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オールMLBチームの投票スタート ダルビッシュと前田もノミネート
2020.10.30 08:30 Friday昨季から表彰が始まった「オールMLBチーム」を選出するファン投票が日本時間10月30日にスタートした。外野手3名、先発投手5名、救援投手2名、その他のポジションは各1名という構成でファースト・チームとセカンド・チームが選出され、今季のMLBのオールスター・チームが決定する。選考はファン投票が50%、野球メディアが構成する選考委員会の投票が50%という割合で行われ、12月の第2週ごろに選考結果が発表される予定となっている。
ファン投票はあらかじめ選出されたノミネート選手のなかから投票する選手を選ぶという形式で行われ、日本時間11月14日午前4時まで24時間ごとに1度投票が可能。投票は特設サイト(https://www.mlb.com/fans/all-mlb-team)で受け付けている。日本人選手からは先発投手部門でダルビッシュ有(カブス)と前田健太(ツインズ)の2人がノミネートされた。各部門のノミネート選手は以下の通り。
◆捕手
トラビス・ダーノウ(ブレーブス)
ヤスマニ・グランダル(ホワイトソックス)
ショーン・マーフィー(アスレチックス)
オースティン・ノラ(パドレス)
サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)
J・T・リアルミュート(フィリーズ)
ウィル・スミス(ドジャース)◆一塁手
ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)
ブランドン・ベルト(ジャイアンツ)
フレディ・フリーマン(ブレーブス)
ポール・ゴールドシュミット(カージナルス)
ドミニク・スミス(メッツ)
ルーク・ボイト(ヤンキース)◆二塁手
キャバン・ビジオ(ブルージェイズ)
ロビンソン・カノー(メッツ)
ジェイク・クロネンワース(パドレス)
セザー・ヘルナンデス(インディアンス)
DJ・レメイヒュー(ヤンキース)
ブランドン・ラウ(レイズ)
ドノバン・ソラーノ(ジャイアンツ)◆三塁手
ブライアン・アンダーソン(マーリンズ)
アレック・ボーム(フィリーズ)
マニー・マチャド(パドレス)
ホゼ・ラミレス(インディアンス)
アンソニー・レンドン(エンゼルス)
ジャスティン・ターナー(ドジャース)
ジオ・ウルシェラ(ヤンキース)◆遊撃手
ティム・アンダーソン(ホワイトソックス)
ザンダー・ボガーツ(レッドソックス)
デービッド・フレッチャー(エンゼルス)
ホゼ・イグレシアス(オリオールズ)
コリー・シーガー(ドジャース)
トレバー・ストーリー(ロッキーズ)
ダンズビー・スワンソン(ブレーブス)
フェルナンド・タティスJr.(パドレス)
トレイ・ターナー(ナショナルズ)◆外野手
ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)
ムーキー・ベッツ(ドジャース)
マイケル・コンフォート(メッツ)
トレント・グリシャム(パドレス)
ブライス・ハーパー(フィリーズ)
テオスカー・ヘルナンデス(ブルージェイズ)
エロイ・ヒメネス(ホワイトソックス)
カイル・ルイス(マリナーズ)
ウィル・マイヤーズ(パドレス)
A・J・ポロック(ドジャース)
フアン・ソト(ナショナルズ)
ジョージ・スプリンガー(アストロズ)
マイク・トラウト(エンゼルス)
マイク・ヤストレムスキー(ジャイアンツ)◆指名打者
マイケル・ブラントリー(アストロズ)
ネルソン・クルーズ(ツインズ)
マーセル・オズーナ(ブレーブス)
フランミル・レイエス(インディアンス)
ジェシー・ウィンカー(レッズ)◆先発投手
クリス・バシット(アスレチックス)
トレバー・バウアー(レッズ)
シェーン・ビーバー(インディアンス)
コービン・バーンズ(ブリュワーズ)
カルロス・カラスコ(インディアンス)
ゲリット・コール(ヤンキース)
ダルビッシュ有(カブス)
ジェイコブ・デグロム(メッツ)
マックス・フリード(ブレーブス)
ザック・ギャレン(ダイヤモンドバックス)
ルーカス・ジオリト(ホワイトソックス)
カイル・ヘンドリックス(カブス)
クレイトン・カーショウ(ドジャース)
ダラス・カイケル(ホワイトソックス)
ディネルソン・ラメット(パドレス)
ランス・リン(レンジャーズ)
前田健太(ツインズ)
アーロン・ノラ(フィリーズ)
柳賢振(ブルージェイズ)
ブランドン・ウッドラフ(ブリュワーズ)◆救援投手
ニック・アンダーソン(レイズ)
アレックス・コロメイ(ホワイトソックス)
エドウィン・ディアス(メッツ)
ジェイク・ディークマン(アスレチックス)
ブラッド・ハンド(インディアンス)
リアム・ヘンドリックス(アスレチックス)
グレッグ・ホランド(ロイヤルズ)
ジェレミー・ジェフレス(カブス)
ジェームス・カリンチャック(インディアンス)
ドリュー・ポメランツ(パドレス)
トレバー・ローゼンタール(パドレス)
デビン・ウィリアムス(ブリュワーズ) -
殿堂入りの名将・ラルーサが現場復帰 古巣のWソックスで監督就任
2020.10.30 08:00 Fridayホワイトソックスは日本時間10月30日、球団30代目監督であるトニー・ラルーサが同41代目としてチームの新監督に就任することを発表した。現在76歳のラルーサは、カージナルスでワールドシリーズを制した2011年を最後に現場を離れていたが、リック・レンテリア監督を解任したホワイトソックスの新監督候補に浮上。ラルーサが現場復帰を望んでいるかどうかは不透明だったが、10年ぶりの現場復帰が実現することになった。
ラルーサは33年にわたる監督生活でメジャー歴代3位の2728勝をマークし、リーグ優勝を6度、ワールドシリーズ制覇を3度成し遂げている。監督としてのキャリアはホワイトソックスでスタートしており、1979年途中から1986年途中まで監督を務めて522勝510敗、ポストシーズン進出1度という成績。1986年途中に当時のケン・ハーレルソンGMに解任されたが、ジェリー・ラインズドーフ会長はラルーサ解任が失敗だったこと、それを後悔していること、そしてラルーサは兄弟のような存在であることを明らかにしていた。
リック・ハーンGMはレンテリア解任後、「チームの新監督には優勝経験のある人物が望ましい」との考えを語っていた。10年近く現場を離れているラルーサがデータ全盛の現代野球にどこまで適応できるかを疑問視する声もあるが、通算2728勝という実績はそんな批判の声を無力化してしまうほどには圧倒的だ。若手有望株の成長とともに力をつけてきたホワイトソックスを殿堂入りの名将が率いることでどんな化学反応が起こるか注目される。
