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第21週の最優秀ブルペンはドジャース
2017.8.28 14:07 MondayMLB公式サイトでは今季から週ごとに独自の計算方法で「週間最優秀ブルペン」を選出している。第21週の最優秀ブルペンにはドジャースが選出された。
計算方法は至ってシンプル。以下のルールに従ってポイントを加減していくだけである(合計100ポイントで優秀だと考えられている)。
・1アウト=+1.5ポイント
・1奪三振=+1.5ポイント
・1セーブ=+5ポイント
・1被安打=-2ポイント
・1自責点=-4ポイント
・1非自責点=-2ポイント
・1与四球=-1ポイント
・1セーブ失敗=-5ポイント第21週のドジャースは29回(=87アウト)で37奪三振、4セーブを記録した一方、被安打17、自責点6、与四球11、セーブ失敗1で合計132ポイントを獲得。期間中の救援防御率は1.86という安定感で、期間中無失点のケンリー・ジャンセン、トニー・シングラーニ、ブランドン・モロウらを中心にチームの戦いを支え、今季メジャー唯一となる3度目の「最優秀ブルペン」受賞となった。ジャンセンとシングラーニはともにチーム最多タイの4イニングを投げて無失点。ジャンセンは9三振を奪い、2度のセーブ機会をいずれも成功させた。モロウは3.1イニングを投げて無失点。チーム最多の5試合に登板したトニー・ワトソンも1失点のみで、被打率.167、WHIP0.82と安定していた。先発投手陣に故障者が相次いでいる中、多くのイニングを消化し、チームの戦いを支えたブルペン陣の功績は非常に大きい。なお、獲得ポイント数の2位はマーリンズ(104ポイント)、3位はエンゼルス(88.5ポイント)だった。
各週の最優秀ブルペン
第1週 ロッキーズ(98ポイント)
第2週 レッズ(119.5ポイント)
第3週 アストロズ①(132.5ポイント)
第4週 エンゼルス①(100.5ポイント)
第5週 インディアンス(125ポイント)
第6週 エンゼルス②(80.5ポイント)
第7週 アストロズ②(106ポイント)
第8週 ドジャース①(126ポイント)
第9週 マーリンズ(124.5ポイント)
第10週 マリナーズ(87ポイント)
第11週 レッドソックス(106.5ポイント)
第12週 ドジャース②(120.5ポイント)
第13週 ジャイアンツ(116ポイント)
第14週 ブリュワーズ(101.5ポイント)
第15週 オールスター週のため発表なし
第16週 ヤンキース①(112ポイント)
第17週 カブス(118.5ポイント)
第18週 ヤンキース②(99ポイント)
第19週 ツインズ(114ポイント)
第20週 ナショナルズ(91ポイント)
第21週 ドジャース③(132ポイント)
(丸印は受賞回数)
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【戦評】田中7回1失点で10勝目 マリナーズ初回5失策
2017.8.28 12:34 Mondayヤンキース先発の田中将大が7イニングを投げて被安打6、奪三振10、与四球1、失点1の好投で今季10勝目をマーク。苦手のデイゲームを克服し、日本人投手では初となるデビューから4年連続の2ケタ勝利に到達したが、田中の快投以上にマリナーズの「守乱」が印象に残る試合となった。
ネルソン・クルーズのタイムリー二塁打でマリナーズが1点を先制した直後の1回裏。ヤンキースは一死走者なしからスターリン・カストロがライトへの二塁打で出塁すると、続くゲーリー・サンチェスがレフト前ヒットを放つ。これをレフトのベン・ギャメルが後逸し、カストロが生還。サンチェスは二塁へ進んだ。アーロン・ジャッジが四球を選んで一死一、二塁となり、この場面でディディ・グレゴリウスの打球はショート後方へのフライとなったものの、これをジーン・セグーラが捕球できず。さらに一死満塁からチェイス・ヘッドリーが放った三塁ゴロで、併殺を焦ったカイル・シーガーが打球をファンブルし、オールセーフ。サンチェスが生還し、ヤンキースが勝ち越しに成功した。
まだヤンキースの攻撃は終わらない。トッド・フレイジャーが空振り三振に倒れて2アウトとなったものの、二死満塁からジャコビー・エルズベリーが左中間への二塁打を放ち、二者が生還。ギャメルからの送球をセグーラがファンブルしている間に一塁走者のヘッドリーも生還し、セグーラから本塁への送球が悪送球となってエルズベリーは三塁へ。続くロナルド・トレイエスにもタイムリーが飛び出し、ヤンキースは一挙6得点のビッグイニングを作った。マリナーズはセグーラが3失策、シーガーとギャメルが各1失策で、なんと1イニング5失策。スコット・サービス監督は「強豪チーム相手に5つもエラーをしてしまったら、それを挽回する方法なんてないよ」と嘆いたが、1イニング5失策は球団ワースト記録であり、メジャー全体でも1977年のカブス以来40年ぶりの屈辱となってしまった。
ヤンキースはマリナーズとの3連戦を2勝1敗で勝ち越して、ワイルドカード首位の座をキープ。東部地区の優勝争いでも4連敗中の首位レッドソックスまで2.5ゲーム差に迫っている。明日からはインディアンス3連戦とレッドソックス4連戦という厳しい戦いが始まる。まずはインディアンス相手に勝ち越して、良い形でレッドソックスとの最終決戦を迎えたいところだろう。
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スタントンがついにシーズン50本塁打に到達
2017.8.28 12:06 Monday「プレイヤーズ・ウィークエンド」では「クルーズ」という愛称でプレイしたジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)。「プレイヤーズ・ウィークエンド」の最終戦となった日本時間8月28日のパドレス戦で本塁打を含む3安打3打点の活躍を見せ、ついにシーズン50本塁打に到達した。
