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  • 開幕から2ヶ月 地区優勝争いの行方は?

    2017.6.2 16:53 Friday

     開幕から2ヶ月が経過した2017年のメジャーリーグ。混戦が続いている地区があれば、首位が独走している地区もある。地区ごとの現状を簡単におさらいしておこう。

    ア・リーグ東部地区:例年通りハイレベルな混戦状態


    ア・リーグ東部地区順位表:6月2日時点

     「メジャーリーグで最もレベルが高い地区」との声もあるア・リーグ東部地区。今季はクリス・セールの獲得に成功したレッドソックスの独走を予想する声もあったが、アーロン・ジャッジら若手選手の活躍もあり、ヤンキースが予想外の快進撃。現時点で2位レッドソックスに3ゲーム差をつけて首位を走っている。オリオールズはやや失速気味だが、2位と0.5ゲーム差の3位。昨季地区最下位のレイズは貯金2で4位。開幕ダッシュに失敗したブルージェイズは地区最下位に沈んでいるものの、最近10試合で8勝2敗と盛り返し、借金を2まで減らして上位勢を猛追している。首位から最下位まで6.5ゲーム差。今季もこの地区では最後まで激しい地区優勝争いが続きそうだ。

    ア・リーグ中部地区:現時点では混戦も最終的には独走か


    ア・リーグ中部地区順位表:6月2日時点

     首位ツインズから最下位ロイヤルズまでが6ゲーム差の中にひしめき、ア・リーグで最も混戦となっている中部地区。アービン・サンタナ、ミゲル・サノーらの活躍でツインズが首位を走っているものの、ゲーム差なしで本命インディアンスが後を追っている。インディアンスはここにきて大黒柱コリー・クルーバーの戦列復帰など明るい材料もあり、今後は地力に勝るインディアンスが一気に首位を独走し始める展開も十分に考えられる。対抗馬の一番手と見られていたタイガースは借金3で3.5ゲーム差の3位。再建期真っ只中の4位ホワイトソックスはともかく、主力選手の多くが今季終了後にFAとなることもあって「最後の勝負イヤー」となるはずだった一昨年の王者ロイヤルズは借金8で地区最下位に沈んでおり、7月末のトレード・デッドラインまでに主力選手を放出してしまう可能性が高まっている。

    ア・リーグ西部地区:ほぼ終戦。116勝に迫るアストロズ


    ア・リーグ西部地区順位表:6月2日時点

     現在7連勝中のアストロズが2位エンゼルスに11.5ゲーム差をつけて首位を独走しているア・リーグ西部地区。アストロズは2001年マリナーズ以来となる快進撃を続けており、現時点での勝率は驚異の.704(シーズン114勝ペース)。1906年カブスと2001年マリナーズが打ち立てたシーズン116勝の歴代最多記録に迫るペースで勝利を重ねており、2位以下とのゲーム差を考えると、この地区はほぼ「終戦」と言っても過言ではないだろう。2位から最下位までの4チームは4ゲーム差の中にひしめく混戦。アストロズの背中を追い続けるのか、それとも来季以降に向けたチーム作りを始めるのか、各球団のGMは難しい選択・舵取りを迫られることになりそうだ。

    ナ・リーグ東部地区:メッツの自滅でナショナルズが独走状態


    ナ・リーグ東部地区順位表:6月2日時点

     昨季地区優勝のナショナルズに強力先発投手陣を擁するメッツが対抗する展開が予想されていたナ・リーグ東部地区。しかし、マット・ハービーが出場停止処分を受け、ノア・シンダーガードが故障で長期離脱するなどトラブル続きのメッツが半ば自滅する形となり、地区2位とはいえ借金6と期待外れ。リーグトップ、メジャー2位の勝率.635を記録しているナショナルズに独走を許してしまっている。ブルペン陣を補強し「台風の目になるのでは?」と期待されたマーリンズは借金10で地区4位に沈み、ブレーブスにすら先を行かれる苦しい展開。なお、地区最下位のフィリーズは借金17を抱え、勝率.333は両リーグワースト。2018年ドラフト全体1位指名権争いの先頭を走っている。

    ナ・リーグ中部地区:伏兵が首位を走るも最終的には予想通りの展開か


    ナ・リーグ中部地区順位表:6月2日時点

     王者カブスにライバル・カージナルスが対抗する展開が予想されていたナ・リーグ中部地区。しかし、現在首位を走っているのは再建期真っ只中だったはずのブリュワーズである。デービッド・スターンズGMは「再建のペースが速まっているのは良いことだが、そのことが我々の計画を変えるわけではない」と着実に再建を進める方針を明確にしており、欲を出して補強に走る可能性は低そうだ。ブリュワーズから1.5ゲーム差の2位カージナルス、さらにそこから1.5ゲーム差の3位カブスが最終的には地区優勝を争うことになるのではないだろうか。とはいえ、首位から最下位までメジャー最小の5ゲーム差という混戦地区なだけに、再建中の4位レッズはともかく、5位パイレーツにもまだまだ上位浮上のチャンスはあるだろう。

    ナ・リーグ西部地区:上位3チームが勝率6割台の最強地区


    ナ・リーグ西部地区順位表:6月2日時点

     ここ数年、ドジャースとジャイアンツの一騎打ちが続いていたナ・リーグ西部地区。ところが、ジャイアンツが大黒柱マディソン・バムガーナーの長期離脱もあってパドレスと同率で地区最下位に沈んでおり、地区優勝争いはここ数年とは異なった様相を呈している。本命ドジャースは首位と0.5ゲーム差の3位。勝率.600を記録しており、決して出遅れているわけではない。そのドジャースに0.5ゲーム差をつけて首位を走っているのがダイヤモンドバックスとロッキーズだ。両チームとも強力打線を擁し、前者はザック・グレインキーの復活やロビー・レイの成長、後者はアントニオ・センザテラ、カイル・フリーランド、ヘルマン・マルケスの新人トリオの頑張りによって投手陣が予想以上に健闘中。この両チームがどこまで本命ドジャースに食らいついていけるか、今後の展開に注目したい。

  • 【戦評】エース復活!インディアンス投手陣が圧巻の奪三振ショー

    2017.6.2 15:47 Friday

     ア・リーグ連覇、そしてその先にある栄光を目指すインディアンスに頼れるエースが戻ってきた。腰痛により5月3日に故障者リスト入りしていたコリー・クルーバーが約1ヶ月ぶりに戦列復帰。本拠地プログレッシブ・フィールドでのアスレチックス戦に先発し、エースの名に相応しい圧巻のピッチングを披露した。

