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  • 「美しいスイング10選」をMLB公式サイトが特集 イチローも選出

    2022.3.3 10:00 Thursday

     メジャーリーグ公式サイトのマニー・ランダワ記者は「美しいスイング10選」を特集する記事を公開した。「野球において、フィールドの美しさや守備での素晴らしいプレー以外の最も美しい要素の1つといえば、打者のスイングである。メジャーリーグの歴史上、ストライクゾーンを美しく通過する特殊なモーションを持つ選手は数多く存在する」とランダワ記者。特に美しいスイングをする10人として、ケン・グリフィーJr.やテッド・ウィリアムスといった名打者とともにイチローも選出されている。

     ランダワ記者はイチローについて「メジャーリーグ史上初の日本人野手であり、最高の選手でもある。2001年から2019年まで、芸術的なスイングで相手投手を恐怖に陥れた。幼少期から日本プロ野球での9年間を経て鍛え上げたスイングはルネサンス的であり、記録的な強打の時代において、素晴らしい投球をヒットに変える比類のない能力を持ち、時代に逆行する選手だった」と紹介。2001年の新人王とMVP、2004年に樹立したシーズン最多安打記録(262本)、両リーグ最多安打7度、オールスター・ゲーム選出10度、ゴールドグラブ賞10度、27歳でメジャーデビューしながらも通算3000安打達成など、数々の輝かしい実績にも言及した。

     イチローとともに選ばれた9人は、いずれもメジャーリーグの歴史に名を残す名選手ばかり。「史上最も美しいスイングの持ち主」と言われるグリフィーJr.のほか、最後の4割打者であるウィリアムス、勝負強い打撃が魅力だったウィル・クラーク、1994年に打率.394をマークしたトニー・グウィン、通算555本塁打を放ったマニー・ラミレス、殿堂入りの強打者ビリー・ウィリアムス、1979年にMVPを受賞したキース・ヘルナンデス、史上6人しかいない500本塁打&3000安打を達成したラファエル・パルメイロ、球界を代表するスイッチヒッターの1人であるチッパー・ジョーンズが選出された。

  • 合意できなかった労使交渉 主に金銭面の希望条件に大きな開き

    2022.3.2 12:00 Wednesday

     メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は交渉期限とされていた日本時間3月2日午前7時までに労使交渉を合意させることができず、レギュラーシーズンの開幕延期と短縮が正式決定された。両者はカウンター(対案)を投げ合う形式で交渉を続けていたが、一体どの部分で合意できなかったのだろうか。「MLBトレード・ルーマーズ」のティム・ディアークス記者は、各メディアが報じた情報をもとに両者が提示した案を整理している。ここでは、それをもとに両者が求めていた条件を確認していこう。

    ◆最低保証年俸
    機構側:2022年は70万ドル、毎年1万ドルずつ上昇し、2026年は74万ドル
    選手会:2022年は72万5000ドル、2023年は74万5000ドル、2024年は76万5000ドル、2025年以降は消費者物価指数に応じて上昇

    ◆ぜいたく税の対象ライン
    機構側:2022~24年は2億2000万ドル、2025年は2億2400万ドル、2026年は2億3000万ドル
    選手会:2022年は2億3800万ドル、2023年は2億4400万ドル、2024年は2億5000万ドル、2025年は2億5600万ドル、2026年は2億6300万ドル

    ◆FA移籍に伴うドラフト指名権の補償
    機構側:FA選手を獲得した場合のドラフト指名権喪失を撤廃するが、FA選手が流出した球団に補償指名権が与えられる点は変更なし
    選手会:特に提案なし

    ◆調停前ボーナスプール
    機構側:年間3000万ドル
    選手会:年間8500万ドルからスタートし、毎年500万ドルずつ上昇

    ◆年俸調停権
    「スーパー2」対象者はサービスタイム2年以上3年未満の上位22%で変わらない予定(選手会が対象者拡大の要望を取り下げ)

    ◆サービスタイム操作対策
    機構側:所属選手が3年目までにMVP、サイ・ヤング賞、新人王の投票でトップ3に入った場合、その球団に2つのドラフト指名権を与える(新人王投票1位または2位の選手には1年分のサービスタイムを与える)
    選手会:新人選手がポジション別のWARでリーグ5位以内(捕手・内野手・DH)またはリーグ15位以内(外野手・先発投手・救援投手)に入った場合、その選手に1年分のサービスタイムを与える(球団に2つのドラフト指名権を与える機構側の案は受け入れる意向)

    ◆タンキング対策
    機構側:全体5位までの指名権が抽選対象
    選手会:全体7位までの指名権が抽選対象(ポストシーズン進出を逃したすべての球団が抽選に参加し、全体8位以降は勝率の低い順に指名)

    ◆収益分配制度
    機構側:アスレチックスを収益分配金の受け手に戻すことを検討
    選手会:スモールマーケット球団の支出増を目指す(各球団から資金を集めて分配)

    ◆ポストシーズン拡大
    両者が合意し、今季から出場枠が10球団から12球団に拡大される予定

    ◆ユニフォーム広告
    機構側:ユニフォームとヘルメットに広告枠を設けることを検討
    選手会:機構側の案に同意せず

    ◆国際ドラフト
    機構側:導入を提案
    選手会:導入に反対

    ◆マイナー降格回数
    両者が合意し、今季から1人の選手をマイナーへオプション(降格)できる回数が1シーズン5回までに制限される予定

    ◆ルール変更
    機構側:ピッチクロックや守備シフト制限などのルール変更を正式な提案から45日後に実施できる権限を求めている
    選手会:1年間の現状維持を求めている

    ◆ユニバーサルDH
    両者が合意し、今季から導入される予定

  • コミッショナーからのメッセージ「94年のようなリスクは冒さない」

    2022.3.2 11:00 Wednesday

     日本時間3月2日、メジャーリーグ選手会との労使交渉が決裂し、レギュラーシーズンの開幕延期と短縮が正式決定したことを受け、メジャーリーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは野球ファンへのメッセージを公開した。そのなかで選手会のストライキによってワールドシリーズが中止された1994年シーズンに言及し、「1994年、我々は(労使協定の)合意なしにプレーし、ストライキによってワールドシリーズが中止となった。再びこのような結果を招くリスクを冒すことはできない」と記している。

     マンフレッド・コミッショナーによると、メジャーリーグ機構は「労使交渉のプロセスを通じて選手会の意見に耳を傾けてきた」という。選手会の主な目標は若手選手のサラリーを上げることであり、機構側は最低保証年俸の引き上げ(昨季から13万ドル増の70万ドル)や一部の優秀な若手選手のためのボーナスプール(年間3000万ドル)を提案。これにより、メジャー全体の約3分の2の選手に33%の昇給を提供し、若手選手のサラリーは総額で年間1億ドル以上増加するはずだった。