記念すべき一発は2-2の同点で迎えた8回裏に飛び出した。センター前ヒットで出塁したディー・ゴードンを一塁に置いて、スタントンがパドレス先発のクレイトン・リチャードのスライダーを捉えると、打球はセンターへ一直線。記念すべき50号本塁打は貴重な勝ち越しツーランとなり、スタントンは打球がスタンドインしたことを確認すると、ガッツポーズで珍しく感情をあらわにした。
マーリンズ・パークに集まったファンは「MVP!MVP!MVP!」の大合唱。スタントンは「MVPについて話をするにはまだ少し早すぎる」としながらも、「あれはとても嬉しかったよ。ファンがあのように言ってくれるのは素晴らしいね。本当に感謝しているよ」とファンに対して感謝の意を示した。
シーズン50本塁打は2013年に53本塁打を放ったクリス・デービス(オリオールズ)以来4年ぶり。ナ・リーグでは2007年に50本塁打を放ったプリンス・フィルダー(当時ブリュワーズ)以来10年ぶりの快挙となった。また、8月末までに50本塁打に到達したのは史上6人目。サミー・ソーサが3度、マーク・マグワイアが2度記録しているほか、バリー・ボンズ、ルイス・ゴンザレス、ロジャー・マリスが各1度記録している。
さらに、スタントンは8月だけで17本塁打。これは2001年のソーサと1965年のウィリー・メイズと並んで8月のナ・リーグ最多本塁打記録となっている。ア・リーグではルディ・ヨークが1937年8月に18本塁打を放っており、スタントンはあと1本でメジャータイ記録、あと2本でメジャー新記録を樹立することになる。
本塁打数ばかりに注目が集まるスタントンだが、打率.296、108打点、出塁率.389、長打率.670、OPS1.059と各部門で素晴らしい数字をマークしており、メジャートップタイの108打点はすでに自己記録を更新している。直近10試合で8勝2敗と好調のマーリンズは貯金を3に増やし、ワイルドカード圏内まで4.5ゲーム。スタントンの本塁打や打点がさらに増えれば、マーリンズがワイルドカードを獲得する可能性もグッと高まるに違いない。
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ホスキンス5試合連発!驚異の18試合11本塁打
2017.8.28 11:38 Mondayアーロン・ジャッジ(ヤンキース)、コディ・ベリンジャー(ドジャース)ら新人スラッガーが2017年のレギュラーシーズンを沸かせているが、その最新作がリズ・ホスキンス(フィリーズ)だ。メジャー最初の17試合で10本塁打という前人未到の領域に足を踏み入れた新人スラッガーが、日本時間8月28日のカブス戦でも一発を放ち、なんと5試合連続本塁打。メジャー最初の18試合で11本塁打はもちろんメジャー新記録である。
第3打席までノーヒットに終わり、「流石に5試合連発は無理か…」といった空気も漂い始めた8回裏の第4打席だった。この回の先頭打者として打席に入ったホスキンスは、この回からマウンドに上がった上原浩治がカウント3-2から投じた6球目のフォーシームを捉え、左中間スタンドに5試合連発となる11号ソロを叩き込んだ。球団では2008年のチェイス・アトリー以来9年ぶりとなる5試合連発。それ以前には1試合をはさんで3試合連続本塁打を記録しているが、本塁打が出なかったこの1試合はダブルヘッダーの第2戦。要するに、ホスキンスはフィリーズの試合があった日に8日連続で本塁打を放っているのである。
メジャー最初の18試合で11本塁打という驚異の量産ペース。長いメジャーリーグの歴史上、最初の22試合以内で11本塁打を放った選手は他にいない。また、大手データサイトによると、ホスキンスはほかのどの選手より17も少ない打数で11本塁打を放ったという(64打数で11本塁打)。フィリーズはまだ今季33試合を残しており、仮にこのペースを維持できるなら、ホスキンスは今季32本塁打を放つことになる(現実的な話ではないが…)。
「打席であんなに落ち着いている若手選手を見たことはないよ」とカブスのジョー・マドン監督はホスキンスの成熟ぶりを絶賛する。「三振に対する四球の数を見てごらん。この数字は、今のペースを維持するのは難しいにしても、彼が今後も活躍できることを示している。彼は四球を受け入れているんだ。ストライクゾーンを無理に広げようとはしない。フィールド全体を使える選手だ」と称賛の言葉は止まらなかった。
名将・マドンが活躍を確信する新人スラッガー。メジャー最低勝率のフィリーズに所属しているためあまり目立たないが、「リズ・ホスキンス」の名前を覚えておいて損はないはずだ。
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ビクター・マルティネス 不整脈再発で戦線離脱
2017.8.28 11:00 Monday6月中旬に不整脈による故障者リスト入りを経験したビクター・マルティネス(タイガース)の不整脈が再発。日本時間8月28日に10日間の故障者リストに登録され、それに伴ってタイガースはAAA級トレドからジャコビー・ジョーンズを昇格させた。
マルティネスは心房細動を発症した後、シカゴの病院に入院。治療によって心拍数は通常に戻り、マルティネスは退院してデトロイトまで車を運転した。デトロイトの病院で再び検査を受け、不整脈の原因を特定し、マルティネスの健康を維持するために必要な措置を検討することになっている。
「心臓について雑に扱うことはできないからね」とブラッド・オースマス監督はマルティネスの健康状態を気遣った。「足首の捻挫とか、そうした小さな故障について話しているわけじゃないんだ。真剣に考えなければならない話だよ。命にかかわる可能性だってあるんだから」
