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  • 全体30位指名までの「最大のミス」 MLB公式サイトが特集

    2020.6.8 10:50 Monday

     メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモンは、過去のドラフトの全体1位から全体30位までの指名について、直後の指名(例:全体1位なら全体2位)と比較して「最大のミス」と言えるものを紹介する特集記事を公開した。比較にはデータサイト「Baseball-Reference」が算出しているWARを使用しているが、単純にWARの差が最大のものを選出するのではなく、先に指名された選手がある程度のWARを記録できなかった場合のみが対象となっている(選手名の後ろの数字は通算WARを表す)。

    全体1位
    2004年のドラフトでパドレスはマット・ブッシュ(2.6)を指名。直後の全体2位でタイガースはジャスティン・バーランダー(72.1)を指名した。

    全体2位
    2006年のドラフトでロッキーズはグレッグ・レイノルズ(-1.7)を指名。直後の全体3位でデビルレイズはエバン・ロンゴリア(56.0)を指名した。

    全体3位
    1968年のドラフトでアストロズはマーティン・コット(メジャー出場なし)を指名。直後の全体4位でヤンキースはサーマン・マンソン(46.0)を指名した。

    全体4位
    1982年のドラフトでツインズはブライアン・エルカーズ(-0.9)を指名。直後の全体5位でメッツはドワイト・グッデン(48.2)を指名した。

    全体5位
    1985年のドラフトでホワイトソックスはカート・ブラウン(メジャー出場なし)を指名。直後の全体6位でパイレーツはバリー・ボンズ(162.8)を指名した。

    全体6位
    1989年のドラフトでカージナルスはポール・コールマン(メジャー出場なし)を指名。直後の全体7位でホワイトソックスはフランク・トーマス(73.8)を指名した。

    全体7位
    1995年のドラフトでレンジャーズはジョナサン・ジョンソン(-0.1)を指名。直後の全体8位でロッキーズはトッド・ヘルトン(61.8)を指名した。

    全体8位
    1987年のドラフトでドジャースはダン・オパーマン(メジャー出場なし)を指名。直後の全体9位でロイヤルズはケビン・エイピアー(54.9)を指名した。

    全体9位
    1984年のドラフトでジャイアンツはアラン・コックレル(-0.1)を指名。直後の全体10位でアスレチックスはマーク・マグワイア(62.2)を指名した。

    全体10位
    2011年のドラフトでパドレスはコリー・スパンジェンバーグ(4.6)を指名。直後の全体11位でアストロズはジョージ・スプリンガー(25.4)を指名した。

    全体11位
    1994年のドラフトでパイレーツはマーク・ファリス(メジャー出場なし)を指名。直後の全体12位でレッドソックスはノマー・ガルシアパーラ(44.3)を指名した。

    全体12位
    1971年のドラフトでアストロズはニール・ラスムッセン(メジャー出場なし)を指名。直後の全体13位でエンゼルスはフランク・タナナ(57.1)を指名した。

    全体13位
    2007年のドラフトでインディアンスはボー・ミルズ(メジャー出場なし)を指名。直後の全体14位でブレーブスはジェイソン・ヘイワード(36.9)を指名した。

    全体14位
    2000年のドラフトでオリオールズはボー・ヘイル(メジャー出場なし)を指名。直後の全体15位でフィリーズはチェイス・アトリー(64.4)を指名した。

    全体15位
    1997年のドラフトでホワイトソックスはジェイソン・デラエロ(-0.9)を指名。直後の全体16位でアストロズはランス・バークマン(52.0)を指名した。

    全体16位
    1995年のドラフトでジャイアンツはジョー・フォンテノー(-0.6)を指名。直後の全体17位でブルージェイズはロイ・ハラデイ(64.2)を指名した。

    全体17位
    1974年のドラフトでメッツはクリフ・スペック(0.3)を指名。直後の全体18位でロイヤルズはウィリー・ウィルソン(46.1)を指名した。

    全体18位
    1983年のドラフトでドジャースはエリック・ソンバーグ(メジャー出場なし)を指名。直後の全体19位でレッドソックスはロジャー・クレメンス(139.2)を指名した。

    全体19位
    1990年のドラフトでジャイアンツはエリック・クリストファーソン(メジャー出場なし)を指名。直後の全体20位でオリオールズはマイク・ムシーナ(82.8)を指名した。

    全体20位
    1974年のドラフトでレッドソックスはエディ・フォード(メジャー出場なし)を指名。直後の全体21位でドジャースはリック・サトクリフ(31.2)を指名した。

    全体21位
    1987年のドラフトでタイガースはスティーブ・ペゲイズ(-0.7)を指名。直後の全体22位でアストロズはクレイグ・ビジオ(65.5)を指名した。

    全体22位
    2010年のドラフトでレンジャーズはケリン・デグラン(メジャー出場なし)を指名。直後の全体23位でマーリンズはクリスチャン・イェリッチ(31.8)を指名した。

    全体23位
    2015年のドラフトでカージナルスはニック・プラマー(メジャー出場なし)を指名。直後の全体24位でドジャースはウォーカー・ビューラー(5.5)を指名した。

    全体24位
    1989年のドラフトでメッツはアラン・ジンター(-0.8)を指名。直後の全体25位でツインズはチャック・ノブロック(44.6)を指名した。

    全体25位
    1976年のドラフトでアストロズはフィル・クリマス(メジャー出場なし)を指名。直後の全体26位でタイガースはアラン・トラメル(70.7)を指名した。

    全体26位
    1967年のドラフトでアストロズはジェイ・シュルター(0.0)を指名。直後の全体27位でアスレチックスはバイダ・ブルー(44.9)を指名した。

    全体27位
    1975年のドラフトでタイガースはジョン・マーフィー(メジャー出場なし)を指名。直後の全体28位でカブスはリー・スミス(28.9)を指名した。

    全体28位
    1971年のドラフトでエクスポズはダン・ワーゼン(1.4)を指名。直後の全体29位でロイヤルズはジョージ・ブレット(88.6)を指名した。

    全体29位
    1982年のドラフトでレッドソックスはケビン・ロマイン(-1.4)を指名。直後の全体30位でブルージェイズはデービッド・ウェルズ(53.6)を指名した。

    全体30位
    1984年のドラフトでマリナーズはマイク・クライスト(メジャー出場なし)を指名。直後の全体31位でカブスはグレッグ・マダックス(106.6)を指名した。

  • 全体1位で指名すべきだった男たち 過去のドラフトを振り返る

    2020.6.7 23:55 Sunday

     ドラフトの全体1位で指名されることは選手にとって最高の栄誉の1つと言えるが、必ずしも全体1位指名選手がメジャーの舞台で大活躍するわけではない。メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモンは、各年度のドラフト指名選手のなかで最高の通算WAR(Baseball-Reference版)を記録している選手を「全体1位で指名すべきだった選手」として紹介。結果論ではあるが、ここではサイモンが挙げた選手の顔ぶれを紹介する(選手名の後ろの数字は通算WARを表す)。

    1965年:アスレチックス
    リック・マンデー(33.1)を指名。指名すべきだった選手はレッズ2巡目のジョニー・ベンチ(75.2)。

    1966年:メッツ
    スティーブン・チルコット(メジャー出場なし)を指名。指名すべきだった選手はアスレチックス1巡目(全体2位)のレジー・ジャクソン(74.0)。

    1967年:ヤンキース
    ロン・ブロムバーグ(9.4)を指名。指名すべきだった選手はオリオールズ1巡目(全体19位)のボビー・グリッチ(71.1)。

    1968年:メッツ
    ティム・フォーリ(5.7)を指名。指名すべきだった選手はヤンキース1巡目(全体4位)のサーマン・マンソン(46.0)

    1969年:セネタース
    ジェフ・バローズ(17.8)を指名。指名すべきだった選手はツインズ3巡目のバート・ブライレブン(94.5)。

    1970年:パドレス
    マイク・アイビー(7.3)を指名。指名すべきだった選手はホワイトソックス9巡目のリッチ・ゴセージ(41.1)。

    1971年:ホワイトソックス
    ダニー・グッドウィン(入団せず)を指名。指名すべきだった選手はフィリーズ2巡目のマイク・シュミット(106.9)。

    1972年:パドレス
    デーブ・ロバーツ(0.4)を指名。指名すべきだった選手はエクスポズ3巡目のゲーリー・カーター(70.1)。

    1973年:レンジャーズ
    デービッド・クライド(0.6)を指名。指名すべきだった選手はブリュワーズ1巡目(全体3位)のロビン・ヨーント(77.3)。

    1974年:パドレス
    ビル・アルモン(4.6)を指名。指名すべきだった選手はブレーブス1巡目(全体5位)のデール・マーフィー(46.5)。

    1975年:エンゼルス
    ダニー・グッドウィン(-1.7)を指名。指名すべきだった選手はタイガース5巡目のルー・ウィテカー(75.1)。

    1976年:アストロズ
    フロイド・バニスター(26.4)を指名。指名すべきだった選手はアスレチックス4巡目のリッキー・ヘンダーソン(111.2)。

    1977年:ホワイトソックス
    ハロルド・ベインズ(38.7)を指名。指名すべきだった選手はパドレス4巡目のオジー・スミス(76.9)。

    1978年:ブレーブス
    ボブ・ホーナー(21.9)を指名。指名すべきだった選手はオリオールズ2巡目のカル・リプケンJr.(95.9)。

    1979年:マリナーズ
    アル・チャンバース(-0.5)を指名。指名すべきだった選手はドジャース17巡目のオーレル・ハーシュハイザー(56.1)。

    1980年:メッツ
    ダリル・ストロベリー(42.2)を指名。全体1位に相応しい指名だった。

    1981年:マリナーズ
    マイク・ムーア(27.9)を指名。指名すべきだった選手はパドレス3巡目のトニー・グウィン(69.2)。

    1982年:カブス
    ショーン・ダンストン(11.5)を指名。指名すべきだった選手はロイヤルズ19巡目のブレット・セイバーヘイゲン(58.9)。

    1983年:ツインズ
    ティム・ベルチャー(入団せず)を指名。指名すべきだった選手はレッドソックス1巡目(全体19位)のロジャー・クレメンス(139.2)。