     また、サービスタイム操作やタンキングへの対策として、プロスペクトを開幕ロースター入りさせるインセンティブ制度を設けたり、ドラフト上位指名権に抽選制度を導入したり、新人王投票1位と2位の選手に1年分のサービスタイムを与えたりすることを提案していたという。他にもFA移籍に伴うドラフト指名権の補償制度の廃止やぜいたく税の上限ラインの引き上げなど、選手会の希望に応えようと最大限努力したようだ。

     これらに加え、国際ドラフトの導入、ピッチクロックや守備シフト制限などの新ルールの採用なども提案したという。しかし、合意できたのはポストシーズン出場枠拡大(10球団から12球団へ)やユニバーサルDHの導入など、片手で数えられるくらいの項目だけだった。

     マンフレッド・コミッショナーは機構側が最大限に譲歩し、選手会の希望に歩み寄ったことを強調しているが、それでも合意に至らなかったのは事実。機構側はキャンセルされた公式戦のサラリーを支払わない方針を明言しているが、選手会は試合の振替開催やサラリーの支払いを希望するなど、新たな火種も生まれつつある。日本時間4月8日に延期されたシーズン開幕日を無事に迎えられるかどうか、現時点では不透明な状況だ。

  • 交渉期限までに合意できず シーズン開幕延期と短縮が正式決定

    2022.3.2 10:00 Wednesday

     日本時間3月2日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は新しい労使協定の締結を目指して労使交渉を行ったが、日本時間午前7時のデッドラインまでに合意することができなかった。これを受け、レギュラーシーズンの最初の2シリーズをキャンセルすることが決定。レギュラーシーズンの開幕は最短で日本時間4月8日となった。同時に、オープン戦のスタートも最短で日本時間3月13日と変更されている。9日連続の労使交渉も実らず、レギュラーシーズンの開幕延期と短縮が正式決定してしまった。

     前日に16時間超の労使交渉を行った両者は、予定通りにレギュラーシーズンを開幕するために交渉期限を延長。日本時間3月2日午前7時がデッドラインとなり、デッドライン前に機構側が「最善のオファー」を提示したものの、選手会はそれを拒否した。ロブ・マンフレッド・コミッショナーは「我々はファン、選手、球団にとって悪い結果を避けるために懸命に働いた。合意に至らなかったのは双方の努力不足ではないことをファンの皆様に保証したい」とコメント。しかし、レギュラーシーズンの最初の1週間の試合はキャンセルされることが決まった。

     ロックアウト以降の労使交渉のなかで、ユニバーサルDHの導入やポストシーズンの出場枠の拡大、調停前ボーナスプールの設立などが合意されたものの、サラリーやペイロールに直接関係する部分では希望額の開きが大きく、最後まで合意に至らなかった。特に新設される調停前ボーナスプールについては、お互いが徐々に譲歩したものの、それでも機構側が3000万ドル、選手会が8500万ドルを希望するなど、依然として大きな開きがある。

     マンフレッド・コミッショナーは「各球団のオーナーは、数百万人のファンの皆様のために一刻も早く試合を行うことがいかに重要かを十分に理解している。そのために選手会と交渉を行い、できるだけ早く契約を結びたいと考えている」と語ったが、次の交渉はフロリダからニューヨークへ移動後に行われるため、最速で日本時間3月4日になる見込み。日本時間4月8日に開幕を迎えるための時間もそれほど多くは残されていない。

  • 16時間超の交渉も決着せず 交渉期限を現地1日午後5時に延長

    2022.3.1 17:00 Tuesday

     メジャーリーグ機構が定めた「シーズン162試合開催」のためのデッドラインとなる日本時間3月1日、メジャーリーグ選手会との労使交渉が行われたが、16時間を超える話し合いの末、結局合意には至らなかった。交渉期限は日本時間3月2日午前7時(現地時間3月1日午後5時)まで延長されており、明日改めて合意に向けた交渉が行われる予定。両者はポストシーズン出場枠を従来の10球団から12球団に増やすことで合意したものの、ぜいたく税や最低保証年俸、調停前ボーナスプールなどについて依然として意見が分かれているようだ。

     新しい労使協定の締結を目指し、機構側が定めたデッドライン(現地時間2月28日)を過ぎて日が変わってからも交渉は継続されたが、一気に合意まで持っていくことはできなかった。しかし、16時間を超える交渉のなかで、合意に向けて確実に前進しており、ポストシーズン出場枠を12球団とすることで合意。機構側はぜいたく税の上限ラインを超過した際のペナルティを強化する案、選手会は「スーパー2」の対象者を拡大する案をそれぞれ取り下げるなど、合意に向けてお互いが譲歩の姿勢を見せた。

     合意に向けて確実に前進してはいるものの、ぜいたく税や最低保証年俸、年俸調停前の選手用のボーナスプールなど、主要な問題については依然として両者の主張に隔たりがあるという。たとえば、ぜいたく税の上限ラインは機構側が2億2000万ドルを提示しているのに対し、選手会は2億3000万ドル以上を希望。最低保証年俸は機構側が67万5000ドルを提示しているのに対し、選手会は70万ドル以上を希望。調停前ボーナスプールは選手会が1億ドル以上を希望していたが、機構側の提示は2500万ドルにとどまっている。

     機構側の広報は「進展があった。あらゆる可能性を追求していきたい」と手応えを口にしているものの、クリアすべきハードルはまだ多く残されている模様。予定通りにレギュラーシーズン開幕を迎えられるよう、明日のデッドラインまでに交渉を合意へ導くことはできるだろうか。

  • 元ヤクルトの「ミューレン」がヤンキース打撃コーチ補佐に就任

    2022.3.1 11:30 Tuesday

     ヤンキースはヘンスリー・ミューレンスが打撃コーチ補佐に就任することを発表した。現在54歳のミューレンスは「ミューレン」という登録名で日本プロ野球でもプレー。1994年にロッテ、1995~96年はヤクルトに在籍し、特に1995年は下位打線で本塁打を量産する「恐怖の8番打者」としてリーグ優勝と日本一に貢献した。2017年シーズン終了後、ヤンキースの監督選びではアーロン・ブーン現監督の次点に終わったが、ブーンのもとで働くコーチとして29年ぶりに古巣へ復帰することになった。

     ヤンキースはディロン・ローソン、ケーシー・ダイクスとともにエリック・シャベスが打撃コーチ補佐に就任していたが、シャベスはメッツから打撃コーチのオファーを受け、メッツへ流出。その後任としてミューレンスがヤンキースのコーチング・スタッフに加わることになった。

     ミューレンスがメジャーのコーチを務めるのは今季が12年目。2011年からの10年間はジャイアンツに在籍し、最初の8年は打撃コーチ、残りの2年はベンチコーチを務め、3度のワールドシリーズ制覇(2010年・2012年・2014年)を経験した。また、2020年にはメッツでベンチコーチを務めていた。