なお、監督として殿堂入りした人物が現場復帰して再びチームの指揮を執るのは極めて異例。通常、監督を殿堂入りさせる際には完全に引退したかどうかについて慎重に検討が行われるからだ。また、ホワイトソックスで複数の期間にわたって監督を務めるのはニクシー・キャラハン(1903~04年と1912~14年)、ポール・リチャーズ(1951~54年と1976年)、アル・ロペス(1957~65年と1968~69年)に次いでラルーサが4人目となる。
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オフシーズン開幕 田中、平野らFA公示された全147選手一覧
2020.10.29 12:30 Thursdayワールドシリーズが終了し、オフシーズンがスタートした。その初日は、147人の選手がフリーエージェントとして公示。チーム別ではメッツの11人が最多で、10人のアスレチックスと9人のブレーブスがそれに続いている。なお、フリーエージェント選手の人数は契約オプションの破棄やノンテンダーなどによって今後も増えていく。ここではオフシーズン初日の日本時間10月29日に公示された147人の選手をチーム別の一覧で紹介する。
アメリカン・リーグ東部地区
◆オリオールズ(2人)
ブライアン・ホラデイ捕手
ウェイド・ルブラン投手◆レッドソックス(3人)
ジャッキー・ブラッドリーJr.外野手
ルスネイ・カスティーヨ外野手
コリン・マクヒュー投手◆ヤンキース(4人)
エリック・クラッツ捕手
DJ・レメイヒュー二塁手
ジェームス・パクストン投手
田中将大投手◆レイズ(1人)
アーロン・ループ投手◆ブルージェイズ(7人)
アンソニー・バース投手
ケン・ジャイルズ投手
ジョー・パニック二塁手
ロビー・レイ投手
マット・シューメイカー投手
ジョナサン・ビヤー遊撃手
タイワン・ウォーカー投手アメリカン・リーグ中部地区
◆ホワイトソックス(3人)
アレックス・コロメイ投手
ジャロッド・ダイソン外野手
ジェームス・マッキャン捕手◆インディアンス(3人)
セザー・ヘルナンデス二塁手
サンディ・レオン捕手
オリバー・ペレス投手◆タイガース(5人)
C・J・クロン一塁手
イバン・ノバ投手
オースティン・ロマイン捕手
ジョナサン・スコープ二塁手
ジョーダン・ジマーマン投手◆ロイヤルズ(4人)
アレックス・ゴードン外野手=引退
マット・ハービー投手
グレッグ・ホランド投手
イアン・ケネディ投手◆ツインズ(8人)
エイレ・アドリアンザ遊撃手
アレックス・アビラ捕手
タイラー・クリッパード投手
ネルソン・クルーズ指名打者
マーウィン・ゴンザレス三塁手
リッチ・ヒル投手
トレバー・メイ投手
ジェイク・オドリッジ投手アメリカン・リーグ西部地区
◆アストロズ(4人)
マイケル・ブラントリー外野手
ブラッド・ピーコック投手
ジョシュ・レディック外野手
ジョージ・スプリンガー外野手◆エンゼルス(2人)
アンドレルトン・シモンズ遊撃手
フリオ・テーラン投手◆アスレチックス(10人)
マイク・ファイアーズ投手
ロビー・グロスマン外野手
リアム・ヘンドリックス投手
トミー・ラステラ二塁手
ジェイク・ラム三塁手
T・J・マクファーランド投手
マイク・マイナー投手
ユスメイロ・ペティート投手
マーカス・セミエン遊撃手
ホアキム・ソリア投手◆マリナーズ(3人)
ディー・ゴードン二塁手
ケンドール・グレイブマン投手
平野佳寿投手◆レンジャーズ(7人)
ジェシー・チャベス投手
秋信守外野手
デレク・ディートリック二塁手
ジェフ・マシス捕手
フアン・ニカシオ投手
アンドリュー・ロマイン遊撃手
エディンソン・ボルケス投手ナショナル・リーグ東部地区
◆ブレーブス(9人)
タイラー・フラワーズ捕手
シェーン・グリーン投手
コール・ハメルズ投手
アデイニー・エチャバリア遊撃手
ニック・マーケイキス外野手
マーク・マランソン投手
マーセル・オズーナ外野手
パブロ・サンドバル三塁手
ジョシュ・トムリン投手◆マーリンズ(6人)
ブラッド・ボックスバーガー投手
フランシスコ・セルベリ捕手=引退
ローガン・フォーサイス二塁手
マット・ジョイス外野手
ショーン・ロドリゲス二塁手
ニック・ビンセント投手◆メッツ(11人)
ヨエニス・セスペデス外野手
ジャレッド・ヒューズ投手
ジェッド・ラウリー二塁手
ジェイク・マリズニック外野手
エドゥアルド・ヌニェス三塁手
リック・ポーセロ投手
エラスモ・ラミレス投手
レネイ・リベラ捕手
マーカス・ストローマン投手
マイケル・ワカ投手
ジャスティン・ウィルソン投手◆フィリーズ(7人)
ホゼ・アルバレス投手
ジェイク・アリエタ投手
ジェイ・ブルース外野手
ディディ・グレゴリアス遊撃手
トミー・ハンター投手
J・T・リアルミュート捕手
ブランドン・ワークマン投手◆ナショナルズ(5人)
アズドゥルバル・カブレラ三塁手
ショーン・ドゥーリトル投手
ブロック・ホルト二塁手
カート・スズキ捕手
ライアン・ジマーマン一塁手ナショナル・リーグ中部地区
◆カブス(8人)
アンドリュー・チェイフィン投手
タイラー・チャットウッド投手
ビリー・ハミルトン外野手
ジェレミー・ジェフレス投手
ジェイソン・キプニス二塁手
キャメロン・メイビン外野手
ジョシュ・フェグリー捕手
ホゼ・キンターナ投手◆レッズ(4人)
トレバー・バウアー投手
アンソニー・ディスクラファーニ投手
フレディ・ギャルビス遊撃手
タイラー・ソーンバーグ投手◆ブリュワーズ(1人)
ブレット・アンダーソン投手◆パイレーツ(2人)
デレク・ホランド投手
キーオニー・ケラ投手◆カージナルス(4人)
ブラッド・ミラー三塁手
ヤディアー・モリーナ捕手
アダム・ウェインライト投手
マット・ウィータース捕手ナショナル・リーグ西部地区
◆ダイヤモンドバックス(2人)
ジョン・ジェイ外野手
ヤズマニー・トマス外野手◆ロッキーズ(6人)
ドリュー・ビュテラ捕手
マット・ケンプ外野手
ダニエル・マーフィー一塁手
クリス・オーウィングス二塁手
ケビン・ピラー外野手
AJ・ラモス投手◆ドジャース(7人)
ペドロ・バイエズ投手
エンリケ・ヘルナンデス二塁手
ジェイク・マギー投手
ジョク・ピーダーソン外野手
ブレイク・トライネン投手
ジャスティン・ターナー三塁手
アレックス・ウッド投手◆パドレス(5人)
ジェイソン・カストロ捕手
ジュリクソン・プロファー二塁手
ギャレット・リチャーズ投手
トレバー・ローゼンタール投手
カービー・イエーツ投手◆ジャイアンツ(4人)
トレバー・ケーヒル投手
ケビン・ゴーズマン投手
ドリュー・スマイリー投手
