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  • 4人の殿堂入り選手を輩出したドラフトは過去に3度

    2020.6.5 11:45 Friday

     メジャーリーグ公式サイトのトーマス・ハリガンによると、第1回ドラフトが開催された1965年以降、複数のアメリカ野球殿堂入り選手を輩出したドラフトは13度あるという(指名されて契約しなかった選手は含まない)。そのうち最多の殿堂入り選手を輩出したのは1976年、1977年、1989年の3度。いずれも4人の殿堂入り選手を輩出している。

     2017年にベテランズ委員会の選考でアラン・トラメルとジャック・モリスが殿堂入りを果たしたことにより、1976年のドラフトが輩出した殿堂入り選手は4人となった。トラメルとモリスはタイガースで14年間チームメイトとしてプレーし、1984年にはワールドシリーズ制覇を経験。20年間タイガース一筋でプレーしたトラメルとは対照的に、モリスは「優勝請負人」として1991年にツインズ、1992年にブルージェイズでチャンピオンリングを手にした。歴代最多の1406盗塁を誇るリッキー・ヘンダーソンと通算3010安打のウェイド・ボッグスも1976年のドラフトで指名されてプロ入りしている。

     1977年のドラフトは、2019年にベテランズ委員会の選考でハロルド・ベインズが殿堂入りを果たしたため、殿堂入り選手が4人となった。通算808盗塁のティム・レインズはラストチャンスとなった2017年の記者投票で殿堂入り。通算3319安打のポール・モリターとゴールドグラブ賞13度のオジー・スミスはそれぞれ有資格初年度で殿堂入りを果たしている。

     1989年のドラフトからは、フランク・トーマス、ジェフ・バグウェル、トレバー・ホフマン、ジム・トーメイの4人が殿堂入り。いずれも1990~2000年代を代表するスター選手だ。この年は強打の二塁手として活躍したジェフ・ケントもいるが、ケントは7度目の挑戦となった今年の殿堂入り投票で得票率27.5%にとどまっており、記者投票での殿堂入りは難しそうだ。

     1985年のドラフトからは、バリー・ラーキン、ランディ・ジョンソン、ジョン・スモルツの3人が殿堂入りしており、バリー・ボンズが殿堂入りすれば最多タイの4人となる。ちなみに、この年は通算3020安打&569本塁打のラファエル・パルメイロもいるが、パルメイロは4度目の挑戦となった2014年の殿堂入り投票で得票率4.4%に終わり、記者投票の対象から除外された。

  • 選手会専務理事が声明文を発表 機構側の強硬姿勢を批判

    2020.6.5 11:10 Friday

     日本時間6月5日、メジャーリーグ選手会は理事と100人以上の選手たちによる電話会議を行い、トニー・クラーク専務理事が声明文を発表した。クラークによると、選手たちはプレーを再開することを望んでおり、グラウンドへ戻る準備もできているという。また、3月下旬の合意によりすでに年俸削減は行われているとの認識は変えず、「選手会が年俸削減に応じない限りシーズンを大幅に短縮する」としているメジャーリーグ機構側の強硬姿勢を批判した。

     クラークは「国内外で未曽有の事態に見舞われている今、選手たちは我々が愛する野球というゲームをファンに提供する以上のことは望んでいません。しかし、これは我々だけではできません」とし、選手たちがファンのためにプレー再開を望んでいることを明らかにした。

     メジャーリーグ機構はすでに選手会に対して、選手会が給与面で譲歩しない限りシーズンを大幅に短縮するという意向を伝えている。一方、選手会は試合数に応じた日割り給与が支払われることで合意しており、それによってすでに年俸削減は行われているという立場を崩していない。

     クラークはこれについて「機構側から求められている譲歩は、すでに合意された数十億ドルの年俸削減に加えて要求されている」と述べ、機構側の姿勢を批判。選手会は2年間のポストシーズン出場枠拡大、ポストシーズン中止の場合のサラリーの繰り延べ、イベントの追加、試合中継への協力など複数の譲歩を提案しているものの、機構側との溝は埋まっていない。クラークが声明文のなかで「threat(脅迫)」という言葉を用いていることからも、両者間の溝の深さがうかがえる。

     100試合以上のシーズン開催を要求する一方でこれ以上の年俸削減に応じるつもりはない選手会と、選手会が年俸削減に応じなければ50試合前後でのシーズン開催になると主張するメジャーリーグ機構。独立記念日(7月4日)に開幕を迎えるためのタイムリミットは刻一刻と迫っているが、両者間の深い溝が埋まる気配はない。

  • 最強チーム決定戦 1986年メッツが3勝2敗で優勝に王手

    2020.6.5 10:20 Friday

     シミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット2」の決勝は日本時間6月5日に第5戦までの結果が発表され、1986年メッツが2001年マリナーズを相手に3勝2敗で優勝に王手をかけた。第6戦以降の結果は日本時間6月6日に発表され、いよいよ「最強チーム」が決定する。

     1986年メッツはドワイト・グッデン、ロン・ダーリング、ボブ・オヘーダ、シド・フェルナンデスという強力先発ローテーションを誇り、準決勝終了時点で合計14勝2敗、防御率2.23をマーク。特にダーリングは8度の先発登板で7勝0敗、防御率1.45と素晴らしいパフォーマンスを続けている。打線はチーム最多タイの7本塁打&22打点を記録しているダリル・ストロベリーとゲーリー・カーターの2人が中心だ。

     一方、2001年マリナーズはチーム最多の46安打を放って打率.319をマークしているイチローがリードオフマンを務め、中軸にはエドガー・マルティネス、ジョン・オルルド、ブレット・ブーンと好打者がズラリ。イチローと右中間コンビを形成するマイク・キャメロンはチーム最多の6本塁打を記録している。投手陣ではリリーバー勢の活躍が目立ち、ノーム・チャールトン、アーサー・ローズ、ライアン・フランクリン、佐々木主浩の4人は合計47イニングで防御率1.53と安定感抜群。特に佐々木は10セーブ、防御率0.00という見事な活躍を見せている。

     この両軍の対戦となった決勝は、第1戦を3対2でマリナーズが制し、佐々木が今大会11セーブ目を記録したものの、第2戦からメッツが3連勝。第2戦は延長12回裏に飛び出したケビン・ミッチェルのソロ本塁打で劇的なサヨナラ勝利を収め、その勢いのままに、第3戦はオヘーダが8回途中無失点、第4戦はフェルナンデスが8回無失点の快投を見せて2試合連続でマリナーズ打線を零封した。

     後がない状況に追い込まれたマリナーズだったが、第5戦では打線が13安打9得点と爆発して9対1で快勝した。マルティネスがグッデンからの2ラン本塁打を含む3安打4打点の活躍を見せ、7回途中無失点の好投を披露した先発のフレディ・ガルシアを援護。優勝の行方は第6戦以降へ持ち込まれることになった。

  • 2020年のドラフトまであと1週間 最新の1巡目指名予想

    2020.6.4 13:50 Thursday

     日本時間6月4日、メジャーリーグ公式サイトのジョナサン・マヨは、ドラフト1巡目の指名予想のアップデート版を公開した。マヨが自身の予想をアップデートするのは2週間ぶりだが、全体1位指名予想のスペンサー・トーケルソン一塁手を含め、上位の顔ぶれはほとんど変わっていない。今年のドラフトは1週間後、日本時間6月11~12日に開催予定となっている。

     タイガースが全体1位で指名すると予想されたトーケルソンは、強打が魅力の大学生一塁手。マヨは「トップ指名に変更はない。タイガースが他の選手を指名すると予想する理由はない」と述べている。

     全体2位のオリオールズはバンダービルト大のオースティン・マーティン三塁手兼外野手を指名するとの予想。マヨによるとニューメキシコ州立大のニック・ゴンザレス二塁手やスプルース・クリーク高のザック・ビーン外野手も候補となっているようだが、「今回のドラフトで最高のピュア・ヒッター」と評価されるマーティンが最有力であることは揺るがない。

     全体3位のマーリンズはテキサスA&M大のエイサ・レイシー投手を指名するとの予想。「今回のドラフトにおける最高の投手」と評価されるレイシーの指名をマーリンズが回避することはないだろう。

