチャンスを逃す形となった。
「まさか今日プレイすることになるとは思わなかった」と予想外のメジャー昇格に驚いた様子を見せたホーナー。「ここ(=メジャー)よりも良い場所はないからね」と語るメジャーの舞台でどのようなプレイを見せるか注目したい。
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週間最優秀選手はレイズ・メドウズとDバックス・マーテイ
2019.9.10 11:55 Tuesday日本時間9月10日、メジャーリーグ機構は2019年レギュラーシーズン第24週の週間最優秀選手を発表し、ア・リーグはオースティン・メドウズ(レイズ)、ナ・リーグはケテル・マーテイ(ダイヤモンドバックス)が選出された。両選手とも今季は大ブレイクのシーズンを過ごしており、メドウズは今季2度目、マーテイは自身初の受賞となった。
メドウズは、7試合に出場して打率.522、4本塁打、8打点、出塁率.593、長打率1.130の好成績をマークし、開幕直後の第3週に続いて今季2度目(通算2度目)の週間最優秀選手に選出された。昨季メジャーデビューを果たしたメドウズは、昨季途中にトレードでレイズに加入し、今季は開幕からレギュラーとして活躍。ここまで122試合に出場して打率.288、28本塁打、78打点、10盗塁、OPS.911と期待以上の成績を残している。今季、週間最優秀選手に選出されたレイズの選手は、メドウズとネイト・ロウの2人だけである。
一方のマーテイは、好調・ダイヤモンドバックスを牽引する存在の1人となっており、第24週は6試合に出場して打率.542、4本塁打、14打点をマーク。ダイヤモンドバックスでは、ニック・アーメッドとエドゥアルド・エスコバーに続いて今季3人目の週間最優秀選手受賞者となった。昨季まではメジャー4年間で通算22本塁打の非力な打者だったマーテイだが、今季はすでに32本塁打と一気に長打力が開花。ナ・リーグ最多となる178安打を放つなど、主に二塁とセンターの2ポジションをこなしながらも、打率.328、32本塁打、91打点、OPS.982という素晴らしい成績を残している。
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Rソックスがドンブロウスキー野球部門社長の解任を発表
2019.9.9 18:55 Monday日本時間9月9日、レッドソックスはデーブ・ドンブロウスキー野球部門社長を解任したことを発表した。本拠地フェンウェイ・パークで行われたヤンキース戦に5対10で敗れたあと、試合終了の約10分後に広報のケビン・グレッグがメディアに対して今回の人事を発表。球団からの正式発表は日本時間9月10日に行われる見込みとなっている。
今季76勝67敗でワイルドカード2位のアスレチックスに8ゲーム差をつけられているレッドソックスは、昨季のワールドシリーズ覇者であるにもかかわらず、ポストシーズン進出が絶望的な状況となっている。アレックス・コーラ監督は「知ったばかりだけど驚いたよ。正直に言ってショックだった。今はそれ以上のことは言えないけどね」とコメント。レッドソックスの選手たちも指揮官と同様に驚いた様子を見せたが、今季の不甲斐ない戦いの責任を取らされたと見るのが自然な流れだろう。今季の残りについては、ドンブロウスキーの下でGM補佐を務めたエディ・ロメロ、ブライアン・オハローラン、ザック・スコットの3人がドンブロウスキーに代わってリーダーシップを執る予定となっている。
ドンブロウスキーは、2015年8月にレッドソックスへ迎えられ、才能豊かな選手が揃うチームを勝利へ導くことを義務付けられた。レッドソックスは翌2016年から3年連続で激戦のア・リーグ東部地区を制し、昨年はワールドシリーズ制覇を成し遂げたが、今季は予想外の低迷。レッドソックスはチームを頂点へ導いたドンブロウスキーと袂を分かち、次のステージへ進むことを選択した。
昨オフのレッドソックスは、ワールドシリーズを制した選手たちのうち、ブルペンの主力だったクレイグ・キンブレル(現カブス)とジョー・ケリー(現ドジャース)をフリーエージェントで放出。一方で、ネイサン・イバルディを4年6800万ドル、スティーブ・ピアースを1年625万ドルで引き留めたが、残留したこの2選手は今季の大部分を故障で欠場し、ドンブロウスキーの期待を裏切った。また、エース左腕のクリス・セールと5年1億4500万ドル、正遊撃手のザンダー・ボガーツと6年1億2000万ドルの大型契約を結んだのもドンブロウスキーである。
今後のレッドソックスは、次代のチーム作りに向けて難しい選択を強いられることになる。2018年ア・リーグMVPのムーキー・ベッツが来季終了後にフリーエージェントとなるものの、レッドソックスとの長期契約に消極的で、フリーエージェント市場で自身の価値を試す意向を示しているからだ。ドンブロウスキーの後釜として迎えられる人物は、ベッツのトレードも含め、困難なタスクを担うことになりそうだ。
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ツインズ・ピネイダが禁止薬物使用により60試合出場停止