オースマス監督によると、マルティネスは日本時間8月27日のホワイトソックス戦の最終打席後に心房細動を発症したようだ。アスレチック・トレーナーのケビン・ランドにマルティネスを入院させるべきだと勧告し、マルティネスはシカゴの病院へ向かった。その際、マルティネスは6月に不整脈を発症したときよりも落ち着いた様子だったという。「なぜ再発したのかを突き止める必要があるだろう。原因はまだはっきりしていないみたいだけどね」とオースマス監督は心配そうに語った。
マルティネスは子どものころ、父親を心臓発作で亡くしている。「プレイヤーズ・ウィークエンド」でマルティネスは「V-Mart」ではなく「Papicho」というニックネームを選択したが、これはマルティネスが子供のころに父親が与えてくれた愛称だった。「プレイヤーズ・ウィークエンド」の最終日を欠場することになってしまったマルティネスだが、再びグラウンドで元気な姿を見せてくれることを期待したい。
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カージナルス 正三塁手・ジョーコが故障者リスト入り
2017.8.28 10:32 Mondayポストシーズン争いで苦戦が続くカージナルスをさらなる悪いニュースが襲った。日本時間8月27日のレイズ戦で右ハムストリングを痛めたジェッド・ジョーコが故障者リスト入り。カージナルスはレギュラーシーズン残り5週間のうちの数週間を正三塁手を欠いた状態で戦うことになった。
ジョーコは日本時間8月27日のレイズ戦で走塁時に右ハムストリングを痛め、途中交代。マイケル・ガーシュGMによると今季の残り全試合を欠場しなければならないような重傷ではなく、2~3週間で戦列に復帰できる見込みだという。
「つらいよ。特に、一年のこの時期だからね」とジョーコは無念さを滲ませた。「(不調が続いていたが)スイングは少しずつ良くなっていたと思うし、感覚もとても良くなっていたからね。ガッカリしているよ。でも、僕たちは戦い続けるしかない。僕たちはまだポストシーズン争いに加わっている。僕たちは優秀なチームなんだ。チームメイトがプレイする姿を見るのを楽しみにしているよ」
カージナルスはジョーコの故障者リスト入りに伴ってAAA級メンフィスから一塁手のルーク・ボイトを昇格させた。これにより正一塁手のマット・カーペンターが三塁手として試合に出場する機会が増加すると見られている。相手の先発投手が右腕のときは一塁にカーペンター、三塁にグレッグ・ガルシアを起用し、左腕のときは一塁にボイト、三塁にカーペンターを起用する形が基本的な布陣となりそうだ。カーペンターは日本時間8月28日の試合開始前に三塁での守備練習を行った。
「カーペンターはいつでもとても寛容だ。『必要なことを教えてくれ。僕はそれをやるよ』と言ってくれるんだよ」とマイク・マシーニー監督はカーペンターの献身的な姿勢を称賛した。「オールスターに出場して、MVP候補にもなったことがあるような選手がチームのためにどこでも守ってくれるというのは、本当に驚くべきことだよ」
今季ここまでチーム2位の18本塁打、チーム最多の64打点をマークしているジョーコの離脱はチームにとって小さくないダメージである。また、ジョーコは三塁の守備で両リーグ2位のDRS(守備防御点)+16を記録しており、守備面でもジョーコの不在は痛手となる。
日本時間8月28日のレイズ戦に敗れ、勝率5割に逆戻りとなったカージナルス。ジョーコが戦列復帰を果たす日まで、なんとかポストシーズン争いに踏みとどまっておきたいところである。
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カーショウ 3Aでのリハビリ登板は5回1失点
2017.8.27 16:00 Sundayナ・リーグ西地区首位を走るドジャースは126試合目でシーズン90勝に到達し、2001年のマリナーズが記録した同記録に並んだ。シーズン新記録となる117勝達成の可能性もあり、ファンの期待も大きい。日本時間8月27日のブリュワーズ戦は0対3と敗れたがチームにとって地区優勝はもちろん、今後のポストシーズンで勝ち抜いていくためには絶対的なエースの復帰が不可欠だ。その選手こそ、クレイトン・カーショウだ。
カーショウは日本時間7月25日から腰を痛めて故障者リスト(DL)入りしている。現在は痛めた箇所の状態もよく、既に実践形式の練習も行っており復帰に向けて確実に一歩を踏み出している。デーブ・ロバーツ監督は「何度かのリハビリ登板を経てから復帰させる予定だ」と話していたこともあり日本時間8月27日に3Aのオクラハマシティ・ドジャースのユニフォームを着てリハビリ登板に臨んだ。
今回の対戦相手はロイヤルズ傘下のオマハ・ストームチェイサーズ。マイナー合流即、先発登板を果たしたカーショウは5回を投げて2被安打1失点8奪三振の成績を残した。2回には不振で降格しているホルヘ・ソレアに本塁打を浴びたものの、その後は崩れることなく故障後初の公式戦での登板は関係者を安心させる投球内容となったことだろう。チームはジョグ・ペダーソンが4番打者として出場したものの、カーショウの失点を取り返すことができずに0対4と敗れた。
この日のカーショウは全64球のうち43球がストライクと投球の質の高さをみせた。試合後は「とても投げることが楽しく感じたよ。体の調子もいいし、次回も同じような投球ができるといいね」と満足気だったという。あと数回ほどマイナーでの登板を経てメジャーに復帰する予定。ドジャースの絶対的エースが帰ってくる日も近い。
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スタントンが2打席連発で8月月間16本塁打
2017.8.26 11:19 Saturday日本時間8月26日から3日間に渡り、メジャーリーグでは「プレーヤーズウィークエンド」と題して全球団の選手がニックネームが付きのユニフォームを着用している。これまで1度も背ネームを付けたことがなかったヤンキースでは史上初の出来事となりまさに歴史が動いた日となった。このように球界でも初の試みとなった特別な日にジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)が輝いた。