トニー・ワトソン投手 -
レンジャーズ クルーバーのオプション破棄&再契約を検討か
2020.10.29 11:20 Thursdayメジャーリーグ公式サイトでレンジャーズの番記者を務めるT・R・サリバンによると、レンジャーズはコリー・クルーバーの来季オプション(年俸1800万ドル)を破棄する可能性が高いようだ。サリバンは、レンジャーズがクルーバーにバイアウト100万ドルを支払ったうえでオプションを破棄し、より安価な金額で再契約を結ぶ可能性があることを伝えている。
レンジャーズは昨年12月にエマニュエル・クラーセとデライノ・デシールズをインディアンスへ放出してクルーバーを獲得。サイ・ヤング賞2度の実績を誇るクルーバーの復活に賭け、ランス・リン、マイク・マイナーの両輪とともに先発ローテーションの中心を担うことを期待していた。
ところが、クルーバーは初登板のマウンドで1イニングを投げただけで右胸筋を断裂して戦線離脱。当初はシーズン終盤にリリーフで復帰することも検討されていたが、チームが早々にポストシーズン争いから脱落したこともあり、戦列復帰しないまま移籍1年目のシーズンを終えた。
2017年に自身2度目のサイ・ヤング賞を受賞し、2018年には自己最多の20勝をマークしたクルーバーだが、直近2シーズンで8試合にしか先発できず、投げたのは36回2/3だけ。34歳という年齢を考えると、以前のようなピッチングを再びできる保証もなく、オプション破棄は当然の判断と言えるだろう。
とはいえ、シーズン18勝以上を4度もマークしている実績は非常に魅力的であり、復活を遂げてエース級の活躍を見せる可能性もゼロではない。そのあたりの事情を考慮し、レンジャーズはより安価な金額での再契約を検討しているのだろう。ただし、そのように考えるのは他球団も同様であり、思わぬ争奪戦に発展する可能性もある。
クルーバーとしては、直近2シーズンの成績から複数年契約は絶望的なだけに、1年契約を結んだうえで、自身の価値を改めて証明することが目標となるだろう。
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マーリンズがマーテイの来季オプション行使 年俸1250万ドル
2020.10.29 10:50 Thursdayマーリンズは日本時間10月29日、スターリング・マーテイの来季オプション(年俸1250万ドル)を行使したことを発表した。マーテイは8月末にトレードでダイヤモンドバックスから加入し、チームのポストシーズン進出に貢献。最高経営責任者(CEO)のデレク・ジーターは「マーテイを獲得するために複数の有望な投手を放出した。だからマーテイは引き止めるつもりだ」と話していたが、その言葉通りにマーテイは来季もマーリンズの一員としてプレーすることになった。
現在32歳のマーテイは、シーズン途中で移籍した影響により60試合制のシーズンにもかかわらず61試合に出場し、打率.281、6本塁打、27打点、10盗塁、OPS.770をマーク。8月末にダイヤモンドバックスからマーテイを獲得した際、マーリンズはウンベルト・メヒア、ケイレブ・スミス、後日指名選手の3人を放出した(後日指名選手はフリオ・フリアスに決定)。
カブスとのワイルドカード・シリーズ第1戦で左手に死球を受け、小指を骨折したため、ポストシーズンは1試合しか出場できなかったが、若い選手が多いチームのなかでリーダー的役割を担い、17年ぶりのポストシーズン進出に貢献。マーテイを欠いたマーリンズは、その後のポストシーズン4試合で7点しか取れなかった(最後の2試合は完封負け)。
パイレーツ時代の2015~16年にゴールドグラブ賞、2016年にオールスター・ゲーム選出と実績は十分で、走攻守三拍子揃った活躍が期待できる好選手であり、チーム再建を終えて勝負モードへ切り替わりつつあるマーリンズにとって、来季も貴重な戦力となるに違いない。
なお、マーリンズはクローザーのブランドン・キンツラーの契約オプション(年俸400万ドル)についても5日以内に判断を下す必要がある。また、チームからはブラッド・ボックスバーガー、ニック・ビンセント、フランシスコ・セルベリ、マット・ジョイス、ショーン・ロドリゲス、ローガン・フォーサイスの6人がフリーエージェントとなっている(セルベリはすでに現役引退を発表)。
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カージナルスがウォンのオプションを破棄 今季の無観客開催も影響か
2020.10.29 10:20 Thursdayカージナルスのジョン・モゼリアック野球部門社長は日本時間10月29日、正二塁手コルテン・ウォンの来季の契約オプション(年俸1250万ドル)を破棄したことを発表した。これに伴い、ウォンはバイアウトの100万ドルを受け取ってフリーエージェントとなる。球界有数の好守の二塁手として知られるウォンだが、コロナ禍における財政状況の不確実性により、カージナルスはウォンのオプション破棄という厳しい選択を強いられることになった。
モゼリアックは「我々は(再契約に向けて)ドアを開けておくことで合意した」と語っており、ウォンがカージナルスに残留する可能性が完全に消滅したわけではない。しかし、ウォンはインスタグラムを更新してチームやファンへの感謝の言葉を綴っており、カージナルスと再契約を結ぶ可能性は低いと見られている。
現在30歳のウォンは、2019年に自己最高のシーズンを過ごし、打率.285、11本塁打、59打点、24盗塁、OPS.784をマークしたのに加えて自身初のゴールドグラブ賞を受賞。今季は長打が激減し、53試合に出場して打率.265、1本塁打、16打点、5盗塁、OPS.675に終わったが、出塁率.350とリードオフマンとしての最低限の役割は果たし、ゴールドグラブ賞のファイナリストにも名を連ねている。
しかし、今季がポストシーズンの一部の試合を除いて無観客での開催となり、来季もどれくらいの観客を入れられるか不透明な状況である以上、カージナルスは年俸1250万ドルの契約オプションを行使するという選択ができなかった。球界有数の好守を誇るウォンは多くの球団にとって魅力的な存在であり、カージナルスを含めた複数球団による争奪戦が繰り広げられるのは間違いないだろう。
カージナルスからはウォンのほか、ヤディアー・モリーナ、アダム・ウェインライト、マット・ウィータース、ブラッド・ミラーがフリーエージェントとなっており、モゼリアックは戦力維持のために難しい舵取りを強いられそうだ。なお、ウォンと再契約できなかった場合、トミー・エドマンを正二塁手として起用することが有力視されている。