     全体29位までの指名予想は以下の通り(アストロズはサイン盗みのペナルティにより今年と来年のドラフトで1巡目と2巡目の指名権がない)。メジャーリーグ公式サイトではこれらの29選手を含むドラフト候補200人分のスカウティング・レポートを公開しているので、ぜひ参考にしていただきたい(https://www.mlb.com/prospects/2020/draft/)。

    1位 タイガース スペンサー・トーケルソン一塁手(アリゾナ州立大)
    2位 オリオールズ オースティン・マーティン三塁手兼外野手(バンダービルト大)
    3位 マーリンズ エイサ・レイシー投手(テキサスA&M大)
    4位 ロイヤルズ ニック・ゴンザレス二塁手(ニューメキシコ州立大)
    5位 ブルージェイズ マックス・マイヤー投手(ミネソタ大)
    6位 マリナーズ エマーソン・ハンコック投手(ジョージア大)
    7位 パイレーツ ヘストン・ケアスタッド外野手(アーカンソー大)
    8位 パドレス ザック・ビーン外野手(スプルース・クリーク高)
    9位 ロッキーズ リード・デトマーズ投手(ルイビル大)
    10位 エンゼルス ロバート・ハッセル外野手(インディペンデンス高)
    11位 ホワイトソックス パトリック・ベイリー捕手(ノースカロライナ州立大)
    12位 レッズ ピート・クロウ=アームストロング外野手(ハーバード・ウエストレイク高)
    13位 ジャイアンツ ケイド・キャバリ投手(オクラホマ大)
    14位 レンジャーズ ギャレット・クローシュ投手(テネシー大)
    15位 フィリーズ タイラー・ソダーストロム捕手(ターロック高)
    16位 カブス ギャレット・ミッチェル外野手(カリフォルニア大ロサンゼルス校)
    17位 レッドソックス ミック・エイベル投手(ジェズイト高)
    18位 ダイヤモンドバックス オースティン・ヘンドリック外野手(ウエスト・アレゲニー高)
    19位 メッツ ニック・ビツコ投手(セントラル・バックス・イースト高)
    20位 ブリュワーズ コール・ウィルコックス投手(ジョージア大)
    21位 カージナルス ブライアン・ジャービス投手(デューク大)
    22位 ナショナルズ スレイド・チェッコーニ投手(マイアミ大)
    23位 インディアンス ディロン・ディングラー捕手(オハイオ州立大)
    24位 レイズ ジャレッド・ケリー投手(レフュリオ高)
    25位 ブレーブス クレイトン・ビーター投手(テキサス工科大)
    26位 アスレチックス クリス・マクマーン投手(マイアミ大)
    27位 ツインズ ジョーダン・フォスキュー二塁手(ミシシッピ州立大)
    28位 ヤンキース ニック・ロフティン遊撃手(ベイラー大)
    29位 ドジャース ボビー・ミラー投手(ルイビル大)

  • パイレーツ・アーチャー 胸郭出口症候群の手術で今季絶望

    2020.6.4 12:55 Thursday

     日本時間6月4日、パイレーツは先発右腕のクリス・アーチャーが胸郭出口症候群の手術を受け、戦列復帰が2021年になる見込みであることを発表した。アーチャーの来季の契約は年俸1100万ドルの球団オプションとなっており、パイレーツがこれを行使しなければ、大きな対価を支払って獲得したアーチャーは期待に応えることができないままパイレーツを去ることになる。

     今年2月、アーチャーは首の張りを訴えてオープン戦での登板を回避。3月に入ってオープン戦初登板を果たしたが、スプリング・トレーニングが中断される直前に再び首の違和感を訴えていたようだ。その後も様子を見ながら投球練習を続けていたが、胸郭出口症候群と見られる症状を改善するために手術を受けることを決断した。

     胸郭出口症候群の手術を受けた投手が無事に復帰できた例はそれほど多くなく、最近ではマット・ハービーなども手術前のピッチングを取り戻せずに苦しんでいる。再建途上のパイレーツが胸郭出口症候群の手術を受けた投手に年俸1100万ドルを支払う可能性は低いと見られ、アーチャーはこのままパイレーツを去ることになりそうだ。

     メジャー2年目の2013年からの5年間で50勝、2015年から3年連続230奪三振以上(すべてリーグ3位以内)を記録し、2015年と2017年にはオールスター・ゲームに選出されるなど、レイズのエース右腕として活躍してきたアーチャー。2018年7月にタイラー・グラスノー、オースティン・メドウズ、シェーン・バズの3人とのトレードでパイレーツに加入したが、2018年は移籍後の10先発で3勝3敗、防御率4.30、昨年は23先発で3勝9敗、防御率5.19と期待外れの成績に終わった。

     レイズではメドウズが主力打者に成長し、グラスノーもエースへと飛躍を遂げようとしている。2017年ドラフト全体12位指名のバズも将来のエース候補として期待されており、このトレードはパイレーツにとって一方的な「負け」となってしまった。

     アーチャーが離脱したことにより、今年のパイレーツはジョー・マスグローブ、トレバー・ウィリアムス、ミッチ・ケラー、スティーブン・ブロールト、デレク・ホランド(もしくはチャド・クール)の5人で先発ローテーションを形成することになりそうだ。

  • 最強チーム決定戦 決勝は2001年マリナーズ対1986年メッツ

    2020.6.4 11:55 Thursday

     シミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット2」は日本時間6月4日に準決勝の結果が発表され、2001年マリナーズが2004年レッドソックスを4勝3敗、1986年メッツが1975年レッズを4勝1敗で破り、決勝進出を決めた。決勝は日本時間6月5日から行われ、いよいよ「最強チーム」が決定する。

     マリナーズは2勝2敗で迎えた第5戦を1対2で落とし、後がない状況に追い込まれたものの、第6戦は先発のジェイミー・モイヤーが7回5安打2失点の好投を見せ、ペドロ・マルティネス降板直後の8回表にマーク・マクレモアのタイムリーで勝ち越しに成功。8回裏をアーサー・ローズ、9回裏を佐々木主浩がパーフェクトに抑え、対戦成績を3勝3敗のタイとした。

     第7戦は初回にジョン・オルルドの先制2ランが飛び出して主導権を握り、先発のアーロン・シーリーは7回途中まで3安打無失点の快投。その後、追加点を奪うことはできなかったが、ジェフ・ネルソン、ローズ、ノーム・チャールトンの3投手がレッドソックス打線を無安打に封じ、2対0で逃げ切った。佐々木はチーム4勝のうち3試合でセーブを挙げる活躍。イチローは7試合のうち第6戦を除く6試合でヒットを放ち、リードオフマンとしての役割を十分に果たした。

     メッツは3勝1敗で迎えた第5戦に4対1で勝利し、決勝進出が決定。勝利した4試合では「ビッグ・レッド・マシン」の異名を持つレッズの強力打線を合計5得点に封じ、危なげなく決勝進出を決めた。

     第5戦は先発のドワイト・グッデンが初回に1点を失ったものの、ダリル・ストロベリーのタイムリー二塁打ですぐさま同点とし、ストロベリーは6回裏にもタイムリー二塁打、8回裏にはダメ押しのタイムリー三塁打を放ち、チームの全4得点を叩き出す大活躍。6回以降は4人のリリーバーがレッズ打線を1安打に抑え、守護神ジェシー・オロスコが最後を締めくくった。

     歴代最多タイの116勝を記録した2001年マリナーズと、有名なビリー・バックナーのエラーから逆転でワールドシリーズを制した1986年メッツ。「最強チーム決定戦」を制するのは、いったいどちらのチームだろうか。

  • 球団史上最高の先発左腕は誰だ!? MLB公式サイトの番記者が選出

    2020.6.3 17:40 Wednesday

     メジャーリーグ公式サイトでは、レギュラーシーズンの開幕延期によって試合がない期間を利用し、各球団の「オールタイム・チーム」を決定する企画を実施している。捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、左翼手、中堅手、右翼手、指名打者、先発右腕に続く第11弾は先発左腕。各球団の番記者が歴代の先発左腕のなかからトップ5を選出して紹介している。