     現役時代は1989~93年にヤンキース、1997年にエクスポズ、1998年にダイヤモンドバックスとメジャーで合計7年間プレーし、通算182試合に出場して打率.220、15本塁打、53打点、OPS.641を記録。日本のほか、韓国やメキシコ、米独立リーグでのプレー経験もある。オランダ代表の一員として2000年のシドニー五輪に出場し、2013年と2017年のWBCでは同代表の監督を務めた(2大会連続ベスト4)。

     2017年シーズン終了後、ジョー・ジラルディ前監督の後任を探していたヤンキースは最終的にブーンを新監督に選んだが、面接を受けた候補者のなかにミューレンスも含まれていた。このときはブーン、ミューレンスのほか、カルロス・ベルトラン、ロブ・トムソン、エリック・ウェッジ、クリス・ウッドワードらが候補となっていた。

  • マーリンズCEOのジーターが辞任 戦力補強プランの変更が影響か

    2022.3.1 10:00 Tuesday

     日本時間3月1日、マーリンズは球団オーナーグループの一員であり、ブルース・シャーマン・オーナーのもとで最高経営責任者(CEO)を務めていた元ヤンキースのスター遊撃手、デレク・ジーターが辞任したことを発表した。ジーターは今季までの5年契約を結んでいたが、任期を全うすることなくマーリンズを去ることになった。ロックアウト明けの戦力補強プランが変更され、マーリンズがジーターの考える将来のビジョンとは違う方向に進みつつあることが原因とみられている。

     ジーターは2017年8月にシャーマンのグループの一員としてマーリンズの買収に参加し、同年9月に買収が成立。株式の4%を保有し、CEOとして球団運営に携わっていた。シャーマンは「マイアミ・マーリンズとデレク・ジーターは本日、関係を終了することで合意したことを発表します。デレクの多くの貢献に感謝するとともに、今後の活躍を祈っています」との声明を発表。球団内部から新しいCEOを選び、ポストシーズン出場を目指すチーム作りを進めていく方針を明らかにした。

     一方のジーターは「私は本日、マイアミ・マーリンズとの関係を終了し、CEOと株主を務めないことを発表します」との声明を出し、「5年前、マーリンズを立て直すというビジョンを持っていましたが、球団の将来のビジョンは私が球団に加わったときのものとは異なっています。新しいシーズンが始まろうとしている今こそ、身を引く適切なタイミングです」と辞任の理由を説明。マーリンズのスタッフやファン、選手への感謝を述べた。

     マーリンズはロックアウト前、アビサイル・ガルシア、ジェイコブ・ストーリングス、ジョーイ・ウェンドルらを獲得し、サンディ・アルカンタラ、ミゲル・ロハスとは契約を延長。ポストシーズン出場を目指して積極的な補強を見せていた。ニック・カステヤーノスの獲得を狙っているとの報道もあったが、どうやらそのプランに変更があった模様。ジーターは自身が考えるチーム強化プランが実現できないと判断し、マーリンズを去ることを決断したようだ。

  • ポストシーズン拡大 選手会は地区優勝で1勝アドバンテージ提案か

    2022.2.28 12:30 Monday

     難航する労使交渉のなかで、議題の1つとなっているがポストシーズンの出場枠拡大だ。現行の制度では各リーグから5球団(地区優勝3球団とワイルドカード2球団)、合計10球団がポストシーズンに出場しているが、メジャーリーグ機構はこれを14球団に拡大することを希望。一方、メジャーリーグ選手会は12球団を提案している。また、「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、選手会は地区優勝した球団へのアドバンテージが不十分であることを懸念し、最初のラウンドで1勝のアドバンテージを与えることを提案しているという。

     ポストシーズンの出場枠を拡大することは、より多くの球団にポストシーズン進出のチャンスが生まれることを意味するため、放映権や入場料による収入増のみならず、タンキング抑制にも効果があると考えられている。しかし、選手会はポストシーズンの出場枠が増えることでポストシーズン進出の難易度が下がり、各球団が積極的な戦力補強を行わなくなることを懸念しているようだ。そこで、地区優勝した球団にアドバンテージを与え、地区優勝の価値を高めることで、地区優勝を目指すための投資を活性化させようというわけだ。

     たとえば、機構側が提案する14球団のプランでは、各リーグの最高勝率球団のみが自動的に地区シリーズへ進出し、残りの12球団は最初のラウンドであるワイルドカード・シリーズを戦う。各リーグの最高勝率球団を除く地区優勝4球団にはワイルドカード・シリーズの全試合をホームで開催し、なおかつワイルドカード球団のなかから対戦相手を選べるというアドバンテージが与えられる予定だが、選手会はこれらに加え、さらに1勝のアドバンテージを与えることを希望している。

     選手会が提案する12球団のプランでは、地区優勝した球団のうち、各リーグの勝率上位2球団が自動的に地区シリーズへ進出し、残りの地区優勝2球団とワイルドカード6球団でワイルドカード・シリーズを戦うことが予想される。ローゼンタール記者によると、選手会は出場枠が12球団であるか14球団であるかに関係なく、地区優勝した球団に最初のラウンド(=ワイルドカード・シリーズ)で1勝のアドバンテージを与えることを提案しているようだ。

  • メッツに新たな歴史 球団史上最高位の野球運営部門女性職員が誕生

    2022.2.28 11:30 Monday

     球界全体の状況が変化し、様々な部門で女性登用が進められるなか、メッツは歴史的な雇用を行い、エリザベス・ベンをメジャーリーグ部門の運営ディレクターに迎えた。メッツの野球運営部門にはすでに複数の女性が在籍しているものの、ベンはそのなかで最上位の職員となり、メジャーリーグ公式サイトでメッツを担当するアンソニー・ディコーモ記者は「球団史上最上位の野球運営部門女性職員」と伝えている。これにより、球界の女性登用がまた一歩、前進することになった。

     2017年にメジャーリーグ機構の職員となったベンは、同機構のフロントオフィスで若者向けのプログラムや労使関係を担当。また、2020年からは野球運営に関わる仕事にも携わってきた。トロント大学とコロンビア大学を卒業し、熱心な野球選手でもあり、2016年からニューヨーク市のメトロ・ベースボール・リーグで投手としてプレー。同リーグ史上初の女性選手となっている。

     ベンはさらに、過去6年間にわたってリーマンカレッジ(ニューヨーク市立大学リーマン校)の非常勤講師も務めてきた。メッツではビリー・エプラーGMと3人のGM補佐(ブリン・アルダーソン、イアン・レバイン、ベン・ゾーズマー)らを含む野球運営部門のヒエラルキーに加わることになる。

     ベンは2019年に「今はまだ、多くの女性をフロントオフィスで見かけることはないかもしれないが、今後も増え続けていくと思う」と話していたが、その言葉通りの動きが現在の球界では起こっている。2020年11月にマーリンズで史上初の女性GM(キム・アング)が誕生し、メッツも今オフ、ヤンキースのジーン・アフターマンやレッドソックスのラケル・フェレイラをGM候補として検討していた。