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FA市場の注目株・スプリンガー 「アストロズに戻りたくない」との噂
2020.10.29 09:50 Thursday近年のアストロズの躍進をレギュラーシーズンとポストシーズンの両方における活躍で支えてきたジョージ・スプリンガーは、今オフのフリーエージェント市場で注目株の1人となっている。アストロズにとって、スプリンガーとの再契約は今オフの最優先事項の1つだが、スプリンガー自身はそのように考えていないようだ。「スプリンガーはアストロズ残留を望んでいない」という噂が出回っている。
現在31歳のスプリンガーは、2017年に34本塁打、2019年に自己最多の39本塁打を放ち、2017年から3年連続でオールスター・ゲームに選出。今季は成績を大きく落とすチームメイトが多いなか、51試合に出場して打率.265、14本塁打、32打点、OPS.899と例年に近いパフォーマンスを披露した。また、ポストシーズンに強いことでも知られており、通算63試合に出場して19本塁打を放っている。
このスプリンガーについて、「ESPN 97.5 ヒューストン」のパトリック・クレイトン記者は「ジョージ・スプリンガーはアストロズに戻ることを望んでいないという噂がある。オーナーは開幕前に彼との再契約が最優先だと語っていたが、今のところ何も実現していない。センターという重要なポジションで強打と好守を兼ね備えた選手であり、アストロズにとって大きな損失となるだろう」と伝えている。他に同様の内容を報じている記者がいない点は気になるが、これが事実だとすれば、アストロズの来季構想には大きな狂いが生じることになる。
アストロズはジャスティン・バーランダーがトミー・ジョン手術により来季を全休することが確実で、主力外野手のマイケル・ブラントリーとジョシュ・レディックはスプリンガーとともにフリーエージェントとなる。今季はレギュラーシーズンで6年ぶりに負け越したが、スプリンガー流出となればさらなる戦力ダウンは避けられない。
一方、スプリンガーが残留を望んでいないという噂は、メッツやレッドソックスといった強打の外野手の獲得を目指す球団には朗報だ。スプリンガーと他球団の交渉が解禁されるとともに、激しい争奪戦が繰り広げられることになるだろう。
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コロナ陽性でセレモニー参加 MLB機構「ターナーの行動は間違い」
2020.10.29 09:32 Thursdayドジャースが32年ぶりの世界一を決めたワールドシリーズ第6戦、ジャスティン・ターナー(ドジャース)は試合中に新型コロナウイルスの陽性反応が判明し、途中交代を強いられた。ところが、隔離を命じられたにもかかわらず、試合後のセレモニーに参加。マスクを外してチームメイトと喜びを分かち合うシーンもあり、批判の声が上がっている。これを受け、メジャーリーグ機構は日本時間10月29日、ターナーの行動について公式声明を発表した。
メジャーリーグ機構は公式声明のなかで「検査室から陽性反応の報告を受けた直後、感染防止のプロトコルが発動し、ジャスティン・ターナーを試合から取り除くことになりました。ターナーは周囲の安全のために隔離されました」と経緯を説明。
続いて「しかし、ドジャースの勝利後、ターナーが周囲の安全と保護のために与えられた指示とプロトコルを無視することを選択したのは明らかです。お祝いしたいという気持ちは理解できますが、隔離せずにグラウンドに入るというターナーの決断は間違っており、接触した全ての人々を危険にさらしてしまいました。メジャーリーグ機構の警備員がターナーがグラウンドにいることを問題視したとき、ターナーは指示に従うことを強く拒否しました」と述べ、ターナーの選択と行動を批判した。
今後の対応については「コミッショナー事務局はこの件について全面的な調査を開始しており、2020年シーズンの運営マニュアルに基づいて選手会との協議を行う予定です」と発表。試合後にドジャースの関係者に対して検査が行われ、一夜明けてレイズとドジャースの両チームが検査を受ける予定であることも明らかにした。
なお、「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者は検査の結果、ターナー夫妻を除き、レイズとドジャースの関係者全員にアーリントンを離れて自宅へ戻る許可が出たことを伝えている。
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WSのMVPは打率.400、2本塁打のシーガー LCSから連続受賞!
2020.10.28 13:03 Wednesday2020年のワールドシリーズはドジャースが4勝2敗でレイズを破り、1988年以来32年ぶり7度目となる世界一を成し遂げた。MVPには打率.400、2本塁打、OPS1.256の好成績でドジャース打線を牽引したコリー・シーガーが選出。同じ年にリーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズのMVPを連続受賞するのは史上8人目の快挙となった。
リーグ優勝決定シリーズの7試合で打率.310、5本塁打、11打点、OPS1.230の猛打を見せ、MVPに選出されたシーガーは、ワールドシリーズでも好調を維持。第1戦は無安打ながら3つの四球を選び、第2戦は1号ソロを含む2安打1打点の活躍を見せた。第3戦で1安打を放ったあと、第4戦では2号ソロを含む4安打2打点の大暴れ。第5戦は初回に先制タイムリーを放ち、世界一を決めた第6戦は無安打ながら一塁ゴロ(記録は野選)で決勝点を叩き出した。
同じ年にリーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズのMVPを連続受賞するのは、1979年のウィリー・スタージェル(パイレーツ)、1982年のダレル・ポーター(カージナルス)、1988年のオーレル・ハーシュハイザー(ドジャース)、1997年のリバン・ヘルナンデス(マーリンズ)、2008年のコール・ハメルズ(フィリーズ)、2011年のデービッド・フリース(カージナルス)、2014年のマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)に次ぐ史上8人目の快挙。ポストシーズン18試合で打率.328、8本塁打、20打点、OPS1.171という素晴らしい活躍だった。
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ドジャースが鮮やかな逆転勝利 1988年以来32年ぶり世界一!