    アメリカン・リーグ東部地区

    オリオールズ
    【1位】デーブ・マクナリー(1962-74)
    181勝、384先発、33完封、1476奪三振はいずれも左腕では球団史上最多。1968年から4年連続20勝、1970年はメジャー最多の24勝。
    【2位】マイク・フラナガン(1975-87,91-92)
    【3位】マイク・クエイヤー(1969-76)
    【4位】スコット・マクレガー(1976-88)
    【5位】スティーブ・バーバー(1960-67)

    レッドソックス
    【1位】レフティ・グローブ(1934-41)
    在籍8年間(34~41歳)で最優秀防御率に4度輝き、20勝を挙げた1935年からの5年間で83勝。1941年には通算300勝を達成した。
    【2位】ジョン・レスター(2006-14)
    【3位】ダッチ・レナード(1913-18)
    【4位】メル・パーネル(1947-56)
    【5位】ベーブ・ルース(1914-19)

    ヤンキース
    【1位】ホワイティ・フォード(1950,53-67)
    通算236勝、勝率.690を誇る。自己最多の25勝を挙げた1961年にサイ・ヤング賞。ワールドシリーズ通算22先発で防御率2.71。
    【2位】アンディ・ペティット(1995-2003,07-13)
    【3位】ロン・ギドリー(1975-88)
    【4位】レフティ・ゴメス(1930-42)
    【5位】CC・サバシア(2009-19)

    レイズ
    【1位】デービッド・プライス(2008-14)
    2007年のドラフト全体1位指名選手。2012年に最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得し、球団史上初の20勝&サイ・ヤング賞。
    【2位】スコット・カズミアー(2004-09)
    【3位】ブレイク・スネル(2016-現在)
    【4位】マット・ムーア(2011-16)
    【5位】ライアン・ヤーブロー(2018-現在)

    ブルージェイズ
    【1位】ジミー・キー(1984-92)
    在籍9年間で8度の2ケタ勝利を含む116勝。1987年はメジャー1位の防御率2.76をマークし、サイ・ヤング賞投票で2位にランクイン。
    【2位】J・A・ハップ(2012-14,16-18)
    【3位】デービッド・ウェルズ(1987-92,99-2000)
    【4位】リッキー・ロメロ(2009-13)
    【5位】マーク・バーリー(2013-15)

    アメリカン・リーグ中部地区

    ホワイトソックス
    【1位】マーク・バーリー(2000-11)
    メジャー2年目の2001年から11年連続2ケタ勝利&200イニング。2005年にワールドシリーズ制覇。2009~11年にゴールドグラブ賞。
    【2位】ビリー・ピアース(1949-61)
    【3位】クリス・セール(2010-16)
    【4位】ウィルバー・ウッド(1967-78)
    【5位】ゲーリー・ピータース(1959-69)

    インディアンス
    【1位】サム・マクダウェル(1961-71)
    在籍11年間で最多奪三振5度、奪三振率1位が6度。1965年にリーグ1位の防御率2.18をマークし、1970年にはキャリア唯一の20勝。
    【2位】CC・サバシア(2001-08)
    【3位】クリフ・リー(2002-09)
    【4位】ビーン・グレッグ(1911-14)
    【5位】ハーブ・スコア(1955-59)

    タイガース
    【1位】ハル・ニューハウザー(1939-53)
    1944~45年に投手では史上唯一となる2年連続MVP。1944年は自己最多の29勝、1945年は25勝、防御率1.81、212奪三振で投手三冠。
    【2位】ミッキー・ロリッチ(1963-75)
    【3位】エド・キリアン(1903-10)
    【4位】ハンク・アギーレ(1958-67)
    【5位】ケニー・ロジャース(2006-08)

    ロイヤルズ
    【1位】ポール・スプリットーフ(1970-84)
    ロイヤルズ一筋15年で球団史上最多の166勝をマーク。1973年の20勝を筆頭に2ケタ勝利10度。1987年に球団殿堂入りを果たす。
    【2位】チャーリー・リーブラント(1984-89)
    【3位】ダニー・ジャクソン(1983-87)
    【4位】ラリー・グラ(1976-85)
    【5位】バド・ブラック(1982-88)

    ツインズ
    【1位】ヨハン・サンタナ(2000-07)
    最優秀防御率と最多奪三振に各3度輝き、2006年には19勝、防御率2.77、245奪三振で投手三冠。2004年と2006年にサイ・ヤング賞。
    【2位】ジム・カート(1959-73)
    【3位】フランク・バイオーラ(1982-89)
    【4位】フランシスコ・リリアーノ(2005-06,08-12)
    【5位】エリック・ミルトン(1998-2003)

    アメリカン・リーグ西部地区

    アストロズ
    【1位】ダラス・カイケル(2012-18)
    2015年に20勝8敗、防御率2.48の好成績をマークし、左腕では球団史上唯一となるサイ・ヤング賞。ゴールドグラブ賞も4度受賞。
    【2位】マイク・ハンプトン(1994-99,2009)
    【3位】ボブ・ネッパー(1981-89)
    【4位】ワンディ・ロドリゲス(2005-12)
    【5位】ジム・デシェイズ(1985-91)

    エンゼルス
    【1位】チャック・フィンリー(1986-99)
    1989年からの11年間で2ケタ勝利10度。1993年にメジャー最多の13完投、ストライキの1994年はリーグ最多の25先発&183.1イニング。
    【2位】フランク・タナナ(1973-80)
    【3位】マーク・ラングストン(1990-97)
    【4位】ジャロッド・ウォシュバーン(1998-2005)
    【5位】ジム・アボット(1989-92,95-96)

    アスレチックス
    【1位】エディ・プランク(1901-14)
    通算410完投と69完封はともに左腕ではメジャー史上最多。在籍14年間はすべて15勝以上でシーズン20勝7度。284勝は球団記録。
    【2位】レフティ・グローブ(1925-33)
    【3位】バイダ・ブルー(1969-77)
    【4位】ルーブ・ワッデル(1902-07)
    【5位】バリー・ジート(2000-06,15)

    マリナーズ
    【1位】ランディ・ジョンソン(1989-98)
    1995年に18勝2敗、防御率2.48、294奪三振で球団史上初のサイ・ヤング賞。1992年から4年連続奪三振王。1997年は自身初の20勝。
    【2位】ジェイミー・モイヤー(1996-2006)
    【3位】マーク・ラングストン(1984-89)
    【4位】ジェームス・パクストン(2013-18)
    【5位】フロイド・バニスター(1979-82)

    レンジャーズ
    【1位】C・J・ウィルソン(2005-11)
    リーグ連覇の2010~11年に2年連続で球団最優秀投手に選出。最初の5年間はリリーフ、先発転向後2年連続で15勝以上をマーク。
    【2位】コール・ハメルズ(2015-17)
    【3位】マイク・マイナー(2018-現在)
    【4位】ケニー・ロジャース(1989-95,2000-02,04-05)
    【5位】ジョン・マトラック(1978-83)

    ナショナル・リーグ東部地区

    ブレーブス
    【1位】トム・グラビン(1987-2002,08)
    ブレーブスの左腕によるポストシーズン22勝のうち12勝を記録。在籍17年間で最多勝5度を含む244勝。サイ・ヤング賞も2度受賞。
    【2位】ウォーレン・スパーン(1942-64)
    【3位】スティーブ・エイバリー(1990-96)
    【4位】チャーリー・リーブラント(1990-92)
    【5位】デニー・ネイグル(1996-98)

    マーリンズ
    【1位】ドントレル・ウィリス(2003-07)
    2003年に新人王を受賞。2005年にはいずれもメジャー最多の22勝、7完投、5完封を記録してサイ・ヤング賞投票で2位にランクイン。
    【2位】アル・ライター(1996-97,2005)
    【3位】マーク・レッドマン(2003)
    【4位】スコット・オルセン(2005-08)
    【5位】マーク・バーリー(2012)

    メッツ
    【1位】ジェリー・クーズマン(1967-78)
    1976年に21勝10敗、防御率2.69、200奪三振の好成績でサイ・ヤング賞投票2位。在籍12年間で2ケタ勝利8度を含む140勝を記録。
    【2位】ジョン・マトラック(1971-77)
    【3位】シド・フェルナンデス(1984-93)
    【4位】アル・ライター(1998-2004)
    【5位】ボブ・オヘーダ(1986-90)