    1984年:メッツ
    ショーン・エイブナー(-1.3)を指名。指名すべきだった選手はカブス2巡目のグレッグ・マダックス(106.6)。

    1985年:ブリュワーズ
    B・J・サーホフ(34.4)を指名。指名すべきだった選手はパイレーツ1巡目(全体6位)のバリー・ボンズ(162.8)。

    1986年:パイレーツ
    ジェフ・キング(16.8)を指名。指名すべきだった選手はブリュワーズ1巡目(全体6位)のゲーリー・シェフィールド(60.5)。

    1987年:マリナーズ
    ケン・グリフィーJr.(83.8)を指名。全体1位に相応しい指名だった。

    1988年:パドレス
    アンディ・ベネス(31.4)を指名。指名すべきだった選手はドジャース62巡目(全体1390位)のマイク・ピアッツァ(59.6)。

    1989年:オリオールズ
    ベン・マクドナルド(20.8)を指名。指名すべきだった選手はレッドソックス4巡目のジェフ・バグウェル(79.9)。

    1990年:ブレーブス
    チッパー・ジョーンズ(85.3)を指名。全体1位に相応しい指名だった。

    1991年:ヤンキース
    ブライエン・テイラー(メジャー出場なし)を指名。指名すべきだった選手はインディアンス1巡目(全体13位)のマニー・ラミレス(69.3)。

    1992年:アストロズ
    フィル・ネビン(15.9)を指名。指名すべきだった選手はヤンキース1巡目(全体6位)のデレク・ジーター(71.3)。

    1993年:マリナーズ
    アレックス・ロドリゲス(117.5)を指名。全体1位に相応しい指名だった。

    1994年:メッツ
    ポール・ウィルソン(2.0)を指名。指名すべきだった選手はレッドソックス1巡目(全体12位)のノマー・ガルシアパーラ(44.3)。

    1995年:エンゼルス
    ダリン・アースタッド(32.3)を指名。指名すべきだった選手はブルージェイズ1巡目(全体17位)のロイ・ハラデイ(64.2)。

    1996年:パイレーツ
    クリス・ベンソン(12.9)を指名。指名すべきだった選手はフィリーズ2巡目のジミー・ロリンズ(47.6)。

    1997年:タイガース
    マット・アンダーソン(-0.6)を指名。指名すべきだった選手はアストロズ1巡目(全体16位)のランス・バークマン(52.0)。

    1998年:フィリーズ
    パット・バール(18.9)を指名。指名すべきだった選手はインディアンス1巡目(全体20位)のCC・サバシア(62.5)。

    1999年:デビルレイズ
    ジョシュ・ハミルトン(28.2)を指名。指名すべきだった選手はカージナルス13巡目のアルバート・プーホルス(100.8)。

    2000年:マーリンズ
    エイドリアン・ゴンザレス(43.6)を指名。指名すべきだった選手はフィリーズ1巡目(全体15位)のチェイス・アトリー(64.4)。

    2001年:ツインズ
    ジョー・マウアー(55.3)を指名。全体1位に相応しい指名だった。

    2002年:パイレーツ
    ブライアン・バリントン(-0.2)を指名。指名すべきだった選手はロイヤルズ1巡目(全体6位)のザック・グレインキー(71.0)。

    2003年:デビルレイズ
    デルモン・ヤング(3.2)を指名。指名すべきだった選手はレンジャーズ17巡目のイアン・キンズラー(55.2)。

    2004年:パドレス
    マット・ブッシュ(2.6)を指名。指名すべきだった選手はタイガース1巡目(全体2位)のジャスティン・バーランダー(71.6)。

    2005年:ダイヤモンドバックス
    ジャスティン・アップトン(34.4)を指名。指名すべきだった選手はパイレーツ1巡目(全体11位)のアンドリュー・マカッチェン(44.8)。

    2006年:ロイヤルズ
    ルーク・ホッチェバー(3.7)を指名。指名すべきだった選手はドジャース1巡目(全体7位)のクレイトン・カーショウ(67.9)。

    2007年:デビルレイズ
    デービッド・プライス(39.4)を指名。全体1位に相応しい指名だった。

    2008年:レイズ
    ティム・ベッカム(3.5)を指名。指名すべきだった選手はジャイアンツ1巡目(全体5位)のバスター・ポージー(41.8)。

    2009年:ナショナルズ
    スティーブン・ストラスバーグ(33.5)を指名。指名すべきだった選手はエンゼルス1巡目(全体25位)のマイク・トラウト(72.8)。

    2010年:ナショナルズ
    ブライス・ハーパー(31.8)を指名。指名すべきだった選手はマーリンズ1巡目(全体23位)のクリスチャン・イェリッチ(31.8)。

    2011年:パイレーツ
    ゲリット・コール(23.3)を指名。全体1位に相応しい指名だった。

    2012年:アストロズ
    カルロス・コレア(24.5)を指名。全体1位に相応しい指名だった。

    2013年:アストロズ
    マーク・アッペル(メジャー出場なし)を指名。指名すべきだった選手はドジャース4巡目のコディ・ベリンジャー(17.3)。

    2014年:アストロズ
    ブレイディ・エイケン(入団せず)を指名。指名すべきだった選手はアスレチックス1巡目(全体25位)のマット・チャップマン(19.8)。

    2015年:ダイヤモンドバックス
    ダンズビー・スワンソン(4.6)を指名。指名すべきだった選手はアストロズ1巡目(全体2位)のアレックス・ブレグマン(22.4)。

    2016年:フィリーズ
    ミッキー・モニアック(メジャー出場なし)を指名。指名すべきだった選手はメッツ2巡目のピート・アロンゾ(5.2)。

    2017年:ツインズ
    ロイス・ルイス(メジャー出場なし)を指名。「MLB Pipeline」のプロスペクト・ランキングで全体9位にランクイン。

    2018年:タイガース
    ケーシー・マイズ(メジャー出場なし)を指名。「MLB Pipeline」のプロスペクト・ランキングで全体7位にランクイン。

    2019年:オリオールズ
    アドリー・ラッチマン(メジャー出場なし)を指名。「MLB Pipeline」のプロスペクト・ランキングで全体4位にランクイン。

  • 左腕に強い左打者 イチローは2004年に打率.404を記録

    2020.6.7 13:20 Sunday

     一般的に「左打者は左腕に不利」と言われ、左打者を抑えるワンポイントとして活躍した投手も少なくない。しかし、すべての左打者が左腕を苦手としていたわけではなく、左腕を相手に好成績を残した左打者も存在する。データサイト「Baseball-Reference」の「Split Finder」という機能を使用し、「左腕に強い左打者」を調べてみた。

     同サイトのデータは、1973年以降は「完成」、1950~1972年は「ほぼ完成」、1918~1949年は「なんとか完成」という状態であり、1972年以前のデータには不完全な部分がある。今回の調査では、データに不完全な部分ある選手は排除し、シーズンないし通算のデータがしっかり揃っている選手のみを対象としている。

     まず、シーズン記録を見てみると、「左vs左」の成績で打率が4割を超えているのは2人(対左腕100打席以上)。1925年のトリス・スピーカーが142打数59安打で打率.415、2004年のイチローが208打数84安打で打率.404をマークしている。スピーカーはこの年、自己最高の打率.389を記録。イチローも歴代最多の262安打で自己最高の打率.372をマークしている。

     ちなみに、「左vs左」のシーズン安打数の1位は1978年のクリス・チャンブリスの93本(打率.289)、本塁打数の1位は1996年と1998年のケン・グリフィーJr.、2002年のバリー・ボンズが記録した20本。OPSの1位は2002年のボンズの1.532となっている。

    「左vs左」のシーズン打率トップ5
    トリス・スピーカー(1925年)142打数59安打 打率.415
    イチロー(2004年)208打数84安打 打率.404
    ケン・グリフィー(1976年)150打数59安打 打率.393
    ビリー・バックナー(1978年)162打数63安打 打率.389
    トッド・ヘルトン(2003年)199打数77安打 打率.387
    ※対左腕100打席以上が対象

     一方、通算記録を見てみると、対左腕1000打席以上の打者のなかで最も打率が高いのはイチローだ。2842打数935安打で打率.329をマークし、これは通算打率の.311を上回っている。対左腕の通算打率が3割を超えている左打者はイチローを筆頭に5人しかおらず、27位には松井秀喜(1379打数391安打、打率.284)の名前もある。

    「左vs左」の通算打率トップ5
    イチロー 2842打数935安打 打率.329(.311)
    トニー・グウィン 3226打数1048安打 打率.325(.338)
    ロッド・カルー 2905打数900安打 打率.310(.328)
    ラリー・ウォーカー 2109打数645安打 打率.306(.313)
    チャーリー・ブラックモン 1269打数385安打 打率.303(.304)
    ※対左腕1000打席以上が対象(カッコ内はキャリア通算打率)

     「左vs左」の通算打率が3割を超えている上記の5人のうち、「左vs左」の打率がキャリア通算打率を上回っているのはイチローだけ。イチローは「左腕に強い左打者」の代表格と言えそうだ。

  • 守備防御点の歴代ベスト&ワースト記録 シモンズは驚異の+40

    2020.6.7 12:30 Sunday

     ある選手が平均的な選手と比較して守備でどれだけの失点を防いだかを表す指標として「守備防御点」というものがある。エラーの数はもちろん、守備範囲の広さ、肩の強さ、併殺処理能力などが考慮され、データサイト「FanGraphs」では2002年以降の数値を掲載している。ここではポジション別に歴代ベスト&ワーストの数値を記録した選手を紹介する。

     全ポジションのなかで歴代ベストの数字を叩き出したのは2017年のアンドレルトン・シモンズ(エンゼルス)で、遊撃手として+40という驚異的な数値をマークした。つまり、平均的な選手が守備に就いていた場合と比較して、シモンズの守備によってエンゼルスは40もの失点を防いだことになる。昨年、マット・チャップマン(アスレチックス)は三塁で+34を記録したが、これは歴代3位タイの数字だ。