     まずは1回表。復帰後の初球は1番マット・ジョイスへ投じた147km/hのシンカー。これをジョイスが打ち上げて、セカンドフライで1アウト。そしてここからクルーバーの奪三振ショーが幕を開ける。2番マーク・キャナに対してはカウント1-1からアウトローへのカーブを2球続けて空振り三振。3番ライオン・ヒーリーに対してはカウント1-2と追い込んだ後、真ん中低めへのカーブを投じて2者連続の空振り三振に斬って取った。続く2回表はクリス・デービス、ヨンダー・アロンゾ、チャド・ピンダーの3人からいずれもカットボールで空振り三振を奪い、なんと5者連続の空振り三振。本拠地プログレッシブ・フィールドに詰め掛けたファンの目の前でエース復活を強烈にアピールした。

     3回表は8番ラジェイ・デービスの内野安打と盗塁、1番ジョイスへの四球で二死一、三塁のピンチを迎えたものの、2番キャナを再びアウトローへのカーブで空振り三振に斬って取り、無失点。4回表、5回表は各1奪三振で三者凡退に抑え、6回表は先頭の9番アダム・ロサレスにヒットを許したものの、続く1番ジョイスを三振ゲッツーに抑えた後、2番キャナにはカーブを3球続けて3球三振を奪い、「彼のボールはよく動いていた。今日は何をやっても彼に対する解決策が見つからなかったよ」とキャナはすっかりお手上げ状態。故障明けということもあって6回限りでお役御免となったが、6回77球を投げて2安打10奪三振無失点と復帰戦を見事なピッチングで飾った。

     エースを援護したいインディアンス打線は3回裏に相手先発ジャーレル・コットンの暴投で1点を先制すると、6回裏に打線がつながり、一挙4得点。なお、6回裏にはレフトのスプリンクラーが誤作動するアクシデントが発生した。7回裏にもフランシスコ・リンドーアとマイケル・ブラントリーのタイムリーに相手のエラーが絡んで3点を追加し、8-0となって勝負あり。7回以降はブライアン・ショウ、ニック・グッディー、ダニー・サラザーの3人が計7奪三振とクルーバーに勝るとも劣らない奪三振ショーを披露し、チーム合計17奪三振で完封リレーを完成させた。開幕からなかなかエンジンがかからなかったインディアンスだが、現時点でア・リーグ中部地区首位のツインズとゲーム差なしの2位に肉薄。女房役のロベルト・ペレスが「彼が試合に戻ってきてくれたのは良いことだ。今日のピッチングは素晴らしかったね」と語ったように、エース復活がリーグ王者の快進撃スタートの狼煙となるかもしれない。

     なお、この試合が終わった時点でインディアンスのチーム奪三振率(9回あたりの奪三振数)は10.20となり、両リーグトップを快走中。ここ数年の三振増の傾向により、昨季ドジャースが奪三振率の歴代最高記録を更新(9.35)したものの、今季はインディアンス以外にもアストロズ、レッドソックスなど複数のチームが昨季のドジャースを上回る奪三振率を記録しており、2年連続での記録更新となりそうな気配が漂っている。メジャー全体の本塁打数と同様に、こちらの記録にも注目していきたいところだ。

  • 王者カブスに何が起きているのか

    2017.6.2 12:34 Friday

     「ヤギの呪い」を解き、108年ぶりのワールドシリーズ制覇を成し遂げた昨季のカブス。今季も開幕前の評価は高く、「カブス帝国を築くのではないか」との声すらあったほどだ。しかし、その王者が苦しんでいる。6月2日の時点で25勝27敗の借金2(ナ・リーグ中部地区3位)。カブスにいったい何が起きているのか。

    問題点1:先発投手陣の不振

     昨季のカブス先発投手陣は162試合のうち152試合をジョン・レスター(19勝5敗、防御率2.44)、ジェイク・アリエタ(18勝8敗、防御率3.10)、カイル・ヘンドリックス(16勝8敗、防御率2.13)、ジョン・ラッキー(11勝8敗、防御率3.35)、ジェイソン・ハメル(15勝10敗、防御率3.83)の5人で回し、両リーグベストの先発防御率2.96を記録していた。今季はそこからハメルが抜け(ロイヤルズへ移籍)、5番手候補としてドジャースから「故障さえなければ実力者」のブレット・アンダーソンが加入。しかし、アンダーソンは6先発で防御率8.18と期待を裏切り、5月7日には腰痛で故障者リスト入りしてしまった。その他の先発投手も軒並み精彩を欠いており、防御率2点台どころか3点台前半の投手すらいない状況。先発防御率は両リーグ22位の4.64まで落ち込んでしまっている。

    問題点2:カイル・シュワーバーの大不振

     2014年ドラフト全体4位指名で入団し、翌2015年に早くもメジャー昇格を果たして69試合で16本塁打、OPS.842を記録したシュワーバー。昨季は開幕直後に左膝前十字靭帯断裂の重傷を負って長期離脱したものの、ワールドシリーズで打棒健在をアピールして今季は「長打力と出塁能力を兼ね備えた1番打者」として大きな期待を背負っていた。ところが、開幕からなかなか調子が上がらず、4月は打率.204、3本塁打、OPS.677と低調な成績。5月は本塁打こそ5本放ったものの、打率.120、OPS.569とさらに成績は悪化し、マイナー降格を提案する声すら出始めている状況だ。「ベン・ゾブリストをレフトに固定する」、「クリス・ブライアントのレフトでの出場機会を増やす」など、チーム内には様々なオプションが存在するだけに、シュワーバーへの処遇に注目が集まっている。

    問題点3:守備力の低下

     昨季のカブスは両リーグ断トツとなるDRS(守備防御点)+82を記録。強固なディフェンスが強力投手陣をバックから支えていた。今季は現時点で両リーグ6位タイのDRS+10にとどまっており、ここでもシュワーバー(レフトでDRS-5)が大きな穴となっている。同じ外野では主にジョン・ジェイらが起用されているセンターのDRSも悪化しており、ライトでメジャー屈指の守備力を発揮しているジェイソン・ヘイワードをセンターで起用しなければならないという悪循環にもつながっている。ヘイワードをライトに固定できる状況がベストではあるものの、ベテランのゾブリストや三塁が本職のブライアントに外野の両翼はまだしも、常時センターを任せるわけにもいかず、ジョー・マドン監督は日々頭を悩ませていることだろう。