    フィリーズ
    【1位】スティーブ・カールトン(1972-86)
    移籍1年目の1972年に27勝、防御率1.97、310奪三振で投手三冠。在籍15年間で最多勝4度、最多奪三振5度、サイ・ヤング賞も4度。
    【2位】コール・ハメルズ(2006-15)
    【3位】クリス・ショート(1959-72)
    【4位】カート・シモンズ(1947-60)
    【5位】クリフ・リー(2009,11-14)

    ナショナルズ
    【1位】ジオ・ゴンザレス(2012-18)
    自己最多&メジャー最多の21勝を挙げた2012年にサイ・ヤング賞投票で3位にランクイン。86勝と1215奪三振は左腕で球団史上最多。
    【2位】ジェフ・ファセロ(1991-96)
    【3位】パトリック・コービン(2019-現在)
    【4位】カルロス・ペレス(1995-98)
    【5位】マーク・ラングストン(1989)

    ナショナル・リーグ中部地区

    カブス
    【1位】ヒッポ・ボーン(1913-21)
    1918年に22勝、防御率1.74、148奪三振で投手三冠を達成。1914年からの7年間で20勝5度を含む143勝。151勝は左腕で球団史上最多。
    【2位】ジョン・レスター(2015-現在)
    【3位】ケン・ホルツマン(1965-71,78-79)
    【4位】ラリー・フレンチ(1935-41)
    【5位】ジャック・フィースター(1906-11)

    レッズ
    【1位】ヌードルス・ハーン(1899-1905)
    メジャー1年目の1899年から3年連続でメジャー最多の奪三振を記録。メジャー最初の5年間で20勝以上4度を含む106勝をマークした。
    【2位】エッパ・リクシー(1921-33)
    【3位】ジム・オトゥール(1958-66)
    【4位】トム・ブラウニング(1984-94)
    【5位】ジョニー・バンダーミーア(1937-43,46-49)

    ブリュワーズ
    【1位】テディ・ヒゲーラ(1985-94)
    防御率3.61は500イニング以上の先発投手で球団史上1位。自己最多の20勝をマークした1986年にサイ・ヤング賞投票で2位となった。
    【2位】マイク・コールドウェル(1977-84)
    【3位】CC・サバシア(2008)
    【4位】ダグ・デービス(2003-06,10)
    【5位】スコット・カール(1995-99)

    パイレーツ
    【1位】ウィルバー・クーパー(1912-24)
    在籍13年間で記録した202勝と263完投は球団史上最多。1920年からの5年間で20勝以上を4度記録し、1921年にはリーグ最多の22勝。
    【2位】ジョン・キャンデラリア(1975-85,93)
    【3位】ジェシー・タネヒル(1897-1902)
    【4位】ボブ・ビール(1962-72)
    【5位】レフティ・レイフィールド(1905-12)

    カージナルス
    【1位】ハリー・ブレキーン(1940,43-52)
    自己最多の20勝をマークした1948年に防御率2.24と149奪三振で二冠王。この年を含め、1944年から6年連続で2ケタ勝利をマーク。
    【2位】ハウィー・ポレット(1941-51)
    【3位】マックス・ラニアー(1938-46,49-51)
    【4位】スティーブ・カールトン(1965-71)
    【5位】ジョン・テューダー(1985-88,90)

    ナショナル・リーグ西部地区

    ダイヤモンドバックス
    【1位】ランディ・ジョンソン(1999-2004,07-08)
    移籍1年目の1999年から4年連続サイ・ヤング賞。2001年にワールドシリーズMVP、2002年は24勝、防御率2.32、334奪三振で投手三冠。
    【2位】パトリック・コービン(2012-13,15-18)
    【3位】ロビー・レイ(2015-現在)
    【4位】オマー・ダール(1998-2000)
    【5位】ダグ・デービス(2007-09)

    ロッキーズ
    【1位】ホルヘ・デラローサ(2008-16)
    86勝と985奪三振はともに球団史上最多。2009年と2013年の16勝を筆頭に2ケタ勝利を4度記録。2009年は185イニングで193奪三振。
    【2位】ジェフ・フランシス(2004-10,12-13)
    【3位】カイル・フリーランド(2017-現在)
    【4位】タイラー・アンダーソン(2016-19)
    【5位】マイク・ハンプトン(2001-02)

    ドジャース
    【1位】サンディ・コーファックス(1955-66)
    1963年、1965年、1966年(現役最終年)と3度の投手三冠を達成し、いずれもサイ・ヤング賞。3度のワールドシリーズ制覇を経験。
    【2位】クレイトン・カーショウ(2008-現在)
    【3位】フェルナンド・バレンズエラ(1980-90)
    【4位】ジョニー・ポドレス(1953-55,57-66)
    【5位】クロード・オスティーン(1965-73)

    パドレス
    【1位】ランディ・ジョーンズ(1973-80)
    1974年にメジャーワーストの22敗を喫したが、翌1975年は20勝&防御率1位。1976年にはメジャー最多の22勝でサイ・ヤング賞。
    【2位】ブルース・ハースト(1989-93)
    【3位】デーブ・ドラベッキー(1982-87)
    【4位】スターリング・ヒッチコック(1997-2001,04)
    【5位】デーブ・ロバーツ(1969-71)

    ジャイアンツ
    【1位】カール・ハッベル(1928-43)
    ジャイアンツ一筋16年で通算253勝をマーク。最多勝と最優秀防御率を各3度、最多奪三振1度。1933年と1936年にはMVPを受賞した。
    【2位】マディソン・バムガーナー(2009-19)
    【3位】ジョニー・アントネッリ(1954-60)
    【4位】フックス・ウィルトシー(1904-14)
    【5位】ルーブ・マーカード(1908-15)

  • 「仕事を失ってもOK」 ボットー獲得に全力を注いだ男たち

    2020.6.3 12:00 Wednesday

     メジャーリーグのファンであればジョーイ・ボットー(レッズ)の名を知らない者はいないだろう。2008年に新人王投票で2位となり、2010年には打率.324、37本塁打、OPS1.024の好成績でMVPを受賞。最高級の選球眼を武器にリーグ最高出塁率を7回マークし、メジャーリーグ公式サイトによると通算出塁率.421は歴代14位の数字となっている。このボットーを2002年のドラフトで指名するために全力を注いだ男たちがいた。

     トロント出身のボットーは、2002年のドラフトにおいて決して注目された存在ではなかった。レッズがボットーを見つけたのは、当時のスカウト部長であるケーシー・マッキーンが甥の試合を見るためにフロリダ州ジュピターで行われた大会を訪れたことがきっかけ。ボットーを見ることが目的ではなかった。しかし、マッキーンはボットーの打撃の才能に心を奪われ、このカナダ人高校生を追い続けることを決めた。

     ボットーに関する情報が他球団へ流出することを懸念し、ボットーの調査は信頼できる一部のスカウトのみで行われ、当時のジム・ボウデンGMがボットーの存在を知ったのもドラフト直前のことだった。ボットーはドラフト前のワークアウトでプレーする機会を得たが、ボウデンは「レッズのスカウト陣が彼を見つけたのは素晴らしかった。でも、彼がワークアウトに参加していなかったら、彼を指名することはなかっただろう。ドラフト直前まで彼のことを知らなかったのだから」と当時を振り返っている。

     ボットーの打撃の才能は、レッズのドラフト候補選手のなかでも群を抜いていた。結局、ヤンキースが2巡目(全体71位)でボットーを指名する予定だという情報を得たレッズは、2巡目(全体44位)でボットーを指名。ボットー自身は、スカウトからの接触がほとんどなかったレッズではなく、ヤンキースに指名される可能性が高いと考えていたようだ。

     球団のルールを無視してボットーの調査を続けたスカウトたちのなかには、ボットーのプロ1年目が終わる前にチームを追われた者もいた。しかし、当時のスカウティング・アシスタントであるポール・ピアソンは「自分が仕事を失ってもボットーを獲得できるならOKだと思っていた」と語り、東海岸担当のクロスチェッカーだったビル・シェラーも「僕たちが手掛けた最後のドラフトでボットーを獲得できたことに満足している」と当時を振り返る。