     メッツはベンのほかにも、グレッチェン・オーコインを球団史上初の女性コーチとしてマイナーリーグで採用。ジャイアンツではメジャー史上初の女性フルタイムコーチ(アリッサ・ナッケン)、ヤンキースではメジャーリーグ傘下のマイナー球団として史上初となる女性監督(レイチェル・バルコベック)が誕生するなど、近年の球界では確かな実力を持った女性の登用が積極的に行われている。

  • 6時間の「生産的な」話し合いも合意には至らず 期限まで残り1日

    2022.2.28 10:30 Monday

     日本時間2月28日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は7日連続となる労使交渉を行った。話し合いは約6時間にわたって行われ、機構側の関係者は「生産的な」話し合いだったことを明かしているが、「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者によると、双方は主要な問題について依然として大きく意見が分かれたままであり、多くの「仮定の」議論が交わされたものの、具体的な提案は行われなかったという。機構側が定めた交渉期限である明日も引き続き話し合いが行われる予定だ。

     今日の交渉では、主要な経済問題に加え、それらとは直接関係のない項目についても話し合いが行われたようだ。機構側の関係者は「生産的な」話し合いだったと語っているが、あくまでも双方の意見を交換し合っただけであり、正式な提案が行われ、具体的な進展があったわけではない。機構側が定めた162試合制のレギュラーシーズンを開催するための交渉期限まで残り1日となっているが、「MLBトレード・ルーマーズ」は「明日までに新しい労使協定が成立する可能性は低い」と報じている。

    「ワシントン・ポスト」のチェルシー・ジェーンズ記者は、機構側が定めた交渉期限が非公式なものであることを指摘しており、明日までに合意できなかった場合、レギュラーシーズンを162試合開催する可能性を残しつつ、引き続き交渉が行われる可能性もある。とはいえ、明日までに合意できず、機構側がシーズン短縮とそれに伴うサラリー削減やサービスタイム削減を決定した場合、選手会が強く反発することは確実であり、新しい労使協定を成立させるための道のりはさらに困難を極めるだろう。

     交渉期限の明日、無事に合意すれば、短縮されたスプリング・トレーニングとオフシーズンの移籍ラッシュが約1カ月に詰め込まれることになる。まだ多数の大物FA選手が市場に残っており、トレード要員に挙げられている選手も多数いる。いずれにせよ、大混乱は必至だ。

  • サイ・ヤング賞の初代受賞者 元中日・ニューカムを公式サイトが特集

    2022.2.27 13:00 Sunday

     毎年11月になると全米野球記者協会の投票によって各リーグの新人王、サイ・ヤング賞、そしてMVPが選出されるが、この3つのアウォードのなかで最も新しいのがサイ・ヤング賞である。1956年から表彰が開始され、当初はメジャー全体から1名を選出。1967年からリーグ別に表彰する現在の形式に変更された。1956年に初代受賞者となったのはドジャースのドン・ニューカム。1962年に外野手として中日ドラゴンズでもプレー(登録名・ニューク)したこの選手について、メジャーリーグ公式サイトのサラ・ラングス記者が特集記事を公開している。

     ニュージャージー州出身のニューカムは、父・ローランドに連れられてよくニグロリーグやマイナーリーグの試合を観に行った。このときにサチェル・ペイジという伝説的な投手の存在を知り、憧れや尊敬の念を抱いたという。通っていた高校には野球部がなかったため、セミプロのチームでプレー。17歳にして身長193センチ、体重100キロという立派な体格を誇り、1944年にオーナー夫妻と知り合ったことがきっかけでニグロリーグのニューアーク・イーグルスに入団した。

     高校を中退してプロ野球選手となったニューカムは、1944年5月、子供のころに父や兄弟と訪れたルパート・スタジアムでデビュー。「Seamheads」のデータベースによると、1944年は9試合、1945年は7試合に登板したようだ。1945年シーズン終了後、ニューカムはロイ・キャンパネラらとともにメジャーリーグ対ニグロリーグのエキシビション・シリーズに参加。ここでブランチ・リッキーに発掘され、キャンパネラとともにドジャースに入団することになった。

     マイナーリーグでのプレーを経て、1949年にメジャーデビュー。いきなり17勝を挙げる活躍を見せ、新人王を受賞した。1950年に19勝、1951年には自身初の20勝と活躍を続けたが、朝鮮戦争のため1952~53年は欠場。復帰した1954年はやや苦しんだものの、1955年には4年ぶりの20勝と復活を遂げ、そして1956年にはメジャーダントツの27勝(2位は21勝)をマークしてサイ・ヤング賞の初代受賞者となり、MVPも同時受賞した。当時、MVP受賞が決まったニューカムは「受賞できると思わなかったから驚いている。サイ・ヤング賞を受賞できることを期待していたんだ」と話していたが、1週間後にサイ・ヤング賞が発表され、自宅の芝生の上で飛び跳ねて喜んだそうだ。

     ちなみに、新人王、MVP、サイ・ヤング賞の3つをすべて受賞した選手は、2011年にジャスティン・バーランダーが加わるまでニューカムが史上唯一だった。ラングス記者は「サイ・ヤング賞と同様、ニューカムは常に第一人者としての足跡を残しているのだ」と記している。ニューカムはその後、4年間で37勝にとどまり、メジャーでプレーしたのは1960年が最後。メジャー通算149勝をマークしたほか、投手としては打撃も非常によく、打率.271、15本塁打、OPS.705という通算成績を残した。

     引退後の1962年に中日からオファーを受け、外野手として入団。81試合に出場して打率.262、12本塁打、43打点、OPS.789を記録し、1試合だけ登板した。2019年2月19日に死去。92歳だった。

  • うつ病からの復活を目指す元有望株・アーセグ 二刀流を経て投手転向

    2022.2.27 12:00 Sunday

     アルコール依存症とうつ病を乗り越えてメジャー昇格を目指している選手がいる。2016年ドラフト2巡目指名でブリュワーズに入団したルーカス・アーセグだ。現在26歳のアーセグは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響でマイナーリーグが中止となった2020年にアルコール依存症とうつ病で苦しんだという。今でも暗い気分で目覚めることがあるそうだ。しかし、それを公表し、三塁手から二刀流を経て投手に完全コンバートされ、念願のメジャーデビューを目指している。

     アーセグのグラブには「6/10/20」と刺繍されている。これはアーセグが禁酒を始めた日だ。カリフォルニア州サンノゼ郊外のキャンベルで育ったアーセグは、父親と仲が悪く、母親はアルコール依存症だった。母親は現在も問題を抱えており、「そのせいで母親と3年間話していない」という。高校時代は学業の成績こそ良くなかったものの、打撃と投球の両方で才能を発揮し、大学野球の強豪カリフォルニア大学バークレー校への入学が決まった。しかし、飲酒やグラウンド外のトラブルによって入学を断念することになり、メンロー大学へ進学した。