     一方、歴代ワーストは2010年にマット・ケンプ(ドジャース)が中堅手として記録した-33となっている。中堅手のベスト記録は2015年にケビン・キアマイアー(レイズ)がマークした+38だが、2010年のドジャースと2015年のレイズはレギュラーの中堅手の守備だけで失点に71もの違いが生まれたことになる。

     ポジション別の歴代ベスト&ワースト記録は以下の通り。

    投手
    ベスト:ケニー・ロジャース(2008年タイガース)+15
    ワースト:ジェイソン・ジョンソン(2006年インディアンスなど)-10

    捕手
    ベスト:ヤディアー・モリーナ(2013年カージナルス)+30
    ベスト:ロベルト・ペレス(2019年インディアンス)+30
    ワースト:ホルヘ・ポサダ(2010年ヤンキース)-30

    一塁手
    ベスト:アルバート・プーホルス(2007年カージナルス)+31
    ワースト:マイク・ジェイコブス(2008年マーリンズ)-24

    二塁手
    ベスト:クレイグ・カウンセル(2005年ダイヤモンドバックス)+30
    ベスト:チェイス・アトリー(2008年フィリーズ)+30
    ワースト:リッキー・ウィークスJr.(2012年ブリュワーズ)-30

    三塁手
    ベスト:マット・チャップマン(2019年アスレチックス)+34
    ワースト:ライアン・ブラウン(2007年ブリュワーズ)-32

    遊撃手
    ベスト:アンドレルトン・シモンズ(2017年エンゼルス)+40
    ワースト:マイケル・ヤング(2005年レンジャーズ)-32

    左翼手
    ベスト:ブレット・ガードナー(2010年ヤンキース)+25
    ワースト:アダム・ダン(2007年レッズ)-26

    中堅手
    ベスト:ケビン・キアマイアー(2015年レイズ)+38
    ワースト:マット・ケンプ(2010年ドジャース)-33

    右翼手
    ベスト:イチロー(2004年マリナーズ)+30
    ベスト:ムーキー・ベッツ(2016年レッドソックス)+30
    ベスト:ムーキー・ベッツ(2017年レッドソックス)+30
    ワースト:ジャーメイン・ダイ(2007年ホワイトソックス)-27
    ワースト:ブラッド・ホープ(2008年ロッキーズ)-27

  • ドラフト中継の出演者が決定 全体1位指名候補のトーケルソンら23人

    2020.6.6 14:10 Saturday

     日本時間6月6日、メジャーリーグ機構は完全リモートで行われる今年のドラフト会議のライブ中継に23人の有望株が出演することを発表した。そのなかにはスペンサー・トーケルソン、オースティン・マーティン、エイサ・レイシーといった全体1位指名候補の選手も含まれている。今年のドラフトは日本時間6月11~12日に開催され、1日目に1巡目と戦力均衡ラウンドAの合計37人、2日目に2巡目から5巡目までの123人の指名が行われる予定となっている。

     ドラフト中継に出演することが決まった23人は以下の通り。いずれも「MLB Pipeline」が公開しているドラフト有望株リストのトップ36までに名を連ねている選手であり、特にランキングの上位13人からは、4位のエマーソン・ハンコックを除く12人が出演することになっている(カッコ内は同リストでの順位)。

    スペンサー・トーケルソン一塁手(1位)
    オースティン・マーティン外野手兼三塁手(2位)
    エイサ・レイシー投手(3位)
    ニック・ゴンザレス遊撃手兼二塁手(5位)
    ギャレット・ミッチェル外野手(6位)
    ザック・ビーン外野手(7位)
    リード・デトマーズ投手(8位)
    マックス・マイヤー投手(9位)
    ヘストン・ケアスタッド外野手(10位)
    ミック・エイベル投手(11位)
    ジャレッド・ケリー投手(12位)
    オースティン・ヘンドリック外野手(13位)
    エド・ハワード遊撃手(15位)
    ロバート・ハッセル外野手(16位)
    パトリック・ベイリー捕手(17位)
    タイラー・ソダーストロム捕手(19位)
    ピート・クロウ=アームストロング外野手(20位)
    カルメン・ムロジンスキー投手(21位)
    ケイド・キャバリ投手(22位)
    オースティン・ウェルズ捕手(27位)
    タナー・バーンズ投手(28位)
    スレイド・チェッコーニ投手(31位)
    ニック・ロフティン遊撃手(36位)

     また、リモート出演する各球団の責任者は以下の通り。

    マイク・エリアス(オリオールズ)
    チェイム・ブルーム(レッドソックス)
    ブライアン・キャッシュマン(ヤンキース)
    エリック・ニアンダー(レイズ)
    ロス・アトキンス(ブルージェイズ)
    リック・ハーン(ホワイトソックス)
    クリス・アントネッティ(インディアンス)
    アル・アビラ(タイガース)
    デイトン・ムーア(ロイヤルズ)
    デレク・フォルビー(ツインズ)
    ジェームス・クリック(アストロズ)
    ビリー・エプラー(エンゼルス)
    デービッド・フォースト(アスレチックス)
    ジェリー・ディポート(マリナーズ)
    ジョン・ダニエルズ(レンジャーズ)
    アレックス・アンソポロス(ブレーブス)
    DJ・スビーリック(マーリンズ)
    ブロディ・バンワグネン(メッツ)
    マット・クレンタック(フィリーズ)
    マイク・リゾー(ナショナルズ)
    セオ・エプスタイン(カブス)
    ディック・ウィリアムス(レッズ)
    デービッド・スターンズ(ブリュワーズ)
    ベン・チェリントン(パイレーツ)
    ジョン・モゼリアック(カージナルス)
    マイク・ヘイゼン(ダイヤモンドバックス)
    ジェフ・ブライディッチ(ロッキーズ)
    アンドリュー・フリードマン(ドジャース)
    A・J・プレラー(パドレス)
    ファーハン・ザイディ(ジャイアンツ)

  • もしコールが2008年にヤンキースと契約していたら…

    2020.6.6 12:50 Saturday

     今オフ、投手史上最高額となる9年3億2400万ドルの超大型契約でヤンキースに加入したゲリット・コールだが、コールは2011年のドラフトでパイレーツから全体1位指名を受ける前、2008年のドラフトでヤンキースから全体28位で指名されていた。このとき、コールは大学進学を選択したが、もしヤンキースと契約していたら球界の歴史はどのように変わっていたのだろうか。メジャーリーグ公式サイトのマイケル・クレアが特集記事を公開している。

    【1】ヤンキースは投手王国になっていた

     コールは2013年にメジャーデビューを果たしたが、ヤンキースに入団した場合は2012年途中にイバン・ノバに代わって先発ローテーション入りしていただろう。パイレーツはコールの変化球の使用を制限し、沈む速球を主体としたピッチングに取り組ませていたが、ヤンキースではそのようなことはなく、現実よりも早い段階で才能を開花させていたと思われる。コール、ルイス・セベリーノ、田中将大、CC・サバシアらによって「投手王国」が完成していたはずだ。

    【2】コールは2015年にサイ・ヤング賞を受賞していた

     現実のコールは2015年に19勝8敗、防御率2.60、202奪三振の好成績をマークし、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で4位にランクイン。これよりさらに成績が向上していたと仮定するならば、20勝8敗、防御率2.48をマークしたダラス・カイケルに代わってア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞していたと思われる。

    【3】パイレーツはレンドンを指名していた

     2008年のドラフトでコールがヤンキースに入団した場合、パイレーツは2011年のドラフト全体1位でアンソニー・レンドンを指名しただろう。これにより、守備に不安を抱えるペドロ・アルバレスを一塁へコンバートすることが可能になり、2013~15年にかけてのパイレーツの「プチ黄金期」はさらに充実したものとなっていたかもしれない。

    【4】パイレーツがアーチャーを獲得するのは変わらない

     レンドンの活躍によりポストシーズン進出を狙える位置につけていたパイレーツは、投手の補強を目指すだろう。コールがヤンキースに入団した場合も、パイレーツがオースティン・メドウズとタイラー・グラスノーを放出してレイズからクリス・アーチャーを獲得するのは変わらないと思われる。

    【5】リンドーアはナショナルズに入団していた

     2011年のドラフトでレンドンを獲得できなかったナショナルズは、全体6位でフランシスコ・リンドーアを指名することになるだろう。資金的にリンドーアと契約延長の見込みがないインディアンスはリンドーアの放出を検討していると言われているが、ナショナルズであれば長期契約を結ぶことも可能なはずだ。

    【6】カブスは2016年に世界一になれなかった

     レンドンをパイレーツ、リンドーアをナショナルズが指名したことにより、さらに「玉突き」が発生し、インディアンスはハビアー・バイエズ、カブスはジョージ・スプリンガー、アストロズはソニー・グレイを指名することになるだろう。バイエズがいなければ、カブスは2016年のリーグ優勝決定シリーズを勝ち抜くことができず、ワールドシリーズはドジャースとインディアンスの対戦となっていたはずだ。

    【7】バーランダーはアストロズへ移籍しなかった

     グレイがカイケル、チャーリー・モートン、ランス・マカラーズJr.とともに先発ローテーションを形成することになったアストロズは、先発投手を補強する必要がなく、ジャスティン・バーランダーの獲得には動かないと思われる。スプリンガーの代わりにテオスカー・ヘルナンデスがレギュラーとなり、先発投手ではなく強打者の補強に動いていたかもしれない。

    【8】2018年のチャンピオンはヤンキースだった

     現実の2018年はレッドソックスがワールドシリーズを制したが、コールがヤンキースに入団した場合、ヤンキースが地区優勝し、ワイルドカード・ゲームでエースのクリス・セールを使ったレッドソックスを地区シリーズで撃破。その勢いのまま、2009年以来9年ぶりとなるワールドシリーズ制覇を成し遂げていたと思われる。

     以上の内容は、クレアによる「仮想のストーリー」であり、もちろん歴史が変わることはない。12年越しにヤンキースの一員となったコールは、今後どのような物語を作っていくのだろうか。

  • 仮想の「最強チーム決定戦」 優勝は1986年メッツ

    2020.6.6 11:40 Saturday

     シミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット2」は日本時間6月6日に1986年メッツと2001年マリナーズによる決勝の最終結果が発表され、マリナーズを4勝3敗で破ったメッツが優勝した。前日に第5戦までの結果発表が行われ、メッツは3勝2敗で優勝に王手をかけていたが、第6戦は0対6で完封負け。しかし、第7戦に3対0で勝利し、64チームの頂点に立った。