     レッズの主砲・ボットーは、「自分の仕事を犠牲にしてでも最高の選手を手に入れる」というスカウトたちのプライドの産物なのだ。

  • 最強チーム決定戦準決勝 アは2勝2敗、ナはメッツがリード

    2020.6.3 10:30 Wednesday

     シミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット2」の準決勝は、アメリカン・リーグが2001年マリナーズ対2004年レッドソックス、ナショナル・リーグが1975年レッズ対1986年メッツの組み合わせとなり、日本時間6月3日に第4戦までの途中経過が発表された。ア・リーグはレッドソックスが2連勝したあとにマリナーズも2連勝し、第4戦を終えて2勝ずつ。ナ・リーグはメッツが2連勝したあと、第3戦はレッズが勝利したが、メッツは第4戦を制し、決勝進出に王手をかけた。

     3回戦で1961年ヤンキース、準々決勝で1954年インディアンスをそれぞれ4勝1敗で破ったレッドソックスは、マリナーズとの準決勝でも強さを発揮し、第1戦は先発のカート・シリングの好投(6回2安打9奪三振無失点)もあって5対0で快勝。第2戦は1点ビハインドの7回裏にケビン・ミラーのタイムリーで同点とし、8回裏には先頭のビル・ミラーに勝ち越しアーチが飛び出して5対4で接戦を制した。

     しかし、歴代最多タイの116勝を記録したマリナーズも意地を見せ、第3戦は3点ビハインドの6回裏にブレット・ブーンのタイムリー二塁打などで2点を返し、8回裏には二死満塁からカルロス・ギーエンが2点タイムリーを放って4対3で逆転勝利。第4戦は4対4の同点で迎えた7回裏にブーンが勝ち越し3ランを放ち、7対4で勝利して2勝2敗のタイに持ち込んだ。

     4試合とも「1番・ライト」でスタメン出場したイチローは、全試合で安打を記録し、打率.368(19打数7安打)をマーク。佐々木主浩は第3戦と第4戦でいずれも9回表の1イニングを無失点に抑え、2セーブを記録している。

     「ビッグ・レッド・マシン」の異名を持つ強力打線を誇るレッズと対戦しているメッツは、9回表に飛び出したムーキー・ウィルソンの勝ち越しアーチで第1戦を3対2で制すと、第2戦にも3対2で勝利。7回途中2安打1失点の快投を見せた先発のロン・ダーリングは今大会無傷の7勝目(防御率1.45)をマークした。

     第3戦はレッズ打線がメッツ投手陣を攻略し、9対4でレッズが快勝したが、レッズ先発のフレッド・ノーマンとメッツ先発のシド・フェルナンデスによる投手戦となった第4戦は、両軍無得点のまま9回裏に突入し、二死1・2塁からハワード・ジョンソンのタイムリーでメッツがサヨナラ勝ち。対戦成績を3勝1敗とし、決勝進出に王手をかけている。

     なお、第5戦以降の結果は日本時間6月4日に発表される予定。いよいよ各リーグの覇者と決勝戦の組み合わせが決定する。

  • 「マネーボール・ドラフト」を振り返る ブラウン、バリントンなど

    2020.6.2 15:20 Tuesday

     マイケル・ルイス著『マネーボール』で取り上げられた2002年のドラフトは、1巡目で指名されたザック・グレインキー、コール・ハメルズ、プリンス・フィルダー、2巡目指名のジョーイ・ボットー、ジョン・レスターなど、数多くのオールスター選手を輩出している。メジャーリーグ公式サイトのアンソニー・カストロビンスは、この「マネーボール・ドラフト」を関係者の発言をもとに振り返る特集記事を公開した。

     『マネーボール』では、2002年のドラフトで7つの1巡目指名権を持つアスレチックスが伝統的なスカウティング方法を廃止してデータを重視するようになり、不確実性の多い高校生の指名を回避し、指名した最初の17人がすべて大学生だったことなどに焦点が当てられた。ジョン・ミラベリ(インディアンスのスカウト部長)は、アスレチックスがドラフトの一部始終を取材させ、出版を許可したことに驚いたという。

     この「マネーボール・ドラフト」の主人公となったのが、アスレチックスに全体35位で指名されたジェレミー・ブラウンだ。7つの1巡目指名を持ちながら予算に制約のあるアスレチックスは、安価な契約金で獲得できる逸材の発掘を目指し、相場を100万ドル近く下回る契約金35万ドルでブラウンの獲得に成功。ブラウンはハイレベルな選球眼と長打力を兼ね備えながら、178センチ、102キロという不格好な体格により他球団が指名を敬遠した選手だった。

     アスレチックスに全体16位で指名されたニック・スウィッシャーは、マイナー時代にブラウンのプレーを見て「コイツはメジャーリーガーになる」と確信したという。実際、ブラウンは2006年にメジャー昇格を果たし、5試合で10打数3安打を記録。しかし、AAA級でプレーした翌2007年が野球選手としての最後のシーズンとなった。

     ルイスは「彼にプレーする気があれば、今でもメジャーで活躍していたかもしれない」と語る。ところが、『マネーボール』で必要以上に注目を浴び、野球を続けることに嫌気が差してしまった部分もあったようだ。「彼はどこへ行っても本について尋ねられていた。私のことを少し恨んでいたみたいだね」とルイスは語っている。

     また、アスレチックスがデータ重視で獲得した7人の1巡目指名選手のうち、全体26位指名のジョン・マカーディ、同30位のベン・フリッツ、同37位のスティーブ・オーベンチェインの3人はメジャー昇格を果たせなかった。大学時代のマカーディは、スタッツだけを見れば素晴らしい打撃力を持った遊撃手だったが、ルイスいわく「フェンスまで79メートルの球場で82メートルのフライを打っていただけ」だったという。ルイスによると、アスレチックスはこの反省を生かし、翌年からは選手のスタッツを見る際に球場の影響を考慮するようになったようだ。

     アスレチックスが大学生中心の指名を展開したこの年のドラフトは、高校生の有望株が非常に多かった。全体8位までに指名された8人のうち、実に7人が高校生。しかし、高額な契約金を用意できないパイレーツは、全体1位指名で大型高校生遊撃手のB・J・アップトンではなく、大学生右腕のブライアン・バリントンを指名するという安全策をとった。

     ミラベリが「誰もが驚いたと思う」と振り返るこの指名だが、それはバリントンも例外ではない。インターネットがまだダイヤルアップ接続だったこの時代、バリントンは全体8位か9位まで指名が終わったところでようやくネットに接続でき、電話が掛かってきたことで自分がすでに指名されたことを把握。しかし、その電話の相手がパイレーツのデーブ・リトルフィールドGMであることに気付き、そこでようやく全体1位指名を受けたことを認識して大いに驚いたという。

     メジャーでは大成できず、日本プロ野球での活躍を経て、現在はブリュワーズでスカウトを務めているバリントンだが、やはり全体1位指名のプレッシャーは大きかったようだ。「全体15位とか20位であれば、僕のキャリアはそれ相応だったんじゃないかな。(2002年のドラフトで起こったことは)まだ信じられないよ」とバリントン。リトルフィールドも「あの指名は成功とは言えなかった」と振り返り、「グレインキーを指名すべきだった」とも語っている。

     他球団に目を移すと、メッツのスティーブ・フィリップスGMは、同じ高校の2人の投手(スコット・カズミアーとクリント・エバーツ)を高く評価。メッツは最初の指名が全体15位だったため、それまでにこの両投手が消えてしまうと考え、フィルダーよりも高い評価を与えていたスウィッシャーを指名する予定だったという。

     ところが、エバーツは全体5位でエクスポズに指名されたものの、フィリップスの予想に反してカズミアーは全体14位までに指名されず、メッツはカズミアーの獲得に成功。フィリップスは「我々がスウィッシャーを指名しなかった唯一の理由は、カズミアーがまだ残っていたことだ」と語っている。なお、スウィッシャーは直後の全体16位でアスレチックスが指名した。

     プロ入り後の成績だけを見れば、出塁率と長打力を重視したアスレチックスの戦略に最もマッチする存在は、レッズが2巡目(全体44位)で指名したボットーだろう。しかし、当時のボットーは高校生であり、大学生中心のドラフトを展開したアスレチックスの指名候補選手ではなかった。

     ボットーは「あのときの自分は、今のようなパワーと選球眼のコンビネーションを持っていなかったと思う。まだ18歳で未熟だったからね」と当時を振り返る。「『マネーボール』には興味があるけど、(レッズではない)別のチームに入団していたら自分の才能を開花させることはできなかっただろう」とも話している。