このイベントでは「クルーズ」と書かれたユニフォームを着て「2番 右翼」としてパドレス戦に臨んだスタントン。初回、無死一塁で迎えた第1打席に相手先発のトラビス・ウッドが投じた5球目のカッターを捉え、打球は右中間スタンドへと消えた。これが2試合連続となる今季48号となり、マーリンズが2点を先制した。続く3回裏の第2打席では先頭打者として打席に立つと前打席と同じカッターを打ってこれが2打席連続弾となった。
スタントンの2発で3点を取り、試合の主導権を握ったマーリンズ。4回まで5対2とリードしていたが6回表に先発のアダム・コンリーがパドレス打線に捕まり、6回途中5失点と途中降板してしまう。5対6と逆転されるも7回裏にマーセル・オズーナのバットから逆転3ランホーマーが飛び出して再び試合の主導権を握った。その後はこのままマーリンズが8対6で逃げきりパドレスに競り勝った。
2本の本塁打を放ったスタントンはその後、4回裏の第3打席では適時二塁打を放ち3打数3安打5打点の大活躍をみせた。既にこの試合を含めると8月のみで16本塁打を記録し、過去、ナ・リーグでは1965年にウィリー・メイズ、2001年にサミー・ソーサが記録した8月月間本塁打17本まであと「1」と迫った。また、このペースで本塁打を量産し続けるとシーズン62発になるという。果たして彼の本数はどこまで伸びるのか、その数にファンは大きな期待を寄せている。
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【戦評】「セール殺し」のインディアンス打線が爆発
2017.8.25 13:09 Friday7番ヤンディ・ディアス、8番ロベルト・ペレス、9番ジオバニー・アーシェラの3人が計9安打8打点の活躍を見せたインディアンス打線がサイ・ヤング賞有力候補のクリス・セールを攻略。セールを3回7失点でノックアウトし、18安打13得点の猛攻でレッドソックスに快勝した。
セールは日本時間8月2日のインディアンス戦で5イニングを投げて7失点。ホワイトソックス時代の昨季も3.1回6失点でノックアウトされており、セールにとってインディアンス打線は「天敵」とも言える存在である。今日の試合にも相性の悪さは表れ、2回裏に無死満塁のピンチを背負うと、タイムリー、内野ゴロ、タイムリー、エラーであっという間に4失点。3回裏には2四球でピンチを作り、2本のタイムリーで3点を追加された。これでインディアンス戦は通算18先発で防御率5.19。直近の3先発では計11.1イニングで20失点を喫しており、ポストシーズンで対戦する可能性があることを考えると、非常に不安の残る数字である。
インディアンスは一時3点差に迫られたものの、セール降板以降も攻撃の手を緩めることはなく、ジェイ・ブルースとフランシスコ・リンドーアの本塁打などで着実に加点。18安打13得点の猛攻で先発のトレバー・バウアー(5.1回4失点)を援護した。
インディアンスのテリー・フランコーナ監督は「アーシェラとディアスがよくやってくれた。ペレスの2本のタイムリーも大きかった」と下位打線の働きを絶賛。「我々は本当に素晴らしい攻撃をしたね。ベストの先発投手の一人(=セール)に対してしっかり仕事をし、得点を奪ったんだ」とセールを攻略した打線を称えていた。
現時点の勝率でポストシーズンの組み合わせを考えると、リーグ最高勝率のアストロズがワイルドカード・ゲームを勝ち抜いたチームと対戦し、レッドソックスとインディアンスが対戦することになる。つまり、セールとインディアンス打線が地区シリーズで再び対戦する可能性が高いのである。セールがリベンジを果たすのか、それともインディアンス打線が再びセールを攻略するのか。ポストシーズンの注目ポイントの一つになりそうだ。
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【戦評】ドジャースが球団史上最速で90勝到達
2017.8.25 12:43 Friday前日の試合では9回までノーヒッターを継続したリッチ・ヒルを見殺しにしてしまったドジャース。しかし、日本時間8月25日のパイレーツ戦では6回1失点の好投を見せた柳賢振(リュ・ヒョンジン)を見殺しにすることなく、まだ8月であるにもかかわらず今季90勝に到達した。
柳は奪三振こそ2個どまりだったものの、1四球と2安打で先制を許した2回裏以外は目立ったピンチもなく、6イニングを投げて被安打4、失点1の好投。ドジャース打線は4回表にカーティス・グランダーソンの22号ソロで勝ち越しに成功し、7回表にはエンリケ・ヘルナンデスがリードを2点に広げるタイムリー。トニー・ワトソンがアダム・フレイジャーにタイムリーを浴びて1点差に迫られた直後の8回表にはヤスマニ・グランダルとエイドリアン・ゴンザレスの二者連続本塁打が飛び出し、パイレーツを突き放した。
この勝利により、ドジャースは早くも今季90勝に到達。シーズン最初の126試合で90勝をマークしたのは2001年のマリナーズ以来16年ぶりであり、1913年以降では史上6チーム目となった。また、日付でも消化試合数でも球団史上最速での90勝到達となっている(従来の記録は日付では1953年の8月31日、消化試合数では1942年と1953年の131試合)。
デーブ・ロバーツ監督は「私は勝つことが大好きだよ。昨年の今ごろ、どの位置にいたかは覚えてないけど、90勝に到達したのは9月の終わりだったんじゃないかな。昨日はああいう試合になってしまったけれど、私たちは勝てるチームなんだと再び証明することができたね」と語り、自身が率いるチームへの自信をのぞかせた。
ドジャースは直近66試合で55勝11敗(勝率.833)という驚異的な快進撃を続けている。レギュラーシーズンは残り36試合。この快進撃をキープできるのであれば、残り36試合で30勝をマークすることになり、シーズン120勝に到達する計算だ。歴代最多記録(シーズン116勝)の更新が現実味を帯びつつあるドジャース。ワールドシリーズ制覇が最大の目標であることは間違いないが、レギュラーシーズンの残り36試合の戦いにも注目したい。
