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【戦評】ドジャースがグレインキーを攻略 80勝到達
2017.8.10 16:30 Thursdayドジャースが1点を勝ち越された直後の7回表にダイヤモンドバックス先発のザック・グレインキーから2点を奪って逆転勝ち。1913年以降では史上6チーム目となる開幕113試合以内での80勝に到達した。
前回登板では疲労による球速低下に悩まされたドジャース先発のアレックス・ウッド。日本時間8月7日のブルペン・セッションの際にメカニクスの調整を行い、この日は本来のピッチングを取り戻した。デーブ・ロバーツ監督が「今日のウッドは今季我々がずっと見てきたウッドだった」と語ったように、前半戦同様の安定したピッチングを見せ、6回2失点の好投。リーグ単独2位となる今季14勝目(1敗)をマークした。
ドジャース打線は2回表にコディ・ベリンジャーが33号先制ソロを放ったものの、その後はグレインキーに封じ込まれ、6回までに放ったヒットはベリンジャーの本塁打のみ。しかし7回表、この回先頭のベリンジャーがライトへの二塁打を放って一打同点のチャンスを作ると、二死三塁となってジョク・ピーダーソンが同点タイムリー二塁打。さらにヤシエル・プイーグもライトへのタイムリーで続き、ワンチャンスを生かしてグレインキーを攻略し、逆転に成功した。「ピーダーソンに投げた1球は最悪の球だった」とグレインキーは失投を悔やんだが、それを逃さず捉えたピーダーソンの勝負強さも見事だった。
ドジャースはウッドの後、7回からの2イニングをジョシュ・フィールズ、9回を守護神のケンリー・ジャンセンが無失点に抑えて試合終了。前夜は逆転負けを喫したが、この日は相手エースから3点をもぎ取り、今季80勝に到達した。
試合後、ダイヤモンドバックスのトーリ・ロブロ監督は「グレインキーは本当に素晴らしいピッチングをしていたと思う。早いカウントで相手打者を打ち取り、長いイニングを投げてくれた。彼は7イニングを投げ切りたがっていたけど、残念ながらそれは実現しなかったね」とグレインキーのピッチングを振り返った。
3連戦はこれで1勝1敗。シリーズ勝ち越しをかけて、明日の試合はダルビッシュ有(ドジャース)とアンソニー・バンダ(ダイヤモンドバックス)が先発する。
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インディアンスがメッツから長距離砲・ブルースを獲得
2017.8.10 12:21 Thursday日本時間8月10日、インディアンスがマイナー右腕のライダー・ライアンを放出し、メッツから長距離砲のジェイ・ブルースを獲得するトレードが成立した。ブルースは先日ウエーバーを通過し、全球団とのトレード交渉が可能な状態になっていた。
30歳のブルースは今季ここまで103試合に出場して打率.256、29本塁打、75打点、OPS.841をマーク。29本塁打はリーグ4位タイの数字であり、2年連続自身5度目のシーズン30本塁打が目前に迫っている。昨季は8月1日にレッズからメッツへトレードされており、2年連続でシーズン途中の移籍を経験することになった。
ヤンキースなど他球団もブルースに触手を伸ばしていたと報じられているが、他球団がブルースの残り年俸の一部をメッツが負担することを要求していたのに対して、マイケル・ブラントリーが故障者リストに入り、外野手を必要としていたインディアンスはブルースの残り年俸全額を負担することを受け入れた。これにより一気にトレードが成立へと向かったようだ。
インディアンスはエドウィン・エンカーナシオンを筆頭に、フランシスコ・リンドーア、ホゼ・ラミレス、カルロス・サンタナと内野手4人が16本塁打を放っている一方、外野手ではロニー・チゼンホールの12本塁打が最多。ブルースはインディアンス外野陣に欠けていた長打力をもたらしてくれるに違いない。
メッツは7月末にA.J.ラモスを獲得した一方、ルーカス・デューダとアディソン・リードを放出し、今回のトレードでブルースも放出。50勝61敗と大きく負けが先行する中で、今季のポストシーズン進出を完全に諦めた格好だ。
メッツに加入するライアンは昨年のドラフトでインディアンスから30巡目指名を受けてプロ入りした22歳のリリーフ右腕。今季はA級で33試合に登板して3勝4敗6セーブ、防御率4.79をマークし、41.1イニングを投げて49三振を奪っている。
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首位・カブスに大きな痛手 コントレラスが戦線離脱へ
2017.8.10 11:55 Thursday後半戦に入って打率.311、10本塁打、29打点、OPS1.080と絶好調のウィルソン・コントレラス(カブス)が日本時間8月10日のジャイアンツ戦で右ハムストリングを痛めて途中交代。明日チームとともにアリゾナへ向かい、MRI検査を受ける予定となっているが、故障者リストへ登録される可能性が高いと見られている。
先週、週間MVPを受賞したばかりのコントレラスは日本時間8月10日のジャイアンツ戦に「4番・一塁」で先発出場。8回表の打席で三塁へのゴロを打ち、一塁ベースを駆け抜けた際に右ハムストリングを痛め、コーチとトレーナーに抱えられながらベンチ裏へ姿を消した。
正捕手として94試合でマスクを被り、打撃面では打率.274、21本塁打、OPS.861をマーク。捕手以外にも一塁、三塁、レフト、ライトの守備に就くなど、あらゆる面でチームを牽引していた若き正捕手が戦列を離れることになれば、ナ・リーグ中部地区で熾烈な優勝争いを繰り広げるチームにとって大きな痛手となる。
「痛いね。彼はチームにとても貢献していたから」とアンソニー・リゾー。一方、ジョー・マドン監督は「心配だね」と話しつつも、「我々が思っているほど症状は酷くないかもしれない。明日の検査結果待ちだね」と慎重な姿勢を崩さなかった。