     今年のドラフトは日本時間6月11~12日に開催される。残念ながら5巡目までに縮小される形での開催となってしまったが、各球団は異例の状況のなかで未来のスーパースターを獲得すべく手を尽くしている。今年のドラフトではどんな物語が生まれるのだろうか。

  • 50試合前後でのシーズン開催? 交渉泥沼化でファンは置き去り

    2020.6.2 11:45 Tuesday

     ESPNのジェフ・パッサンによると、メジャーリーグ機構は選手会との深い溝が埋まらない状況のなか、選手たちに完全な日割り給与を保証する代わりに50試合前後でのシーズン開催を検討しているようだ。関係者の話では、現時点でメジャーリーグ機構がこのプランを選手会に提示する可能性は低いものの、交渉が不調に終わった場合の最終手段となる可能性があるという。ただし、選手会は100試合以上でのシーズン開催を希望しており、大きな反発が予想される。

     50試合前後という「短期シーズン」の開催は、無観客でのシーズン開幕のためには選手たちのサラリーカットが必要不可欠と主張するメジャーリーグ機構の苦肉の策と言えるだろう。選手会がサラリーカットに応じず、3月に合意した日割り給与を求めるのであれば、試合数自体を減らすしかないという考え方だ。

     選手会は日本時間6月1日のプラン提示のなかで、114試合制でのシーズン開催を提案。114試合分の給与が日割りで支払われるのであれば、選手たちはもともとの年俸の約70%を得ることができる。しかし、50試合制となれば、日割り給与が保証されたとしても、もともとの年俸の約30%しか得られないため、選手会がこのプランを受け入れる可能性は限りなくゼロに近い。

     シーズン開幕を待つファンを置き去りにして「カネ」に関わる労使交渉が泥沼化していく光景は、大規模なファン離れを引き起こした1994年のストライキを思い起こさせる。もちろんメジャーリーグ機構と選手会の双方にとって「カネ」の問題は重要だが、メジャーリーグの再開を待ち望むファンが大勢いることも忘れてはならないだろう。

     ストライキが明けた1995年は、野茂英雄が「トルネード旋風」を巻き起こし、9月にはカル・リプケンJr.がルー・ゲーリッグの連続試合出場記録を更新。1998年にはマーク・マグワイアとサミー・ソーサのアーチ合戦もあり、メジャーリーグは徐々にファンを取り戻した。お互いの権利を主張することも必要だが、ファンのために双方が歩み寄り、一刻も早くシーズン開幕に向けた動きが具体化していくことを願うばかりである。

  • 最強チーム決定戦 2001年マリナーズなどベスト4が出揃う

    2020.6.2 10:50 Tuesday

     シミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット2」は日本時間6月2日に準々決勝が行われ、イチローと佐々木主浩がメンバー入りしている2001年マリナーズのほか、2004年レッドソックス、1975年レッズ、1986年メッツがベスト4進出を決めた。マリナーズ対レッドソックス、レッズ対メッツの組み合わせで行われる準決勝は日本時間6月4日に結果が発表される予定となっている。

     2001年マリナーズは、ニグロリーグの最強チームの1つである1942年カンザスシティ・モナークスと対戦。第3戦でマリナーズが18対0と圧勝したことにより、トータルでは42対17という大差になったものの、シリーズ自体は第7戦までもつれる熱戦となった。イチローは第1戦の3回裏にサチェル・ペイジから逆転2ランを放つなど全試合で安打を放ち、大会通算打率は.319まで上昇。3勝3敗で迎えた第7戦は、マイク・キャメロンの2ラン、マーク・マクレモアとブレット・ブーンの3ランなどで着実に加点したマリナーズが9対1で快勝した。

     2004年レッドソックスは1954年インディアンスと対戦。第1戦を5対6で落としたものの、第2戦は9回表にジョニー・デイモンが勝ち越し2ランを放ち、4対2で勝利。第3戦は8回裏にケビン・ミラーが決勝打、第4戦はデーブ・ロバーツ、第5戦はビル・ミラーがそれぞれサヨナラ打を放ち、初戦黒星からの4連勝でベスト4進出を決めた。

     1975年レッズは1960年パイレーツと対戦。ピート・ローズとジョニー・ベンチが合計48打数6安打(打率.125)に封じられ、3回戦までチーム最多の8本塁打を放っていたトニー・ペレスも不発に終わったが、4勝2敗でパイレーツを退けた。ジョー・モーガンとジョージ・フォスターがそれぞれ6打点で打線を牽引。投手陣ではゲーリー・ノーランが2勝0敗、防御率1.29をマークし、直近の2ラウンドでは4勝0敗、防御率1.30と快投を続けている。

     1986年メッツは1995年ブレーブスと対戦。2勝2敗で迎えた第5戦でドワイト・グッデンが6回3安打8奪三振無失点の快投を見せてグレッグ・マダックスに投げ勝つと、第7戦ではロン・ダーリングが7回3安打11奪三振1失点という見事なピッチングでチームを勝利に導いた。第3戦終了時点で2勝1敗とリードしていたブレーブスだが、第4戦以降は打線が沈黙。第6戦は1点リードの6回表に連続エラーから一挙5点を奪われ、自滅によって敗退が決まった。

  • 野茂の2度のノーヒッターはいずれも球場史上唯一の快挙

    2020.6.1 16:10 Monday

     メジャー通算123勝をマークした野茂英雄は、メジャー移籍2年目の1996年とレッドソックスへ移籍した2001年にそれぞれノーヒッターを達成している。両リーグでの達成は、サイ・ヤング、ジム・バニング、ノーラン・ライアンに次ぐ史上4人目の快挙であり、いずれも敵地での達成だった。ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドとオリオールズの本拠地オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズの両方で、野茂は球場史上唯一のノーヒッター達成者となっている。

     1996年9月17日(現地時間)の敵地でのロッキーズ戦、野茂は雨で試合開始が2時間遅れるなかで先発のマウンドに上がり、快投を披露。俊足好打のエリック・ヤングがリードオフマンを務め、エリス・バークス、ダンテ・ビシェット、アンドレス・ガララーガ、ビニー・カスティーヤという強打者カルテットを擁するロッキーズ打線にヒットを1本も許さず、「打者天国」でのノーヒッターという奇跡的な快挙を成し遂げた。

     ドジャースからメッツ、ブリュワーズ、タイガースを経てレッドソックスへ移籍した野茂は、2001年4月4日(現地時間)の敵地でのオリオールズ戦、レッドソックス移籍後初登板初先発となったこの試合でまたしても見事なピッチング。電気系統の故障により試合開始が遅れるなか、クリス・リチャードとカル・リプケンJr.を除くオリオールズの7人の打者から合計11個の三振を奪い、自身2度目のノーヒッターを達成した。

     1992年に開場したオリオール・パーク・アット・カムデンヤーズと1995年に開場したクアーズ・フィールドでは、ともに1度だけしかノーヒッターが達成されておらず、野茂は2つの球場で史上唯一のノーヒッター達成者となっている。打者有利の環境で前人未到の快挙を成し遂げている点は、逆境を乗り越えて夢の舞台にたどり着いた野茂らしいと言える。

     なお、メジャー30球団の現在の本拠地球場では、2006年開場のブッシュ・スタジアム(カージナルス)、2009年開場のヤンキー・スタジアム(ヤンキース)、2010年開場のターゲット・フィールド(ツインズ)、2017年開場のサントラスト・パーク(ブレーブス)、そして今年開場するグローブライフ・フィールド(レンジャーズ)でまだノーヒッターが達成されていない。

  • 選手会がMLB機構へ114試合制などを提案 年俸削減には応じず

    2020.6.1 15:20 Monday

     日本時間6月1日、メジャーリーグ選手会はメジャーリーグ機構に対して114試合制のレギュラーシーズン開催(現地時間6月30日から10月31日まで)などを含むプランを提示した。シーズン開幕に向けて最大のハードルとなっているサラリー面については、減額には一切応じず、ポストシーズンが中止または短縮された場合にのみ最大1億ドルの後払いを認めることを盛り込むにとどまった。