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【戦評】左腕・レイが復帰初戦で5回9奪三振1失点の好投
2017.8.25 12:20 Friday日本時間7月29日のカージナルス戦で頭部に打球を受け、およそ1ヶ月にわたって戦列を離れていたロビー・レイ(ダイヤモンドバックス)が戦列復帰。奪三振マシンのレイらしい奪三振ショーで復帰初戦を白星で飾り、自身初の2ケタ勝利に到達した。
およそ1ヶ月ぶりのマウンドに上がったレイは5イニングを投げ、メッツ打線をわずか2安打に抑える一方で9三振を奪う見事なピッチングを披露。1回裏にはいきなり三者連続三振の快投を見せ、完全復活をアピールした。「長い間戦列を離れていたような感じだった。実際にマウンドに立ってみて、何も問題なかったよ。頭部に打球が直撃したことを思い出すようなこともなかった」とレイも完全復活に手応えを感じていた。
レイが許した得点はヨエニス・セスペデスの17号ソロによる1点だけ。ダイヤモンドバックス打線は5回表にグレガー・ブランコのタイムリーとケテル・マーテイの犠牲フライで逆転に成功し、6回表にはブランドン・ドルーリーのタイムリーで3点目をあげて復帰初戦のレイを援護した。6回以降はデービッド・ヘルナンデス、アーチー・ブラッドリーらブルペン陣がメッツの反撃を1点に抑え、1点リードの最終回をクローザーのフェルナンド・ロドニーが締めくくった。
ダイヤモンドバックスはこの勝利が今季70勝目となり、早くも昨季(69勝)を上回った。ワイルドカード争いでも2位ロッキーズとの0.5ゲーム差を維持し、首位の座をキープ。10勝5敗、防御率3.06、奪三振率11.64という素晴らしい成績を残している左腕の戦列復帰は、6年ぶりのポストシーズン進出を目指すダイヤモンドバックスにとって大きな追い風となりそうだ。
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タイガース対ヤンキースの一戦で3度の乱闘騒ぎ
2017.8.25 11:49 Fridayタイガースが10-6で乱打戦を制した日本時間8月25日のヤンキース戦。この試合では死球に対する報復が次々に起こり、合計3度も乱闘騒ぎが発生。乱打戦という印象以上に「乱戦」の印象が強い一戦となった。
日本時間8月1日にヤンキー・スタジアムで行われた両チームの対戦が、この日の乱闘騒ぎの伏線となっていた。この日はヤンキースのトミー・ケインリーがのちに「故意ではない」と弁明したとはいえ、マイキー・マートゥックの頭部へ死球を与え、次のイニングにタイガースのマイケル・フルマーがジャコビー・エルズベリーへ報復死球。ただし、このシリーズではこれ以上の騒ぎは起こらなかった。
そして迎えた今日の試合。タイガースの先発は再びフルマーだった。4回表にゲーリー・サンチェスに勝ち越し弾を打たれたフルマーは、5回表のサンチェスの打席で死球を与えてしまう。このときは特に何も起こらなかったが、この死球が報復の連鎖、そして3度の乱闘騒ぎを生むことになる。
6回裏、ケインリーがミゲル・カブレラへ投じた初球がカブレラの背中を通過。球審のカルロス・トーレスは即座にケインリーに退場を宣告した。ヤンキースのジョー・ジラルディ監督はこれに対して猛抗議。結局、ジラルディ監督にも退場が宣告された。「フルマーはサンチェスにわざとぶつけたんだ。警告は出されていなかったし、ケインリーはカブレラにぶつけていない。あの判定は間違っているよ」とジラルディ監督の怒りは収まらなかった。さらに、カブレラと捕手のオースティン・ロマインが口論を開始し、これが殴り合いに発展。両軍のベンチやブルペンから選手やコーチが飛び出し、最初の乱闘騒ぎとなった。この乱闘騒ぎでカブレラとロマインにも退場が宣告された。
7回裏、今度はデリン・ベタンセスがジェームズ・マッキャンの頭部に死球をぶつけてしまう。これをきっかけに2度目の乱闘騒ぎが発生。先ほどのような殴り合いの乱闘には発展しなかったものの、ベタンセスとヤンキースのロブ・トムソン(ベンチコーチ)に退場が宣告された。
そして8回表。今度はタイガースのアレックス・ウィルソンがトッド・フレイジャーに死球を与えてしまう。これをきっかけに3度目の乱闘騒ぎが発生し、ウィルソンとタイガースのブラッド・オースマス監督に退場が宣告された。
このほかにも、タイガースのダグアウト内でビクター・マルティネスとジャスティン・バーランダーが口論する様子が映し出されるなど、試合を通してグラウンド全体が不穏な雰囲気に。「頭部死球なんて見たくないし、グラウンドでの乱闘も見たくない。けれど、俺たちは人間だし、時には熱くなってしまうんだ。97マイルの速球をぶつけられたりしたら、やり返したくなる時だってあるよ」とカブレラ。合計8人が退場処分を受けた「乱戦」は、7回裏にホゼ・イグレシアスの3点タイムリー二塁打で勝ち越したタイガースの勝利で幕を閉じた。
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フィリーズに現れた新星・ホスキンスが15試合で8本塁打
2017.8.25 10:52 Friday日本時間8月11日にメジャー昇格を果たしたばかりの新鋭、リズ・ホスキンス(フィリーズ)の勢いが止まらない。日本時間8月25日のマーリンズ戦に「4番・レフト」で先発出場したホスキンスは、2回裏の第1打席で2試合連発となる8号同点ソロ。直近6試合で5本塁打を量産しており、メジャーデビューからの15試合で8本塁打を放った史上3人目の選手となった。
デビュー5戦目となった日本時間8月15日のパドレス戦でメジャー初本塁打を含む2本塁打を放ったホスキンスは、翌日の同カードでも2試合連続となる一発。その後の3試合は不発に終わったが、日本時間8月20日のジャイアンツ戦から3試合連続本塁打を記録し、1試合を挟んで日本時間8月24日のマーリンズ戦から2試合で本塁打を放ってキャリア15試合で8本塁打となった。これは1993年から1994年にかけてのカルロス・デルガード(ブルージェイズ)と昨年のトレバー・ストーリー(ロッキーズ)に次ぐ史上3人目の記録である。