コントレラスが故障者リスト入りすることになれば、カブスは7月末に獲得したアレックス・アビラに正捕手を任せることになる。コントレラスが好調だったこともあり、移籍後の出場機会は限られているものの、マドン監督は30歳の元オールスター捕手に信頼を置いている。「私はアビラのここまでのパフォーマンスを気に入っているよ。送球がとても安定しているね」。控え捕手にはビクター・カラティーニをAAA級から再昇格させることになりそうだ。
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フィリーズ 有望株・ホスキンスがまもなくメジャー昇格
2017.8.10 11:22 Thursdayフィリーズの若手有望株、リズ・ホスキンスが日本時間8月11日のメッツ戦で左翼手としてメジャーデビューを果たす可能性が出てきた。本来は一塁手のホスキンスだが、チーム事情に合わせてAAA級では3試合連続でレフトの守備に就いており、遅くとも本拠地でのメッツ4連戦の間にメジャーへ昇格すると見られている。
フィリーズはホスキンスが左翼手としてプレイする準備が整うのを待っている状況だ。ゴールドグラブ級の守備を期待しているわけではないが、最低限の守備ができないようでは話にならない。マイナーの試合についてのレポートによると、ホスキンスは守備範囲が特別広いわけではないものの、レフトの守備をこなすうえで必要な知識と感性は持ち合わせているという。
日本時間8月10日、フィリーズのピート・マッカニン監督はサントラスト・パークで「彼をメジャーレベルで見るのが楽しみだ。彼がどのようにメジャーで競争していくのかを見てみたいね」とホスキンスについてコメント。「スプリング・トレーニングで彼のアプローチが気に入ったんだ。オープン戦での打席は、彼がここ(=メジャー)で何をできるかを示していたと思うよ。あとはクレンタックGMが決断をするだけだね」
オープン戦では11試合に出場して打率.286、3本塁打、OPS1.238をマークしたホスキンス。今季はAAA級で114試合に出場し、打率.280、28本塁打、OPS.954の好成績を残し、470打席で64四球を選ぶなどアプローチも成熟している。フィリーズはホスキンスを将来の正一塁手として考えているものの、ハウィー・ケンドリックをトレードで放出し、アーロン・アルテールが故障者リストに入っているという状況の中、まずは左翼手としてホスキンスをメジャーへ昇格させる意向である。ホスキンスがすぐにメジャーに適応できるようなら、現在の正一塁手であるトミー・ジョセフのトレード話が再浮上することになるだろう。
MLB公式サイトのプロスペクト・ランキングでは球団6位、全体71位にランクインしているホスキンス。将来の主軸候補がメジャーでプレイする日は、そう遠くない未来にやってくる。
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トゥロウィツキー 右足首の故障で今季残りを欠場へ
2017.8.10 10:53 Thursday日本時間8月10日、ブルージェイズは正遊撃手のトロイ・トゥロウィツキーが右足首の故障により、今季の残り試合を欠場する見込みであることを発表した。7月末に故障者リストに登録されたトゥロウィツキーは制度的には9月末に復帰可能だが、今季中の戦列復帰は難しいと見られている。
「トゥロ」の愛称で知られる32歳のトゥロウィツキーは日本時間7月29日のエンゼルス戦で右足首を負傷。当初は捻挫だと見られていたが、その後のMRI検査により靱帯に損傷があることが発覚した。今後、オフシーズンにかけてリハビリを進め、来春のスプリング・トレーニングまでには完全に回復する見込みとなっている。
トゥロウィツキーは今季ここまで66試合に出場して打率.249、7本塁打、26打点、OPS.678。25試合にしか出場していないデビューイヤーを除けば、いずれもキャリアワーストの数字である。4月下旬には右ハムストリングの故障で1ヶ月以上にわたって戦列を離れており、もともと故障の多い選手だったとはいえ、30歳を過ぎて遊撃手としての耐久性には大きな疑問が投げ掛けられている。かつては球界トップクラスの遊撃手として活躍していたトゥロウィツキーだが、来季以降の起用法を考え直す必要がありそうだ。
30歳のジャスティン・スモークが覚醒するという嬉しい誤算があった一方、34歳のラッセル・マーティン、36歳のホゼ・バティースタらは衰えを隠せなくなっており、世代交代のときを迎えている感のあるブルージェイズ。昨季まで2年連続でリーグ優勝決定シリーズへ進出しながら今季はア・リーグ東部地区の5位に低迷。今オフ、ロス・アトキンスGMら球団フロント陣は難しい舵取りを迫られることになるだろう。
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カブス・上原浩治が故障者リスト入り グリム昇格
2017.8.10 10:25 Thursday日本時間8月9日のジャイアンツ戦に登板し、6球を投げただけで降板していた上原浩治(カブス)が右首痛のため、10日間の故障者リストに登録された。カブスはこれに伴い、リリーフ右腕のジャスティン・グリムをAAA級からメジャーへ昇格させている。
カブスのジョー・マドン監督は「我々はただしっかり治してもらいたいんだ。彼は我々が勝ち進んでいくためにとても重要な存在だし、シーズンの残りを戦ううえで必要な存在だからね。9月や10月の戦いを考えると、彼には元気でいてもらわないと困るんだよ」と話し、シーズン終盤、そしてポストシーズンの戦いに向けて今は治療に専念してもらいたいとの意向を明らかにした。
42歳の上原は今季ここまで43試合に登板して3勝4敗2セーブ、防御率3.55を記録。13ホールドはカール・エドワーズJr.とペドロ・ストロップに次いでチーム3位の数字であり、8回ないし7回を担当するセットアッパーとしてリーグ2位の救援防御率を誇る強力ブルペンの一角を担っていた。打者を簡単に歩かせず、狙って三振を奪うことのできるセットアッパーの離脱は、地区優勝を争うチームにとって大きな痛手となるだろう。
上原に代わってメジャー昇格を果たしたグリムは今季ここまで36試合に登板して1勝1敗、防御率5.18。昨季まで3年連続で62試合以上に登板し、2015年には防御率1.99という素晴らしい成績を残したが、今季は被弾が目立ち、不本意なシーズンとなっている。