     選手会が提示したプランでは、レギュラーシーズンは6月末から10月末までの4ヶ月間で114試合制となる。また、ポストシーズンについては、選手会、メジャーリーグ機構、ファンのすべてにメリットがあるということで今年と来年の2年間に限り、出場チームを現行の10球団(各リーグ5球団)から14球団(各リーグ7球団)に増やすことが提案されている。

     さらに、選手にはプレーするかどうかの選択権が与えられ、健康状態の面で「ハイリスク」と判断された選手または「ハイリスク」の人と一緒に暮らしている選手については、プレーしなかった場合でも給与とサービスタイムの両方が与えられる。それ以外の選手がプレーしなかった場合、サービスタイムは加算されるものの、給与は支払われない。

     選手会は3月末の時点で合意した「試合数に比例した給与」を求めており、114試合制の提案には「出来るだけ多くの試合を開催して多くの給与を得る」という狙いがあると見られる。114試合制を成し遂げるためにダブルヘッダーの増加も受け入れる姿勢を示している。

     それ以外には、再開されるスプリング・トレーニングの期間中に総額1億ドルの給与を前払いすること、ポストシーズンが中止または短縮された場合のみ年俸1000万ドル以上の選手に対する給与の後払いを認めること、試合中のマイク使用や球場外での特別番組への協力などが含まれ、シーズン中の開催が困難と見られるホームラン・ダービーやオールスター・ゲームをオフシーズンに開催することにも協力的な姿勢を示している。

     メジャーリーグ機構に歩み寄る姿勢を示した選手会だが、残念ながら最大の懸案事項であるサラリー面については何も解決していない。選手会はさらなる減額に一切応じない姿勢を貫いているが、オーナーのなかには「選手会がサラリーの減額に応じないのであれば、シーズンを中止した方がダメージは少ない」と考える者もいるという。メジャーリーグ機構が82試合制を提案している点については、新型コロナウイルスの第2波への備えのほか、シーズンが長引いてNBAやNFLと競合してしまうのを避けたいという狙いがあるようだ。

     6月末ないし7月初旬に開幕するのであれば、再びスプリング・トレーニングを行うことを考えると、遅くとも今週中にはメジャーリーグ機構と選手会が合意に達する必要があるだろう。開幕を待つファンを置き去りにしてしまっている感は否めず、ファンのためにも、一刻も早く両者が歩み寄ることが求められる。

  • ナショナルズの選手たちが自軍傘下のマイナーリーガーを支援

    2020.6.1 13:50 Monday

     ナショナルズの選手たちは、給与削減が決定したことが報じられている自軍傘下のマイナーリーガーへ資金援助を行うことを満場一致で決定した。リリーフ左腕のショーン・ドゥーリトルが自身のTwitterで明らかにし、多くの球界関係者から称賛の声が集まっている。

     ドゥーリトルは通算111セーブを挙げている33歳のリリーフ左腕。昨年は63試合に登板して自己最多の29セーブをマークした。ドゥーリトルによると、マイナーリーガーの給与削減が報じられたあと、ナショナルズの選手たちはZOOMでの話し合いを行い、満場一致で資金援助を決定したという。

     ナショナルズは先日、30人近いマイナーリーガーを解雇し、残りのマイナーリーガーには少なくとも6月末までは給与を支払い続けることを明言したが、その金額は5月までの週給400ドルから週給300ドルへと減額された。給与の支払いを継続するチームのうち、減額が明らかになったのは現時点でナショナルズだけである。

     ドゥーリトルのツイートによると、ナショナルズの選手たちはマイナーリーガーの週給の減額分をすべて補填する方針だという。「僕たちもみんなマイナーリーガーだった時代があった。現在の不確実な情勢のなかで、週給が彼ら自身や彼らの家族にとってどれほど重要なものであるかを僕たちは理解している」とドゥーリトルは述べている。

     「マイナーリーガーは球団組織にとって必要不可欠な存在だ。マイナーのシーズンは中止となる可能性が高いため、彼らは最も重い負担を強いられている。僕たちはそのことを認識しているし、彼らを支援したいと考えている」とドゥーリトル。先日、デービッド・プライス(ドジャース)が自軍傘下のマイナーリーガーに対して個人で資金援助を行ったことが明らかになったが、チームとしてナショナルズが動いたことにより、メジャーリーガーによるマイナーリーガーへの支援の動きは今後さらに拡大していくかもしれない。

  • 2020年ドラフト全体1位指名は? タイガースの候補は5~6人

    2020.6.1 11:30 Monday

     2020年のドラフトでは、タイガースが直近3年間で2度目の全体1位指名権を持っている。新型コロナウイルスの影響によって高校や大学でもシーズンが中断され、各球団は例年と異なる方法でドラフト候補をチェックないし評価することを強いられているが、タイガースは全体1位で誰を指名するのだろうか。スカウト部長のスコット・プレイスは、具体的な選手名への言及は避けたものの、候補が5~6人であることを明言した。

     プレイスによると、タイガースは日本時間6月11日午前8時11分ごろに行われる全体1位指名に向けて、球団内で話し合いを続けているという。プレイスは具体的な選手名には言及しなかったが、スペンサー・トーケルソン一塁手(アリゾナ州立大)、オースティン・マーティン外野手兼三塁手(バンダービルト大)、エイサ・レイシー投手(テキサスA&M大)、エマーソン・ハンコック投手(ジョージア大)、ニック・ゴンザレス二塁手兼遊撃手(ニューメキシコ州立大)らが候補になっていると見られる。

     他球団の関係者のなかには「タイガースがトーケルソンを全体1位で指名しなければ驚きだ」と語る者もおり、トーケルソンが最有力候補という見方は現在も変わっていない。次点がマーティンとレイシーの2人で、ハンコックとゴンザレスの2人がそれに続く構図となっている。

     トーケルソンは長打力、技術、選球眼といった強打者に必要な要素をすべて備えており、打撃力に関しては「2001年のマーク・テシェイラ以来の逸材」という高い評価を受けている。1年生のときに25本塁打を放ってバリー・ボンズによるアリゾナ州立大の記録を更新し、翌年も23本塁打を記録して2年連続で所属カンファレンスの本塁打王に輝いた。

     2018年ドラフト全体1位指名のケーシー・マイズを筆頭に、マット・マニング、アレックス・ファエド、タリク・スクーバルなど、タイガースのマイナーに将来有望な投手が多いこともタイガースのトーケルソン指名を後押しする。プレイスは、そうした事情が全体1位指名の決断に影響を与える可能性を否定しているものの、次代の主砲として、タイガースがトーケルソンを全体1位で指名する可能性は高いと言えそうだ。

  • 過去最高のドラフトは1968年ドジャース MLB公式サイトが特集

    2020.6.1 10:45 Monday

     2020年のドラフトを約10日後に控え、メジャーリーグ公式サイトでは連日、ドラフトの歴史を振り返る特集記事が公開されている。日本時間6月1日には、ジム・キャリスが過去のドラフトのなかから最高の指名を行ったチームを選出する特集記事を公開。ロジャー・クレメンスを指名した1983年レッドソックスを抑え、「過去最高のドラフト」に選出されたのは1968年ドジャースだ。

     ドラフトは1965年にスタートし、1986年までは1月と6月に年2回開催されていた。また、前年のドラフトで指名されなかった選手を対象とする二次ドラフトも開催されていたが、1987年から現在の年1回開催となっている。

     1968年ドジャースは、「最高のアスリートを指名するか、チームに必要な選手を指名するか」といったドラフト戦略を見直したり、選手の基礎スキルを100段階で評価したりして、1974~81年の8年間に4度のリーグ優勝(世界一は1981年の1度のみ)を成し遂げたときの主力選手を次々に獲得。2度の盗塁王を含む通算557盗塁を記録したデイビー・ロープス、1974年に打率.314、31盗塁を記録したビリー・バックナー、通算2599安打のスティーブ・ガービー、通算316本塁打のロン・セイらがその代表格だ。

     前述の4選手のほか、通算194勝のドイル・アレクサンダー、通算122本塁打のジョー・ファーガソン、通算111勝のジェフ・ザーンなど数多くのメジャーリーガーを輩出し、合計WAR(Baseball-Reference版)は234.8に達する。これは過去のドラフトのなかで断トツの数字であり、50ポイント差以内に位置しているのも1983年レッドソックス(クレメンスとエリス・バークスの2人だけで189.0)しかいない。