2020.10.28 12:38 Wednesday【レイズ1-3ドジャース】@グローブライフ・フィールド
ドジャースはレイズとのワールドシリーズ第6戦を3対1で制し、4勝2敗で1988年以来32年ぶり球団史上7度目となるワールドシリーズ制覇を成し遂げた。レイズ先発のブレイク・スネルの前に5回まで無得点に抑えられたものの、6回裏途中にスネルが降板すると、すぐさま逆転に成功。投手陣がレイズ打線の反撃を封じ、鮮やかな逆転勝利で世界一を決めた。
レイズがスネル、ドジャースがトニー・ゴンソリンの先発で始まった第6戦は、1回表一死からランディ・アロサレーナの3号ソロでレイズが先制。アロサレーナはこれが今回のポストシーズンで10本目のアーチとなり、自身のメジャー記録をさらに更新するとともに、球団のポストシーズン通算本塁打記録も塗り替えた。
スネルは1回裏と4回裏に三者三振を奪うなど、試合序盤から素晴らしいピッチングを見せてドジャース打線を圧倒。5回まで被安打1、奪三振9、無四球、無失点という快投で、レイズが1点をリードして試合前半を終えた。
ところが、6回裏一死からスネルがオースティン・バーンズにヒットを許すと、ドジャース打線が3巡目に入るこのタイミングでケビン・キャッシュ監督はスネル交代を決断。球数はまだ73球だった。2番手のニック・アンダーソンがムーキー・ベッツに二塁打を浴び、一死二・三塁から暴投で1対1の同点。さらにコリー・シーガーの一塁ゴロが野選となり、ベッツが勝ち越しのホームを踏んだ。
8回裏にはこの回先頭のベッツがセンター左への2号ソロを放ち、ダメ押しの1点を追加。7回裏途中から登板していたドジャース7番手のフリオ・ウリアスが最後まで投げ抜き、2回1/3を無失点に抑える好リリーフで試合を締めくくった。
勝利投手はドジャース5番手のビクトル・ゴンザレス(1勝0敗)、敗戦投手はレイズ2番手のアンダーソン(1勝1敗)で、ウリアスはポストシーズン初セーブを記録。なお、レイズの筒香嘉智は出場機会がなく、悔しい形でメジャー1年目のシーズンを終えた。
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WS第6戦 6回裏にドジャースが逆転 レイズ・スネル交代が裏目
2020.10.28 11:30 Wednesdayドジャースが32年ぶりの世界一に王手をかけて迎えたワールドシリーズ第6戦は、レイズが初回にランディ・アロサレーナのポストシーズン10本目のアーチとなるソロ本塁打で先制したものの、ドジャースが6回裏に2点を奪って逆転に成功。レイズは好投していた先発ブレイク・スネルを早めに交代させたことが裏目に出た。試合は6回を終了してドジャースが2対1とリードしている。
レイズ先発のスネルは1回裏と4回裏に三者三振を奪うなど、ドジャース打線に対して5回まで被安打1、奪三振9という見事なピッチングを展開。6回裏先頭のAJ・ポロックをセカンドフライに打ち取ったあと、オースティン・バーンズにセンターへのヒットを許したが、この時点で球数はまだ73球だった。
しかし、レイズのケビン・キャッシュ監督はドジャース打線が3巡目に入るこのタイミングでスネルの交代を決断。6回裏一死一塁の場面で2番手のニック・アンダーソンを投入した。
ところが、アンダーソンはムーキー・ベッツに二塁打を浴び、一死二・三塁のピンチ。次打者コリー・シーガーの打席でアンダーソンの暴投によりバーンズが生還し、シーガーの一塁ゴロの間にベッツも生還(記録は野選)してドジャースがあっという間に試合をひっくり返した。
ドジャース打線が3巡目に入るとはいえ、スネルはベッツ、シーガー、ジャスティン・ターナーの1~3番を合計6打席すべて三振に仕留めていただけに、キャッシュが交代を焦った感は否めない。スネル降板が裏目となり、レイズは球団史上初のワールドシリーズ制覇に向けて絶体絶命の状況に追い込まれた。
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カージナルスの両ベテラン 来季も同じチームでのプレーを希望か
2020.10.28 10:00 Wednesdayヤディアー・モリーナの代理人を務めるメルビン・ロマンによると、カージナルスはモリーナとの来季以降の契約について話し合いを続けているようだ。モリーナと他球団の交渉が解禁されるのはおよそ1週間後(ワールドシリーズ終了の5日後)。モリーナは2年契約を希望していることが報じられているが、カージナルスはモリーナがフリーエージェントとなって他球団との交渉を開始するまでに契約をまとめることができるだろうか。
カージナルスの地元紙「セントルイス・ポスト・ディスパッチ」のデリック・グールド記者によると、モリーナはカージナルスに残留するのが最優先であると考えており、モリーナが正式に市場へ出る前に契約が成立する可能性は十分にあるという。ただし、モリーナは「他球団が自分のことをどのように評価しているか知りたい」という考えも持っているようだ。
モリーナがカージナルス退団を決断した場合、モリーナと長年にわたってバッテリーを組んできたアダム・ウェインライトがどのような選択をするかも注目される。モリーナとウェインライトは自分たちの去就について「(カージナルスに残留しない場合は)一緒にどこかへ行こう」と話し合ったようだ。しかし、両者の代理人は異なるため、両者を「セット売り」で交渉するのは難しいと見られている。
ウェインライトは「僕たちは2人ともセントルイスを離れたいなんて思っていない」と語り、カージナルス残留を希望していることを明言。「僕たちは2人ともここにいたいと思っている。だから事態の成り行きを見守るよ。(コロナの影響で)例年とは違う状況だから資金の余裕もモー(=ジョン・モゼリアック野球部門社長)が望むような状態ではないだろうしね。見守るしかない。どうなるかはわからないよ」と語った。
今のところ、両者とも来季も引き続きカージナルスの一員としてプレーすることが有力視されている。しかし、コロナ禍という異例の状況である以上、2人揃って別のユニフォームに袖を通す可能性もゼロではないだろう。
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「ドジャースにいなかったはずの男たち」が世界一の立役者に?