    問題点4:リーグワーストの得点圏打率.209

     昨季はリーグ2位の808得点を叩き出したカブス打線だが、今季は得点力がリーグ平均レベルまで落ちている(リーグ8位の240得点)。チーム打率がリーグ13位の.235と低迷していることが主な原因であることは間違いないが、リーグ2位の208四球を選ぶなど決してチャンスの数が少ないわけではなく、「あと一本」がなかなか出ないことが得点力の低下に繋がっていることも否めない。ただし、昨季の得点圏打率も両リーグ21位の.252にすぎず、得点圏打率の低迷をチーム低迷の要因に挙げるのはやや誇張しすぎかもしれない。

    問題点5:頼れる1番打者の不在

     昨季はデクスター・ファウラーが不動の1番打者として活躍していたため、チーム全体として1番打者は出塁率.381、OPS.815の好成績を残していた。ところが、今季は新たな1番打者として期待されていたシュワーバーが大不振に喘ぎ、ここ最近はゾブリストにその座を譲ることが多くなっている。シュワーバーの大不振の影響もあり、チーム全体の1番打者の成績は打率.210、出塁率.315、OPS.721と昨季から大幅に悪化。1番打者の不振がチームの得点力低下に繋がっていることは間違いないだろう。今後はゾブリスト以外にもヘイワード、ジェイ、ハビアー・バイエズ、新人イアン・ハップなど様々なオプションを試していくことになりそうだ。

     上記以外にも主砲アンソニー・リゾーや昨季95打点を叩き出したアディソン・ラッセルらが打率.230にすら満たない不振に苦しむなど、チーム全体として元気がない状態が続いている。しかし、幸運なことにナ・リーグ中部地区では低レベルなペナントレースが続いており、経験豊富なマドン監督が率いる才能豊かなチームは、実績のある主力選手の復調や余剰戦力をコマにした戦力補強によって、遅かれ早かれ地区優勝争いに加わってくるのではないだろうか。

  • 【戦評】ウェインライトの投打にわたる活躍で貯金1

    2017.6.2 10:33 Friday

     カルロス・マルティネスの好投で勝率を5割に戻したカージナルスは本拠地ブッシュ・スタジアムでの対ドジャース4連戦、最終戦のマウンドに通算139勝を誇るベテラン右腕アダム・ウェインライトを送り込んだ。一方のドジャースはここまで8先発で5勝1敗、防御率3.28と安定した投球を続けているブランドン・マッカーシーが先発のマウンドへ。所属地区の上位につける両チームの対戦は、前日に続く投手戦となった。

     1回表、ウェインライトは先頭のクリス・テイラーから三振を奪うと、続くコリー・シーガーとコディー・ベリンジャーを内野ゴロに打ち取り、上々の立ち上がり。対するマッカーシーは2安打を許して二死一、三塁のピンチを背負ったものの、5番ヤディアー・モリーナをインハイへの速球でキャッチャーへのファウルフライに打ち取って事なきを得た。

     試合が動いたのは2回裏。カージナルスは一死から好調の新人ポール・デヨングがセンターへのヒットで出塁し、続くアレドミス・ディアスは投手ゴロに倒れたものの、二死二塁のチャンスを迎える。ここで打席に立ったのがウェインライト。カウント2-2と追い込まれたあとの5球目、真ん中低めのカーブをしっかり捉え、セントルイスの野球ファンの大歓声の中、打球はレフトスタンドに吸い込まれた。今季2本目となるウェインライトの先制ツーランは通算10本目となる記念の一発。昨季18打点でDH制導入後の投手による最多打点記録を更新した男が、自慢のバットで貴重な先制点を叩き出した。

     3回以降もウェインライトはドジャース打線に連打を許さない安定したピッチングを続け、101球を投げて6回4安打6奪三振無失点。5月14日から4先発連続でクオリティー・スタートを達成し、その間26.1回で1失点(防御率0.34)と抜群の安定感を見せている。開幕直後に7点台まで跳ね上がった防御率も3.79まで向上。一時は限界説も囁かれたベテラン右腕が自身の健在ぶりを見せつけた、見事なピッチングだった。

     カージナルスは毎回のように走者を出しながら追加点を奪えなかったものの、7回表をマット・ボーマン、8回表をトレバー・ローゼンタール、そして最終回を守護神オ・スンファンが無失点で繋ぎ、4投手による完封リレーでドジャースに連勝。貯金を1として、ナ・リーグ中部地区の首位を走るブリュワーズとの1.5ゲーム差をキープした。一方、敗れたドジャースはこの日勝利したロッキーズに抜かれ、ナ・リーグ西部地区首位の座から陥落。右手人差し指のまめで降板したマッカーシーのあとを受けたブルペン陣が4回無失点と好投したものの、その頑張りに打線が応えることができなかった。

  • 歴代最多ペースで本塁打量産中

    2017.6.1 16:30 Thursday

     昨季は歴代2位となる5610本塁打が飛び出し、歴代最多記録である5693本塁打(2000年)を超えるのではないかと騒がれたが、開幕から2ヶ月が経過した今季は歴代最多記録の更新どころか、6000本塁打に迫ろうかというペースで本塁打が量産されている。

     4月は延べ738試合で863本塁打が飛び出し、2000年4月の931本塁打に次ぐ歴代2番目となる本塁打数を記録。復活を遂げたライアン・ジマーマン(ナショナルズ)、韓国球界から逆輸入されたエリック・テームズ(ブリュワーズ)、2015年の後半戦から本塁打量産を続けているクリス・デービス(アスレチックス)、若き大砲アーロン・ジャッジ(ヤンキース)の4選手が早くも2桁本塁打に到達した。

     5月に入ると本塁打量産のペースはさらに上がり、延べ842試合で1060本塁打が飛び出した。キャリア最多が9本塁打(2012年)だったヨンダー・アロンゾ(アスレチックス)は今季すでに14本塁打を放ち、マイク・トラウト(エンゼルス)、ブライス・ハーパー(ナショナルズ)といった実力者のみならず、ジャッジ、ジョーイ・ギャロ(レンジャーズ)、コディー・ベリンジャー(ドジャース)ら新鋭やスコット・シェブラー(レッズ)、マーウィン・ゴンザレス(アストロズ)ら伏兵たちも本塁打を量産。歴代月間最多本塁打記録は2000年5月の1069本塁打だが、もう少しで2017年5月は「メジャーリーグ史上で最も本塁打が多かった月」になるところだったのである。