     第6戦はマリナーズのイチローが2本のタイムリー二塁打で4打点を叩き出す大活躍。5回表、カルロス・ギーエンの犠飛で先制したあと、二死2・3塁のチャンスでセンターへ2点タイムリー二塁打を放つと、7回表二死1・2塁の場面で今度は左中間への2点タイムリー二塁打を放ち、9回途中まで3安打無失点の快投を見せた先発のジェイミー・モイヤーを援護した。

     第7戦はメッツ先発のボブ・オヘーダが4回まで打者12人をパーフェクトに封じるなど見事なピッチングを披露し、8回4安打無失点の快投。打線は4回裏無死1・2塁からゲーリー・カーターのタイムリーで先制し、二死3塁となってムーキー・ウィルソンの2ラン本塁打でリードを3点に広げた。最終回はクローザーのジェシー・オロスコが二死から2つの四球で1・2塁のピンチを招いたが、デービッド・ベルの打球をセンターのレニー・ダイクストラが好捕して試合終了。世界一に輝いた現実と同様、1986年メッツがチャンピオンとなった。

     メッツ優勝の原動力となったのは強力な先発四本柱。オヘーダが大会通算3勝0敗、防御率1.25、ロン・ダーリングが7勝1敗、防御率1.44の好成績を残したほか、シド・フェルナンデスが2勝1敗、防御率2.73、ドワイト・グッデンが5勝3敗、防御率3.12をマークし、先発投手陣全体の防御率は2.16という安定感だった。

     一方、歴代最多タイの116勝を挙げた2001年マリナーズは、現実と同様にチャンピオンにはなれなかった(現実ではリーグ優勝決定シリーズで敗退)。イチローは最終戦で4打数ノーヒットに終わり、大会通算成績は打率.303、2本塁打、16打点。佐々木主浩は11セーブ、防御率0.00の大活躍を見せたが、決勝では第3戦以降、登板機会が巡ってこなかった。

  • シーズン262安打 イチローの大記録はアンタッチャブルなのか?

    2020.6.5 17:55 Friday

     2004年、イチロー(当時マリナーズ)は262安打を放ち、ジョージ・シスラー(1920年ブラウンズ:257安打)のメジャー記録を84年ぶりに更新した。161試合で762回打席に立ち、704打数で262本の安打を放ったイチロー。今後この記録を更新する選手は現れるのだろうか。

     2004年のイチローは704打数262安打で打率.372を記録。メジャーでの自己最高打率でアメリカン・リーグの首位打者に輝いた(2001年に続いて2度目。キャリア最後の首位打者)。単純な話、イチローの記録を塗り替えるためには700打数以上で3割7分を超えるような高打率が必要ということになる。

     メジャーリーグにおいてシーズン700打席を超えるのは決して珍しいことではなく、昨年もマーカス・セミエン(アスレチックス)の747打席を筆頭に9人が700打席以上を記録。しかし、シーズン700打数となると話は別で、1980年のウィリー・ウィルソン(当時ロイヤルズ:705打数)、1984年のフアン・サミュエル(当時フィリーズ:701打数)、2004年のイチロー、そして2007年のジミー・ロリンズ(当時フィリーズ:716打数)の4人しかいない。

     この4人に共通しているのは、基本的に1番打者を務めていたにもかかわらず四球が少ないということであり、イチローとロリンズは49個、ウィルソンとサミュエルの2人に至っては28個しか四球を選んでいない。出塁率が重要視され、四球を多く選べる打者が重宝される現代において、シーズン700打数を記録するのは至難の業と言える。

     また、3割7分を超える打率を記録するのも簡単なことではない。実際、2004年のイチローを最後に打率.370以上の打者は現れておらず、21世紀ではイチローと2002年のバリー・ボンズ(当時ジャイアンツ:打率.370)の2人だけ。イチロー以降では、2009年のジョー・マウアー(当時ツインズ:打率.365)が最高打率となっている。

     シスラーは154試合制の1920年に631打数で257本もの安打を放ったが、これは.407という驚異的な高打率を記録したからにほかならない。シーズン安打数10傑に名を連ねる打者は、2004年(262安打)と2001年(242安打)のイチローを除く全員が.386以上の高打率(8人中5人は4割打者)をマークしており、シーズン700打数を記録するのが困難である以上、イチローの記録を更新するためには3割8分を超えるような高打率が必要不可欠であると断言していいだろう。

     ちなみに、654打数で打率.386をマークした1925年のアル・シモンズ(当時アスレチックス)でも安打数は253どまり。やはりイチローのシーズン262安打はアンタッチャブル・レコードなのかもしれない。

  • カージナルス・ミラー「我々には現在と未来の選手を守る責任がある」

    2020.6.5 16:20 Friday

     日本時間6月5日、メジャーリーグ選手会のトニー・クラーク専務理事は声明文のなかでメジャーリーグ機構から提示されたプランを断固として拒否したことを明らかにした。機構側は、選手会が年俸削減に応じない限りシーズンの試合数を大幅に削減するという姿勢を貫いているものの、選手会も、給与削減については一歩も譲らない構えを見せており、両者間の深い溝が埋まる気配はない。ESPNが詳細を伝えている。

     ある関係者は、両者が合意に達してからシーズン開幕までに4週間を要すると語っており、独立記念日(7月4日)のシーズン開幕を目指すのであれば、残された時間は多くない。選手会は6月30日に開幕する114試合のプランを提示していたが、それを実現するのは絶望的な状況となりつつある。

     選手会役員の1人であるアンドリュー・ミラー(カージナルス)は「選手たちは(オープン戦が中断された)初日からできるだけ早くグラウンドに戻ることを目指してきた。ファンのために試合を開催しようと試みてきたが、結果としてメジャーリーグ機構に非難されただけだった」と述べた。

     さらに「以前の合意に反して我々が譲歩すれば、彼らはより多くの試合を開催するつもりらしい。我々には組織として現在と未来の世代の選手たちを守る責任がある。選手を分断しようとするメジャーリーグ機構の試みを我々は断固として拒否した」と語り、メジャーリーグ機構の姿勢を批判するとともに、選手の代表としての責任感をにじませた。

     選手のなかには「25%の給料のためにシーズンの25%だけをプレーするなんて、そんなリスクを負う価値はない」と語る者もいる。「新型コロナウイルスのことだけを言っているのではない。(そんなに短いシーズンだと)ハムストリングや肩を少し痛めただけでシーズンが終わってしまう」とその選手は語る。

     一方、カブスのトム・リケッツ・オーナーは「我々が大金を蓄えていると考える人々がいるようだ。しかし、それは事実ではない。このようなパンデミックを予想できる人などいないのだから」と発言。未曽有の事態により球団の経営状況が悪化していることへの理解を求めた。

  • 高校のチームメイト3人がメジャーのマウンドで活躍中

    2020.6.5 15:20 Friday

     24歳のジャック・フラハティ(カージナルス)、25歳のルーカス・ジオリト(ホワイトソックス)、26歳のマックス・フリード(ブレーブス)の3人は、いずれも所属球団で先発ローテーションの中心的存在へと成長を遂げたが、この3人はハーバード・ウエストレイク高のチームメイトだった。いずれもドラフト1巡目指名でプロ入りし、昨年は自己最多の勝ち星をマーク。この3人の昨年の活躍を簡単に振り返ってみよう。

     3人のなかで最も早く生まれたのは1994年1月18日生まれの左腕・フリード。2012年のドラフトでパドレスから全体7位指名を受けてプロ入りし、2014年12月のトレードでブレーブスに加わった。1994年7月14日生まれの右腕・ジオリトも2012年のドラフトでナショナルズから全体16位指名を受けてプロ入り。2016年12月のトレードでホワイトソックスに加入している。1995年10月15日生まれの右腕・フラハティは2014年のドラフト全体34位指名でカージナルスに入団した。

     フラハティは昨年の後半戦に急成長を遂げ、シーズン後半戦の防御率としては歴代2位となる0.91を記録。シーズン通算では33先発で196.1イニングを投げ、11勝8敗、防御率2.75、231奪三振という好成績をマークした。

     ジオリトは規定投球回以上でワーストの防御率6.13に終わった前年から成績を劇的に向上させ、29先発で176.2イニングを投げて14勝9敗、防御率3.41、228奪三振をマーク。防御率のアップ幅はメジャー歴代3位の記録となった。

     フリードは開幕直後に先発ローテーション入りを果たし、33試合(うち30先発)で165.2イニングを投げて17勝6敗、防御率4.02、173奪三振を記録。球界有数のカーブを武器に好成績を残し、マイク・ソローカとともにブレーブス投手陣の中心を担った。

     今年のドラフトでは、ピート・クロウ=アームストロング外野手がドラフト1巡目候補となっており、「MLB Pipeline」のドラフト有望株ランキングで20位にランクイン。チームメイトのドリュー・バウザー遊撃手も同ランキングで64位に名を連ねている。ハーバード・ウエストレイク高からフラハティ、ジオリト、フリードの投手トリオに続くメジャーリーガーが誕生する日もそう遠くはないかもしれない。

  • 4人の殿堂入り選手を輩出したドラフトは過去に3度

    2020.6.5 11:45 Friday

     メジャーリーグ公式サイトのトーマス・ハリガンによると、第1回ドラフトが開催された1965年以降、複数のアメリカ野球殿堂入り選手を輩出したドラフトは13度あるという(指名されて契約しなかった選手は含まない)。そのうち最多の殿堂入り選手を輩出したのは1976年、1977年、1989年の3度。いずれも4人の殿堂入り選手を輩出している。

     2017年にベテランズ委員会の選考でアラン・トラメルとジャック・モリスが殿堂入りを果たしたことにより、1976年のドラフトが輩出した殿堂入り選手は4人となった。トラメルとモリスはタイガースで14年間チームメイトとしてプレーし、1984年にはワールドシリーズ制覇を経験。20年間タイガース一筋でプレーしたトラメルとは対照的に、モリスは「優勝請負人」として1991年にツインズ、1992年にブルージェイズでチャンピオンリングを手にした。歴代最多の1406盗塁を誇るリッキー・ヘンダーソンと通算3010安打のウェイド・ボッグスも1976年のドラフトで指名されてプロ入りしている。