     そこでジェイク・マキンリー(現ブリュワーズ選手育成副部長)と出会ったアーセグは、三塁手兼クローザーとして活躍。ブリュワーズからドラフト2巡目指名を受け、115万ドルの契約金を手にした。アーセグはその大金でビールがたくさん買えることに気付き、「5~6杯飲んだら次の日に3打数2安打。だから、飲酒が問題だと考えたりはしなかった。4杯飲んでヒットを1本打てるなら、8杯飲めば2本打てるだろう」といった具合にアルコールへの依存度を高めていった。

     プロ1年目こそマイナーリーグで3割を超えるハイアベレージを残したアーセグだったが、酒に溺れる生活を続けていくうちに成績はどんどん下降していった。2019年にはマイナーリーグ最上位のAAA級に到達したものの、116試合に出場して打率.219に終わり、マイナーリーグが中止となった2020年に参加した独立リーグでは28試合で打率.180しか打てなかった。パンデミックによる不確実性のなか、自宅近くのコンビニへ行くことで怠惰な日々を満たしたいという衝動に駆られ、アルコール依存症とうつ病による苦しい日々を過ごすことになった。

     しかし、そこから抜け出すために酒をやめることを決心した。禁酒初日に「すべてが明るく見えた」というアーセグは、昨年7月にフィアンセのエマさんとの婚約を発表し、うつ病や自殺願望に悩むアスリートを支援するプログラムを立ち上げることも検討しているという。アーセグ自身は「今でもときどき暗い気分になることがあるけれど、ネガティブに受け止めないことが大切だ」とうつ病との付き合い方を見つけたようだ。

     2年ぶりにマイナーリーグが開催された昨季、アーセグは大学時代の恩師でもあるマキンリーから投手再開のプランを提示され、すぐに賛成した。当初は二刀流でプレーしていたが、7月以降は投手に専念。AA級で22試合(うち13先発)に登板して2勝6敗、防御率5.29に終わったが、スピードガンでは99マイルを計測することもあり、上々の再スタートを切ったと言えるだろう。

     マキンリーは「彼が1つのことに集中したときにどうなるか興味があったんだ。上手くいくと思う」と語る。アーセグも「2度目のチャンスをもらえることなんて、そう多くはない。文句なんて言えないよ。素晴らしい機会だし、すべての瞬間を楽しんでいる」と手応えを感じているようだ。

     昨年8月、プロ初勝利を挙げたときにノンアルコールビールで祝杯をあげたアーセグ。現在は「あれは人を暗い空間に追いやるものだった」といううつ病を乗り越え、メジャー昇格に向けて努力を続けている。「朝起きて、何のために頑張っているんだろうと思う日もある。でも、ベッドに寝ころんだまま、そんなことを考え続けるつもりはない。起きてコーヒーを淹れるだけで前向きになれるんだ。自分の感情や考えをすぐに否定せず、認識して上手く付き合っていくことが重要だと思う」。困難を乗り越え、ひと回りもふた回りも強くなったアーセグの今後に注目だ。

  • 6日連続で交渉が行われるも状況は悪化 残り2日での合意は絶望的か

    2022.2.27 11:00 Sunday

     日本時間2月27日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は6日連続となる労使交渉を行った。選手会が複数の主要経済問題に対処する「包括的な新提案」を行い、譲歩する姿勢を見せたものの、オーナー側はこれに満足しないどころか、選手会を激怒させ、話し合いのムードを敵対的なものにしてしまったという。「ワシントン・ポスト」のチェルシー・ジェーンズ記者によると、選手会は今後の話し合いに参加せず、交渉を打ち切ることも検討したようだ。明日も7日連続となる労使交渉が予定されているが、今月末までの合意は難しそうだ。

     選手会はまず「スーパー2」の対象者拡大について、サービスタイム2年以上3年未満の選手の75%という要求を35%まで引き下げた。当初は100%を要求していたため、そこから大幅に譲歩したことになるが、オーナー側に対象者拡大の意思はなく(旧労使協定では22%だった)、選手会の要求を断固拒否している。その姿勢は選手会が大幅な譲歩を見せた今回も変わらなかった。

     これと同様に、オーナー側は収益分配システムの見直しも一貫して拒否している。選手会は当初、収益分配資金の1億ドルの削減を求めたが、3000万ドルまで要求を引き下げていた。今日の提案ではさらに変更が加えられ、選手会が譲歩を見せたものの、オーナー側はその案すら拒否し、選手会の譲歩に応えようとしなかった。

     ぜいたく税については、選手会が各年のペイロール上限について、2022年2億4500万ドル、2023年2億5000万ドル、2024年2億5700万ドル、2025年2億6400万ドル、2026年2億7300万ドルを提案。一方、オーナー側は2022年2億1400万ドル、2023年2億1500万ドル、2024年2億1600万ドル、2025年2億1800万ドル、2026年2億2200万ドルを提示し、双方の希望額には依然として大きな開きがある。機構側は上限超過の際のペナルティ税率を引き下げることで譲歩したものの、旧労使協定と比較して罰則が強化されており、選手会は反発している。

     他にも「サービスタイム操作対策」などのテーマで意見が分かれており、楽観視されていた「ドラフト上位指名権の抽選制度」についても進展はなかった。唯一、双方が合意したのは1人の選手をマイナーリーグへオプション(降格)できる回数を1シーズン5度までに制限することだけだった。

     6日連続で話し合いが行われたにもかかわらず、労使交渉は全体として目立った進展を見せていない。162試合制のレギュラーシーズンを開催するためのデッドラインとしてオーナー側が定めた日本時間3月1日まで残り2日。このままでは予定通りのシーズン開幕を迎えることはできず、オープン戦に続いてレギュラーシーズンの試合も失われることになるだろう。

  • 移籍1年目にサイ・ヤング賞を受賞した投手 公式サイトが特集

    2022.2.26 13:00 Saturday

     日本時間2月26日、フィリーズがリック・ワイズとのトレードでカージナルスからスティーブ・カールトンを獲得してから50年が経過した。カールトンはフィリーズへ移籍した1972年に27勝10敗、防御率1.97、310奪三振の好成績で投手三冠に輝き、サイ・ヤング賞を受賞。この年のカールトンのように移籍1年目にサイ・ヤング賞を受賞した投手は過去12人(14度)いる。メジャーリーグ公式サイトのサラ・ラングス記者は、これらの投手を紹介する特集記事を公開している。