2019.9.8 10:25 Sunday日本時間9月8日、コミッショナー事務局はツインズの先発右腕、マイケル・ピネイダに60試合の出場停止処分を科したことを発表した。ピネイダは薬物検査の結果、ヒドロクロロチアジドに陽性反応を示し、メジャーリーグの薬物規定に違反したという。今回の出場停止処分は直ちに適用され、ピネイダはレギュラーシーズンの残り試合とポストシーズンへの出場が不可能となった。
ツインズは「マイケル・ピネイダがメジャーリーグの薬物規定に違反して出場停止処分を受けたことを知り、落胆しています。我々は禁止薬物を球界から排除しようとするメジャーリーグのポリシーを尊重します」との声明文を発表。ロッコ・バルデリ監督は「彼を失うのは、間違いなく大打撃だよ。彼はフィールドの内外でチームにとって大切な戦力だったからね」と率直な心情を吐露した。
メジャーリーグの薬物規定によると、選手側に全く過失がないことが認められれば、出場停止処分は軽減される。MLBネットワークのケン・ローゼンタールは、当初、ピネイダには80試合の出場停止処分が科される予定だったものの、ピネイダの異議申し立てが認められ、出場停止処分が80試合から60試合に軽減されたことを伝えている。
トミー・ジョン手術からの復帰1年目となった今季、ピネイダはここまで26試合に先発して11勝5敗、防御率4.01をマーク。特に後半戦は9試合に先発して5勝1敗、防御率3.06という安定した成績を残していただけに、レギュラーシーズンの残り試合、そしてポストシーズンの戦いに向けて、ピネイダの離脱はツインズにとって小さくないダメージとなるだろう。
今季のツインズは、ここまでの141試合のうち、8試合を除いてホゼ・ベリオス、カイル・ギブソン、マーティン・ペレス、ピネイダ、ジェイク・オドリッジの5人が先発してきたが、今後はピネイダの穴を若手投手で埋めなければならない。今季デビュー組のルイス・ソープ、デビン・スメルツァー、ランディ・ドブナックといった投手たちが、今まで以上に大きな役割を担うことになりそうだ。
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カブスに大打撃 正遊撃手・バイエズが左手親指骨折で離脱
2019.9.8 10:05 Sundayナ・リーグ中部地区の2位につけ、2.5ゲーム差で首位カージナルスを追うカブスに大打撃だ。日本時間9月8日、カブスのスター遊撃手、ハビアー・バイエズがシカゴでMRI検査を受けた結果、左手親指の亀裂骨折が判明した。熾烈な地区優勝争いが続くなか、カブスはスター遊撃手を欠いた状態での戦いを強いられることが確実となった。
2日前、カブスは戦列復帰を果たしたベン・ゾブリストとウィルソン・コントレラス、コンディションに不安を抱えていたクリス・ブライアントとバイエズが全員スタメンに名を連ね、ようやくベストメンバーが組める状態となっていた。しかし、試合開始前の打撃練習中にバイエズが左手の痛みを訴えてスタメンを外れ、検査の結果、亀裂骨折が判明。バイエズは日本時間9月10日に専門家の診察を受け、復帰までのタイムテーブルが明らかになる見込みだが、カブスはバイエズ復帰までの間、デービッド・ボーティとゾブリストを起用して遊撃に空いた穴を埋めることになりそうだ。
今季のバイエズは、ここまで133試合に出場して打率.281、29本塁打、85打点、11盗塁、OPS.848をマーク。守備面でもDRS(守備防御点)+15を記録し、攻守両面でチームに不可欠な存在となっていた。また、正一塁手のアンソニー・リゾーが「彼は驚くようなプレイをやってのけるし、チームを盛り立ててくれる存在なんだ」と語るように、チームの盛り上げ役も担っており、バイエズの離脱によるダメージの大きさは計り知れない。
クレイグ・キンブレルが右肘の炎症で故障者リスト入りするなど、今季は最後の最後まで故障者発生に苦しまされることになったカブス。リゾーは「オールスター選手、ましてやMVP候補になるような選手を故障で欠くのは、チームにとって簡単なことではない」と本音を漏らしたが、「だからと言って降参するわけにはいかない。僕たちは戦い続けるしかないんだ」と残り試合に向けて言葉に力を込めた。
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元トップ・プロスペクトのハルツェン ついにメジャー昇格へ
2019.9.7 12:30 Saturday2011年のドラフトでゲリット・コール(現アストロズ)に続く全体2位でマリナーズに指名された男が、数多くのハードルを乗り越えて、ついにメジャー昇格の瞬間を迎えた。29歳の左腕、ダニー・ハルツェン(カブス)が日本時間9月8日にAAA級アイオワからメジャー昇格を果たし、敵地ミラー・パークで行われるブリュワーズ戦でチームに合流することが明らかになった。
ハルツェンの名前は、2011年のドラフトでカブスが誇るスター選手、ハビアー・バイエズの7つ前に呼ばれた。ハルツェンより先に指名を受けたのは、コールただ1人だった。ハルツェンに次ぐ全体3位ではトレバー・バウアー(現レッズ)が指名され、アンソニー・レンドン(全体6位:ナショナルズ)、フランシスコ・リンドーア(全体8位:インディアンス)、ジョージ・スプリンガー(全体11位:アストロズ)、ブレイク・スネル(全体52位:レイズ)らも、この年のドラフトで指名を受けている。