    5月の特大本塁打集

    今年5月は歴代2番目に多い1060本塁打が飛び出した

     再び「打高投低」の時代に突入したのかというと決してそのようなことはなく、むしろ平均球速の上昇などによって打率は低下し、三振は増加している。本塁打増の傾向は昨季から始まっているが、その中で目を引くのがHR/FB(フライの打球に占める本塁打の割合)とHard%(強い打球の割合)の上昇である。160km/hを超える速球を投げる投手が珍しくなくなり、150km/h台の変化球を投げる投手も登場する中、ヒットを打つのが難しくなり、三振も増加した。投手のレベルアップが「つなぐ攻撃」を困難なものとし、その結果、打者たちは「三振を恐れず、強い打球を打つことを心掛けるようになった」ということがこれらのデータから推測できる。アロンゾやジェッド・ジョーコ(カージナルス)のように適切な角度で強い打球を打つことを意識していることを明言している打者もおり、投手のレベルアップに対応するために各打者が打撃のアプローチに何らかの変更・修正を加えていることは間違いなさそうだ。そして、それがメジャー全体の本塁打増につながっているのである。

     2000年は5月末までに2000本を超える本塁打が飛び出したものの、空気の乾燥やセプテンバー・コールアップの影響によって本塁打が増えるはずの夏場以降に失速。最終的には5693本塁打にとどまった。一方、昨季は夏場にペースが上がり、8月以降に2000本以上の本塁打が飛び出して2000年の歴代最多記録に迫った。今季は現時点でシーズン5900本塁打を超えるペースとなっており、もし昨季同様に夏場に本塁打量産のペースが上がるようなことがあれば、シーズン6000本塁打という大台すら見えてくる。優勝争い、タイトル争いの行方はもちろんのこと、今季のメジャーリーグは歴代最多本塁打記録更新の可能性からも目が離せなくなりそうだ。

    《歴代月間最多本塁打記録》
    1位 2000年5月 1069本塁打
    2位 2017年5月 1060本塁打
    3位 2016年8月 1053本塁打
    4位 2015年9/10月 1034本塁打
    5位 2004年8月 1033本塁打

    《5月の月間最多本塁打記録》
    1位 2000年 1069本塁打
    2位 2017年 1060本塁打
    3位 1999年 980本塁打
    4位 2016年 965本塁打
    5位 2006年 911本塁打

  • 【戦評】復帰初戦でパクストンが快投を披露

    2017.6.1 15:19 Thursday

     開幕から23イニング連続無失点を記録し、5月2日までの6先発で3勝0敗、防御率1.43と好スタートを切ったマリナーズのジェームズ・パクストン。5月5日に左前腕痛で故障者リスト入りし、約4週間にわたって戦列を離れていたが、「ブレイク候補」として期待される大型左腕が久々に先発のマウンドに戻ってきた。

     マリナーズは好調ロッキーズとの4連戦中。敵地クアーズ・フィールドで連勝し、パクストンは舞台を本拠地セーフコ・フィールドに移しての3戦目に先発した。復帰戦の初球は155km/hのフォーシームで見逃しストライク。初回はチャーリー・ブラックモンをレフトフライ、DJルマイユを空振り三振、ノーラン・アレナドをライトフライに打ち取り、三者凡退の順調な立ち上がりとなった。2回以降も好投を続け、5回までに打たれたヒットは3回表にトニー・ウォルターズに許した一本のみ。6回表に一死からウォルターズとブラックモンに連打を浴びてスティーブ・シシェクにマウンドを譲ったものの、復帰初戦は74球を投げて5.1イニングを3安打6奪三振無失点の見事なピッチング。離脱前の最終先発では5.1イニングで5四球を与えたが、この日は無四球と制球も安定し、完全復活を予感させるのに十分なピッチングとなった。

     復帰初戦のパクストンを援護したいマリナーズ打線はここまでナ・リーグ最多タイの7勝を挙げている新人右腕アントニオ・センザテラを攻略し、2回裏にダニー・バレンシアとマイク・ズニーノのタイムリーツーベースで3点を先制。5回裏にはベン・ギャメルがレフトへタイムリーを放って4点目。7回裏にも2番手ジョーダン・ライルズからギャメルが犠牲フライを放って5-0とし、快投を披露したパクストンに十分な援護点をプレゼントした。

     マリナーズはパクストン、シシェクのあと、8回表をジェームズ・パゾス、9回表をニック・ビンセントが無失点に抑え、4投手による完封リレーで4連勝。首位アストロズに独走を許しているマリナーズだが、今後はフェリックス・ヘルナンデスや岩隈久志の戦列復帰も見込まれており、徐々に追撃態勢を整えつつあるマリナーズの反攻に期待したい。

  • 【戦評】ファウラーの決勝弾でカージナルスが連敗ストップ

    2017.6.1 12:41 Thursday

     一時は地区首位に立ちながら、直近13試合でわずか3勝。昨日まで3連敗で借金生活に突入するなど、なかなか波に乗れないカージナルス。本拠地ブッシュ・スタジアムにドジャースを迎えた4連戦の第3戦は、エースのカルロス・マルティネスが連敗脱出をかけて先発のマウンドに上がった。

     先頭のローガン・フォーサイスに四球を与え、続くコリー・シーガーにセンター前ヒットを浴びていきなり無死一・二塁のピンチを背負うなど、やや不安定な立ち上がりとなったマルティネスだが、3番ヤスマニ・グランダルを空振り三振、4番エイドリアン・ゴンザレスをショートへの併殺打に打ち取って勢いに乗る。6回表に一死一、三塁からゴンザレスの犠牲フライで1点こそ失ったものの、8回まで連打を許さず、8回4安打9奪三振1失点の見事なピッチング。これで5月は全6先発でクオリティー・スタートを記録し、月間防御率2.03とエースの重責をしっかり果たした1ヶ月となった。

     マルティネスの好投に応えたい打線は2回裏に売り出し中の新人ポール・デヨングがセンター後方へタイムリーツーベースを放ち1点を先制したものの、その後はドジャースの先発リュ・ヒョンジンを打ち崩すことができず、なかなか勝ち越し点を奪えない。しかし、8回裏、不振に苦しむ新戦力デクスター・ファウラーがドジャースの2番手ロス・ストリップリングの甘く入ったスライダーを豪快にライトスタンドへ叩き込み、8回を投げ切ったマルティネスもベンチ前で大はしゃぎ。カージナルスが待望の勝ち越し点を手にした。