守護神のウェイド・デービスを筆頭に、エドワーズJr.、ストロップ、ブライアン・ダンシング、ヘクター・ロンドンとブルペンのコマは揃っているとはいえ、信頼できるセットアッパーを欠くのはチームにとって小さくないダメージだ。まずは首の状態を万全にし、シーズン終盤にチームを助けるピッチングを見せてくれることを期待したい。
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【戦評】マリナーズが延長戦を制しワイルドカード圏内に浮上
2017.8.9 16:57 Wednesday4月下旬にDFAされて40人ロースター登録外となり、およそ3ヶ月にわたってAAA級でプレイしていたレオニス・マーティンが延長10回に決勝弾。マリナーズは5回終了時点での4点ビハインドを跳ね返し、ついにワイルドカード圏内に足を踏み入れた。
「良いスイングができた。今夜はとてもよくボールが見えていたんだ」とマーティンは自身の決勝弾を振り返った。今季は開幕から調子が上がらず、4月20日時点で打率.111に低迷。3日後にはDFAの通告を受け、獲得を希望する球団が現れなかったため、4月下旬から7月末にメジャー復帰を果たすまでおよそ3ヶ月にわたってマリナーズ傘下のAAA級でプレイを続けてきた。AAA級では84試合に出場して打率.312、11本塁打、24盗塁、OPS.858の好成績をマーク。結果を残して掴んだチャンスを生かし、最高の結果に繋げてみせた。
スコット・サービス監督は「レオニス・マーティンに関してはこれ以上求めるものはないよ。前回オークランドに来たとき、我々は彼をDFAし、マイナーに降格させなくてはならなかった。彼はマイナーでしっかり結果を残し、再昇格してきてからは我々をとても助けてくれている」とマーティンへの賛辞を惜しまなかった。
先発のアリエル・ミランダが5回までに6点を失い、4点を追う苦しい展開となったマリナーズ。しかし、6回表にベン・ギャメルのタイムリー二塁打で2点を返すと、7回表にネルソン・クルーズのタイムリー、8回表にダニー・バレンシアの犠牲フライが飛び出して同点。そして、6-6の同点で迎えた延長10回表、二死走者なしの場面でマーティンがライトスタンドへ決勝弾を叩き込んだ。
この試合を含む直近10試合で7勝3敗と勢いが出てきたマリナーズ。貯金は今季最多タイの2となり、ついにワイルドカード2位のロイヤルズ、レイズと貯金の数で並んだ。フェリックス・ヘルナンデスが再び戦列を離れるなど苦しい状況は続いているが、イチローのルーキーイヤーである2001年以来16年ぶりのポストシーズン進出を果たすためにはどんなに故障者が出ようとも勝利を積み重ねていくしかない。レギュラーシーズン残り58試合。1試合たりとも気の抜けない、熾烈な争いが続いていきそうだ。
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昨季の新人王・フルマー 右肘の痛みなく戦列復帰へ
2017.8.9 12:28 Wednesday右肘尺骨の神経炎によって日本時間8月4日に故障者リスト入りしたマイケル・フルマー(タイガース)。昨季の新人王右腕は日本時間8月9日、故障者リスト入りの原因となった右肘の炎症はすでに治まったと語り、明日チームドクターの診察を受ける予定となっている。
チームドクターの判断待ちとはいえ、フルマーはまもなく先発ローテーションへ復帰することになりそうだ。フルマーは日本時間8月9日のパイレーツとの試合前に「炎症は4日や5日程度で治まったよ」と語った。「すぐに治まるだろうとは思っていたよ。故障者リスト入りすることになってしまったけどね。軽症で大きな問題ではないと言ったけど、実際にそうなったでしょ」とフルマーは軽症であることを改めて強調した。
タイガースがフルマーの右肘の状態について慎重な姿勢をとるのは当然である。タイガースは今季ここまで51勝61敗。リーグ13位の勝率にとどまっており、ポストシーズン進出の可能性は極めて低くなっている。無理をして勝ちにいく必要がない今、フルマーの右肘の状態が悪化するリスクを最小限に抑えるための選択肢をとるのは当然のことだろう。
「状態は良いみたいだね」とブラッド・オースマス監督。「フルマーはここ数年、右肘の炎症を抱えていた。今回はいつもよりもちょっと状態が悪かったというだけなんだ。彼自身は全く問題を感じていないみたいだけど、実際に投げてみるまではわからないよね」と軽症であるという点には同意しつつも、慎重な姿勢も垣間見せた。
メジャーデビューを果たした昨季は11勝7敗、防御率3.06の好成績をマークし、シーズン終盤まで最優秀防御率のタイトル争いに加わって新人王に輝いたフルマー。今季もここまで21先発で10勝9敗、防御率3.59と昨季の好成績がフロックでないことを証明する成績を残しており、チームとしては来季以降を見据えて無理をさせたくないのが本音なのだろう。
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「キング」ことヘルナンデス 右肩の故障で再離脱へ
2017.8.9 12:02 Wednesdayマリナーズはエース右腕、フェリックス・ヘルナンデスが右肩の滑液包炎により3~4週間にわたって戦列を離れる見込みであることを発表した。ヘルナンデスは日本時間8月6日に故障者リストへ登録され、その後、日本時間8月8日にMRI検査を受けていた。
現在57勝56敗でワイルドカード圏内から1ゲーム差につけているマリナーズは、レギュラーシーズンの残り7週半のうち、およそ半分をエース右腕不在で戦うことになった。岩隈久志は故障者リスト入りから3ヶ月が経とうとしている現在も戦列復帰の見込みが立っておらず、ドリュー・スマイリーはトミー・ジョン手術により今季全休が確定。マリナーズは今季、両リーグ最多となる15人の先発投手を起用するなど先発ローテーションを固定できない状況が続いているが、その中でワイルドカード争いに加わっているのは大健闘と言えるだろう。