また、メジャーデビューからの50打数以内で8本塁打を放ったのもホスキンスが史上3人目である。ホスキンスはメジャー49打数目で8本目の本塁打を放ったが、トレイ・マンシーニ(オリオールズ)が47打数で8本塁打、前出のデルガードが48打数で8本塁打を放っており、打数で見るとホスキンスはメジャー史上3番目のスピード記録となっている。
「彼を見るのは楽しいね。私は彼を打線の中軸に置くことを気に入っているよ」とピート・マッカニン監督は新人スラッガーに高い評価を与えている。若手右腕のジェイク・トンプソンも「彼はプロの打者だよ。悪い打席が全く無いように見える。投球ごとに調整しているんだ。これは優れた打者がすることだよ」と同僚の活躍を絶賛する。
8本塁打を放っているだけでなく、ここまで11三振に対して10四球を選び、出塁率.406をマークするなど、アプローチの面でも新人離れしたところを見せているホスキンス。打者としての完成度は非常に高く、今後どのような選手に成長していくのか非常に楽しみな存在だ。
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アストロズ ベテラン捕手・マッキャンが戦列復帰
2017.8.25 10:32 Friday8月に入って調子を落としているアストロズに頼もしい戦力が戻ってきた。右膝の炎症により故障者リスト入りしていたブライアン・マッキャンが戦列復帰。日本時間8月25日のナショナルズ戦に早速「8番・捕手」で先発出場している。
「いろんな面で(マッキャンの復帰は)大きいよ」とA.J.ヒンチ監督は経験豊富なベテラン捕手の戦列復帰を歓迎する。「この10日間は彼にとって大きかった。身体、膝、心を休ませることができたからね。彼がダグアウトにいてくれるのは投手陣にとっても大きい。攻撃面でも層の厚い打線を組めるようになったよ」とマッキャンの復帰がチームに好影響をもたらすことを期待していた。
マッキャンは今季ここまで75試合に出場して打率.232、13本塁打、48打点、OPS.721をマーク。後半戦に入ってスランプに陥っており、戦線離脱までに18試合に出場して打率.162、3本塁打、5打点、OPS.574という寂しい成績に終わっていた。「故障者リスト入りする原因になった(右膝の)違和感は落ち着いたよ。今は問題ない。(戦列復帰について)本当にワクワクしているよ」と語ったマッキャン。故障者リスト入りを経て心身ともにリフレッシュしたマッキャンが、再び本来のパフォーマンスを見せることに期待したい。
マッキャンとプラトーンに近い形で起用されていた控え捕手のエバン・ギャティスは脳震盪により故障者リスト入りしており、AA級でのリハビリ出場をすでに開始している。早ければ明日(日本時間土曜日)、遅くとも今週末のうちには戦列に復帰できる見込みだ。また、マッキャンの復帰に伴いフアン・センテーノがAAA級降格となっている。
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【戦評】ハリソンがノーヒッターの夢を打ち砕くサヨナラ弾
2017.8.24 13:14 Thursdayリッチ・ヒル(ドジャース)の完全試合の夢は味方のエラーによって消え、ノーヒッターの夢はピッツバーグの夜空へ消えていった。9回までノーヒットに抑えられていたパイレーツ打線が延長10回に放った初ヒットは、レフトスタンドに吸い込まれるサヨナラ本塁打。ジョシュ・ハリソンの一振りがノーヒッターの夢を打ち砕いた。
ノーヒッターを阻止する初ヒットがサヨナラ本塁打になったのはメジャー史上初の快挙だった。ヒルは8回までパイレーツ打線をパーフェクトに抑える完璧なピッチング。9回裏の先頭打者、ジョーディ・マーサーの三塁ゴロをローガン・フォーサイスがファンブルし、この試合初めての走者を許したものの、気落ちすることなく後続を打ち取り、9回終了までノーヒッターを継続した。しかし、ドジャース打線がチャンスを生かせず、9回まで無得点。10回表も三者凡退に抑えられ、10回裏の先頭打者、ハリソンに劇的なサヨナラ弾が飛び出した。
「1球だけ失投してしまってガッカリしているよ。でも、彼ら(パイレーツ)は素晴らしい試合をしたよね」とヒルは零封された味方打線を責めることなく、パイレーツの戦いぶりを称賛した。デーブ・ロバーツ監督も「我々は試合を通してランナーを出していた。(パイレーツ先発の)トレバー・ウィリアムスはしっかり投げ、必要なときにゴロを打たせていたね」と何度もピンチを凌ぎ、8回無失点の力投を見せたウィリアムスを称えていた。
「ファンタスティックな試合だったね。今日の試合は野球というゲーム、そして予想できない出来事の美しさを示してくれたんじゃないかな」とパイレーツのクリント・ハードル監督。「ウィリアムスは本当によく投げてくれた」と力投したウィリアムスをねぎらった。
8回までパーフェクト、9回までノーヒットに抑えられながら、10回裏に飛び出した初ヒットで勝利を手にしたパイレーツ。だから野球は面白い。
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ダルビッシュ有 日本時間月曜日に戦列復帰予定
2017.8.24 12:44 Thursday日本時間8月24日、ドジャースのダルビッシュ有とクレイトン・カーショウがブルペンでの投球練習を行った。両者とも故障者リスト入りの原因となった腰の不調は見られず、戦列復帰に向けて着実に前進している。デーブ・ロバーツ監督は日本時間日曜日にカーショウがAAA級オクラホマシティでリハビリ登板を実施し、日本時間月曜日にダルビッシュが戦列復帰を果たす予定であることを明らかにした。