     1977年のドラフトは、2019年にベテランズ委員会の選考でハロルド・ベインズが殿堂入りを果たしたため、殿堂入り選手が4人となった。通算808盗塁のティム・レインズはラストチャンスとなった2017年の記者投票で殿堂入り。通算3319安打のポール・モリターとゴールドグラブ賞13度のオジー・スミスはそれぞれ有資格初年度で殿堂入りを果たしている。

     1989年のドラフトからは、フランク・トーマス、ジェフ・バグウェル、トレバー・ホフマン、ジム・トーメイの4人が殿堂入り。いずれも1990~2000年代を代表するスター選手だ。この年は強打の二塁手として活躍したジェフ・ケントもいるが、ケントは7度目の挑戦となった今年の殿堂入り投票で得票率27.5%にとどまっており、記者投票での殿堂入りは難しそうだ。

     1985年のドラフトからは、バリー・ラーキン、ランディ・ジョンソン、ジョン・スモルツの3人が殿堂入りしており、バリー・ボンズが殿堂入りすれば最多タイの4人となる。ちなみに、この年は通算3020安打&569本塁打のラファエル・パルメイロもいるが、パルメイロは4度目の挑戦となった2014年の殿堂入り投票で得票率4.4%に終わり、記者投票の対象から除外された。

  • 選手会専務理事が声明文を発表 機構側の強硬姿勢を批判

    2020.6.5 11:10 Friday

     日本時間6月5日、メジャーリーグ選手会は理事と100人以上の選手たちによる電話会議を行い、トニー・クラーク専務理事が声明文を発表した。クラークによると、選手たちはプレーを再開することを望んでおり、グラウンドへ戻る準備もできているという。また、3月下旬の合意によりすでに年俸削減は行われているとの認識は変えず、「選手会が年俸削減に応じない限りシーズンを大幅に短縮する」としているメジャーリーグ機構側の強硬姿勢を批判した。

     クラークは「国内外で未曽有の事態に見舞われている今、選手たちは我々が愛する野球というゲームをファンに提供する以上のことは望んでいません。しかし、これは我々だけではできません」とし、選手たちがファンのためにプレー再開を望んでいることを明らかにした。

     メジャーリーグ機構はすでに選手会に対して、選手会が給与面で譲歩しない限りシーズンを大幅に短縮するという意向を伝えている。一方、選手会は試合数に応じた日割り給与が支払われることで合意しており、それによってすでに年俸削減は行われているという立場を崩していない。

     クラークはこれについて「機構側から求められている譲歩は、すでに合意された数十億ドルの年俸削減に加えて要求されている」と述べ、機構側の姿勢を批判。選手会は2年間のポストシーズン出場枠拡大、ポストシーズン中止の場合のサラリーの繰り延べ、イベントの追加、試合中継への協力など複数の譲歩を提案しているものの、機構側との溝は埋まっていない。クラークが声明文のなかで「threat(脅迫)」という言葉を用いていることからも、両者間の溝の深さがうかがえる。

     100試合以上のシーズン開催を要求する一方でこれ以上の年俸削減に応じるつもりはない選手会と、選手会が年俸削減に応じなければ50試合前後でのシーズン開催になると主張するメジャーリーグ機構。独立記念日(7月4日)に開幕を迎えるためのタイムリミットは刻一刻と迫っているが、両者間の深い溝が埋まる気配はない。

  • 最強チーム決定戦 1986年メッツが3勝2敗で優勝に王手

    2020.6.5 10:20 Friday

     シミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット2」の決勝は日本時間6月5日に第5戦までの結果が発表され、1986年メッツが2001年マリナーズを相手に3勝2敗で優勝に王手をかけた。第6戦以降の結果は日本時間6月6日に発表され、いよいよ「最強チーム」が決定する。

     1986年メッツはドワイト・グッデン、ロン・ダーリング、ボブ・オヘーダ、シド・フェルナンデスという強力先発ローテーションを誇り、準決勝終了時点で合計14勝2敗、防御率2.23をマーク。特にダーリングは8度の先発登板で7勝0敗、防御率1.45と素晴らしいパフォーマンスを続けている。打線はチーム最多タイの7本塁打&22打点を記録しているダリル・ストロベリーとゲーリー・カーターの2人が中心だ。

     一方、2001年マリナーズはチーム最多の46安打を放って打率.319をマークしているイチローがリードオフマンを務め、中軸にはエドガー・マルティネス、ジョン・オルルド、ブレット・ブーンと好打者がズラリ。イチローと右中間コンビを形成するマイク・キャメロンはチーム最多の6本塁打を記録している。投手陣ではリリーバー勢の活躍が目立ち、ノーム・チャールトン、アーサー・ローズ、ライアン・フランクリン、佐々木主浩の4人は合計47イニングで防御率1.53と安定感抜群。特に佐々木は10セーブ、防御率0.00という見事な活躍を見せている。

     この両軍の対戦となった決勝は、第1戦を3対2でマリナーズが制し、佐々木が今大会11セーブ目を記録したものの、第2戦からメッツが3連勝。第2戦は延長12回裏に飛び出したケビン・ミッチェルのソロ本塁打で劇的なサヨナラ勝利を収め、その勢いのままに、第3戦はオヘーダが8回途中無失点、第4戦はフェルナンデスが8回無失点の快投を見せて2試合連続でマリナーズ打線を零封した。

     後がない状況に追い込まれたマリナーズだったが、第5戦では打線が13安打9得点と爆発して9対1で快勝した。マルティネスがグッデンからの2ラン本塁打を含む3安打4打点の活躍を見せ、7回途中無失点の好投を披露した先発のフレディ・ガルシアを援護。優勝の行方は第6戦以降へ持ち込まれることになった。

  • 2020年のドラフトまであと1週間 最新の1巡目指名予想

    2020.6.4 13:50 Thursday

     日本時間6月4日、メジャーリーグ公式サイトのジョナサン・マヨは、ドラフト1巡目の指名予想のアップデート版を公開した。マヨが自身の予想をアップデートするのは2週間ぶりだが、全体1位指名予想のスペンサー・トーケルソン一塁手を含め、上位の顔ぶれはほとんど変わっていない。今年のドラフトは1週間後、日本時間6月11~12日に開催予定となっている。

     タイガースが全体1位で指名すると予想されたトーケルソンは、強打が魅力の大学生一塁手。マヨは「トップ指名に変更はない。タイガースが他の選手を指名すると予想する理由はない」と述べている。

     全体2位のオリオールズはバンダービルト大のオースティン・マーティン三塁手兼外野手を指名するとの予想。マヨによるとニューメキシコ州立大のニック・ゴンザレス二塁手やスプルース・クリーク高のザック・ビーン外野手も候補となっているようだが、「今回のドラフトで最高のピュア・ヒッター」と評価されるマーティンが最有力であることは揺るがない。

     全体3位のマーリンズはテキサスA&M大のエイサ・レイシー投手を指名するとの予想。「今回のドラフトにおける最高の投手」と評価されるレイシーの指名をマーリンズが回避することはないだろう。

     全体29位までの指名予想は以下の通り(アストロズはサイン盗みのペナルティにより今年と来年のドラフトで1巡目と2巡目の指名権がない)。メジャーリーグ公式サイトではこれらの29選手を含むドラフト候補200人分のスカウティング・レポートを公開しているので、ぜひ参考にしていただきたい(https://www.mlb.com/prospects/2020/draft/)。

    1位 タイガース スペンサー・トーケルソン一塁手(アリゾナ州立大)
    2位 オリオールズ オースティン・マーティン三塁手兼外野手(バンダービルト大)
    3位 マーリンズ エイサ・レイシー投手(テキサスA&M大)
    4位 ロイヤルズ ニック・ゴンザレス二塁手(ニューメキシコ州立大)
    5位 ブルージェイズ マックス・マイヤー投手(ミネソタ大)
    6位 マリナーズ エマーソン・ハンコック投手(ジョージア大)
    7位 パイレーツ ヘストン・ケアスタッド外野手(アーカンソー大)
    8位 パドレス ザック・ビーン外野手(スプルース・クリーク高)
    9位 ロッキーズ リード・デトマーズ投手(ルイビル大)
    10位 エンゼルス ロバート・ハッセル外野手(インディペンデンス高)
    11位 ホワイトソックス パトリック・ベイリー捕手(ノースカロライナ州立大)
    12位 レッズ ピート・クロウ=アームストロング外野手(ハーバード・ウエストレイク高)
    13位 ジャイアンツ ケイド・キャバリ投手(オクラホマ大)
    14位 レンジャーズ ギャレット・クローシュ投手(テネシー大)
    15位 フィリーズ タイラー・ソダーストロム捕手(ターロック高)
    16位 カブス ギャレット・ミッチェル外野手(カリフォルニア大ロサンゼルス校)
    17位 レッドソックス ミック・エイベル投手(ジェズイト高)
    18位 ダイヤモンドバックス オースティン・ヘンドリック外野手(ウエスト・アレゲニー高)
    19位 メッツ ニック・ビツコ投手(セントラル・バックス・イースト高)
    20位 ブリュワーズ コール・ウィルコックス投手(ジョージア大)
    21位 カージナルス ブライアン・ジャービス投手(デューク大)
    22位 ナショナルズ スレイド・チェッコーニ投手(マイアミ大)
    23位 インディアンス ディロン・ディングラー捕手(オハイオ州立大)
    24位 レイズ ジャレッド・ケリー投手(レフュリオ高)
    25位 ブレーブス クレイトン・ビーター投手(テキサス工科大)
    26位 アスレチックス クリス・マクマーン投手(マイアミ大)
    27位 ツインズ ジョーダン・フォスキュー二塁手(ミシシッピ州立大)
    28位 ヤンキース ニック・ロフティン遊撃手(ベイラー大)
    29位 ドジャース ボビー・ミラー投手(ルイビル大)