     最後は守護神オ・スンファンが締めて試合終了。カージナルスが接戦を制し、連敗を3でストップして勝率を5割に戻した。好投したマルティネスは4勝目(4敗)、オ・スンファンは12セーブ目を記録。一方、決勝弾を浴びたストリップリングは3敗目(0勝)を喫し、ドジャースの連勝は6でストップした。

  • エイドリアン・ベルトレ レイズ戦で今季初出場

    2017.5.30 11:30 Tuesday

     メジャーリーグが開幕して約2ヶ月が経とうとしている。去る春季キャンプやWBCなどで故障し、戦列を離れていた選手達が徐々に戻ってくるようになった。現在、ア・リーグ西地区3位のレンジャーズでは右ふくらはぎを痛めていたエイドリアン・ベルトレが日本時間30日のレイズ戦で4番・三塁手として出場している。

     ベルトレは通算2942安打を記録している球界を代表する打者の1人で38歳のベテラン。3月に開催されたWBCではドミニカ共和国代表として参加したものの4試合に出場し、打率.067 1安打1得点と不振だった。その後、右ふくらはぎを痛めて故障者リスト入りしていた。

     ふくらはぎのケガも癒え、迎えたレイズ戦。今季初打席は1回表、無死二塁のチャンスの場面で回ってきた。対するは前日のブルージェイズ戦でセーブを挙げたエラスモ・ラミレスで先発とリリーフを両方こなす投手だ。カウント1-2で迎えた5球目、91マイルのツーシームを捉えて右安を記録した。ちなみにベルトレ自身の「開幕戦」では3年ぶりとなる安打となった。

     その後は3回の第二打席では投ゴロ、5回の打席では右飛に倒れて6回時点で3打数1安打の成績だ。試合は初回、レイズがエバン・ロンゴリアの遊ゴロの間に1点を先制するもその裏にレンジャーズが3点を取って逆転。2回にジョーイ・ギャロの16号本塁打などで3点をリードするが先発のマーティン・ペレスが5回までマウンドに上がるも5失点と試合をつくることができなかった。

     現在、5対5の同点で試合は続いている。

  • マディソン・バムガーナー 6月から投球再開へ

    2017.5.29 07:30 Monday

     ナ・リーグ西地区に所属するジャイアンツは現在4位と本来の調子ではない。この要因として考えられるのはマディソン・バムガーナーの離脱だろう。それでも先発防御率は4.42とナ・リーグ7位と中間の位置にいる。またチームとしても彼が抜けた時点では地区最下位だったが、今では順位を1つ上げて1日でも早いエースの帰還を待っている。そのような中、バムガーナーが日本時間6月3日から投球練習を再開する予定だ。

     これはブルース・ボウチー監督が明らかにしたもの。バムガーナーは日本時間4月21日、遠征先のコロラド州デンバーで休暇を満喫していたところバイク事故に遭い、左肩を痛めて故障者リスト入りをした。完治までに6週間ほどでオールスター明けには復帰できる見込みだという。その前にマイナーリーグでリハビリを兼ねて5試合に登板する。

     ボウチー監督は「すべてはバムガーナーのケガの回復具合次第だ」として明確な復帰日については言及しなかった。ガムガーナーは今季、4試合に登板して3敗 防御率3.00とまだ白星はついていない。開幕戦となった日本時間4月3日のダイヤモンドバックス戦では投手として勝利はならなかったものの、1試合2本塁打とバットでファンを魅了した。

     現在、地区4位のジャイアンツ。エースの穴を選手全員で埋めており、バムガーナーが復帰するまではどれだけ巻き返しができるのかチームの底力が試されている。

  • キューバの有望株 ルイス・ロベルトのホワイトソックス入団が決定

    2017.5.28 09:50 Sunday

     メジャーリーグが開幕してもうすぐ2ヶ月が経とうとしている。この間にメジャーの複数球団関係者が大谷翔平(北海道日本ハム)を視察するなど既に来季に向けての選手獲得合戦は始まっている。スカウト達は世界中をまわり、有望選手を発掘する必要がある。そこでホワイトソックスはキューバ出身の19歳外野手であるルイス・ロベルトと正式契約を結んだと発表した。

     ロベルトは大谷に次ぐ逸材として以前から大きな注目を浴びていた選手。右投右打で本職はセンターであり、パワーと足の速さが武器だ。昨年はキューバリーグで53試合に出場し打率.401 本塁打12 打点40 盗塁11の成績を残している。過去には来日経験もあり、2015年のU-18ワールドカップでキューバ代表の一員としてプレーしていた。

     入団会見に臨んだロベルトはチーム「このチームに入団できたことを誇りに思う。気分がいいよ」と喜びを語っている。母国のキューバを離れる際、多くの障害があったというが、それらをすべて乗り越えたこともあり、入団できた喜びが倍増しているようだ。彼はまずマイナーリーグからのスタートになるが、経験を積んで夢のメジャーの舞台を目指す。

     チームには同じキューバ出身のホセ・アブレイユとヨアン・モンカダがいることもあり、彼らは心強い存在になる。ちなみにロベルトの背番号は「1」に決まった。近い将来、3人でホワイトソックスのクリーンナップを担う可能性もあるかもしれない。ここから19歳の有望株・ロベルトの新たな野球人生をスタートするのだ。

  • 田中 将大 メジャー自己最多13奪三振も勝ち星ならず

    2017.5.27 12:00 Saturday

     昨日の日本時間26日の試合では前田健太(ドジャース)が投打にわたる活躍で今季4勝目を挙げた。初回から3点を失うも徐々に調子をあげ、4回には自らのバットで逆転に成功する適時打を放っている。その一方で同級生の田中将大(ヤンキース)も負けてはいられない。当初は前日に登板する予定も雨天で試合が流れて本日27日のアスレチックス戦でスライド登板となった。

     直近2試合は合計で14失点と両試合とも5回もたずに降板しており、今後の投球を心配する声があった。だが、今回の試合では当時とはまるで別人のように三振の山を築いていった。それでも8回途中1失点13奪三振の好投も味方の援護がなく、田中自身、3連敗となってしまった。