     ちなみに、1968年ドジャースが1巡目(全体5位)で指名したのは、のちに日本プロ野球の千葉ロッテマリーンズでも監督を務めるボビー・バレンタイン(メジャー通算441安打)。5巡目で指名したトム・パチョレック(メジャー通算1162安打)は、日本プロ野球の横浜大洋ホエールズや阪神タイガースで活躍したジム・パチョレックの兄である。

  • 殿堂入り選手を相手に好成績を残した意外な選手たち

    2020.5.31 22:00 Sunday

     野球というのは面白いスポーツであり、スーパースターが格下の選手を必ずカモにできるとは限らない。たとえば、ジ・アスレチックのアンドリュー・バガーリーはライアン・ボーグルソンがイチローを15打数ノーヒットに封じたことを紹介している。それを踏まえ、メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモンは殿堂入り選手を苦しめた意外な選手を紹介している(40打席以上の対戦がある組み合わせが対象。ポストシーズンを含む)。

     まず、殿堂入り投手との対戦では、マーリンズやツインズで控え捕手として活躍したマイク・レドモンドがトム・グラビンと51回対戦して打率.438の好成績を残している。最後は11打数連続ノーヒットに封じられたものの、それまでは37打数21安打(打率.568)と完全にカモにしていた。

     レドモンド以外では、ミッキー・モランディーニがグレッグ・マダックスに対して打率.337(111打席)、フランク・カタラノットがマイク・ムシーナに対して打率.459(67打席)、ジェフ・リボーレイがランディ・ジョンソンに対して打率.273(66打席)、ラファエル・ラミレスがノーラン・ライアンに対して打率.333(58打席)、ジーン・オリバーがサンディ・コーファックスに対して打率.392(54打席)をマークしている。

     一方、殿堂入り野手との対戦では、1961年から2年連続21勝をマークしてレッズの球団殿堂入りしているジョーイ・ジェイがスタン・ミュージアルに対して被打率.208(55打席)、ウィリー・メイズに対して被打率.200(42打席)の好成績を残している。メイズは特にジェイを苦手としており、四球を1つしか選べなかったのに対し、13個もの三振を喫した。

     これ以外では、ジョン・リーバーがジェフ・バグウェルに対して被打率.224(59打席)、ケビン・グロスがクレイグ・ビジオに対して被打率.071(44打席)、エド・ウェルズがベーブ・ルースに対して被打率.204(61打席)をマーク。ウェルズは通算68勝、防御率4.65という平凡な投手だったが、ルースと45打席以上対戦して1本も本塁打を許さなかった投手はウェルズを含めてたった2人しかいない。

  • 各ポジションの通算最多盗塁記録保持者たち

    2020.5.31 12:30 Sunday

     メジャーリーグ公式サイトでは、これまでに各ポジションの本塁打、安打、打点、WARの通算記録保持者を特集してきた。今回は各ポジションの通算最多盗塁記録保持者の顔ぶれをチェックしてみよう。

     同サイトの特集記事では、該当ポジションで通算出場試合数の3分の2以上に出場した選手が対象となっている。また、外野手はポジションにかからわず、通算出場試合数の3分の2以上に外野手として出場していれば対象となり、外野のなかで最も出場試合数が多いポジションに振り分けられている。よって、「そのポジションでの出場時に記録した盗塁数」ではないことにご注意いただきたい。

     各ポジションの通算最多盗塁記録保持者は以下の通り(ライブボール時代の1920年以降を対象とする)。

    捕手
    ジェイソン・ケンドール 189盗塁
    (現役最多:ラッセル・マーティン 101盗塁)

    一塁手
    ジェフ・バグウェル 202盗塁
    (現役最多:ポール・ゴールドシュミット 127盗塁)

    二塁手
    ジョー・モーガン 689盗塁
    (現役最多:ディー・ゴードン 330盗塁)

    三塁手
    ハワード・ジョンソン 231盗塁
    (現役最多:トッド・フレイジャー 72盗塁)

    遊撃手
    バート・キャンパネリス 649盗塁
    (現役最多:エルビス・アンドルース 302盗塁)

    左翼手
    リッキー・ヘンダーソン 1406盗塁
    (現役最多:ブレット・ガードナー 267盗塁)

    中堅手
    ウィリー・ウィルソン 668盗塁
    (現役最多:ラジェイ・デービス 415盗塁)

    右翼手
    イチロー 509盗塁
    (現役最多:秋信守 151盗塁)

    指名打者
    ハル・マクレー 109盗塁
    (現役最多:大谷翔平 22盗塁)
    ※該当する現役選手は大谷とヨルダン・アルバレスのみ

    投手
    ボブ・ギブソン 13盗塁
    (現役最多:ザック・グレインキー 9盗塁)

     ちなみに、通算出場試合数の3分の2以上という条件にこだわらず、純粋に「そのポジションで出場したときに記録した盗塁数」を見た場合、最多記録保持者は以下のようになる(1920年以降が対象。リサーチにはBaseball-ReferenceのPlay Indexを使用しているため、1972年以前の数値には不完全な部分がある。カッコ内は現役最多)。

    捕手:ケンドール 183盗塁(マーティン 97盗塁)
    一塁手:バグウェル 201盗塁(ゴールドシュミット 127盗塁)
    二塁手:モーガン 678盗塁(ホゼ・アルトゥーベ 248盗塁)
    三塁手:カーニー・ランスフォード 206盗塁(ホゼ・ラミレス 78盗塁)
    遊撃手:キャンパネリス 606盗塁(アンドルース 298盗塁)
    左翼手:ヘンダーソン 1132盗塁(ガードナー 172盗塁)
    中堅手:ケニー・ロフトン 609盗塁(ビリー・ハミルトン 287盗塁)
    右翼手:イチロー 396盗塁(ジェイソン・ヘイワード 104盗塁)
    指名打者:ポール・モリター 169盗塁(大谷 21盗塁)
    投手:ギブソン 13盗塁(グレインキー 9盗塁)

  • チャンスに強い男たち 2001年のイチローは得点圏打率.445

    2020.5.31 11:30 Sunday

     相手より多くの得点を取ったチームが勝者となる野球というスポーツにおいて、チャンスで多くのヒットを打つことができる打者、要するに得点圏打率の高い打者は非常に重宝される。シーズンごとに変動の大きい指標の1つではあるが、シーズン得点圏打率が高い打者は、少なくともその1年間に限ってはチャンスに強かったということになる。今回はシーズン得点圏打率の歴代記録を調べてみた。

     今回のリサーチにはデータサイト「Baseball-Reference」の「Play Index」という機能を使用し、得点圏で100打席以上の打者のみを対象とした。また、1972年以前のデータには不完全な部分があるため、データが完全でない場合はリサーチの対象から除外している。

     この条件でリサーチを行った結果、1980年にジョージ・ブレットがマークした得点圏打率.469(130打数61安打)が歴代最高であることがわかった。1980年といえば、ブレットが打率4割に挑戦し、自己ベストの打率.390&118打点を記録したシーズンである。4割に迫る高打率をマークしたブレットは、得点圏でも4割を大きく超える打率を記録していた。

     2位は1997年のトニー・グウィンで、得点圏打率.459(146打数67安打)をマーク。上位2人に共通するのは三振の少なさで、グウィンは得点圏での179打席で9三振、ブレットに至っては166打席でわずか5三振しか喫していない。

     4位に2001年のイチロー(137打数61安打、得点圏打率.445)、5位に1956年のミッキー・マントルとポール・モリター(ともに108打数48安打、打率.444)と上位にはスーパースターの名前が並んでいるが、そのなかで3位には2013年のアレン・クレイグがランクイン。レギュラー定着2年目となったクレイグはこの年、得点圏打率.454(130打数59安打)をマーク。前年にも.400(125打数50安打)を記録しており、活躍した期間は短かったものの、非常に勝負強い打者だった。

     現役選手では、フレディ・フリーマン(ブレーブス)が2013年に得点圏打率.443(131打数58安打)をマークして7位にランクイン。ちなみに、100打席以上での歴代ワーストも2013年のブレーブスの打者が記録しており、メルビン・アップトンJr.は93打数10安打で得点圏打率.108に終わった。

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