  • パイレーツ・アーチャー 胸郭出口症候群の手術で今季絶望

    2020.6.4 12:55 Thursday

     日本時間6月4日、パイレーツは先発右腕のクリス・アーチャーが胸郭出口症候群の手術を受け、戦列復帰が2021年になる見込みであることを発表した。アーチャーの来季の契約は年俸1100万ドルの球団オプションとなっており、パイレーツがこれを行使しなければ、大きな対価を支払って獲得したアーチャーは期待に応えることができないままパイレーツを去ることになる。

     今年2月、アーチャーは首の張りを訴えてオープン戦での登板を回避。3月に入ってオープン戦初登板を果たしたが、スプリング・トレーニングが中断される直前に再び首の違和感を訴えていたようだ。その後も様子を見ながら投球練習を続けていたが、胸郭出口症候群と見られる症状を改善するために手術を受けることを決断した。

     胸郭出口症候群の手術を受けた投手が無事に復帰できた例はそれほど多くなく、最近ではマット・ハービーなども手術前のピッチングを取り戻せずに苦しんでいる。再建途上のパイレーツが胸郭出口症候群の手術を受けた投手に年俸1100万ドルを支払う可能性は低いと見られ、アーチャーはこのままパイレーツを去ることになりそうだ。

     メジャー2年目の2013年からの5年間で50勝、2015年から3年連続230奪三振以上(すべてリーグ3位以内)を記録し、2015年と2017年にはオールスター・ゲームに選出されるなど、レイズのエース右腕として活躍してきたアーチャー。2018年7月にタイラー・グラスノー、オースティン・メドウズ、シェーン・バズの3人とのトレードでパイレーツに加入したが、2018年は移籍後の10先発で3勝3敗、防御率4.30、昨年は23先発で3勝9敗、防御率5.19と期待外れの成績に終わった。

     レイズではメドウズが主力打者に成長し、グラスノーもエースへと飛躍を遂げようとしている。2017年ドラフト全体12位指名のバズも将来のエース候補として期待されており、このトレードはパイレーツにとって一方的な「負け」となってしまった。

     アーチャーが離脱したことにより、今年のパイレーツはジョー・マスグローブ、トレバー・ウィリアムス、ミッチ・ケラー、スティーブン・ブロールト、デレク・ホランド(もしくはチャド・クール)の5人で先発ローテーションを形成することになりそうだ。

  • 最強チーム決定戦 決勝は2001年マリナーズ対1986年メッツ

    2020.6.4 11:55 Thursday

     シミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット2」は日本時間6月4日に準決勝の結果が発表され、2001年マリナーズが2004年レッドソックスを4勝3敗、1986年メッツが1975年レッズを4勝1敗で破り、決勝進出を決めた。決勝は日本時間6月5日から行われ、いよいよ「最強チーム」が決定する。

     マリナーズは2勝2敗で迎えた第5戦を1対2で落とし、後がない状況に追い込まれたものの、第6戦は先発のジェイミー・モイヤーが7回5安打2失点の好投を見せ、ペドロ・マルティネス降板直後の8回表にマーク・マクレモアのタイムリーで勝ち越しに成功。8回裏をアーサー・ローズ、9回裏を佐々木主浩がパーフェクトに抑え、対戦成績を3勝3敗のタイとした。

     第7戦は初回にジョン・オルルドの先制2ランが飛び出して主導権を握り、先発のアーロン・シーリーは7回途中まで3安打無失点の快投。その後、追加点を奪うことはできなかったが、ジェフ・ネルソン、ローズ、ノーム・チャールトンの3投手がレッドソックス打線を無安打に封じ、2対0で逃げ切った。佐々木はチーム4勝のうち3試合でセーブを挙げる活躍。イチローは7試合のうち第6戦を除く6試合でヒットを放ち、リードオフマンとしての役割を十分に果たした。

     メッツは3勝1敗で迎えた第5戦に4対1で勝利し、決勝進出が決定。勝利した4試合では「ビッグ・レッド・マシン」の異名を持つレッズの強力打線を合計5得点に封じ、危なげなく決勝進出を決めた。

     第5戦は先発のドワイト・グッデンが初回に1点を失ったものの、ダリル・ストロベリーのタイムリー二塁打ですぐさま同点とし、ストロベリーは6回裏にもタイムリー二塁打、8回裏にはダメ押しのタイムリー三塁打を放ち、チームの全4得点を叩き出す大活躍。6回以降は4人のリリーバーがレッズ打線を1安打に抑え、守護神ジェシー・オロスコが最後を締めくくった。

     歴代最多タイの116勝を記録した2001年マリナーズと、有名なビリー・バックナーのエラーから逆転でワールドシリーズを制した1986年メッツ。「最強チーム決定戦」を制するのは、いったいどちらのチームだろうか。

  • 球団史上最高の先発左腕は誰だ!? MLB公式サイトの番記者が選出

    2020.6.3 17:40 Wednesday

     メジャーリーグ公式サイトでは、レギュラーシーズンの開幕延期によって試合がない期間を利用し、各球団の「オールタイム・チーム」を決定する企画を実施している。捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、左翼手、中堅手、右翼手、指名打者、先発右腕に続く第11弾は先発左腕。各球団の番記者が歴代の先発左腕のなかからトップ5を選出して紹介している。

    アメリカン・リーグ東部地区

    オリオールズ
    【1位】デーブ・マクナリー(1962-74)
    181勝、384先発、33完封、1476奪三振はいずれも左腕では球団史上最多。1968年から4年連続20勝、1970年はメジャー最多の24勝。
    【2位】マイク・フラナガン(1975-87,91-92)
    【3位】マイク・クエイヤー(1969-76)
    【4位】スコット・マクレガー(1976-88)
    【5位】スティーブ・バーバー(1960-67)

    レッドソックス
    【1位】レフティ・グローブ(1934-41)
    在籍8年間(34~41歳)で最優秀防御率に4度輝き、20勝を挙げた1935年からの5年間で83勝。1941年には通算300勝を達成した。
    【2位】ジョン・レスター(2006-14)
    【3位】ダッチ・レナード(1913-18)
    【4位】メル・パーネル(1947-56)
    【5位】ベーブ・ルース(1914-19)

    ヤンキース
    【1位】ホワイティ・フォード(1950,53-67)
    通算236勝、勝率.690を誇る。自己最多の25勝を挙げた1961年にサイ・ヤング賞。ワールドシリーズ通算22先発で防御率2.71。
    【2位】アンディ・ペティット(1995-2003,07-13)
    【3位】ロン・ギドリー(1975-88)
    【4位】レフティ・ゴメス(1930-42)
    【5位】CC・サバシア(2009-19)

    レイズ
    【1位】デービッド・プライス(2008-14)
    2007年のドラフト全体1位指名選手。2012年に最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得し、球団史上初の20勝&サイ・ヤング賞。
    【2位】スコット・カズミアー(2004-09)
    【3位】ブレイク・スネル(2016-現在)
    【4位】マット・ムーア(2011-16)
    【5位】ライアン・ヤーブロー(2018-現在)

    ブルージェイズ
    【1位】ジミー・キー(1984-92)
    在籍9年間で8度の2ケタ勝利を含む116勝。1987年はメジャー1位の防御率2.76をマークし、サイ・ヤング賞投票で2位にランクイン。
    【2位】J・A・ハップ(2012-14,16-18)
    【3位】デービッド・ウェルズ(1987-92,99-2000)
    【4位】リッキー・ロメロ(2009-13)
    【5位】マーク・バーリー(2013-15)

    アメリカン・リーグ中部地区

    ホワイトソックス
    【1位】マーク・バーリー(2000-11)
    メジャー2年目の2001年から11年連続2ケタ勝利&200イニング。2005年にワールドシリーズ制覇。2009~11年にゴールドグラブ賞。
    【2位】ビリー・ピアース(1949-61)
    【3位】クリス・セール(2010-16)
    【4位】ウィルバー・ウッド(1967-78)
    【5位】ゲーリー・ピータース(1959-69)

    インディアンス
    【1位】サム・マクダウェル(1961-71)
    在籍11年間で最多奪三振5度、奪三振率1位が6度。1965年にリーグ1位の防御率2.18をマークし、1970年にはキャリア唯一の20勝。
    【2位】CC・サバシア(2001-08)
    【3位】クリフ・リー(2002-09)
    【4位】ビーン・グレッグ(1911-14)
    【5位】ハーブ・スコア(1955-59)

    タイガース
    【1位】ハル・ニューハウザー(1939-53)
    1944~45年に投手では史上唯一となる2年連続MVP。1944年は自己最多の29勝、1945年は25勝、防御率1.81、212奪三振で投手三冠。
    【2位】ミッキー・ロリッチ(1963-75)
    【3位】エド・キリアン(1903-10)
    【4位】ハンク・アギーレ(1958-67)
    【5位】ケニー・ロジャース(2006-08)

    ロイヤルズ
    【1位】ポール・スプリットーフ(1970-84)
    ロイヤルズ一筋15年で球団史上最多の166勝をマーク。1973年の20勝を筆頭に2ケタ勝利10度。1987年に球団殿堂入りを果たす。
    【2位】チャーリー・リーブラント(1984-89)
    【3位】ダニー・ジャクソン(1983-87)
    【4位】ラリー・グラ(1976-85)
    【5位】バド・ブラック(1982-88)

    ツインズ
    【1位】ヨハン・サンタナ(2000-07)
    最優秀防御率と最多奪三振に各3度輝き、2006年には19勝、防御率2.77、245奪三振で投手三冠。2004年と2006年にサイ・ヤング賞。
    【2位】ジム・カート(1959-73)
    【3位】フランク・バイオーラ(1982-89)
    【4位】フランシスコ・リリアーノ(2005-06,08-12)
    【5位】エリック・ミルトン(1998-2003)

    アメリカン・リーグ西部地区

    アストロズ
    【1位】ダラス・カイケル(2012-18)
    2015年に20勝8敗、防御率2.48の好成績をマークし、左腕では球団史上唯一となるサイ・ヤング賞。ゴールドグラブ賞も4度受賞。
    【2位】マイク・ハンプトン(1994-99,2009)
    【3位】ボブ・ネッパー(1981-89)
    【4位】ワンディ・ロドリゲス(2005-12)
    【5位】ジム・デシェイズ(1985-91)