そんな大豊作のドラフトで全体2位指名という高評価を受けたハルツェンは、完成度の高さを評価され、プロ入り翌年の2012年には早くもAAA級に到達していた。しかし、肩の故障により複数回の手術を受け、2014年と2017年は全休。2013年はマイナーで7試合、2015年は同3試合、2016年は同2試合しか投げられなかった。
マリナーズに見切りをつけられ、2018年2月にマイナー契約でカブスに加入。コンディション調整を優先しつつ、昨季はマイナーで10試合に登板し、今季はAAA級アイオワで14試合(すべてリリーフ)に登板して14回1/3を投げ、防御率1.26、奪三振23、与四球9の好成績をマーク。その活躍を評価され、プロ入りから8年以上の時を経て、ついにメジャーへの切符を手にした。
プロ入り2年目の2012年の時点で、AA級で13試合に先発して8勝3敗、防御率1.19の好成績をマークしていたハルツェン。29歳の元トップ・プロスペクトがメジャーでどのようなピッチングを見せてくれるのか注目したい。
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MLB ROAD SHOW 2019 in OSAKA
2019.9.6 14:31 Fridayメジャーリーグベースボールジャパン(Major League Baseball Japan)は、アジア・南米・ヨーロッパなど世界中で展開しているベースボールフェスティバル「MLB ROAD SHOW 2019 in OSAKA」を2019年9月7日(土)、8日(日)の2日間、グランフロント大阪にて開催いたします。
イベント開催中の2日間、豪華ゲストとして中村紀洋氏(予定)が登場し、MLB解説者としておなじみのAKI猪瀬氏と共にトークショーを実施いたします。(2017年度実施写真)
本イベントでは、MLBにまつわるグッズを展示する「MLBミュージアム」や野球が初めてのお子さまにもお楽しみいただける盛りだくさんのアトラクションを設置し、メジャーリーグベースボールの凄さ、楽しさを「リアル」に体感いただけます。令和初となる今年度は、令和を躍進するスター選手のフォトスポットが初登場し、各時代を代表するMLB選手をお楽しみいただけます。
今年度は、大阪会場を皮切りに福岡・岩手での開催を予定しております。MLBファンの方だけではなく、多くのお客さまに楽しんでいただけるイベントをご用意しておりますので、皆さまのご来場を心よりお待ちしております。MLB ROAD SHOW 2019の詳細はこちら
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カブス・キンブレルが故障者リスト入り ダルビッシュは順調
2019.9.6 10:30 Friday日本時間9月6日、カブスはクローザーのクレイグ・キンブレルを右肘炎症により10日間の故障者リストに登録したことを発表した。これにより、少なくとも向こう10日間は、クローザーを欠いた状態での戦いを強いられることになる。一方、右前腕の張りにより日本時間9月2日の先発登板を回避したダルビッシュ有は、通常の調整メニューをこなしており、予定通り日本時間9月8日のブリュワーズ戦で先発できる見込みとなっている。
カブスのセオ・エプスタイン野球部門社長によると、キンブレルはクリスチャン・イェリッチに42号3ランを浴びた日本時間9月2日のブリュワーズ戦の試合中に、右肘に違和感を覚えたという。その後、MRI検査を受け、構造上のダメージは見られなかったものの、炎症があることが発覚し、故障者リスト入りする結果となった。
今年6月に3年4300万ドルの契約でカブスに入団したキンブレルだが、故障により戦列を離れるのは今回が2度目。今季ここまで21試合に登板して13セーブを挙げているものの、防御率5.68、被打率.243、WHIP1.53と安定感を欠き、期待に応えるパフォーマンスを見せることはできていない。キンブレルの離脱により、カブスは相手打者との相性を見極めながら、9回に登板させる投手を決めることになりそうだ。
一方のダルビッシュは、故障者リスト入りには至らず、通常の調整メニューをこなしている。投手コーチのトミー・ホットビーは、登板間のルーティンを無理に変更する必要はないと判断し、日本時間9月6日には予定通りにブルペンでの投球練習を行わせた。ホットビーによると、ダルビッシュは各球種を思い通りに投げることができており、現時点では日本時間9月8日のブリュワーズ戦に先発予定だという。
後半戦のダルビッシュは、先発ローテーションの柱と呼ぶに相応しい活躍を見せており、55回1/3を投げて防御率2.93、奪三振72、与四球3と安定感抜群。逆転地区優勝に向けてダルビッシュの存在は必要不可欠なだけに、ジョー・マドン監督も「(通常通りに投げることができている姿に)本当に安心したよ」と胸をなでおろした。
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日本時間9月5日 ポストシーズン争いはどうなった?