2020.10.27 12:30 Tuesdayドジャースはレイズとのワールドシリーズ第5戦を制し、1988年以来32年ぶりとなる世界一に王手をかけた。ジョク・ピーダーソンは第4戦で逆転打、第5戦で本塁打を放つなど、ポストシーズン15試合で打率.382の活躍。一方、ブルスダル・グラテロルはポストシーズンで登板した8試合のうち7試合で無失点に抑えるなど、ブルペンの貴重な戦力となっている。しかし、この両者は「ドジャースにいなかったはず」の選手だった。
今年2月4日、ドジャース、ツインズ、レッドソックスのあいだで三角トレードが合意に達した。これはドジャースがレッドソックスからムーキー・ベッツとデービッド・プライスを獲得し、ツインズはドジャースから前田健太、レッドソックスはドジャースからアレックス・ベルドゥーゴ、ツインズからグラテロルを獲得するというものだった。
ベッツの加入によって外野手が余るドジャースは、トレード合意から数時間後、エンゼルスとのトレードが合意目前となっていた。このトレードはドジャースがピーダーソン、ロス・ストリップリング、マイナーリーガー1名を放出してエンゼルスからルイス・レンヒーフォを獲得するというものだった。
よって、この時点ではピーダーソンはエンゼルス、グラテロルはレッドソックスの一員となることがほぼ確実となっていたわけだ。しかし、その2日後、事態は一変する。
2月6日、「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンはレッドソックスがグラテロルの健康状態に懸念を示していることを報じた。レッドソックスはグラテロルを先発投手として計算していたが、グラテロルの健康状態では先発を務められない可能性が高いと判断し、ツインズに追加の交換要員を要求したのだ。
これによってドジャース、ツインズ、レッドソックスによる三角トレードは一時的に凍結。それに伴い、ドジャースとエンゼルスのあいだのトレードも保留となった。
2月9日、三角トレードを2つの2チーム間トレードに分割することでようやくトレードが成立し、ドジャースはレッドソックスにベルドゥーゴ、ジーター・ダウンズ、コナー・ウォンを放出してベッツとプライスを獲得。ツインズには前田とルーク・レイリーを放出してグラテロルを獲得することになった。レッドソックスへ移籍するはずだったグラテロルは、このような経緯によりドジャースの一員になったというわけだ。
ベッツのトレードが無事に成立したため、ピーダーソンはエンゼルスへ放出されるのかと思いきや、ドジャースとエンゼルスのあいだのトレードは破談となった。後日、エンゼルスのアート・モレノ・オーナーは「ベッツのトレードが遅延したこと」をトレード破談の理由の1つとして挙げている。こうしてピーダーソンは今季もドジャースの一員としてプレーすることが決定した。
そして今、エンゼルスでプレーするはずだったピーダーソンとレッドソックスでプレーするはずだったグラテロルは、ドジャースの一員としてワールドシリーズ制覇まであと1勝に迫っている。
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WS第5戦まで「連勝なし」は過去8度 うち7度は第7戦で決着
2020.10.27 11:30 Tuesday2020年のワールドシリーズは第1戦からドジャース、レイズ、ドジャース、レイズ、ドジャースの順で勝利し、「連勝なし」のまま第6戦を迎えることになった。過去115回のワールドシリーズのうち、第5戦まで「連勝なし」だったケースは8度あり、そのうち第6戦で決着したのは1度だけ。それ以外の7度はいずれも第7戦までもつれている。第6戦をレイズが制し、今回も第7戦までもつれることになるのだろうか。
第5戦まで「連勝なし」だった過去8度を見てみると、「○●○●○」からスタートしたチームが世界一になったケースが4度、「●○●○●」からスタートしたチームが世界一になったケースが4度ある。第6戦で決着した唯一のケースは1906年ホワイトソックス(対カブス)。この年のホワイトソックスは「○●○●○」からスタートして球団史上初の世界一に王手をかけ、第6戦に8対3で快勝してチャンピオンとなった。
1909年パイレーツ(対タイガース)、1962年ヤンキース(対ジャイアンツ)、1997年マーリンズ(対インディアンス)の3チームは「○●○●○」からスタートし、第6戦に敗れたあと、第7戦を制して世界一。一方、1924年セネタース(対ジャイアンツ)、1940年レッズ(対タイガース)、1946年カージナルス(対レッドソックス)、1952年ヤンキース(対ドジャース)の4チームは「●○●○●」からスタートし、第6戦と第7戦に連勝してチャンピオンとなっている。
第5戦まで「連勝なし」は過去115回のうち8度しかなく、サンプルサイズとしては非常に小さいが、8度のうち7度、要するに87.5%という高確率で第7戦までもつれる熱戦となっている。第6戦はドジャースが新人右腕のトニー・ゴンソリンを先発に据えてブルペン・ゲームで臨むと予想されるのに対し、レイズは2018年サイ・ヤング賞左腕のブレイク・スネルが先発予定。レイズが底力を見せ、過去の確率通りに決着を第7戦へ持ち込むことができるか注目だ。
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WS第5戦8回裏の攻防 筒香より先に崔志萬を起用すべきだった?
2020.10.27 10:30 Tuesdayレイズはワールドシリーズ第5戦に2対4で敗れ、ドジャースに王手をかけられた。反撃の最後のチャンスとなったのは8回裏。先頭のケビン・キアマイアーがヒットで出塁し、ここから両軍の監督による駆け引きが始まった。レイズのケビン・キャッシュ監督はこの場面でマイク・ズニーノの代打に筒香嘉智を起用したが、ファンのあいだでは「筒香より先に崔志萬(チェ・ジマン)を起用すべきだった」という声も上がっている。
8回裏無死一塁の場面で、ドジャース2番手の右腕ダスティン・メイに対してキャッシュは左打者の筒香を起用。ここでドジャースのデーブ・ロバーツ監督は左腕ビクトル・ゴンザレスを投入するのではなく、速球を苦手とする筒香に対して速球派のメイを続投させ、レフトフライに打ち取った。
次打者ヤンディ・ディアスはドジャース先発のクレイトン・カーショウからタイムリー三塁打を放つなど、この試合3打数2安打と活躍していたが、キャッシュは右打者のディアスに代えて左打者の崔を起用。これを見てロバーツは左腕ゴンザレスを投入し、キャッシュは「代打の代打」として右打者のマイク・ブロソーを代打に送った。
ブロソーが四球を選んだあと、右打者のランディ・アロサレーナと左打者のブランドン・ラウがともにセンターフライに倒れ、レイズは一死一・二塁のチャンスで無得点。9回裏も先頭のマニュエル・マーゴがヒットで出塁したが、後続3人が倒れ、2点差を追い付けないまま敗戦を喫した。
8回裏の攻防を振り返り、疑問として浮かび上がってくるのが「キャッシュは本当に筒香をメイと対戦させるつもりだったのか」ということだ。キャッシュはこれまで、左腕だけでなく右の速球派と対戦するときにも筒香の起用を避けてきた。よって、筒香は左腕ゴンザレスをおびき出すための「エサ」として使われたと見るのが自然だろう。キャッシュは筒香に対してゴンザレスが投入され、そこで「代打の代打」として左腕キラーのブロソーを起用するシナリオを思い描いていたのではないだろうか。
もしキャッシュのシナリオ通りに進めば、左腕ゴンザレスに対してブロソー、ディアス、アロサレーナと右打者3人をぶつけることができたことになる。ファンのなかにはそれを踏まえ、「メイに対して筒香を打たせるより、ゴンザレスに対してディアスを打たせるほうがよかった。筒香より先に崔を起用すべきだった」と指摘している人もいる。