ヘルナンデスの代役として、7月にカージナルスからトレードで獲得した左腕マルコ・ゴンザレスが昇格。8月7日のロイヤルズ戦で新天地デビューを果たしたが、4回5失点でノックアウトされた。今季マイナーでは14先発で8勝4敗、防御率3.02と好成績を残しているとはいえ、メジャー通算防御率6点台の左腕に、ワイルドカード争いの中で先発ローテーションの一角を任せるのは荷が重い。
メジャー2年目の2006年から10年連続で30試合以上に先発し、190イニング以上を投げるなど、メジャー有数のワークホースとして知られていたヘルナンデスだが、ここ2シーズンは故障続き。30歳を過ぎ、成績の悪化にも歯止めがかからなくなっており、今後にも不安が残る状況となっている。とはいえ、今季のマリナーズにおいてはジェームズ・パクストンらとともに数少ない信頼できる先発投手であり、ワイルドカード獲得のためにエース右腕の力は欠かせない。一刻も早く万全の状態で戻ってきてくれることを願うばかりである。
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レッドソックス 正二塁手・ペドロイアが戦列復帰
2017.8.9 11:39 Wednesdayレッドソックスのチームリーダー、ダスティン・ペドロイアが日本時間8月9日のレイズ戦で指名打者として戦列復帰を果たした。ジョン・ファレル監督によると二塁手としての出場については、左膝の状態を見ながら判断するという。
ペドロイアは日本時間7月30日に左膝の炎症によって故障者リストに登録されていた。5月下旬にも左手首痛で戦列を離れており、ペドロイアにとって故障者リスト入りは今季2度目。今季はここまで85試合に出場して打率.307、6本塁打、54打点、OPS.791をマークしている。
「今日は指名打者として出場してもらい、徐々に準備していく感じになるだろうね」とファレル監督。「彼が明日二塁手としてプレイしないと断言することはできないけど、とりあえず今日の様子を見てからかな」と二塁手としての実戦復帰には慎重な姿勢を見せた。
レッドソックスがペドロイアの二塁守備復帰を焦る必要は全くない。7月下旬に加入したユーティリティ・プレイヤーのエドゥアルド・ヌニェスが二塁を守れるほか、ファレル監督は同じくユーティリティ・プレイヤーのブロック・ホルトにも二塁手としての出場機会を与えることを示唆している。「選手層が厚くなり、内野はいろんな布陣を試すことができる。とても良いことだね」とファレル監督は内外野の複数ポジションを守ることのできるユーティリティ・プレイヤーたちに頼もしさを感じている。
なお、ペドロイアの戦列復帰に伴い、リリーフ右腕のブレイン・ボイヤーが首痛によりペドロイアと入れ替わる形で故障者リストに登録されている。
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ポストシーズンの日程が発表
2017.8.9 11:16 Wednesday日本時間8月9日、MLB機構は2017年のポストシーズンの日程を発表した。今年のポストシーズンはある1点を除いて昨季同様の形式で行われる。日本時間10月25日に開幕する第113回ワールドシリーズは、レギュラーシーズンでより優れた成績を残したリーグ王者のホームで開幕を迎えることになった。
両リーグの王者のレギュラーシーズンにおける勝率が同じである場合、プレーオフ・タイブレーカー・ルールが適用され、直接対決における勝率で上回った方がホーム・アドバンテージを得る。昨年まではオールスター・ゲームで勝利したリーグの王者にホーム・アドバンテージが与えられていたが、今季からルールが変更された。
例えば、現時点で各リーグの最高勝率を誇るアストロズ(.640)とドジャース(.712)がワールドシリーズへ進出した場合、ワールドシリーズのホーム・アドバンテージはドジャースへ与えられ、ドジャー・スタジアムでワールドシリーズが開幕することになる。万が一、今後ドジャースが失速し、この両チームがレギュラーシーズンを全く同じ勝率で終えてワールドシリーズへ進出した場合、今季はこの両チームの直接対決がなかったため、2番目に優先される「所属地区内での勝率」で上回っている方にホーム・アドバンテージが与えられる(現時点では31勝14敗のアストロズが27勝17敗のドジャースを上回っている)。「所属地区内での勝率」も同じ場合、次は「所属リーグ内での勝率」が比較される。
今年のレギュラーシーズンは日本時間10月2日に全日程を終了し、タイブレーカーが必要な場合は日本時間10月3日に試合が行われる。そして、日本時間10月4日にア・リーグのワイルドカード・ゲーム、日本時間10月5日にナ・リーグのワイルドカード・ゲームが行われ、2017年のポストシーズンが幕を開ける。なお、ポストシーズンの全日程は以下のようになっている。
2017年ポストシーズン日程(日付は全て日本時間)
10月4日 【ア】ワイルドカード・ゲーム
10月5日 【ナ】ワイルドカード・ゲーム
10月6日~【ア】地区シリーズ
10月7日~【ナ】地区シリーズ
10月14日~【ア】リーグ王者決定シリーズ
10月15日~【ナ】リーグ王者決定シリーズ
10月25日~ ワールドシリーズ -
ドジャースの歴史的な強さを物語る15の数字
2017.8.9 10:49 Wednesday昨季まで4年連続地区優勝を果たしているドジャースにとって、ナ・リーグ西部地区の首位を走っていることは決して珍しいことではない。しかし、今季のドジャースはその強さがとにかく異常なのだ。ここまで79勝32敗、勝率.712を誇るドジャースはシーズン115勝という驚異的なペースで勝ち続けている。メジャー記録は1906年のカブスと2001年のマリナーズが記録した116勝。歴代最多勝利記録に迫ろうとしているドジャースの強さを物語る15の数字に迫る。