2019.9.5 18:50 Thursdayメジャーリーグのレギュラーシーズンも佳境を迎え、各地区・各リーグで熾烈なポストシーズン争いが繰り広げられている。日本時間9月5日、ポストシーズン争いの動向はどのようになったのか。ここでは今日行われた試合の結果を踏まえ、各地区の優勝争いと各リーグのワイルドカード争いの現状をチェックする。
◆ア・リーグ東部地区
首位ヤンキースが2位レイズに9.5ゲームの大差をつけて独走するなか、ヤンキースは4対1でレンジャーズに勝利。レイズは試合がなかったため、両チームの間のゲーム差は10に拡大し、レイズのエリミネーション・ナンバー(=あと何試合負ければ地区優勝の可能性が証明するかを表す数字)は12となった。
◆ア・リーグ中部地区
首位ツインズを2位インディアンスが6.5ゲーム差で追う状況のなか、ツインズは2対6でレッドソックスに敗れ、インディアンスは8対6でホワイトソックスに勝利。両チームの間のゲーム差は5.5に縮まった。なお、この2チームは直接対決を6試合残している。
◆ア・リーグ西部地区
ア・リーグ東部地区と同様、首位アストロズが2位アスレチックスに9.5ゲーム差をつけて独走しているが、アスレチックスがエンゼルスを4対0で破り、試合がなかったアストロズとのゲーム差を9に縮めた。アスレチックスのエリミネーション・ナンバーは15のままとなっている。
◆ア・リーグワイルドカード
首位レイズを1ゲーム差でアスレチックスとインディアンスが追う三つ巴の混戦となっているが、レイズは試合がなく、アスレチックスとインディアンスがともに勝利。0.5ゲーム差のなかに3チームがひしめく大混戦となった。ツインズに6対2で勝利したレッドソックスもアスレチックスとインディアンスを5.5ゲーム差で追っているが、残り試合数(23)を考えると逆転は難しそうだ。
◆ナ・リーグ東部地区
ア・リーグ中部地区と同様、首位ブレーブスを2位ナショナルズが6.5ゲーム差で追う状況だが、ナショナルズはメッツに4対8で敗れ、ブレーブスとのゲーム差が7に広がった。ナショナルズのエリミネーション・ナンバーは17となったが、まだ直接対決が7試合残っている。
◆ナ・リーグ中部地区
首位カージナルスを2位カブスが3ゲーム差、3位ブリュワーズが7ゲーム差で追っているが、カージナルスがジャイアンツに8対9で痛恨の逆転負け。試合がなかったカブスとの差は2.5ゲーム、同じく試合がなかったブリュワーズとの差は6.5ゲームに縮まった。カージナルスはレギュラーシーズン最後の10試合のうち7試合がカブスとの直接対決となっており、最後の最後まで地区優勝の行方がわからない展開が続きそうだ。
◆ナ・リーグ西部地区
首位ドジャースが2位ダイヤモンドバックスに18ゲームもの大差をつけており、7年連続の地区優勝は確実。ドジャースが7対3でロッキーズ、ダイヤモンドバックスが4対1でパドレスに勝利したため、18ゲーム差は変わらなかったが、ダイヤモンドバックスのエリミネーション・ナンバーは4に減った。
◆ナ・リーグワイルドカード
首位ナショナルズを3.5ゲーム差で2位カブスが追い、そこから2.5ゲームの位置にフィリーズ、3.5ゲームの位置にダイヤモンドバックス、4ゲームの位置にブリュワーズ、5ゲームの位置にメッツがつける大混戦。カブスとブリュワーズは試合がなく、ナショナルズとフィリーズが敗れ、ダイヤモンドバックスとメッツが勝利したため、ナショナルズとカブスのゲーム差は3に縮まり、2位カブスから6位メッツまでの5チームが4.5ゲーム差のなかにひしめく状況となっている。
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ナショナルズ・バレット 4年ぶりのメジャー復帰
2019.9.4 11:55 Wednesday日本時間9月4日、ナショナルズ傘下AA級ハリスバーグでプレイするアーロン・バレットが2015年以来4年ぶりとなるメジャー復帰を決めたことが明らかになった。バレットは2015年9月にトミー・ジョン手術を受けたあと、マイナー契約でナショナルズに残ってメジャー復帰を目指していたが、ついにその目標が達成される日がやってきた。
AA級ハリスバーグのマシュー・ルクロイ監督は、FNBフィールドのマウンド付近に選手とコーチを集め、バレットを自身の隣に立たせた。「今日は我々のチームの勝者を発表しようと思う」と話を切り出したルクロイは、「この男は、私やコーチ、選手たちに刺激や感動を与えてくれる選手だった」と続け、感極まった様子を見せたあと、「キミの監督を務めることができて光栄だった。でも、キミにメジャー復帰を伝えることができるのは、もっと光栄なことだよ」と語り、バレットにボールを手渡してメジャー復帰が決定したことを伝えた。
チームメイトから手荒い祝福を受けたバレットは、2015年9月にトミー・ジョン手術を受けたあと、左足首の骨棘を除去する手術を受け、さらに翌2016年には骨折した肘を再建する手術も行った。メジャー2年目の2015年を最後にメジャーの舞台から姿を消し、昨季からようやくマイナーでのプレイを再開したが、メジャーで最後の登板から4年以上の時を経て、ついにメジャー復帰が実現した。