キャッシュにとっての誤算は筒香に対してロバーツがゴンザレスを投入しなかったことだ。ドジャース側は筒香が速球に弱いことを把握し、メイを続投させるほうがベターだと考えたのだろう。ファンが指摘するように筒香より先に崔を代打に送っていれば、ロバーツはそのタイミングでメイに代えてゴンザレスを投入していたと思われる。
レギュラーシーズン中、筒香は右腕と142打席対戦して打率.183、6本塁打、OPS.686だったが、左腕には43打席という限られた出場機会のなかで打率.243、2本塁打、OPS.781をマークしていた。ところが、ポストシーズンでの16打席はすべて右腕との対戦となり、左腕との対戦は1度もなし。「左腕とは対戦させない」「右の速球派との対戦もできる限り避ける」というキャッシュの方針の下で、筒香は非常に厳しい立場に追いやられている。
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カーショウ力投でドジャースが第5戦を制す 32年ぶり世界一に王手
2020.10.26 12:40 Monday【ドジャース4-2レイズ】@グローブライフ・フィールド
両軍2勝ずつで迎えたワールドシリーズ第5戦は、先発のクレイトン・カーショウが6回途中5安打2失点の力投を見せたドジャースが4対2で勝利。対戦成績を3勝2敗とし、1988年以来32年ぶりの世界一に王手をかけた。敗れたレイズは先発のタイラー・グラスナウが2本塁打を浴びるなど5回6安打4失点と振るわず。ベンチスタートの筒香嘉智は8回裏に代打で登場し、平凡なレフトフライに倒れた。
前日の劇的な逆転サヨナラ勝ちの勢いを持ち込みたいレイズだったが、先行したのはドジャース。1回表先頭のムーキー・ベッツが二塁打で出塁すると、次打者コリー・シーガーのタイムリーであっという間に先制し、二死一・三塁からコディ・ベリンジャーのタイムリー内野安打の間に2点目を奪った。
2回表には先頭のジョク・ピーダーソンがセンター左へ1号ソロを叩き込み、1点を追加。カーショウは3回裏一死一塁からヤンディ・ディアスのタイムリー三塁打、次打者ランディ・アロサレーナのタイムリーで2点を失ったが、4回裏無死一・三塁のピンチはマニュエル・マーゴの本盗失敗もあって無失点で切り抜けた。
カーショウがピンチを切り抜けた直後の5回表、ドジャースは二死走者なしからマックス・マンシーに1号ソロが飛び出して4点目。カーショウは5回裏を三者凡退に抑え、6回裏も打者2人を打ち取って85球、被安打5、奪三振6、与四球2、失点2という内容で第1戦と同様に余力を残してマウンドを降りた。
6回裏二死から登板した2番手のダスティン・メイは、マーゴを空振り三振に仕留めてこの回を終えると、7回裏は三者凡退の好投。メイが8回裏一死一塁として降板したあと、3番手のビクトル・ゴンザレスは一死一・二塁とピンチを広げたが、後続を抑えてリードを守った。
2点リードの9回裏は4番手のブレイク・トライネンが登板し、走者を出しながらも無失点に抑えて試合終了。ドジャースが第5戦を制し、ワールドシリーズ制覇に王手をかけた。勝利投手はカーショウ(2勝0敗)、敗戦投手はグラスナウ(0勝2敗)。最後を締めくくったトライネンに1セーブ目が記録された。
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アロサレーナとカーショウ WS第5戦で2つのPS新記録が誕生
2020.10.26 11:10 Mondayレイズとドジャースによるワールドシリーズ第5戦で2つのポストシーズン新記録が誕生した。レイズのランディ・アロサレーナは3回裏の第2打席でレフトへのタイムリーを放ち、単一ポストシーズンでの最多安打記録を更新。一方、ドジャースのクレイトン・カーショウは5回裏先頭のケビン・キアマイアーから空振り三振を奪い、ポストシーズンの通算奪三振記録を塗り替えた。
すでにデレク・ジーター(1996年ヤンキース)による単一ポストシーズンでの新人最多安打記録を更新しているアロサレーナは、前日の第4戦で3安打を放つ活躍。パブロ・サンドバル(2014年ジャイアンツ)による単一ポストシーズンでの最多安打記録(26安打)に並んでいた。
カーショウに対して1回裏無死一塁の第1打席では6-4-3の併殺打に倒れたものの、3回裏一死三塁のチャンスで迎えた第2打席では高めに浮いたカーブを捉え、三遊間を破ってレフト前へ抜けるタイムリー。これが今回のポストシーズンで27本目の安打となり、メジャー新記録を樹立した。
そのカーショウは、前回登板(ワールドシリーズ第1戦)で史上2人目のポストシーズン通算200奪三振を達成。ジャスティン・バーランダーが持つポストシーズンの通算奪三振記録(205奪三振)に並ぶまであと4、更新するまであと5に迫っていた。
2回裏に1つ、3回裏に2つの三振を奪ったカーショウは、4回裏一死一・三塁のピンチでウィリー・アダメスを空振り三振に仕留め、まずはメジャータイ記録。そして、5回裏先頭のキアマイアーから空振り三振を奪い、これがポストシーズン通算206個目の三振となってメジャー新記録が誕生した。
なお、試合は5回を終了して4対2でドジャースがレイズをリードしている。
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WS第4戦の公式記録が修正 サヨナラの生還は捕手・スミスの失策に
2020.10.26 07:30 Mondayメジャーリーグ機構は日本時間10月26日、レイズが劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めたワールドシリーズ第4戦の公式記録の修正を発表し、二者が生還して逆転サヨナラとなった最終プレーにドジャースの捕手ウィル・スミスのエラーを追加した。したがって、第4戦は中堅手クリス・テイラーと捕手スミスの「ダブルエラー」による決着となり、ワールドシリーズ史上初の珍事となった。
レイズの地元紙「タンパベイ・タイムズ」のマーク・トプキン記者によると、公式記録員は「第4戦の最終プレーに2つのエラーがあった。中堅手のテイラーによるものが1つ、もう1つは捕手のスミスによるものだ」として公式記録を修正したという。カージナルスの地元紙「セントルイス・ポスト・ディスパッチ」のデリック・グールド記者によると、一塁走者のランディ・アロサレーナが二塁から三塁へ進塁したプレーがテイラーのエラー、三塁から本塁へ生還したプレーがスミスのエラーとなり、メジャーリーグ公式サイトの試合結果では殊勲打のブレット・フィリップスに1打点、敗戦投手となったケンリー・ジャンセンには失点2と自責点1が記録されている。
「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者によると、ワールドシリーズの試合が「ダブルエラー」で決着したのは史上初めてのことだという。また、「ESPN」の調査によると、6回以降にリードしたチームが3度変わったのもワールドシリーズ史上初のことだった。第4戦では、6回裏にレイズがブランドン・ラウの3号3ランで逆転(=1度目)したが、7回表にドジャースが代打ジョク・ピーダーソンの2点タイムリーで再逆転(=2度目)に成功。7回裏にレイズがケビン・キアマイアーの2号ソロで同点に追い付いたあと、8回表にドジャースがコリー・シーガーのタイムリーで勝ち越しに成功したものの、9回裏にレイズがフィリップスのタイムリーとドジャースの「ダブルエラー」により劇的な逆転サヨナラ勝ち(=3度目)を収めた。
なお、スミスはメジャー昇格後、ポストシーズンを含めても公式戦でのエラーが1度もなく、メジャーリーガーとしての自身初のエラーが痛恨の逆転サヨナラ負けにつながってしまった。
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まさかの結末 レイズが9回裏2得点で逆転サヨナラ勝ち!