ドジャースは6月7日からの51試合で44勝。今季44勝以下のチームは3つもある(ホワイトソックス、フィリーズ、ジャイアンツ)。50試合スパンで43勝という、実に105年ぶりの大記録も打ち立てた(1912年のニューヨーク・ジャイアンツ以来)。今季のドジャースはクレイトン・カーショウ、ケンリー・ジャンセン、コリー・シーガー、ジャスティン・ターナーといった主力選手のほか、クリス・テイラー、コディ・ベリンジャー、ブランドン・モロウといった伏兵や有望株が好成績を残してチームに貢献し、さらにチームのトップ・プロスペクト3人を失うことなくダルビッシュ有、トニー・ワトソン、トニー・シングラーニを獲得。地区優勝はほぼ間違いなく、悲願のワールドシリーズ制覇を見据えた豪華なロースターを築くことに成功したのだ。
では、今季のドジャースはなぜこれほどにも強いのか。彼らは様々な部門において極めて優れた数字を残しているのである。ここでは歴史的なシーズンを送るドジャースの強さを物語る15の数字を紹介する。なお、これらの数字のほとんどがダルビッシュなしで成し遂げられていることに注意していただきたい。ダルビッシュはまだドジャースで1勝しか挙げていないのだから。
①ホームでの47勝は両リーグ最多
今季のホームでの勝率は.783という驚異的な数字。これを上回るチームは1913年以降、わずか6チームしか存在しない。
②メジャー平均より25%も優秀なチーム防御率
ドジャースのチーム防御率3.07は2位ダイヤモンドバックスの3.53に大差をつけて両リーグトップ。メジャー平均の4.34と比較すると25%も優秀で、これは1920年以降では4番目という驚異的な水準である。
③ハードヒット率27.7%は両リーグで最も低い数字
点を取られたくなければ三振を奪うとともに、強い打球を打たれないのが一番だ。強い打球の割合を占めるハードヒット率27.7%は両リーグで最も低く、2位ブリュワーズの31.4%に大差をつけている。
④四球率10.6%は両リーグ最高、⑤ゾーン外スイング率27.4%は両リーグで2番目に低い数字
これらの数字はドジャース打線の選球眼の良さを示している。彼らはボール球に手を出さず、多くの四球を選んでいる。
⑥ゾーン外をスイングさせる率34.2%は両リーグ最高
逆に、ドジャース投手陣は相手打者に多くのボール球を振らせている。ゾーン内コンタクト率83.3%は両リーグで最も低く、ゾーン内のボールに当てさせず、ボール球を振らせるという完璧なコンビネーションが実現している。
⑦ポップフライを打たせる率12.9%は両リーグ最高、⑧ポップフライ率7.8%は両リーグで2番目に低い数字
ドジャース投手陣が多くのポップフライを打たせている一方、ドジャース打線はポップフライを打ち上げない。
⑨故障者リスト入り延べ34人は両リーグ最多
この数字はドジャースの選手層の厚さを物語っていると言えるだろう。同時に多数の主力選手が離脱していないことも事実だが、これだけの故障者を出しながらも7割を超える勝率をマークしているのだ。
⑩打者3巡目と対する率13.4%は両リーグで3番目に低い数字
先発投手が長いイニングを投げることに固執する時代は終わった。先発投手の被OPSは打者1巡目が.625、2巡目が.675、3巡目が.670、リリーフ投手は.626であり、疲れている先発投手を無理に続投させるよりリリーバーを投入する方が理にかなっているのだ。
⑪DRAA(平均と比較した守備得点)+44は両リーグ3位
DRSやUZRといった指標にポジション補正を加えたものがDRAAだ。ライトのヤシエル・プイーグを筆頭に、各ポジションで各選手が優れた数字を残している(センターのジョク・ピーダーソンを除く)。
⑫左腕に対するwRC+116は両リーグ3位
昨季は左腕にめっぽう弱かったドジャース打線だが、今季はその弱点を完全に克服している。
⑬フレーミング得点+25は両リーグ最多
これには正捕手ヤスマニ・グランダルの貢献が非常に大きい。2番手捕手のオースティン・バーンズも両リーグトップ10に入る好成績を残している(グランダルが2位、バーンズは8位)。
⑭傘下マイナー球団の勝率.556は両リーグ3位
ドジャースが強いのはメジャーにおいてだけではない。傘下のマイナー組織にも優秀な選手を揃え、両リーグ3位の勝率を叩き出している。
⑮1988年以降ワールドシリーズ制覇なし
そして最後にこの数字だ。ドジャースはメジャー最高勝率を誇るロースターにダルビッシュらを加え、本気で29年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指している。
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【戦評】エースの力投に打線が応えカージナルス5割復帰
2017.8.8 17:01 Tuesday6月2日に26勝26敗となって以降、6度も勝率5割復帰のチャンスがありながら一度もモノにできなかったカージナルスが、ようやく2ヶ月以上ぶりの勝率5割復帰を成し遂げた。最近14試合で9勝5敗。2位ブリュワーズまで2ゲーム差、首位カブスまで3.5ゲーム差とまだ地区優勝を狙える位置につけており、残りおよそ50試合、ナ・リーグ中部地区では熾烈な地区優勝争いが続きそうだ。
日本時間8月8日から始まったロイヤルズとの「I-70シリーズ」。ミズーリ州に位置するセントルイスとカンザスシティの両都市が「I-70」という名の高速道路で結ばれていることからこの名が付いた両チームの対戦は、前半2試合がカンザスシティ、後半2試合がセントルイスという変則的な形での4連戦で行われる。
「今日は本当に集中できていた」と自身のピッチングを振り返ったカルロス・マルティネスが8回2失点の好投を見せると、打線は2試合連続の2桁得点でエースを援護。「全員がチームに貢献しているのを目にするのは素晴らしいことだね」とマイク・マシーニー監督は2戦連続で機能した打線を称えた。
4回に一挙9得点を叩き出した前日のレッズ戦に続き、今日の試合でも4回に打線が繋がって大量6得点。無死満塁のチャンスから相手の2失策と押し出しで3点を奪うと、マット・カーペンターが低めの難しい球を上手く拾ってライトポール際へ15号スリーランを放ち、一気に試合を決めた。