もちろん、今回の昇格は決して「思い出作り」のためのものではない。ナショナルズは現在ポストシーズン進出争いを繰り広げており、ブルペンのクオリティに不安を抱えている。今季AA級で50試合に登板して52回1/3を投げ、0勝2敗31セーブ、防御率2.75、62奪三振、被打率.199をマークしたバレットは、チームに必要な戦力としてメジャーから声を掛けられたのだ。
2015年以来4年ぶりにスプリング・トレーニングに参加したバレットは、今春を振り返り、「キャンプ1日目からメジャー復帰を果たし、メジャーのマウンドで投げることだけを目標にしてきた」とコメント。「ナショナルズは、僕が健康なときに何ができるかを知っていると思う。あとはそれを僕が証明するだけだね」とメジャー復帰に向けての意気込みを口にした。
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週間最優秀選手に36歳・バーランダーと37歳・モリーナが選出
2019.9.4 10:55 Wednesday日本時間9月4日、メジャーリーグ機構は2019年レギュラーシーズン第23週の週間最優秀選手を発表し、ア・リーグはジャスティン・バーランダー(アストロズ)、ナ・リーグはヤディアー・モリーナ(カージナルス)が選出された。バーランダーは36歳、モリーナは37歳であり、ベテラン選手の活躍が目立った1週間となった。
バーランダーは、日本時間9月2日のブルージェイズ戦で14個の三振を奪い、キャリア3度目のノーヒッターを達成。ノーヒッターを3度以上達成したのは、ノーラン・ライアン、サンディ・コーファックスらに続いて史上6人目の快挙である。第23週は2度の先発登板で合計14回1/3を投げ、2勝0敗、防御率0.00、18奪三振という好成績で、文句なしの週間最優秀選手に選出。バーランダーが週間最優秀選手に選出されるのは、アストロズ移籍後では今回が3度目、タイガース時代も含めると通算8度目である。
一方のモリーナは、先発出場した5試合すべてでマルチ安打を記録し、打率.579、3二塁打、4本塁打、8打点、出塁率.636、長打率1.368と驚異的な打棒を発揮。今季8本塁打の半分にあたる4本塁打を1週間のうちに放ち、シーズン通算のOPSはこの1週間で79ポイントも上昇して.723となった。メジャー16年目、現在37歳のモリーナは、オールスター・ゲーム選出9度、ゴールドグラブ賞9度という輝かしい実績を誇っているが、週間最優秀選手に選出されるのは意外なことに今回が初めてである。
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【月間アウォード】8月の受賞者が決定
2019.9.4 10:30 Wednesday日本時間9月4日、メジャーリーグ機構は4つの月間アウォード(月間最優秀選手、月間最優秀投手、月間最優秀新人、月間最優秀救援投手)について、8月の受賞者を発表した。月間最優秀選手にはアレックス・ブレグマン(アストロズ)とアリスティデス・アキーノ(レッズ)、月間最優秀投手にはマイク・クレビンジャー(インディアンス)とジャック・フラハティ(カージナルス)、月間最優秀新人にはヨルダン・アルバレス(アストロズ)とアキーノ、月間最優秀救援投手にはアロルディス・チャップマン(ヤンキース)とフェリペ・バスケス(パイレーツ)が選出された。
ブレグマンは両リーグ最高の出塁率.487(月間100打席以上)をマークしたほか、両リーグ2位の打率.404と14二塁打、同3位の長打率.747と各部門で好成績を残し、8月開始時点で.909だったOPSは.976へ上昇。9月最初の2試合でさらに上昇して.985となり、これはマイク・トラウト(エンゼルス)とネルソン・クルーズ(ツインズ)に次ぐリーグ3位の数字である。また、月間最優秀選手に選出されるのは、昨年6月に続いてキャリア2度目となった。一方のアキーノは、打率.320、14本塁打、出塁率.391、長打率.767の好成績をマークし、メジャーで過ごす初めての1ヶ月で月間最優秀選手に選出(今年7月までのメジャー出場は昨季の1打席のみ)。本塁打を放つたびにメジャー最速記録を塗り替え、月間14本塁打はフランク・ロビンソン(1962年8月)とグレッグ・ボーン(1999年9月)の球団月間記録に並んだだけでなく、リーグ新人月間記録も更新した。
クレビンジャーは故障により前半戦の大部分を欠場したものの、後半戦に入って本領発揮。8月は6度の先発登板で36回2/3を投げ、5勝0敗、防御率1.96、51奪三振と素晴らしい成績を残した。日本時間7月4日から9連勝中であり、同期間の防御率は1.86となっている。一方のフラハティは、月間防御率0.71(38イニングで自責点3)という驚異的な数字をマークし、クレビンジャーとともにキャリア初の月間最優秀投手に選出された。前半戦を防御率4.64で終えたフラハティだが、後半戦は防御率0.98と絶好調。エースと呼ぶに相応しいピッチングを続け、好調・カージナルスの快進撃の立役者となっている。
メジャー昇格以降、新人とは思えない活躍を続けているアルバレスは、その打棒に陰りを見せず、6月から3ヶ月連続となる月間最優秀新人に選出された。8月は打率.309、9本塁打、26打点、出塁率.425、長打率.670をマーク。月間最優秀新人を3度受賞するのは、2017年のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)以来の快挙である。一方のアキーノは、こちらも新人離れした活躍で月間最優秀選手と月間最優秀新人を同時受賞。日本時間9月3日にはメジャー史上最速で通算15本塁打(通算122打席目)に到達した。