    エンゼルス
    【1位】チャック・フィンリー(1986-99)
    1989年からの11年間で2ケタ勝利10度。1993年にメジャー最多の13完投、ストライキの1994年はリーグ最多の25先発&183.1イニング。
    【2位】フランク・タナナ(1973-80)
    【3位】マーク・ラングストン(1990-97)
    【4位】ジャロッド・ウォシュバーン(1998-2005)
    【5位】ジム・アボット(1989-92,95-96)

    アスレチックス
    【1位】エディ・プランク(1901-14)
    通算410完投と69完封はともに左腕ではメジャー史上最多。在籍14年間はすべて15勝以上でシーズン20勝7度。284勝は球団記録。
    【2位】レフティ・グローブ(1925-33)
    【3位】バイダ・ブルー(1969-77)
    【4位】ルーブ・ワッデル(1902-07)
    【5位】バリー・ジート(2000-06,15)

    マリナーズ
    【1位】ランディ・ジョンソン(1989-98)
    1995年に18勝2敗、防御率2.48、294奪三振で球団史上初のサイ・ヤング賞。1992年から4年連続奪三振王。1997年は自身初の20勝。
    【2位】ジェイミー・モイヤー(1996-2006)
    【3位】マーク・ラングストン(1984-89)
    【4位】ジェームス・パクストン(2013-18)
    【5位】フロイド・バニスター(1979-82)

    レンジャーズ
    【1位】C・J・ウィルソン(2005-11)
    リーグ連覇の2010~11年に2年連続で球団最優秀投手に選出。最初の5年間はリリーフ、先発転向後2年連続で15勝以上をマーク。
    【2位】コール・ハメルズ(2015-17)
    【3位】マイク・マイナー(2018-現在)
    【4位】ケニー・ロジャース(1989-95,2000-02,04-05)
    【5位】ジョン・マトラック(1978-83)

    ナショナル・リーグ東部地区

    ブレーブス
    【1位】トム・グラビン(1987-2002,08)
    ブレーブスの左腕によるポストシーズン22勝のうち12勝を記録。在籍17年間で最多勝5度を含む244勝。サイ・ヤング賞も2度受賞。
    【2位】ウォーレン・スパーン(1942-64)
    【3位】スティーブ・エイバリー(1990-96)
    【4位】チャーリー・リーブラント(1990-92)
    【5位】デニー・ネイグル(1996-98)

    マーリンズ
    【1位】ドントレル・ウィリス(2003-07)
    2003年に新人王を受賞。2005年にはいずれもメジャー最多の22勝、7完投、5完封を記録してサイ・ヤング賞投票で2位にランクイン。
    【2位】アル・ライター(1996-97,2005)
    【3位】マーク・レッドマン(2003)
    【4位】スコット・オルセン(2005-08)
    【5位】マーク・バーリー(2012)

    メッツ
    【1位】ジェリー・クーズマン(1967-78)
    1976年に21勝10敗、防御率2.69、200奪三振の好成績でサイ・ヤング賞投票2位。在籍12年間で2ケタ勝利8度を含む140勝を記録。
    【2位】ジョン・マトラック(1971-77)
    【3位】シド・フェルナンデス(1984-93)
    【4位】アル・ライター(1998-2004)
    【5位】ボブ・オヘーダ(1986-90)

    フィリーズ
    【1位】スティーブ・カールトン(1972-86)
    移籍1年目の1972年に27勝、防御率1.97、310奪三振で投手三冠。在籍15年間で最多勝4度、最多奪三振5度、サイ・ヤング賞も4度。
    【2位】コール・ハメルズ(2006-15)
    【3位】クリス・ショート(1959-72)
    【4位】カート・シモンズ(1947-60)
    【5位】クリフ・リー(2009,11-14)

    ナショナルズ
    【1位】ジオ・ゴンザレス(2012-18)
    自己最多&メジャー最多の21勝を挙げた2012年にサイ・ヤング賞投票で3位にランクイン。86勝と1215奪三振は左腕で球団史上最多。
    【2位】ジェフ・ファセロ(1991-96)
    【3位】パトリック・コービン(2019-現在)
    【4位】カルロス・ペレス(1995-98)
    【5位】マーク・ラングストン(1989)

    ナショナル・リーグ中部地区

    カブス
    【1位】ヒッポ・ボーン(1913-21)
    1918年に22勝、防御率1.74、148奪三振で投手三冠を達成。1914年からの7年間で20勝5度を含む143勝。151勝は左腕で球団史上最多。
    【2位】ジョン・レスター(2015-現在)
    【3位】ケン・ホルツマン(1965-71,78-79)
    【4位】ラリー・フレンチ(1935-41)
    【5位】ジャック・フィースター(1906-11)

    レッズ
    【1位】ヌードルス・ハーン(1899-1905)
    メジャー1年目の1899年から3年連続でメジャー最多の奪三振を記録。メジャー最初の5年間で20勝以上4度を含む106勝をマークした。
    【2位】エッパ・リクシー(1921-33)
    【3位】ジム・オトゥール(1958-66)
    【4位】トム・ブラウニング(1984-94)
    【5位】ジョニー・バンダーミーア(1937-43,46-49)

    ブリュワーズ
    【1位】テディ・ヒゲーラ(1985-94)
    防御率3.61は500イニング以上の先発投手で球団史上1位。自己最多の20勝をマークした1986年にサイ・ヤング賞投票で2位となった。
    【2位】マイク・コールドウェル(1977-84)
    【3位】CC・サバシア(2008)
    【4位】ダグ・デービス(2003-06,10)
    【5位】スコット・カール(1995-99)

    パイレーツ
    【1位】ウィルバー・クーパー(1912-24)
    在籍13年間で記録した202勝と263完投は球団史上最多。1920年からの5年間で20勝以上を4度記録し、1921年にはリーグ最多の22勝。
    【2位】ジョン・キャンデラリア(1975-85,93)
    【3位】ジェシー・タネヒル(1897-1902)
    【4位】ボブ・ビール(1962-72)
    【5位】レフティ・レイフィールド(1905-12)

    カージナルス
    【1位】ハリー・ブレキーン(1940,43-52)
    自己最多の20勝をマークした1948年に防御率2.24と149奪三振で二冠王。この年を含め、1944年から6年連続で2ケタ勝利をマーク。
    【2位】ハウィー・ポレット(1941-51)
    【3位】マックス・ラニアー(1938-46,49-51)
    【4位】スティーブ・カールトン(1965-71)
    【5位】ジョン・テューダー(1985-88,90)

    ナショナル・リーグ西部地区

    ダイヤモンドバックス
    【1位】ランディ・ジョンソン(1999-2004,07-08)
    移籍1年目の1999年から4年連続サイ・ヤング賞。2001年にワールドシリーズMVP、2002年は24勝、防御率2.32、334奪三振で投手三冠。
    【2位】パトリック・コービン(2012-13,15-18)
    【3位】ロビー・レイ(2015-現在)
    【4位】オマー・ダール(1998-2000)
    【5位】ダグ・デービス(2007-09)

    ロッキーズ
    【1位】ホルヘ・デラローサ(2008-16)
    86勝と985奪三振はともに球団史上最多。2009年と2013年の16勝を筆頭に2ケタ勝利を4度記録。2009年は185イニングで193奪三振。
    【2位】ジェフ・フランシス(2004-10,12-13)
    【3位】カイル・フリーランド(2017-現在)
    【4位】タイラー・アンダーソン(2016-19)
    【5位】マイク・ハンプトン(2001-02)

    ドジャース
    【1位】サンディ・コーファックス(1955-66)
    1963年、1965年、1966年(現役最終年)と3度の投手三冠を達成し、いずれもサイ・ヤング賞。3度のワールドシリーズ制覇を経験。
    【2位】クレイトン・カーショウ(2008-現在)
    【3位】フェルナンド・バレンズエラ(1980-90)
    【4位】ジョニー・ポドレス(1953-55,57-66)
    【5位】クロード・オスティーン(1965-73)

    パドレス
    【1位】ランディ・ジョーンズ(1973-80)
    1974年にメジャーワーストの22敗を喫したが、翌1975年は20勝&防御率1位。1976年にはメジャー最多の22勝でサイ・ヤング賞。
    【2位】ブルース・ハースト(1989-93)
    【3位】デーブ・ドラベッキー(1982-87)
    【4位】スターリング・ヒッチコック(1997-2001,04)
    【5位】デーブ・ロバーツ(1969-71)

    ジャイアンツ
    【1位】カール・ハッベル(1928-43)
    ジャイアンツ一筋16年で通算253勝をマーク。最多勝と最優秀防御率を各3度、最多奪三振1度。1933年と1936年にはMVPを受賞した。
    【2位】マディソン・バムガーナー(2009-19)
    【3位】ジョニー・アントネッリ(1954-60)
    【4位】フックス・ウィルトシー(1904-14)
    【5位】ルーブ・マーカード(1908-15)

  • 「仕事を失ってもOK」 ボットー獲得に全力を注いだ男たち

    2020.6.3 12:00 Wednesday

     メジャーリーグのファンであればジョーイ・ボットー(レッズ)の名を知らない者はいないだろう。2008年に新人王投票で2位となり、2010年には打率.324、37本塁打、OPS1.024の好成績でMVPを受賞。最高級の選球眼を武器にリーグ最高出塁率を7回マークし、メジャーリーグ公式サイトによると通算出塁率.421は歴代14位の数字となっている。このボットーを2002年のドラフトで指名するために全力を注いだ男たちがいた。

     トロント出身のボットーは、2002年のドラフトにおいて決して注目された存在ではなかった。レッズがボットーを見つけたのは、当時のスカウト部長であるケーシー・マッキーンが甥の試合を見るためにフロリダ州ジュピターで行われた大会を訪れたことがきっかけ。ボットーを見ることが目的ではなかった。しかし、マッキーンはボットーの打撃の才能に心を奪われ、このカナダ人高校生を追い続けることを決めた。