    「移籍1年目にサイ・ヤング賞」の第1号は1966年12月にワシントン・セネタース(現レンジャーズ)からジャイアンツへトレードされたマイク・マコーミックだった。5年ぶりのジャイアンツ復帰となったマコーミックは、翌1967年に両リーグ最多タイ(リーグ単独トップ)の22勝をマーク。ジム・バニングとファージー・ジェンキンスに大差をつけてサイ・ヤング賞を受賞した。

     1969年にはアストロズからオリオールズへトレードされたばかりのマイク・クエイヤーがリーグ2位の23勝、同3位の防御率2.38を記録してサイ・ヤング賞を受賞。リーグ最多の24勝を挙げたデニー・マクレーンとの同時受賞だった。また、カールトンが「移籍1年目にサイ・ヤング賞」を成し遂げた1972年には、ジャイアンツからインディアンス(現ガーディアンズ)へトレードされたばかりのゲイロード・ペリーもア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞。ペリーはレンジャーズからパドレスへトレードされた1978年にもサイ・ヤング賞を受賞しており、キャリア2度のサイ・ヤング賞はいずれも移籍したシーズンだった。

     1974年にはエクスポズからドジャースへトレードされたばかりのマイク・マーシャルがサイ・ヤング賞を受賞。この年のシーズン106登板は現在もメジャー記録として残っている。1981年のロリー・フィンガース(カージナルスからブリュワーズへトレード)と1984年のウィリー・ヘルナンデス(フィリーズからタイガースへトレード)はいずれも絶対的守護神としてチームを優勝に導いたことが高く評価された。また、ヘルナンデスと同じ1984年には、シーズン途中にインディアンスからカブスへトレードされたリック・サトクリフがナ・リーグのサイ・ヤング賞を受賞。シーズン途中に移籍した選手がサイ・ヤング賞を受賞したのは史上唯一である。

     1990年代に入ると、FAで移籍した大物投手の受賞が目立つようになり、1993年にグレッグ・マダックス(FAでカブスからブレーブス)、1997年にロジャー・クレメンス(FAでレッドソックスからブルージェイズ)、1999年にランディ・ジョンソン(FAでアストロズからダイヤモンドバックス)が受賞した。マダックスは移籍1年目から3年連続の受賞でトータル4年連続となり、クレメンスは2年連続で投手三冠&サイ・ヤング賞。4年契約でダイヤモンドバックスに加入したジョンソンは4年連続でサイ・ヤング賞に輝いた。

     クレメンスはその後、ヤンキースからFAでアストロズに移籍した2004年にもサイ・ヤング賞(キャリア7度目)を受賞。「移籍1年目にサイ・ヤング賞」を2度達成したのはペリーとクレメンスの2人だけである。そして、現時点で最後の達成者は2009年12月にブルージェイズからフィリーズへトレードされたロイ・ハラデイ。翌2010年に21勝10敗、防御率2.44、219奪三振の好成績を残し、満票でサイ・ヤング賞を受賞した。

     今オフは昨季サイ・ヤング賞のロビー・レイがFAでブルージェイズからマリナーズへ移籍。ケビン・ゴーズマン(FAでジャイアンツからブルージェイズ)、マックス・シャーザー(FAでドジャースからメッツ)ら有力投手も移籍しているが、ハラデイ以来となる「移籍1年目にサイ・ヤング賞」の達成者は誕生するだろうか。

  • エンゼルスがマイナースタッフ発表 ヒルマンらNPB経験者の名前も

    2022.2.26 11:30 Saturday

     日本時間2月26日、エンゼルスは2022年シーズンの選手育成スタッフ(マイナー球団のコーチなど)を発表した。トレイ・ヒルマン(元日本ハム監督)が選手育成コーチに就任したほか、A+級トライシティ監督のジャック・ハウエル(元ヤクルトなど)、投手コーディネーターのバディ・カーライル(元阪神など)と日本球界経験者も起用されている。また、かつてのカージナルスのエース、クリス・カーペンターが投手コンサルタントに就任しており、チームの課題である投手力の底上げが期待される。

     マイナー各球団の監督は、AAA級ソルトレイクのルー・マーソン、ルーキー級ACLエンゼルスのデーブ・ステイプルトン、ルーキー級DSLエンゼルスのエクトル・デラクルスが留任。AA級ロケットシティはアンディ・シャツリー、A級インランドエンパイアはエバー・マガヤネスが新たに監督となり、A+級トライシティにはハウエルがA級インランドエンパイアの監督から昇格した。現在60歳のハウエルは、1992~94年にヤクルト、1995年に巨人でプレー。来日1年目の1992年には首位打者と本塁打王の二冠に輝き、MVPも受賞した。

     2001~02年に阪神、2010年には日本ハムでもプレーしたカーライルは現在44歳。現役引退後、半年だけブレーブスでコーチ補佐を務めたが、2017年からエンゼルスに加入し、マイナーの投手コーチと投手コーディネーター補佐を務めたあと、2020年から投手コーディネーターを担当している。今季も引き続きその役職を担うことが発表された。

     現在59歳のヒルマンは2003~07年に日本ハムの監督を務め、リーグ優勝2度と日本一1度を経験。2008年から2010年途中までロイヤルズ、2017~18年には韓国のSKワイバーンズでも指揮を執り、2018年には韓国シリーズ優勝を成し遂げた。日米韓で監督を務めた史上唯一の人物である。このほか、ドジャース、ヤンキース、アストロズでもコーチ経験があり、2019年から昨季まではマーリンズで一塁ベースコーチや三塁ベースコーチを務めていた。今後はマイナーのコーチ陣のメンターとして、選手育成を手助けすることを期待されている。

  • オープン戦がさらに3日分中止 最短で現地3月8日からスタート

    2022.2.26 10:00 Saturday

     日本時間2月26日、メジャーリーグ機構はスプリング・トレーニングの試合(オープン戦)をさらに3日分キャンセルすることを発表した。前回の発表時点でオープン戦のスタートは最短で日本時間3月6日(現地時間3月5日)とされていたが、今回の発表でオープン戦のスタートは最短で日本時間3月9日(同3月8日)となった。メジャーリーグ機構が定めたデッドラインである日本時間3月1日(同2月28日)までに新しい労使協定が合意された場合、日本時間3月9日(同3月8日)からオープン戦が行われることになる。

     メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会による労使交渉は日本時間2月26日にも行われ、これで5日連続となった。現地の記者たちは労使交渉に進展があったことを伝えており、特に「ドラフト上位指名権の抽選制度」についての議論に動きがあった模様。機構側が主張する「全体4位までの指名権を抽選対象にすること」は維持されたものの、選手会の希望である「連続で抽選に参加できる年数の上限設定」が盛り込まれたようだ。「ジ・アスレチック」のエバン・ドレリッチ記者によると、「まもなく合意できるだろう」と楽観視されているという。