開幕スタメンのうち、ランドール・グリチックとアレドミス・ディアスがAAA級降格を経験し、この日はさらにデクスター・ファウラーの戦列復帰に伴ってスティーブン・ピスコッティがAAA降格に(グリチックはすでに再昇格)。ジョニー・ペラルタも6月中旬に解雇されており、開幕時の構想が大きく狂ってしまっているカージナルスだが、トミー・ファム、ポール・デヨング、ホゼ・マルティネスらの台頭によりなんとか地区優勝争いに踏みとどまっている。開幕前に思い描いていたものとは全く違うシーズンとなっているが、それでも大崩れしないのがこのチームの強さ。「7度目の正直」で勝率5割復帰を果たした21世紀の常勝軍団の逆襲が、いよいよ幕を開けようとしている。
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第18週のMVPはベッカムとコントレラス
2017.8.8 12:41 Tuesday第18週(7月31日~8月6日)の週間最優秀選手が発表され、ア・リーグはティム・ベッカム(オリオールズ)、ナ・リーグはウィルソン・コントレラス(カブス)が選出された。
7月末にレイズからオリオールズへ移籍したベッカムは打率.583(24打数14安打)、3本塁打、6打点、OPS1.767の好成績を残し、自身初の週間MVP受賞となった。打率.583、出塁率.600、長打率1.167はいずれもリーグトップ、14安打は同トップタイ、3本塁打は同3位タイの数字。オリオールズの選手による週間MVP受賞は第16週のジョナサン・スコープに続いて今季2度目である。日本時間8月4日から3試合連続本塁打を放ち、3試合で9安打(3安打、4安打、2安打)の大活躍。日本時間8月6日に放った15号ソロは、球団通算10000号の記念すべき一発となった。2008年ドラフトの全体1位指名選手であるベッカムは今季ここまで自己最多の93試合に出場して打率.282、15本塁打、42打点、OPS.794をマークしており、各部門ですでにキャリアハイを更新。25四球に対して115三振とアプローチ面に課題を残すものの、自己ベストのシーズンとなることは間違いなさそうだ。
コントレラスは打率.455(22打数10安打)、5本塁打、13打点、OPS1.660と猛打を発揮し、自身初の週間MVPに輝いた。5本塁打、13打点、長打率1.182はいずれもリーグトップ、打率.455は同2位、10安打は同2位タイ、出塁率.478は同6位の数字。カブスの選手が週間MVPを受賞するのは今季初であり、カブスの野手では2014年7月のアンソニー・リゾー以来3年ぶりの受賞となった。日本時間8月4日と8月7日に1試合2本塁打を記録し、キャリア最初の175試合で33本塁打。これはベネズエラ出身選手による史上最多記録となっている。7月は月間打率.321、今月もここまで月間打率.455と好調で、今季の通算成績も打率.281、21本塁打、70打点、OPS.881とハイレベル。30本塁打と100打点を十分に狙えるペースであり、カブスの捕手が30本塁打をクリアすれば1993年のリック・ウィルキンス以来球団史上3人目、100打点をクリアすれば1930年のギャビー・ハートネット以来球団史上2人目となる。
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「二刀流」グリーンがプロデビューへ
2017.8.8 12:11 Tuesday2017年ドラフトにおいて最高級の素材として注目を浴び、レッズから全体2位指名を受けたハンター・グリーンのプロデビューが近付いている。「二刀流」選手として期待されるグリーンはまず指名打者として、日本時間8月9日のルーキー級の試合でプロデビューを果たす予定となっている。
ノートルダム高校出身のグリーンはレッズから投手として指名を受け、日本時間7月8日に契約金723万ドルで契約合意。MLB公式サイトのプロスペクト・ランキングでは全体21位にランクインしている。長期的には投手として育成される見込みだが、投手としてのプロデビューが予定されている日本時間8月28日までの間は指名打者ないし遊撃手として試合に出場する予定だ。
日本時間8月7日に18歳になったばかりのグリーンは投手としても野手としても非凡な才能を持ち、近年における最も魅力的なプロスペクトの一人である。投手としては時速100マイル(約161km/h)の速球を投げ込むことができ、野手としては高校での4シーズンで打率.337をマークしているのだ。193cm、95kgという立派な体格を持つグリーンは打撃練習を行うとともに、ブルペンでの投球練習でも強度を上げており、プロデビューに向けての準備は着々と整っている。
野手としては日本時間8月9日、投手としては日本時間8月28日にプロデビューを果たす予定のグリーン。本人は「投手のみに限定されるのではなく、打者としてもチームに貢献できるのはとても素晴らしいことだね」と語り、プロでも「二刀流」を続行することに意欲を示している。2017年ドラフト最高級の素材がどのようなプロデビューを果たすのか。まずは日本時間8月9日の野手デビュー戦に注目だ。
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デービス 投手としてマイナーでデビュー
2017.8.8 11:44 Tuesdayかつてメッツでプロスペクトとして期待され、2012年に32本塁打を放ったアイク・デービス。3月にはイスラエル代表の一員としてワールド・ベースボール・クラシックにも出場したが、デービスは現在ドジャース傘下のマイナー組織に所属し、投手としてメジャー復帰を目指している。
デービスが投手としてプレイするのは今回が初めてではない。アリゾナ州立大学時代は一塁手とリリーフ投手を兼任し、チームはカレッジ・ワールドシリーズに出場した。アスレチックス時代の2015年には敗戦処理として2試合に登板し、計2イニングを無失点に抑えている。また、父ロンはメジャー通算481登板の実績を誇る元投手であり、ヤンキース時代の1981年にはオールスター出場を果たしている。
今年3月に30歳になったデービスは現在、フルタイムの投手としてメジャー復帰を目指している。ルーキー級のAZLドジャースでプレイしているデービスは日本時間8月7日のAZLパドレス戦に6回から3番手として登板し、投手としてのプロデビューを果たした。この日は三者連続三振の好投で初ホールドを記録。チームは終盤にAZLパドレスを突き放し、13-5で快勝した。