2020.10.25 13:26 Sunday【ドジャース7-8xレイズ】@グローブライフ・フィールド
レイズは1勝2敗で迎えたドジャースとのワールドシリーズ第4戦に8対7で逆転サヨナラ勝ちを収め、対戦成績を2勝2敗のタイとした。第4戦は中盤以降に点の取り合いが繰り広げられ、9回裏にブレット・フィリップスのタイムリーにドジャースのミスが絡んでレイズが一気に逆転サヨナラ勝ち。なお、レイズの筒香嘉智はワールドシリーズで4試合連続のベンチスタートとなり、9回裏に代打で登場したが空振り三振に倒れた。
ドジャースがフリオ・ウリアス、レイズがライアン・ヤーブローの両左腕の先発で始まった一戦は、1回表二死からジャスティン・ターナーの2号ソロでドジャースが先制。ターナーはこれがポストシーズン通算12本目の一発で球団記録を更新し、2試合連続で初回に本塁打を放つのはワールドシリーズ史上初の快挙となった。
ドジャースは3回表二死からシーガーの2号ソロで1点を追加。4回裏先頭のランディ・アロサレーナに2号ソロを浴びて1点を返されたが、5回表二死二塁からマックス・マンシーにタイムリーが出て再びリードを2点に広げた。なお、アロサレーナは今回のポストシーズンで9本目のアーチとなり、メジャー新記録を樹立した。
このあとは点の取り合いとなり、5回裏にレイズがハンター・レンフローの1号ソロで1点を返すと、ドジャースは6回裏二死一・二塁からエンリケ・ヘルナンデスのタイムリー二塁打で4点目。6回裏にレイズがブランドン・ラウの3号3ランで試合をひっくり返したが、ドジャースは7回表二死満塁から代打ジョク・ピーダーソンの2点タイムリーで6対5とリードを奪った。
7回裏にケビン・キアマイアーの2号ソロで6対6の同点に追い付かれたドジャースは、8回表先頭のクリス・テイラーが二塁打でチャンスメイクし、二死後にシーガーが詰まりながらもショートの頭上を越えるタイムリーを放って勝ち越しに成功。ドジャースはこの試合の全7得点を二死から奪う驚異の勝負強さを見せた。
1点をリードしたドジャースは、ブルスダル・グラテロルが8回裏二死一・二塁のピンチをしのいだが、9回裏に登板したクローザーのケンリー・ジャンセンが二死一・二塁のピンチを招き、フィリップスのタイムリーに中堅手のテイラーのエラーが絡んで一塁走者も一気に生還。レイズがまさかの逆転サヨナラ勝ちを収めた。勝利投手はジョン・カーティス(1勝0敗)、敗戦投手はジャンセン(0勝1敗)となった。
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ベッツはメジャー昇格前にブリュワーズ移籍の可能性があった!?
2020.10.25 10:00 Sundayレッドソックス時代の2018年にMVPを受賞し、今年2月のトレードでドジャースに加入したムーキー・ベッツだが、その才能をいち早く見抜いてメジャーデビューより前にトレードで獲得しようとした男がいる。ブリュワーズで長年にわたってゼネラルマネージャー(GM)を務めたダグ・メルビンだ。メルビンは2013年途中にレッドソックスがブルペンの補強を試みた際、フランシスコ・ロドリゲスを放出してベッツを獲得しようとした。
ベッツは2011年のドラフトでレッドソックスから5巡目指名を受けてプロ入り。プロ1年目の2011年はルーキー級で1試合のみの出場に終わり、翌2012年はA-級で71試合に出場して打率.267(251打数67安打)、8二塁打、1三塁打、0本塁打、31打点、20盗塁、OPS.658をマーク。30三振に対して32四球を記録するなど、当時から光るものはあったが、長打力に欠ける内野手の1人に過ぎず、トップ・プロスペクトとして高い評価を得ていたわけではなかった。
当時レッドソックスでGMを務めていたベン・チェリントン(現パイレーツGM)は「ベッツを欲しがったのはメルビンが初めてだった」と述懐する。しかし、チェリントンはメルビンからのオファーに対して首を縦に振らなかった。ベッツはその年、メキメキと頭角を現し、A級とA+級で合計127試合に出場して打率.314(462打数145安打)、36二塁打、4三塁打、15本塁打、65打点、38盗塁、OPS.923の好成績をマーク。その年の終わりには正真正銘のトップ・プロスペクトとなった。
チェリントンによると、メルビンがベッツを要求して以降、「どのチームも全てのトレードでまず最初に彼を要求してきた」という。ひょっとすると、メルビンがベッツを要求するのがあと数ヶ月早ければ、メルビンはベッツの獲得に成功し、ベッツはブリュワーズの一員となっていたかもしれない。ベッツが2012年から2013年にかけて急激に成長を遂げてしまったことがメルビンにとっては誤算だった。
レッドソックスとのトレード交渉が不調に終わり、メルビンはニッキー・デルモニコとのトレードでロドリゲスをオリオールズへ放出。デルモニコは注意欠陥障害の治療のために処方されたアデロールの依存症となり、治療に専念するためにブリュワーズに解雇をリクエスト。その後、ホワイトソックスでプレーを続行して2017年8月にメジャーデビューしたが、メジャー定着を果たせないシーズンが続いている。
なお、ベッツはメルビンが獲得を試みた翌年の2014年6月にメジャーデビューし、ポジションを内野から外野に移して現在に至るまで素晴らしい活躍を続けている。