    「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者によると、今日の交渉で正式な提案が行われたのは「ドラフト上位指名権の抽選制度」のみだったようだ。ただし、提案がないことと議論が行われないことはイコールではなく、ドレリッチ記者は「ぜいたく税のように何も提案が行われていない問題についても議論されている」と伝えている。機構側が定めたデッドラインまで残り3日となったが、これらの交渉が実を結ぶか注目したい。

     また、今日の交渉にはロブ・マンフレッド・コミッショナーも登場。選手たちと話をすることはなかったものの、選手会のトニー・クラーク専務理事と1対1の話し合いを行い、新しい労使協定の締結に向けて交渉を前進させていく方針などを確認し合ったという。日本時間3月9日(現地時間3月8日)のオープン戦スタート、そして日本時間4月1日(同3月31日)のレギュラーシーズン開幕を目指し、明日も引き続き交渉が行われる予定だ。

  • グリフィー親子に連続アーチを献上した男 カーク・マカスキル

    2022.2.25 13:00 Friday

     1990年9月14日、マリナーズのケン・グリフィーSr.とケン・グリフィーJr.の親子がメジャー史上初、そして現在に至るまでメジャー史上唯一となる快挙を成し遂げた。親子で二者連続アーチを放ったのだ。その2本のアーチを献上したのは当時エンゼルスに在籍していた右腕カーク・マカスキル。この男はNHLのウィニペグ・ジェッツ(現アリゾナ・コヨーテズ)からもドラフト指名を受けたアスリートだった。メジャーリーグ公式サイトのマイケル・クレア記者はそのマカスキルを特集する記事を公開している。

     マリナーズ戦に先発したマカスキルは初回先頭のハロルド・レイノルズを歩かせたあと、2番グリフィーSr.をカウント0-2と追い込んだものの、センター左への4号先制2ランを浴びた。次打者グリフィーJr.にはボールが3球続き、グリフィーJr.はカウント3-0からの4球目、ストライクゾーンに甘く入ってきた速球を狙い打ち。これが左中間への20号ソロとなり、現在に至るまでメジャー史上唯一となる「親子二者連続アーチ」の快挙が達成された。

     マカスキルは当時のことを振り返り「誰も(その記録に)気付いていなかったんじゃないかな」と語る。マカスキル自身もグリフィーJr.が二塁に到達したくらいでようやく何が起こったかを理解したという。マカスキルは現在、高校野球のコーチをしているが、毎年9月14日の記念日になると友人や家族、教え子からメッセージやムービーが送られてくるため、その瞬間のことを忘れたくても忘れられないそうだ。父の日にもハイライト映像が送られてくることがあるという。「教え子たちはみんなそのことを知っているから、いつも定期的に思い出させてくれるんだ」とマカスキルは笑いながら言う。

     観客のほとんどが気づいていなかったと思われる快挙だが、マカスキルは「グリフィーJr.はわかっていたと思う」と考えている。「カウントが3-0になったから(父親との連続アーチを打つことは)彼の頭のなかにあったと思う。彼の能力のレベルを考えると、狙って打ったんだろう。それをやってのけるのはすごいことだよ」と見事に快挙を成し遂げたグリフィーJr.を称えた。

     マカスキルの父親はプロの世界でも活躍した元ホッケー選手であり、マカスキル自身も高校まではホッケーがメインで、野球は楽しい趣味に過ぎなかった。大学でもホッケーと野球を両立し、1981年にNHLのウィニペグ・ジェッツからドラフト4巡目で指名を受けたが、翌1982年にはエンゼルスが同じくドラフト4巡目で指名。マイナーで1年プレーしたあと、スプリング・トレーニングに招待されたことがきっかけで野球を優先するようになった。NHLでも1試合だけベンチ入りした(試合出場なし)マカスキルだが、もしホッケーの道を選択していたら、グリフィー親子の快挙は実現していなかったかもしれない。

     マカスキルはその後、1985年にメジャーデビューを果たし、エンゼルスで7年、ホワイトソックスで5年、合計12年間のメジャー生活で6度の2ケタ勝利を含む通算106勝をマーク。グリフィー親子に連続アーチを浴びた1990年も12勝を挙げた。自身が複数のスポーツをプレーしていたこともあり、マカスキルは「9歳とか10歳のときに盲目的に1つのスポーツに集中し始めるのはよくないと思う。10歳から1つのスポーツに打ち込めば大学の奨学金が待っているという考え方は本当に有害だ。見たくもない」と語る。また、グリフィー親子に連続アーチを献上したことについては「二度と破られることのない記録だと思う。でも、あの試合はエンゼルスが勝った(7対5)んだよ」と話している。

  • レンジャーズの有望株・ヤングが左肩手術 6カ月の長期離脱へ

    2022.2.25 12:00 Friday

     レンジャーズのクリス・ヤングGMは、プロスペクト三塁手のジョシュ・ヤングが現地時間2月23日の朝に左肩関節唇断裂の修復手術を受けたことを発表した。「MLBパイプライン」のプロスペクト・ランキングで球団2位(全体48位)にランクインしているヤングは、マイナーキャンプに参加する前のトレーニング中にウエートリフティングで左肩を負傷。チームドクターのキース・マイスター医師による手術を受けた。リハビリには6カ月を要する見込みで、メジャーデビューは少なくとも今季終盤までずれ込むことになりそうだ。

     ヤングが故障により出遅れるのは昨季に続いて2年連続となる。昨季はスプリング・トレーニング中に右足を疲労骨折し、6月中旬まで欠場。その後、AA級とAAA級で合計78試合に出場して打率.326、19本塁打、61打点、OPS.990の好成績を残したが、昨季中にメジャーデビューを果たすことはできなかった。今季はアイザイア・カイナーファレファと正三塁手の座を争うことが予想されていたが、レギュラー争いは予想外の形で決着することになった。

     カイナーファレファはレギュラー定着を果たした2020年に三塁手としてゴールドグラブ賞を受賞。昨季は遊撃にコンバートされ、引き続き安定した守備を見せたが、今オフの大型補強でマーカス・セミエンとコリー・シーガーが加入したため、内野のユーティリティとしてヤングと正三塁手の座を争う予定だった。遊撃手の補強を必要とする球団へのトレードの可能性も取り沙汰されていたが、少なくともヤングが復帰するまでのあいだは正三塁手を務めることになりそうだ。

     ヤングGMは「ジョシュは可能な限りいい選手になりたいと思っているし、(故障を乗り越えて)ポテンシャルをフルに発揮してくれるだろう。まずは今回の故障を完治させ、今後15年間のキャリアを妨げることがないようにしてほしい」とコメント。「彼はグラウンドに出さえすれば、期待通りのパフォーマンスを見せてくれる選手だ。見ていて楽しいよ」とプロスペクト三塁手の今後の活躍に期待を寄せた。