     対するアスレチックスは3試合に登板し、3勝 防御率1.31と相性がよい。この利点をいかし、初回の田中は持ち味の奪三振能力を発揮した。先頭打者のラージェイ・デービスをスプリットで、続くマット・ジョイスをスライダーで連続三振に打ち取る。しかし、3番のジェド・ローリーに二塁打を浴びてしまう。いきなり2死二塁のピンチで迎えるはクリス・デービス。今季14本塁打を放っている打者だが、田中はスライダーで空振り三振に抑え、この回のアウトはすべて三振と幸先のよいスタートを切った。

     その後は3イニング連続で2者から三振を奪い、、中盤5回を終えて9奪三振と圧巻の投球をみせていた。そんな彼を援護したいヤンキース打線はアスレチックス先発・ショーン・マナイアの前に5回2安打と抑えられており、田中にとって我慢の投球が続く。

     6回もジョイスとデービスから、7回にはリオン・ヒーリーから三振を奪い、今季初の2桁奪三振を記録した。7回まで無失点の好投も1死からアダム・ロサレスにレフトへのヒットを打たれた時点で田中はマウンドを降りた。

     後を継いだタイラー・クリッパードのけん制悪送球も重なり、田中は1点を失った。中継ぎ陣が打ち込まれ、後半2イニング合計で4失点。打線も最終回にディディ・グレゴリアスの犠飛で1点を返すも反撃は及ばず、ヤンキースが4対1で敗れた。

     味方の援護がなく4敗目を喫した田中だったが、彼の好投を惜しむ声が多く、次回登板に期待がもてる投球となった。次は自身の連敗を止めたいところだ。

  • 前田健太 DLからの復帰登板は投打にわたる活躍で勝利

    2017.5.26 15:00 Friday

     日本時間5月26日は前田健太(ドジャース)にとっての故障者リストから復帰する重要な試合だ。これまでは左太ももの張りで戦列を離れていたが、デーブ・ロバーツ監督によれば彼に休養を与える意味もあり今後を左右するようなケガではない。約2週間ぶりの登板となったカージナルス戦では5回3失点でマウンドを降りた。

     対するカージナルスに対しては昨年、1試合に登板して勝利している相性のよい相手だ。勝利のためには課題の立ち上がりをクリアする必要がある。今季の前田は初回に5失点 防御率6.43を記録しており注意したいイニング。その初回は先頭打者のデクスター・ファウラーにセンターへのヒット、続くトミー・ファムに四球を与えて無死一・二塁のピンチを招く。アウトを1つ挟んで迎えた4番のジェド・ジャーコに初球のカーブを打たれ、これが適時二塁打となり2点を失った。次打者のヤディアー・モリーナにも安打を浴びて初回3失点と苦しい回となった。

     3回にはギャーコとモリーナに連続安打を打たれるも後続を3者凡退に抑え初回の失点から立ち直りを見せ、打線の奮起を待つ。1対3で迎えた4回には2死一・三塁からヤシエル・プイグがライトへの適時打を放ち、1点差に詰め寄る。そして彼の次に打席に立ったのは前田。6球粘り、7球目のカーブを三塁線に運んで今季初2点適時打を記録し、自らのバットで4対3と逆転に成功した。その後も相手のバッテリーミスもあり、6点目を加えた。

     前田は5回もマウンドに上がり、走者は出すも1死一塁からモリーナを1-6-3のダブルプレーに抑えて無失点で切り抜け、この回でお役御免。78球を投げて7安打3失点と後続に後を託した。

     彼が降板してからも打線は活発で6回にはエイドリアン・ゴンザレスの二塁打が飛び出して7点目をもぎ取る。前田の後に登板したリュ・ヒョンジンが試合終了まで投げてメジャーセーブを挙げる「アジアンリレー」で3対7とドジャースが勝利を収めた。

     先発の前田は今季4勝目で故障者リストからの復帰戦を見事勝利で飾った。

  • デービッド・プライス 日本時間30日に先発登板へ

    2017.5.26 10:00 Friday

     現在、ア・リーグ東地区3位のレッドソックス。昨日25日はクリス・セールの9試合連続2桁奪三振のメジャー記録がかかっていたが、惜しくも達成することはできなかった。それでもチームは3連勝と2位のオリオールズに1ゲーム差と迫っている。地区優勝のためには先発投手の力が絶対不可欠。だが、先発防御率は4.47とア・リーグ11位と成績が良くないため、1人でも多く実績のある投手をローテーションに加えたいところだ。そのような中、デービッド・プライスが戦列復帰するという朗報が飛び込んできた。

     プライスは31歳の先発左腕で2012年には20勝5敗の成績でサイ・ヤング賞に輝いた実績をもつ。レッドソックス移籍初年度となった昨年も17勝を挙げて先発陣の中心として活躍した。だが、春先に左ひじの痛みを訴えて故障者リスト入りしており、ここまでのメジャー登板はなかった。

     その後はリハビリのためトリプルAの試合に登板している。通算成績は2試合で5回2/3を投げて9失点。数字だけを見ると心配な成績ではあるが、球数も徐々に増やし、メジャー復帰も目前とされていた。そこで球団はプライスの日本時間30日に行われるホワイトソックス戦での今季初登板を明言した。

     現在、彼の身体の調子もよく本人も「レッドソックスの先発に戻ることができてうれしい。とても興奮しているよ」と登板を心待ちにしている様子だ。チームのローテーションはセールをはじめ、リック・ポーセロやエドゥアルド・ロドリゲス、ドリュー・ポメランツ、そしてスティーブン・ライトの5人でまわしている。この中にプライスも加われば2013年以来のワールドシリーズ制覇に向けて前進することができるだろう。

     試合展開にもよるが、果たしてプライスはどれほどのイニングを投げるのだろうか。たとえトリプルAで調整登板をしているとはいえ、勝利できるかどうかは未知数だ。それでもチームもファンも心待ちにしていた選手の復帰は大きな力になるはずだ。

  • クリス・セール 9試合連続2桁奪三振ならず

    2017.5.25 11:00 Thursday

     日本時間5月25日、メジャーリーグではある大記録の達成の可能性があった。それはクリス・セール(レッドソックス)の9試合連続2桁奪三振のメジャー新記録で前回登板のアスレチックス戦で1999年のペドロ・マルティネス(当時レッドソックス)と2015年のセール自身が樹立した記録に並んでいた。そして迎えた運命のレンジャーズ戦。新記録まであと4個と迫ったがあと一歩及ばなかった。