チャップマンは9度のセーブ機会を全て成功させたほか、相手打者を打率.083に封じ込め、5月に続いて今季2度目の月間最優秀救援投手に選出された。8月の球速ランキングではトップ11のうち8つをチャップマンが占めており、「メジャーの速球王」が夏場を迎えてエンジン全開となっている。一方のバスケスは、プレイヤーズ・ウィークエンドで「Nightmare」のニックネームを背負ってプレイしたように、打者にとって「悪夢」のような存在となり、後半戦は防御率0.59という驚異的な数字を残している。チームの不調もあって8月は3セーブに終わったが、被打率.125、防御率0.87の好成績をマーク。月間最優秀救援投手に選出されるのは昨年7月に続いてキャリア2度目となった。
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カブス・ダルビッシュが登板回避 次回は予定通りに先発予定
2019.9.2 10:40 Mondayオールスター・ブレイク以降、素晴らしい活躍を見せていたダルビッシュ有(カブス)だが、思わぬアクシデントが発生した。日本時間9月2日のブリュワーズ戦に先発予定だったダルビッシュは、右前腕の張りにより登板を回避し、代わりにタイラー・チャットウッドが先発。ジョー・マドン監督によると、次回は予定通りに先発できる見込みだという。
球団の公式発表によると、ダルビッシュは過去5先発のなかでも右前腕に張りを感じていたようだ。そんな状況のなかでも安定したピッチングを続け、先発ローテーションの中心的存在となっていたが、この日は大事を取って登板を回避。9月に入ってロースター枠が拡大し、投手運用にも多少の余裕が生まれたため、カブス首脳陣はダルビッシュに無理をさせず、休養を与える判断をした。
マドンは「彼が次回は予定通りに先発できると信じているよ。(右前腕の張りは)そんなに深刻な症状ではないけど、万全を期したかったんだ」とダルビッシュが軽症であることを強調。オールスター・ブレイク以降、9度の先発で55回1/3を投げ、3勝2敗ながら防御率2.93、奪三振72、与四球3と見事なパフォーマンスを続けている右腕は、今のところ、故障者リスト入りによる戦線離脱を回避できる見込みだ。
前腕部の張りは、トミー・ジョン手術を受ける必要のある故障の前兆となることが多い。ダルビッシュはレンジャーズ時代の2014年に同手術を経験しているが、投手コーチのトミー・ホットビーも「登板前に前腕部の張りを感じるのは、決して良いことではない。今回はダルビッシュに無理をさせず、次回登板に備えさせることにしたんだ」と語っており、少なくとも現時点では、大きな故障に繋がるような症状ではないと考えられているようだ。
マドンやホットビーが語ったように、故障者リスト入りを回避して予定通りに登板できるようであれば、次回は日本時間9月8日のブリュワーズ戦に先発することになりそうだ。
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ツインズがシーズン本塁打のメジャー新記録を樹立
2019.9.1 11:55 Sunday日本時間9月1日、1チームによるシーズン本塁打のメジャー新記録が誕生した。前日の時点で262本塁打を放っていたツインズは、この日のタイガース戦で6本塁打を放ち、今季のチーム本塁打数が268に。昨季ヤンキースが記録した267本塁打のメジャー記録を1年足らずで塗り替えた。
敵地でのタイガース戦に7対10で敗れたツインズだが、1回表にミッチ・ガーバーの25号ソロ、2回表にマックス・ケプラーの36号ソロ、5回表にホルヘ・ポランコの20号2ラン、6回表にC.J.クロンの24号ソロと4本のアーチが飛び出し、昨季のヤンキースの記録まであと1本に。そして、8回表にネルソン・クルーズが34号ソロを放ち、シーズン267本塁打のメジャー記録に並ぶと、9回表にはガーバーがこの試合2本目となる26号ソロを放ち、メジャー新記録樹立となった。
また、ポランコが20号2ランを放ったことにより、ケプラー(36本塁打)、クルーズ(34本塁打)、エディ・ロサリオ(27本塁打)、ガーバー(26本塁打)、ミゲル・サノー(26本塁打)、クロン(24本塁打)、ジョナサン・スコープ(21本塁打)と合わせて、20本塁打以上の選手が8人となり、こちらもメジャー新記録を樹立。ツインズは日本時間8月29日の試合でスコープが今季20本塁打をクリアし、昨季のドジャースなど過去7チームが達成している「20本塁打以上7人」のメジャー記録に並んでいた。
ツインズは、日本時間9月1日の試合を終えた時点で今季135試合を消化。まだ27試合を残しており、前人未到のシーズン300本塁打を十分に狙えるペースとなっている(現時点でシーズン321本塁打ペース)。また、マーウィン・ゴンザレスが今季15本塁打を放っており、チーム9人目の20本塁打達成者が誕生する可能性もある。本塁打に関するさらなる新記録が生まれるのか。レギュラーシーズン最後の1ヶ月に注目だ。
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ドジャースに痛手 今季33本塁打のマンシーが手首骨折で離脱