スカウティング・レポートによると、デービスの速球は時速88~92マイル程度(142~148km/h)。アスレチックス時代に登板した際には時速86~87マイル前後(138~140km/h)だったので、そこから球速は上昇していることになる。3度のシーズン2桁本塁打を含む通算81本塁打を放っているスラッガーが、リリーフ投手としてメジャー復帰を果たすことができるのか。デービスの今後に注目だ。
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ドールトン&ベイラー 名選手2名が死去
2017.8.8 11:12 Tuesday現地時間8月6日の夜、フィリーズは4年間の闘病生活の末、ダレン・ドールトンが脳腫瘍で死去したと発表した(享年55歳)。また、現地時間8月7日にはドン・ベイラーが多発性骨髄腫で死去した(享年68歳)。ここでは両氏の経歴を簡単に振り返ってみたい。
1980年のドラフトでフィリーズから25巡目指名を受けてプロ入りしたドールトンは、1983年9月25日のカージナルス戦でメジャーデビュー。1989年に131試合に出場して正捕手の座を手にしたが、打率.201という数字が示すように決して打撃が得意な捕手ではなかった。しかし、1992年に打撃開眼し、打率.270、27本塁打、109打点、OPS.908の好成績をマークして打点王を獲得。キャリア唯一のシルバースラッガー賞にも輝いた。翌1993年も24本塁打、105打点をマークし、強打の捕手として認知されるように。1993年にはチームのリーグ優勝にも貢献。この年はワールドシリーズでブルージェイズの前に敗退したが、シーズン途中でマーリンズへ移籍した1997年にはワールドシリーズで全7試合に出場して打率.389の好成績を残し、球団創設5年目でのワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。優れたリーダーシップを持ち合わせ、チームメイトからもファンからも愛された選手だった。なお、1992年オフの日米野球で来日経験もある。
1967年のドラフトでオリオールズから2巡目指名を受けてプロ入りしたベイラーは、1970年9月18日のインディアンス戦でメジャーデビュー。メジャー3年目の1972年に102試合に出場して11本塁打を放つと、徐々に頭角を現し、1975年には打率.282、25本塁打、OPS.849を記録。レジー・ジャクソンが絡むトレードでアスレチックスへ移籍して1年間プレイした後、エンゼルスへ移籍し、1978年には自己最多の34本塁打、99打点を記録。翌1979年には前年を上回る打率.296、36本塁打、139打点、OPS.901という素晴らしい成績を残し、打点王に輝くとともにMVPを受賞した。その後は移籍を繰り返しつつも1982年から5年連続で20本塁打以上を放つなどコンスタントに活躍し、通算338本塁打。引退後は指導者として各球団で監督やコーチを務め、ロッキーズ初代監督として1993年から6シーズン指揮を執り、カブスでも2000年から2002年途中まで監督を務めた。死球の多さが特徴で、死球王に輝くこと8度。通算267死球はメジャー歴代4位の数字となっている。
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トラウト26歳 ここまでの実績を振り返る
2017.8.8 10:38 Tuesday球界屈指のスーパースター、マイク・トラウト(エンゼルス)が日本時間8月8日(現地時間8月7日)に26歳の誕生日を迎えた。エンゼルスはこのあと日本時間午前11:07からオリオールズ戦が予定されているが、過去の誕生日では5試合中3試合で本塁打を放つなど、誕生日の試合とは相性が良い。トラウトが26歳の誕生日までに成し遂げてきた偉業を簡単に振り返ってみよう。
メジャー7年目を迎えているトラウトはこれまでにMVPを2度(2014年、2016年)、オールスターMVPを2度(2014年、2015年)獲得したのを筆頭に、新人王(2012年)、シルバースラッガー賞5度(2012-2016年)、ハンク・アーロン賞(2014年)、打点王(2014年)、盗塁王(2012年)など、様々なアウォードやタイトルを手にしてきた。今季は左手親指の故障により6週間ほど戦列を離れたが、故障さえなければ今季もMVPレースに加わっていたに違いない。26歳のシーズンまでにMVPを複数回受賞した選手はトラウトを含めて6人いるが、なんとトラウト以外の5人は殿堂入りを果たしているのだ。トラウトの将来の殿堂入りは約束されたようなものと言っても決して過言ではないだろう。
トラウトがどんなに優れた選手であるかは数字が物語っている。トラウトはここまで通算878試合に出場し、打率.309(3236打数999安打)、190本塁打、548打点、156盗塁、OPS.978を記録。フルシーズン出場した5シーズンのMVP投票で1位が2度、2位が3度と毎年のようにMVP級の成績を残しており、通算WAR53.1はすでに現役選手の中で12位となっている(Baseball Reference版の数字)。これらの数字がどれほど優れた数字なのかを以下に記す。
●26歳の誕生日までに190本塁打&500四球を記録したのは過去に5人だけ。ジミー・フォックス、メル・オットー、ミッキー・マントル、エディ・マシューズ、トラウトの5人で、トラウト以外の4人は殿堂入り。
●26歳の誕生日までに190本塁打&150盗塁を記録したのはトラウトだけ。
●26歳の誕生日までに190本塁打以上を放った選手は過去に9人いるが、現役のトラウトとアルバート・プーホルス(エンゼルス)、殿堂入りの資格をまだ得ていないアンドリュー・ジョーンズとアレックス・ロドリゲスを除く5人(フォックス、マシューズ、オットー、マントル、フランク・ロビンソン)の5人は殿堂入り。
●通算600本塁打以上を放った9人のうち、26歳の誕生日までにトラウト以上の本塁打を放った選手はロドリゲスとプーホルスだけ。