     セールは今季、ホワイトソックスからトレード移籍した先発左腕。2013年から4年連続でシーズン200奪三振以上を記録している「奪三振マシーン」だ。移籍初年度の今年もその力は衰えることを知らず、日本時間4月11日のタイガース戦から全8試合で2桁奪三振と好調を維持している。また、通算の奪三振率をみても10.25と驚異的な数字だ。

     本拠地・フェンウェイ・パークでの新記録達成に向けて始まった本日25日のレンジャーズ戦。先頭打者のデリノ・デシールズを97マイルのツーシームで空振り三振に抑え、幸先の良いスタートを切る。その後、3番のエルビス・アンドルスを2ボール・2ストライクと追い込むも三振は取れず、ライトフライとなった。

     そしてここからがセールの本領発揮。2回にはルーグネット・オドーアとマイク・ナポリを2者連続三振、3回はロビンソン・チリノス、続く4回はまたしてもオドーアを三振に抑え、中盤の5回を終えて5つの三振を奪った。だが、その間にアンドルスの犠牲フライやナポリの本塁打などで3点を失い、レッドソックスは3対1とリードを許していた。

     試合後半となった7回にはライアン・ルアをチェンジアップで三振に抑えてこの日、6つ目。彼の好投を援護しようとレッドソックス打線はその裏に6安打7得点と猛打を発揮して3対8と逆転に成功した。しかし、8回もマウンドに上がったセールはチュ・シンスに適時打を浴び、4点目を失ったところで降板となった。

     この日の成績は8回途中、97球6安打4失点。このまま試合が終わればセールは今季5勝目を挙げることになるが、大記録達成とはならなかった。それでもシーズンはまだ序盤。今後も再挑戦する機会は何度もある。

  • スランプに陥っている田中将大 指揮官は復調を期す

    2017.5.23 10:30 Tuesday

     5月に入り、日本人選手の不調や故障が目立っている。岩隈久志(マリナーズ)は右肩炎症、田澤純一(マーリンズ)はわき腹を痛めて故障者リスト入り。前田健太(ドジャース)は左太ももの張りで戦列を離れているが、日本時間26日のカージナルス戦での復帰が決まった。その一方で心配な投球が続いているのが田中将大(ヤンキース)だ。

     田中は日本時間21日のレイズ戦で登板するも4回途中9安打6失点で試合をつくることができず、敗戦投手になっている。また、その前のアストロズ戦でも2回まで8失点と大量失点。5月の時点ですでに被本塁打数は13本となり、防御率も6.56と悪化した。

     直近2試合で14失点とヤンキースのエースとしては心配な投球が続く田中。これを受けて指揮官のジョー・ジラルディ監督は「彼は長いスランプに陥っているが、これまでの田中はヤンキースで多くの成功を収めてきた。身体的には問題ないため後はどのように投球を修正していくかが重要だ」と復調を待っている。

     チームのラリー・ロスチャイルド投手コーチは「田中は投球を修正しようと色々なことを試みてはいるが、時間がかかるようだ」と日頃の動きをチェックしている。ちなみに田中の次回登板は日本時間26日のロイヤルズ戦。これまでは2試合で勝敗なし、防御率6.00の成績を残している相手だ。果たしてスランプを脱出しエースとしての信頼を取り戻すことができるか、彼の投球に注目が集まる。

  • 元NFL選手のティム・ティーボウ シングルAで修行中

    2017.5.22 11:30 Monday

     メジャーリーグは日本球界と違い、ピラミッド型の組織を形成している。メジャーを1軍と位置つけるならば球団によっては8軍まである場合もある。ドラフトで入団する選手や経験が少ない選手達はほとんどの場合、ルーキーリーグやシングルAから経験を組むことになる。今年、注目されている選手の1人としてメッツに所属するティム・ティーボウが挙げられる。

     ティーボウは29歳の外野手で昨秋にトライアウトを経て入団した選手。彼は元々、アメリカンフットボール(NFL)でクォーターバックとして活躍していた実績を持ち、ドラフト会議では1巡目指名を受けたこともある。昨年8月に野球転向を表明してメッツに入団していた。

     去るスプリングキャンプでは結果が振るわず、シングルAで開幕を迎えていた。それでも29歳のオールドルーキーは他競技で培った力を野球でもいかんなく発揮する。その見せ場こそ、公式戦の初打席だった。日本時間4月7日に行われたジャイアンツ傘下のオーガスタ・グリーンジャケッツ戦では7番・レフトとしてスタメン出場するといきなり左中間スタンドへボールを飛ばして野球転向後初本塁打を記録して全米を驚かせた。

     その後は野球の壁にぶつかっているのか35試合に出場して打率.230 本塁打3 打点14の成績を残している。しかし、日本時間22日に行われた試合では約1ヶ月半ぶりの一発を放ったという。現在、打率こそ低めではあるが、出塁率は.319で少しずつ数字を伸ばしている。まだシーズンも序盤であり、今後の活躍によって彼のメジャー昇格が早くなる可能性もある。それは彼自身の打撃次第だが、確実にその階段を登っている。

  • 田中 将大 4回途中6失点で3敗目

    2017.5.21 12:25 Sunday

     メジャーリーグのシーズンも5月後半に突入。今季開始前、下馬評では下位予想されていたヤンキースは今月は6連勝を飾っていたが、最近では連敗と調子を落とし気味だ。迎えたレイズ3連戦の初戦は4対5と敗れたものの、この2戦目ではなんとしても勝利したいところだ。そこで連敗ストッパーとして先発マウンドに上がった田中将大だったが、前回登板と同様に一発に沈んだ。

     初回のマウンドでは先頭打者のコリー・ディカーソンにいきなり被弾する。シンカーとストレートで2ストライクと簡単に追い込んだが、3球目の直球をレフトスタンドへ運ばれいきなり1点を失った。ちなみに前回登板となった日本時間15日のアストロズ戦でジョージ・スプリンガーに先頭打者弾を浴びていた。ディカーソンに打たれた後は崩れることなく3人の打者を打ち取っている。

     ヤンキース打線は2回、アーロン・ジャッジの15号ソロで1対1の同点に追いつく。試合が振り出しに戻った田中が迎える2回は三振を2つ奪うも2死一・二塁のピンチを迎え、ヘスス・スークレに二塁打を打たれて2点目をとられた。不安定な投球が続く田中。3回にもエバン・ロンゴリアに6号ソロを打たれ、1対3とさらにリードを広げられた。