2019.8.31 10:20 Saturday日本時間8月31日、ドジャースは右手首の骨折によりマックス・マンシーを10日間の故障者リストに登録したことを発表した。今回の措置は日本時間8月30日に遡って行われ、マンシー自身は2週間以上の離脱を回避したい意向を示している。なお、マンシーに代わり、クリストファー・ネグロンが故障者リストから戦列復帰を果たしている。
マンシーは、日本時間8月29日のパドレス戦でマット・ストラームの投球を右手首に受けた。一塁ベースまで歩き、一度は出場続行の意思を示したものの、最終的には途中交代。検査の結果、右手首を骨折していることが判明した。
ドジャース移籍1年目の2017年はマイナー暮らしとなったマンシーだが、昨季は故障者の代役としてメジャー昇格を果たし、自己最多の137試合に出場して打率.263、35本塁打、79打点、OPS.973をマークするなど大ブレイク。守備面でも本職の一塁や三塁のほか、二塁と左翼の守備にも就き、意外なユーティリティ性を発揮してチームに大きく貢献した。
今季は昨季の活躍がフロックではなかったことを証明しており、ここまで129試合に出場して打率.253、33本塁打、87打点、OPS.899の好成績をマーク。安打(112)、二塁打(19)、打点(87)、四球(82)などの部門ですでに自己ベストを更新し、本塁打の数も昨季に迫っていただけに、チーム状況に応じて一塁・二塁・三塁の3ポジションを守ることのできる長距離砲の離脱は、ドジャースにとって小さくないダメージとなるだろう。
マンシー自身は、出来る限り早期の戦列復帰を望んでいるものの、現時点では戦列復帰までのタイムテーブルは未定。さらなる検査を経て、患部の状態を見ながら戦列復帰までのタイムテーブルを決定することになるが、ナ・リーグ西部地区の首位を独走している状況を考えると、無理をさせず、万全の状態でポストシーズンに臨めることを最優先としたタイムテーブルが組まれるのではないだろうか。
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ロイヤルズのグラス・オーナーが球団売却に合意
2019.8.31 10:00 Saturday日本時間8月31日、ロイヤルズの会長を務めるデービッド・グラスの一家が、ミズーリ州を拠点とする実業家のジョン・シャーマンを中心とするグループに球団を売却することで合意に達したことが明らかになった。1年の空白を経てカンザスシティにメジャーリーグの球団が戻ってきた1969年以降、シャーマンらはロイヤルズの3代目のオーナーとなる。
グラスは今回の球団売却について「ロイヤルズを売却するという決断は、私たち家族にとって難しいものだった。私たちの目標は、地元に根差し、野球というゲームを心から愛し、ロイヤルズという球団を前進させてくれる人物を見つけることだった」とコメント。そして、「ジョン・シャーマンは私たちが求めていたものを全て持っている人物なんだ。ジョン・シャーマンを中心としたグループは、ロイヤルズを良い方向に導いてくれると思う」と新オーナーへの期待を口にした。
2000年にロイヤルズのオーナーとなったグラスは、長い低迷期を経て、2014年にワールドシリーズ進出。このときは惜しくも世界一には手が届かなかったものの、翌2015年にワールドシリーズ制覇を成し遂げた。「ワールドシリーズの優勝セレモニーに80万人以上のファンが集まってくれた光景は忘れることはないと思う」と当時のことを振り返ったグラス。「これまで球団を支えてくれたファンには感謝している。でも、ついに次の世代に球団を渡すときが来たんだ。ジョン・シャーマンは最適な人物だと信じているよ」とファンへの感謝と今後への期待を語った。
新オーナーとなるシャーマンは「この素晴らしい機会を与えてくれたグラス一家に心から感謝しています。カンザスシティの素晴らしい球団を保有する機会を得ることができて光栄です。ワールドシリーズを制し、ファンの情熱に応えることが私たちの目標です」とコメント。2015年のワールドシリーズ制覇以降、不甲斐ないシーズンが続くロイヤルズだが、新オーナーの下でどのようなチームに変貌を遂げるか注目したい。
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アストロズ・コール 2ケタ奪三振15度の球団新記録を樹立
2019.8.29 13:55 Thursday日本時間8月29日、本拠地ミニッツメイド・パークでのレイズ戦に先発したゲリット・コール(アストロズ)は、7回途中まで112球を投げ、4失点を喫したものの、今季自己最多タイとなる14奪三振をマーク。これが今季15度目の2ケタ奪三振となり、球団新記録を樹立した。
3対3の同点で迎えた7回表にヘスス・アギラーのタイムリーでレイズに勝ち越しを許し、続くマイク・ズニーノから14個目の三振を奪ったところで降板したコールだが、チームは直後の7回裏に3点を奪って逆転に成功。最終的には8対6でレイズを破り、貯金を40の大台に乗せた。
従来の球団記録は、J.R.リチャードが1978年と1979年にマークした14試合であり、コールは日本時間8月23日のタイガース戦で12個の三振を奪い、この記録に並んでいた。この日の試合で今季15度目の2ケタ奪三振をマークし、球団記録を更新。データサイト「Baseball Reference」によると、2ケタ奪三振15度は歴代17位タイの数字となっている。なお、歴代最多記録は1973年のノーラン・ライアン、1999年・2000年・2001年のランディ・ジョンソンがマークした23試合である。