     ボットーに関する情報が他球団へ流出することを懸念し、ボットーの調査は信頼できる一部のスカウトのみで行われ、当時のジム・ボウデンGMがボットーの存在を知ったのもドラフト直前のことだった。ボットーはドラフト前のワークアウトでプレーする機会を得たが、ボウデンは「レッズのスカウト陣が彼を見つけたのは素晴らしかった。でも、彼がワークアウトに参加していなかったら、彼を指名することはなかっただろう。ドラフト直前まで彼のことを知らなかったのだから」と当時を振り返っている。

     ボットーの打撃の才能は、レッズのドラフト候補選手のなかでも群を抜いていた。結局、ヤンキースが2巡目(全体71位)でボットーを指名する予定だという情報を得たレッズは、2巡目(全体44位)でボットーを指名。ボットー自身は、スカウトからの接触がほとんどなかったレッズではなく、ヤンキースに指名される可能性が高いと考えていたようだ。

     球団のルールを無視してボットーの調査を続けたスカウトたちのなかには、ボットーのプロ1年目が終わる前にチームを追われた者もいた。しかし、当時のスカウティング・アシスタントであるポール・ピアソンは「自分が仕事を失ってもボットーを獲得できるならOKだと思っていた」と語り、東海岸担当のクロスチェッカーだったビル・シェラーも「僕たちが手掛けた最後のドラフトでボットーを獲得できたことに満足している」と当時を振り返る。

     レッズの主砲・ボットーは、「自分の仕事を犠牲にしてでも最高の選手を手に入れる」というスカウトたちのプライドの産物なのだ。

  • 最強チーム決定戦準決勝 アは2勝2敗、ナはメッツがリード

    2020.6.3 10:30 Wednesday

     シミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット2」の準決勝は、アメリカン・リーグが2001年マリナーズ対2004年レッドソックス、ナショナル・リーグが1975年レッズ対1986年メッツの組み合わせとなり、日本時間6月3日に第4戦までの途中経過が発表された。ア・リーグはレッドソックスが2連勝したあとにマリナーズも2連勝し、第4戦を終えて2勝ずつ。ナ・リーグはメッツが2連勝したあと、第3戦はレッズが勝利したが、メッツは第4戦を制し、決勝進出に王手をかけた。

     3回戦で1961年ヤンキース、準々決勝で1954年インディアンスをそれぞれ4勝1敗で破ったレッドソックスは、マリナーズとの準決勝でも強さを発揮し、第1戦は先発のカート・シリングの好投(6回2安打9奪三振無失点)もあって5対0で快勝。第2戦は1点ビハインドの7回裏にケビン・ミラーのタイムリーで同点とし、8回裏には先頭のビル・ミラーに勝ち越しアーチが飛び出して5対4で接戦を制した。

     しかし、歴代最多タイの116勝を記録したマリナーズも意地を見せ、第3戦は3点ビハインドの6回裏にブレット・ブーンのタイムリー二塁打などで2点を返し、8回裏には二死満塁からカルロス・ギーエンが2点タイムリーを放って4対3で逆転勝利。第4戦は4対4の同点で迎えた7回裏にブーンが勝ち越し3ランを放ち、7対4で勝利して2勝2敗のタイに持ち込んだ。

     4試合とも「1番・ライト」でスタメン出場したイチローは、全試合で安打を記録し、打率.368(19打数7安打)をマーク。佐々木主浩は第3戦と第4戦でいずれも9回表の1イニングを無失点に抑え、2セーブを記録している。

     「ビッグ・レッド・マシン」の異名を持つ強力打線を誇るレッズと対戦しているメッツは、9回表に飛び出したムーキー・ウィルソンの勝ち越しアーチで第1戦を3対2で制すと、第2戦にも3対2で勝利。7回途中2安打1失点の快投を見せた先発のロン・ダーリングは今大会無傷の7勝目(防御率1.45)をマークした。

     第3戦はレッズ打線がメッツ投手陣を攻略し、9対4でレッズが快勝したが、レッズ先発のフレッド・ノーマンとメッツ先発のシド・フェルナンデスによる投手戦となった第4戦は、両軍無得点のまま9回裏に突入し、二死1・2塁からハワード・ジョンソンのタイムリーでメッツがサヨナラ勝ち。対戦成績を3勝1敗とし、決勝進出に王手をかけている。

     なお、第5戦以降の結果は日本時間6月4日に発表される予定。いよいよ各リーグの覇者と決勝戦の組み合わせが決定する。

  • 「マネーボール・ドラフト」を振り返る ブラウン、バリントンなど

    2020.6.2 15:20 Tuesday

     マイケル・ルイス著『マネーボール』で取り上げられた2002年のドラフトは、1巡目で指名されたザック・グレインキー、コール・ハメルズ、プリンス・フィルダー、2巡目指名のジョーイ・ボットー、ジョン・レスターなど、数多くのオールスター選手を輩出している。メジャーリーグ公式サイトのアンソニー・カストロビンスは、この「マネーボール・ドラフト」を関係者の発言をもとに振り返る特集記事を公開した。

     『マネーボール』では、2002年のドラフトで7つの1巡目指名権を持つアスレチックスが伝統的なスカウティング方法を廃止してデータを重視するようになり、不確実性の多い高校生の指名を回避し、指名した最初の17人がすべて大学生だったことなどに焦点が当てられた。ジョン・ミラベリ(インディアンスのスカウト部長)は、アスレチックスがドラフトの一部始終を取材させ、出版を許可したことに驚いたという。

     この「マネーボール・ドラフト」の主人公となったのが、アスレチックスに全体35位で指名されたジェレミー・ブラウンだ。7つの1巡目指名を持ちながら予算に制約のあるアスレチックスは、安価な契約金で獲得できる逸材の発掘を目指し、相場を100万ドル近く下回る契約金35万ドルでブラウンの獲得に成功。ブラウンはハイレベルな選球眼と長打力を兼ね備えながら、178センチ、102キロという不格好な体格により他球団が指名を敬遠した選手だった。

     アスレチックスに全体16位で指名されたニック・スウィッシャーは、マイナー時代にブラウンのプレーを見て「コイツはメジャーリーガーになる」と確信したという。実際、ブラウンは2006年にメジャー昇格を果たし、5試合で10打数3安打を記録。しかし、AAA級でプレーした翌2007年が野球選手としての最後のシーズンとなった。

     ルイスは「彼にプレーする気があれば、今でもメジャーで活躍していたかもしれない」と語る。ところが、『マネーボール』で必要以上に注目を浴び、野球を続けることに嫌気が差してしまった部分もあったようだ。「彼はどこへ行っても本について尋ねられていた。私のことを少し恨んでいたみたいだね」とルイスは語っている。

     また、アスレチックスがデータ重視で獲得した7人の1巡目指名選手のうち、全体26位指名のジョン・マカーディ、同30位のベン・フリッツ、同37位のスティーブ・オーベンチェインの3人はメジャー昇格を果たせなかった。大学時代のマカーディは、スタッツだけを見れば素晴らしい打撃力を持った遊撃手だったが、ルイスいわく「フェンスまで79メートルの球場で82メートルのフライを打っていただけ」だったという。ルイスによると、アスレチックスはこの反省を生かし、翌年からは選手のスタッツを見る際に球場の影響を考慮するようになったようだ。

     アスレチックスが大学生中心の指名を展開したこの年のドラフトは、高校生の有望株が非常に多かった。全体8位までに指名された8人のうち、実に7人が高校生。しかし、高額な契約金を用意できないパイレーツは、全体1位指名で大型高校生遊撃手のB・J・アップトンではなく、大学生右腕のブライアン・バリントンを指名するという安全策をとった。

     ミラベリが「誰もが驚いたと思う」と振り返るこの指名だが、それはバリントンも例外ではない。インターネットがまだダイヤルアップ接続だったこの時代、バリントンは全体8位か9位まで指名が終わったところでようやくネットに接続でき、電話が掛かってきたことで自分がすでに指名されたことを把握。しかし、その電話の相手がパイレーツのデーブ・リトルフィールドGMであることに気付き、そこでようやく全体1位指名を受けたことを認識して大いに驚いたという。

     メジャーでは大成できず、日本プロ野球での活躍を経て、現在はブリュワーズでスカウトを務めているバリントンだが、やはり全体1位指名のプレッシャーは大きかったようだ。「全体15位とか20位であれば、僕のキャリアはそれ相応だったんじゃないかな。(2002年のドラフトで起こったことは)まだ信じられないよ」とバリントン。リトルフィールドも「あの指名は成功とは言えなかった」と振り返り、「グレインキーを指名すべきだった」とも語っている。

     他球団に目を移すと、メッツのスティーブ・フィリップスGMは、同じ高校の2人の投手(スコット・カズミアーとクリント・エバーツ)を高く評価。メッツは最初の指名が全体15位だったため、それまでにこの両投手が消えてしまうと考え、フィルダーよりも高い評価を与えていたスウィッシャーを指名する予定だったという。

     ところが、エバーツは全体5位でエクスポズに指名されたものの、フィリップスの予想に反してカズミアーは全体14位までに指名されず、メッツはカズミアーの獲得に成功。フィリップスは「我々がスウィッシャーを指名しなかった唯一の理由は、カズミアーがまだ残っていたことだ」と語っている。なお、スウィッシャーは直後の全体16位でアスレチックスが指名した。

     プロ入り後の成績だけを見れば、出塁率と長打力を重視したアスレチックスの戦略に最もマッチする存在は、レッズが2巡目(全体44位)で指名したボットーだろう。しかし、当時のボットーは高校生であり、大学生中心のドラフトを展開したアスレチックスの指名候補選手ではなかった。

     ボットーは「あのときの自分は、今のようなパワーと選球眼のコンビネーションを持っていなかったと思う。まだ18歳で未熟だったからね」と当時を振り返る。「『マネーボール』には興味があるけど、(レッズではない)別のチームに入団していたら自分の才能を開花させることはできなかっただろう」とも話している。

     今年のドラフトは日本時間6月11~12日に開催される。残念ながら5巡目までに縮小される形での開催となってしまったが、各球団は異例の状況のなかで未来のスーパースターを獲得すべく手を尽くしている。今年のドラフトではどんな物語が生まれるのだろうか。

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