     打線も田中に勝ちをつけようと奮起する。4回、2死二・三塁からチェイス・ヘッドリーのセンター方向への二塁打で3対3とまたしても同点。彼らの援護に応えたい田中は4回のマウンドにも上がったが、初回に先頭打者弾を喰らったディカーソンにこの日、2本目となる一発を浴びてこの回のみで3失点。その後も2連打を打たれたところで交代となった。

     この日の成績は4回途中9安打6失点。彼の降板後も打線はじわじわと点差を詰めるも反撃は及ばず5対9で敗れ、チームは今季3度目の3連敗となった。また、田中自身も2連敗で今季3敗目を喫した。これで今年の被本塁打数は13本、防御率も6.56と悪化した。4月から5月にかけて5連勝を記録したエースの姿は今、影を潜めている。

  • ジェイムソン・タイヨン ガンと闘う不屈の男

    2017.5.20 10:30 Saturday

     メジャーリーグが始まって早1カ月半が経過し、首位を独走するチームと故障者に泣かされ、本来の力を発揮できていないチームの明暗が分かれてきた。現在、ナ・リーグ中地区最下位のパイレーツの故障者こそ3人ではあるが、スターリング・マルテの出場停止処分やカン・ジョンホがチームに合流できないなど事情が重なっている。それでもチームは戦うしかない。現在、精巣がんで故障者リスト入りしているジェイムソン・タイヨンも同じくして「試練」と戦っている。

     タイヨンは25歳の先発投手で昨年、メジャーデビューを果たした期待の若手。6月初旬に初昇格すると18試合で5勝を挙げてチームの先発ローテーションの一角を担い活躍した。今季も6試合に登板して2勝と貴重な戦力になっていたが、去る日本時間5月3日夜に体の不調を訴えて検査の結果、精巣ガンの疑いが発覚。その後、9日に手術を受けていた。

     本人はガンの知らせを受けた当時のことを「まるで映画の中にいるようだった」と振り返っており、次に浮かんだ考えとしては「治るためには一体、何をすべきなのか」ということだったという。手術後はガンの進行度を知るためにCTスキャン実施。検査結果としては良好だったようだ。

     現在は本拠地であるPNCパークも利用しながらリハビリに励んでいる。チームを率いるクリント・ハードル監督は「タイヨンは何が起こっても彼自身で物事を決断する。私たちも彼のためにできる限りのことをする」と支援を表明している。

     過去、タイヨンは2014年にトミー・ジョンとヘルニアの手術を経験しており、多くの逆境を乗り越えてきた。持ち味の強気の投球同様に試練に立ち向かっていくことだろう。チームメイトもピンクのリストバンドを付けながら1日でも早い彼の復帰を願っている。

  • 田澤 純一が10日間の故障者リスト入り

    2017.5.18 13:00 Thursday

     5月に入り復調の兆しが見えかかっていた日本人選手達だが、最近は逆に故障者リストに入る選手が増えてきた。岩隈久志(マリナーズ)は右肩の炎症で4週間から6週間の離脱、前田健太(ドジャース)は左太ももの張りで戦列を離れている。ただし、前田に関しては休養させる意味合いもあり、本人も「大丈夫」と話している。しかし、新たに田澤純一(マーリンズ)がわき腹痛のために故障者リスト入りした。

     田澤は今季からマーリンズに移籍したがここまで成績が芳しくなく、16試合に登板して1勝1敗 防御率6.60の成績を残していた。日本時間16日のアストロズ戦ではユリエスキ・グリエルに満塁弾を浴びるなど1回2安打4失点で敗戦投手となった。

    本人によると呼吸しづらい状態だという。現時点での復帰時期は未定であり、ひとまず10日間の故障者リストに入って治療に専念することになる。

     今のチーム状況もよいとは言えず、4月下旬にナ・リーグ東地区2位にいた時期もあるが5月に入ってからは最下位に沈んでいる。特に投手陣が苦戦しており、チーム防御率は4.50でナ・リーグ10位だ。田澤が満塁弾を浴びた翌日の試合では先発のトム・コーラーが5回もたず8失点するなど試合をつくることができず、トリプルAのニューオリンズに降格することが決まった。彼の代わりにオドリサメル・デスパイネとブライアン・エリングトンの昇格が発表されている。

     トリプルAから選手補強をしたが、田澤のほかにもチェン・ウェインやジェフ・ロックも故障者リスト入りしておりチームにとってさらに苦しい状況が続きそうだ。

  • クレイトン・カーショー 7回3安打無失点で今季7勝目

    2017.5.18 11:05 Thursday

     ナ・リーグ西地区の看板試合として挙げられるのがジャイアンツとドジャースの一戦だ。両チームは前身球団時代も含めると1890年から2400回以上を戦っており、通算成績では日本時間5月17日時点でジャイアンツが1238勝1203敗と勝ち越している。そして今季はここまで6勝3敗とこちらもジャイアンツがリード中だ。

     地区連覇に向けて勝ち越したいドジャースは迎えた対ジャイアンツ10回戦の先発はエースのクレイトン・カーショー、一方のジャイアンツはジョニー・クエトで臨む。両者は日本時間5月2日にも対決しており、その試合ではクエトに軍配が上がっている。

     

     2人の立ちあがりは対照的なものだった。初回のドジャースの攻撃。シーガーと3番・ターナーの連続安打で1死一・三塁の好機をつくるとアウトを挟み、グランダルのライトへの二塁打が飛び出し2点を先制。クエトの出鼻をくじくことに成功した。対するカーショーは先頭打者のヌエズ、次打者のルジアーノを連続三振にきってとると続くアローヨもライトフライに打ち取り上々な立ち上がりをみせた。

     この3連戦ではジャイアンツが2連勝中、ドジャースとしては3連敗を避けたいところ。3回にはクエトのワイルドピッチの間に1点追加すると6回には2死満塁からプイグがレフトへの2点適時打で5対0とジャイアンツを突き放した。その後、7回にもベリンジャーの適時二塁打で6点目をとり試合を有利に進めた。

     クエトは6回5失点でマウンドを降りたのとは対照的にカーショーは7回までわずか3安打と相手打線に二塁すら踏ませない投球でチームをけん引した。ジャイアンツ打線は9回、ポージーの適時打で1点を返すも反撃はここまで。6対1でドジャースが勝利し、このシリーズ1勝2敗としてスイープを避けた。

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