●Baseball Referenceにおける「25歳のシーズン」までにトラウトより高いWARを記録したのはタイ・カッブだけ。トラウトはマントルを僅かに上回っている。
●トラウトは「25歳のシーズン」終了時に3000打席以上かつ打率.300、出塁率.400、長打率.500をクリアする史上8人目の選手になる可能性が高い(他の7人はジョー・ケリー、カッブ、オットー、フォックス、ジョー・ディマジオ、マントル、プーホルス)。今季は67試合に出場して打率.343、22本塁打、51打点、13盗塁、OPS1.166をマークしているトラウト。打率、出塁率、長打率はいずれもキャリアハイを更新するペースであり、今季終了後にどのような成績を残しているのか楽しみだ。
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第18週の最優秀ブルペンはヤンキース
2017.8.7 16:52 MondayMLB公式サイトでは今季から週ごとに独自の計算方法で「週間最優秀ブルペン」を選出している。第18週の最優秀ブルペンにはヤンキースが選出された。
計算方法は至ってシンプル。以下のルールに従ってポイントを加減していくだけである(合計100ポイントで優秀だと考えられている)。
・1アウト=+1.5ポイント
・1奪三振=+1.5ポイント
・1セーブ=+5ポイント
・1被安打=-2ポイント
・1自責点=-4ポイント
・1非自責点=-2ポイント
・1与四球=-1ポイント
・1セーブ失敗=-5ポイント第18週のヤンキースは21.2回(=65アウト)で27奪三振、2セーブを記録し、被安打15、自責点4、与四球3で合計99ポイントを獲得。第16週以来2週間ぶり、今季2度目の「週間最優秀ブルペン」受賞となった。登板した8人のリリーバーのうち、デリン・ベタンセス、アロルディス・チャップマン、チャド・グリーン、デービッド・ロバートソン、アダム・ウォーレンと5人が無失点。ベタンセスは3試合で4イニングを投げ、被安打0、奪三振7の好投。チャップマンは2度のセーブ機会をいずれも成功させた。チーム最多の4試合に登板したトミー・ケインリーは防御率5.40に終わったが、与四球0は評価できる。ソニー・グレイとハイメ・ガルシアの加入により先発ローテーションの5人が固定され、今後はブルペンへの依存度が低下することが予想されるため、負担軽減によりブルペン陣にはさらなる高パフォーマンスも期待できそうだ。なお、獲得ポイント数の2位はカージナルス(91.5ポイント)、3位はブリュワーズ(87.5ポイント)だった。
各週の最優秀ブルペン
第1週 ロッキーズ(98ポイント)
第2週 レッズ(119.5ポイント)
第3週 アストロズ(132.5ポイント)
第4週 エンゼルス(100.5ポイント)
第5週 インディアンス(125ポイント)
第6週 エンゼルス②(80.5ポイント)
第7週 アストロズ②(106ポイント)
第8週 ドジャース①(126ポイント)
第9週 マーリンズ(124.5ポイント)
第10週 マリナーズ(87ポイント)
第11週 レッドソックス(106.5ポイント)
第12週 ドジャース②(120.5ポイント)
第13週 ジャイアンツ(116ポイント)
第14週 ブリュワーズ(101.5ポイント)
第15週 オールスター週のため発表なし
第16週 ヤンキース(112ポイント)
第17週 カブス(118.5ポイント)
第18週 ヤンキース②(99ポイント)
(丸印は受賞回数)
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【戦評】青木の逆転弾実らず アストロズ逆転サヨナラ
2017.8.7 16:41 Monday7回表に青木宣親の移籍後初本塁打となる3号逆転ツーランとジャスティン・スモークの2点タイムリー二塁打で4点を奪い、試合をひっくり返したブルージェイズだったが、最終回にさらなるドラマが待っていた。
6-3とブルージェイズが3点をリードして迎えた9回裏。マウンドには今季ここまで28セーブを挙げているロベルト・オスーナが上がっていた。3点リードでクローザー登場。誰もがブルージェイズの勝利を確信したに違いない。しかし、アストロズ打線は逆転を諦めなかった。
先頭のホゼ・アルトゥーベがセンターへのヒットで出塁すると、続くジョシュ・レディックは見逃し三振に倒れたものの、ユリエスキー・グリエルとマーウィン・ゴンザレスの連打で一死満塁。ここでカルロス・ベルトランの打球は一塁へのゴロとなったが、併殺にはならず、アルトゥーベが生還して2点差(二塁のみフォースアウト)。さらにアレックス・ブレグマンに2点タイムリー三塁打が飛び出し、一気に同点に追い付いた。そして、二死三塁の場面でフアン・センテーノが内角高めの速球をライトへ弾き返し、劇的な逆転劇を締めくくった。
ホームでの2カード連続負け越しを免れたA.J.ヒンチ監督は「良い形でホームでの戦いを終えられて良かったよ」とホッとした様子。「リーグでベストのクローザーの一人と対戦してサヨナラ勝ちを収めるのは、墜落しそうなフライトがハッピーなフライトになるようなものだね。どんなに難しい状況でも、選手たちは諦めずに戦い続けてくれた」と最後まで諦めなかった選手たちを称えていた。
サヨナラ打を放ったセンテーノは「驚異的な試合だったね。とにかく良い球だけを打とうと心掛けた。ブレグマンが大きな同点打を打ってくれたから、僕はゾーン内の球を打つことに集中していた。良いスイングができたよ」と自身の一打を振り返った。日本時間8月6日に再昇格を果たし、この日が再昇格後の初出場となったセンテーノだが、「8番・捕手」でスタメン出場して2安打1打点。5月下旬に出場した2試合ではいずれも本塁打を放っており、今季は3試合のみの出場ながら打率.455、OPS1.538という素晴らしい成績を残している。
主力選手が戦列を離れようとも、代役がしっかりと穴を埋める活躍を見せている今季のアストロズ。ジョージ・スプリンガーの戦列復帰も近付いており、今日の勝利をきっかけに再び上昇気流に乗っていけそうな雰囲気が漂っている。
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