ロバーツ監督は戦列復帰までのプロセスについてカーショウと話し合ったようだ。いきなりメジャーの試合で戦列復帰を果たすのは負担が大きいため、まずはAAA級で登板することになった。無理にメジャーの試合で投げさせて故障が再発してしまうのを防ぎたいという思惑もあるのだろう。「カーショウは順調に回復しているし、土曜日(=日本時間日曜日)の試合で投げたがっていた。でも、予定通りにオクラホマシティで投げてもらうことにしたんだ。メジャーの球場では思っている以上にアドレナリンが出てしまうからね」とロバーツ監督。万全の状態で復帰してもらうのがチームにとってベストであるとの判断だ。
一方、ダルビッシュは最短の10日間で戦列復帰を果たす予定だ。腰の張りで故障者リスト入りしたダルビッシュだが、腰の状態は良くなり、メカニクスにも調整を加えた。ロバーツ監督は「ダルビッシュは(投手コーチのリック・ハニーカットと)メカニクスの調整に取り組み、状態も良くなっているように見える。日曜日(=日本時間月曜日)の試合で先発することを楽しみにしているみたいだよ」とダルビッシュについて語った。
ドジャースはカーショウ、ダルビッシュに続いてアレックス・ウッドも故障者リスト入り。日本時間日曜日の試合ではロス・ストリップリングがスポット・スターターを務める可能性が高いものの、AAA級からウィルマー・フォントやジャスティン・マスターソンを昇格させる案も出ているようだ。ダルビッシュの代役を務めたブロック・スチュワートを含め、続出する故障者の穴を選手層の厚さでなんとかカバーしているドジャース。ダルビッシュとカーショウの戦列復帰は大きな戦力アップとなるに違いない。
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トラウトにMVP受賞のチャンスはあるのか
2017.8.24 12:19 Thursdayフルシーズンプレイした5シーズンでMVPを2度受賞し、MVP次点が3度と毎年MVPレースに参戦しているマイク・トラウト(エンゼルス)。今季は左手親指の靱帯断裂によりおよそ7週間を欠場してしまったが、各スタッツを見れば自己ベストと言えるシーズンを過ごしている。トラウトが3度目のMVPを受賞するチャンスはあるのだろうか。
トラウトは今季wRC+(平均よりどれだけ多くの得点を産み出しているかを表す指標。リーグや球場の特性なども考慮。平均は100)で197という驚異的な数字を叩き出している。近代野球において197を超えるwRC+が記録されたのは過去40回しかなく、その大半はテッド・ウィリアムス、バリー・ボンズ、ベース・ルースといった歴史的な強打者によるものだ。この数字だけでも、今季のトラウトが歴史的なシーズンを過ごしているということがハッキリとわかるだろう。現時点での打率.333、出塁率.457、長打率.677、OPS1.134はいずれもキャリアハイ。7週間を欠場したにもかかわらず、30本塁打を超えるのも確実だ(現時点で26本塁打)。
選手のパフォーマンスを表す総合指標であるWARでも、ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)やアーロン・ジャッジ(ヤンキース)に大差をつけられていたものの、現時点でのWAR5.6は前述の2人に次ぐ野手リーグ3位の数字(FanGraphs版)。打席数が150以上少ないにもかかわらず、リーグのトップ選手に匹敵するWARを叩き出しているのである。このまま残り1ヶ月を過ごせば、シーズン終了後にはトラウトが野手リーグトップに立っている可能性は高い。出場試合数が130に満たなくてもMVPを受賞した例は過去に何度もあり、出場試合数が少ないというだけでトラウトをMVP候補から外してしまうのはナンセンスである(トラウトが規定打席に到達するのはほぼ確実)。
MVP争いにおいてライバルとなるのはアルトゥーベ、ジャッジ、クリス・セール(レッドソックス)の3人だろう。ただし、ジャッジは後半戦の大スランプによりシーズン通算の成績を大幅に悪化させており、素晴らしいピッチングを続けているセールにしても投手のMVP受賞が難しいということは過去の例が示している。となると、リーグ断トツの高打率をマークしているアルトゥーベが最大のライバルということになるが、チーム内に好成績を残している選手が多く、同僚との間で票が分散してしまう可能性も否定できない。以上のことから考えても、トラウトがMVPを受賞する可能性は排除できない。
トラウトが今季このまま圧倒的な好成績を残し、エンゼルスがワイルドカード争いを勝ち抜くような状況になれば、トラウトは一気にMVPの有力候補に浮上するだろう。実際に、今季のトラウトはそれだけのパフォーマンスを見せているのである。レギュラーシーズンは残りおよそ1ヶ月。ポストシーズン争いの行方とともに、個人タイトル争いの行方にも注目だ。
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速球派右腕・ローゼンタールがトミー・ジョン手術へ
2017.8.24 11:35 Thursdayカージナルスのクローザー探しは今後もしばらく続くことになりそうだ。呉昇桓(オ・スンファン)の不調により今季途中からクローザーの座に復帰していたトレバー・ローゼンタールがトミー・ジョン手術を受けることになり、今季の残り1ヶ月のみならず、来季を全休することがほぼ確実となった。
呉、ブレット・シーセル、ケビン・シーグリストらブルペン陣の不安定な投球が続き、なかなか安定した戦いを続けることができずにいる今季のカージナルス。7月下旬にローゼンタールがクローザー復帰を果たし、その後の7度のセーブ機会をすべて成功させるなど、ようやくブルペンの形が見えてきたかに思われたが、その速球派クローザーを失う事態に見舞われた。マイケル・ガーシュGMは「短期的に見れば、私たちにできることはそれほど多くない。不運なことに、シーズンのこの時期だからね。我々はベストを尽くすだけだよ。長期的に見れば、オフシーズンの間に補強に動かなければならないだろう」と語り、ポストシーズン争いを続ける中、今季は現有戦力でなんとかやりくりしていく方針を明らかにした。