  • 4日連続の交渉も目立った進展なし デッドラインまで残り4日

    2022.2.25 11:00 Friday

     日本時間2月25日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は4日連続となる労使交渉を行ったが、数日以内の合意を期待させるような目立った動きはなかった。今日の交渉では選手会が「サービスタイム操作対策」と「ドラフト上位指名権の抽選制度」について新たな提案をしたが、ぜいたく税、最低保証年俸、年俸調停権といった主要項目についての議論は行われなかったという。機構側は日本時間3月1日を交渉のデッドラインに設定しているが、162試合制のレギュラーシーズンが開催される可能性は日を追うごとに低くなっている。

     選手会は過去5年間にサービスタイム操作の犠牲となったと思われる29人の選手に対して1年分のサービスタイムを付与することを求めていたが、今日の交渉ではこの人数を20人に減らした。また、ルーキーの「サービスタイム操作対策」として内野手・捕手・指名打者はポジション別のWARランキングでトップ5、外野手・先発投手・救援投手は同トップ15に入った場合に1年分のサービスタイムを獲得できることを提案している(これまではトップ7とトップ20を希望していたが、少し譲歩した)。

     選手会はさらに、新人王投票5位以内、オールMLBチーム選出、最優秀リリーバー賞投票3位以内のルーキーにも1年分のサービスタイムを付与することを希望。しかし、機構側は選手にサービスタイムを与えるのではなく、好成績を残したルーキーがいる球団に追加のドラフト指名権を与えるシステムを提案しており、意見が分かれている。

    「MLBトレード・ルーマーズ」によると、「ドラフト上位指名権の抽選制度」については、ポストシーズンに進出できなかった全球団に全体1位指名権を獲得できる可能性があるシステムが提案されたようだ。ただし、連続して下位に低迷している球団が連続して上位指名権を獲得することがないよう、調整を加えることも提案されているという(3年連続で勝率ワースト8位以内の場合は全体10位より早く指名できない、など)。機構側は全体4位までの指名権を抽選対象とすることを提案しており、この点でも両者の意見には大きな隔たりがある。

    「ボストン・グローブ」のマイケル・シルバーマン記者によると、「選手会は両者の意見が大きく乖離していることに動揺している」という。その一方で、「機構側の交渉担当者はすでにアイデアが尽きていること、オーナーたちが選手会に腹を立てていることを選手会に対して伝えた」ようだ。こうした状況のなか、「MLBトレード・ルーマーズ」は「両者の意見の大きな隔たりを考えると、デッドラインまでに完全合意するどころか、新しい労使協定の全体像が見えてくる気配すら感じられない」と記している。

  • 1試合両打席本塁打の最多記録は14回 テシェイラとスウィッシャー

    2022.2.24 13:00 Thursday

     メジャーリーグ公式サイトのマニー・ランダワ記者は1試合両打席本塁打の達成回数トップ10を紹介する特集記事を公開した。現役最多はホゼ・ラミレス(ガーディアンズ)の6回だが、トップ10にはランクインできず。スイッチヒッターとして歴代最多の536本塁打を放っているミッキー・マントルは10回で6位タイにとどまった。歴代最多となる14回の1試合両打席本塁打を達成したのはマーク・テシェイラとニック・スウィッシャーの2人。3位には12回のカルロス・ベルトランがランクインした。

     テシェイラはスイッチヒッター歴代5位の409本塁打を放った。ブレーブス時代の2008年には1カ月で2回、ヤンキース時代の2009年にはわずか2週間で2回の1試合両打席本塁打を達成。通算14回のうち3回は1試合3本塁打を記録するなど、固め打ちが多いのが特徴だ。また、通算14回のうち9回は2008~11年に集中している。

     スウィッシャーはアスレチックスとヤンキースで5回、ホワイトソックスで2回、ブレーブスとインディアンス(現ガーディアンズ)で1回の1試合両打席本塁打を達成。5球団での達成はベルトランと並ぶ最多タイ記録である。また、2007年と2009年には1シーズンで3回達成し、これはトニー・クラークと並ぶア・リーグ記録となっている。

     ベルトランはスイッチヒッター歴代4位の435本塁打を記録。メッツで5回、カージナルスで3回、ロイヤルズで2回、アストロズとヤンキースで1回、合計5球団で達成した。なお、ポストシーズンでは65試合で16本塁打を放っているが、1試合両打席本塁打は達成できなかった。

     4位タイには11回でエディ・マレーとチリ・デービスの2人が並んだ。マレーはスイッチヒッター歴代2位の504本塁打を記録。11回のうち8回はオリオールズ時代に達成した(他にドジャースで2回、インディアンスで1回)。デービスは1試合両打席本塁打を4球団で達成。エンゼルスで6回、ジャイアンツで3回、ツインズとロイヤルズで1回の合計11回となっている。

     6位タイ(10回)はマントル、ケン・カミニティ、クラークの3人。マントルのワールドシリーズ通算18本塁打は現在もメジャー記録として残っているが、ワールドシリーズでは1試合両打席本塁打を達成していない。カミニティは1995~96年に10回中7回を記録。MVPを受賞した1996年の4回はメジャー記録である。クラークは1998年にア・リーグ記録となるシーズン3回。ダイヤモンドバックス時代の2009年には開幕戦で達成した。

     そして、9位タイ(8回)にはヤンキース黄金期を支えたバーニー・ウィリアムスとホルヘ・ポサダの2人が並んだ。ポストシーズンでの1試合両打席本塁打は過去4回達成されているが、そのうち2回はウィリアムスが記録したものである(他の達成者は2003年チッパー・ジョーンズと2006年ミルトン・ブラッドリー)。また、2000年4月23日のブルージェイズ戦では2人揃って1試合両打席本塁打を達成し、チームメイト2人が同じ試合で達成するのはメジャー史上初の快挙だった。

    ◆1試合両打席本塁打の達成回数トップ10
    1位タイ マーク・テシェイラ(14回)
    1位タイ ニック・スウィッシャー(14回)
    3位 カルロス・ベルトラン(12回)
    4位タイ エディ・マレー(11回)
    4位タイ チリ・デービス(11回)
    6位タイ ミッキー・マントル(10回)
    6位タイ ケン・カミニティ(10回)
    6位タイ トニー・クラーク(10回)
    9位タイ バーニー・ウィリアムス(8回)
    9位タイ ホルヘ・ポサダ(8回)
    ※現役最多 ホゼ・ラミレス(6回)

    ◆スイッチヒッター通算本塁打トップ10
    1位 ミッキー・マントル(536本)
    2位 エディ・マレー(504本)
    3位 チッパー・ジョーンズ(468本)
    4位 カルロス・ベルトラン(435本)
    5位 マーク・テシェイラ(409本)
    6位 ランス・バークマン(366本)
    7位 チリ・デービス(350本)
    8位 レジー・スミス(314本)
    9位 ルーベン・シエラ(306本)
    10位タイ バーニー・ウィリアムス(287本)
    10位タイ ボビー・ボニーヤ(287本)
    ※現役最多 カルロス・サンタナ(259本)

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