また、同僚のジャスティン・バーランダーと熾烈な奪三振王争いを繰り広げているコールだが、この日の14奪三振を加えて今季252奪三振となり、バーランダーの243個を抜いて両リーグトップに浮上。コールの自己記録は昨季の276奪三振だが、故障離脱がなければこの数字を更新するのは確実であり、自身初となる300奪三振の大台到達も射程圏内に捉えている。
昨季290奪三振のバーランダーにも自身初の300奪三振達成の可能性があり、チームメイトによる300奪三振コンビ誕生となれば、2002年ダイヤモンドバックスのジョンソンとカート・シリングに次いで史上2組目の快挙となる。アストロズが誇る二枚看板のレギュラーシーズン残り1ヶ月のピッチングには、大きな注目が集まりそうだ。
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ナショナルズ・シャーザーが8年連続200奪三振を達成
2019.8.29 13:20 Thursday背中と右肩の故障により、合計6週間にわたる戦線離脱を余儀なくされたマックス・シャーザー(ナショナルズ)が、戦列復帰後2度目の登板となった日本時間8月29日のオリオールズ戦で8個の三振を奪い、今季200奪三振に到達。史上2人目となる「8年連続200奪三振」の快挙を成し遂げた。
合計6週間の戦線離脱から復帰したシャーザーは、前回の登板と今回の登板をスプリング・トレーニングでの登板と同じように位置付け、結果を求めつつも、スタミナや右肩の強度の回復に重点を置いていた。前回の登板では4回71球を投げて三振を3つしか奪えず、4安打1失点でマウンドを降りたが、今回の登板では5回途中まで89球を投げて8つの三振を奪い、6安打2失点。90球の球数制限が設けられ、5イニングを投げ切ることができなかったため、またしても復帰後初白星はお預けとなったものの、4回表にリオ・ルイーズから奪ったこの試合8個目の三振で8年連続となるシーズン200奪三振を達成した。
シャーザーはタイガース時代の2012年に自身初のシーズン200奪三振を達成し、ナショナルズ移籍4年目となった昨季はシーズン300奪三振の大台に到達。2012年から昨年までの「7年連続200奪三振」は、ウォルター・ジョンソン(1910~1916年)、ロジャー・クレメンス(1986~1992年)、クリス・セール(2013~2019年)に並ぶメジャー歴代2位タイの記録となっていたが、この日の試合で「8年連続200奪三振」を達成したことにより、シャーザーは歴代単独2位となった。
故障離脱があったため、勝利数、奪三振数、投球イニング数といった積み上げ式の数字は伸び悩んでいるものの、奪三振率12.62、与四球率1.70など、率系のスタッツでは例年通りの好成績を残しており、特に奪三振率は自己ベストの数字。大きな故障がなければ、トム・シーバーが1968~1976年にマークした「9年連続200奪三振」のメジャー記録に並ぶ可能性は高そうだ。
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レッズ・アキーノがメジャー新記録とリーグタイ記録を樹立
2019.8.29 12:50 Thursday日本時間8月2日のメジャー昇格以降、快調なペースで本塁打を量産しているアリスティデス・アキーノ(レッズ)が、日本時間8月29日に敵地マーリンズ・パークで行われたマーリンズ戦の初回に13号先制3ランを放ち、チームの勝利に貢献。アキーノはこの一発で「メジャー新記録」と「リーグ新人タイ記録」の2つの記録を樹立した。
アキーノは、この日の第1打席がメジャー通算100打席目。レッズは初回にマーリンズ先発のサンディ・アルカンタラからジョーイ・ボットーの四球、エウヘニオ・スアレスのヒットで一死一・二塁のチャンスを迎え、アキーノが左翼ポール際に先制の13号3ランを叩き込んだ。
「modern era」と呼ばれる20世紀以降のメジャーリーグにおいて、通算100打席で13本のホームランを放ったのは史上初。アキーノは、通算13本塁打到達までの歴代最速記録を樹立した。なお、アキーノ以外に通算100打席以内で12本のホームランを放ったのは、2017年のリーズ・ホスキンス(フィリーズ)と今季のウィル・スミス(ドジャース)の2人だけである。
また、アキーノはこの一発が今月13本目のホームランとなり、コディ・ベリンジャー(ドジャース)が2017年6月にマークした「月間13本塁打」のナ・リーグ新人記録に並んだ。メジャー全体での新人月間本塁打記録は、1937年8月にルディ・ヨーク(タイガース)がマークした18本塁打だが、レッズは今月残り3試合となっており、こちらの記録更新は難しそうだ。
今季のアキーノは、初挑戦となったAAA級で78試合に出場して打率.299、28本塁打、53打点、OPS.992と猛打を発揮。AAA級インターナショナル・リーグの新人王に選出された。メジャー昇格後の26試合でも打率.315、13本塁打、29打点、OPS1.165と驚異的な活躍を続けており、来季以降も含め、この勢いがどこまで続くか注目したい。