マイク・マシーニー監督はいくつかのオプションを試しつつ、ベストの形を模索していくことになる。クローザーとして今季の開幕を迎えた呉がクローザーの最有力候補であることは間違いないが、昨季のような安定感はなく、8月も防御率4.05と不安定。オールスター前から15試合連続無失点を継続中のタイラー・ライオンズや6月20日以降、防御率1.17と好投を続けているサム・トゥイバイララらが抜擢される可能性もあるだろう。
ローゼンタールはフリーエージェントになる前の最終シーズンをトミー・ジョン手術のリハビリに費やすことになるが、カージナルスもローゼンタールに代わるクローザーをオフシーズンの間に探さなければならない。今季のピッチングは不安定とはいえ、今季終了後にフリーエージェントとなる呉と再契約を交わすのも選択肢の一つになるだろう。また、ローゼンタールに関してはノンテンダーFAとした後、より安価な年俸で再契約を交わすという動きも考えられる。
終わらないカージナルスのクローザー探し。少なくともローゼンタールの離脱はポストシーズン進出を目指す今季のカージナルスにとって大きな痛手となることは間違いない。
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ブリットンがセーブ失敗 連続セーブ記録ストップ
2017.8.24 11:04 Thursdayいかなる連続記録にも必ず終わりはやってくる。日本時間8月24日のアスレチックス戦でオリオールズのクローザー、ザック・ブリットンが2015年9月20日以来となるセーブ失敗を喫し、同年10月1日から3シーズンにわたって継続中だった連続セーブ記録が60でストップした。
2015年10月に2セーブ、2016年に47セーブ、今季ここまで11セーブを記録し、その間セーブ失敗が一度もなかったブリットン。連続セーブ記録はア・リーグ記録を更新し、メジャー歴代2位となる60まで伸びていた(メジャー記録はエリック・ガニエの84)。
そして迎えた日本時間8月24日のアスレチックス戦。オリオールズは7-5と2点をリードした9回表にブリットンを投入した。しかし、ブリットンは先頭のジェッド・ラウリーにレフトへのヒットを打たれると、続くブーグ・パウエルにもレフトへの二塁打を浴び、無死二、三塁のピンチを背負ってしまう。このピンチでブリットンはマーカス・セミエンにレフトへのタイムリー、マット・ジョイスにセンターへの犠牲フライを浴び、あっという間に同点。実に2年ぶりとなるセーブ失敗が記録され、ブリットンの連続セーブ記録は幕を閉じた。
同点に追い付かれた後、ブリットンは暴投で一塁走者のセミエンを二塁へ進め、クリス・デービスに四球を与えたところで降板。後を継いだミゲル・カストロが後続を抑えたため、敗戦投手になるのは回避したものの、犠牲フライによる1アウトしか取れないという散々なピッチングだった。
試合は延長12回の末、マニー・マチャドにサヨナラ弾が飛び出したオリオールズが勝利。オリオールズのバック・ショウォルター監督は試合後、ブリットンが明日、左膝のMRI検査を受ける予定であることを発表した。ブリットンによると、ここ数年左膝の不調を抱えていたが、ピッチングには影響を与えていなかったという。故障の予防という意味も込めてMRI検査を受けることになったようだ。
「(記録が終わったことについて)どう感じるかはわからない。明日、それについて考えることになるだろう。けれど、とてもガッカリしているよ。今日の僕は全然ダメだったからね」とブリットン。連続記録はいつかは終わる。また新たな連続記録が始まることを期待したい。
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レッドソックスがラジェイ・デービスを獲得
2017.8.24 10:33 Thursday正中堅手のジャッキー・ブラッドリーJr.が左手親指を痛めて故障者リスト入りしたレッドソックスが、その穴を埋めるべく、アスレチックスからラジェイ・デービスを獲得した。デーブ・ドンブロウスキー野球部門社長によると、レッドソックスはチームにスピードという武器を加えるためにデービスの獲得を検討していたが、ブラッドリーJr.の故障離脱により獲得時期を早めたようだ。
「ブラッドリーJr.が故障者リスト入りすることになって、アスレチックスのビリー・ビーンに電話をしたんだ。より速いペースで交渉を進めたよ。デービスのための枠が空いていたからね」とドンブロウスキー野球部門社長。「デービスを獲得できて嬉しいよ。彼は私たちの戦いに幅をもたらしてくれると思う」とベテラン外野手の加入を歓迎した。
昨季はインディアンスの一員としてワールドシリーズに出場したデービス。第7戦の8回にアロルディス・チャップマンから劇的な同点弾を放ったシーンは記憶に新しい。デービスはア・リーグ西部地区最下位のアスレチックスからア・リーグ東部地区首位のレッドソックスへ移籍したことにより、再びワールドシリーズでヒーローになるチャンスを得たことになる。昨季は35歳にして自身初の盗塁王に輝き、今季もここまで26盗塁をマークしているデービスは、2004年のア・リーグ優勝決定シリーズでシリーズの流れを大きく変える盗塁を決めたデーブ・ロバーツ(現ドジャース監督)のような形でチームのヒーローになるかもしれない。
デービスは今季アスレチックスで100試合に出場して打率.233、5本塁打、18打点、26盗塁、OPS.647をマーク。一方、デービスとのトレードでアスレチックスへ移籍するラファエル・リンコネスはベネズエラ出身の18歳の外野手で、今季はドミニカ共和国のサマーリーグで57試合に出場して打率.258、1本塁打、19打点、OPS.742をマークしている。
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