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日本時間12月9日はルール5ドラフト マイナーリーグ部門のみ開催
2021.12.8 13:00 Wednesday今年のルール5ドラフトは日本時間12月9日午前4時から行われる。ただし、労使交渉のもつれによるロックアウトのため、メジャーリーグ部門の指名は行われず、マイナーリーグ部門のみの開催となる。本来はウィンター・ミーティング最終日の日本時間12月10日に行われる予定だったが、ロックアウトの影響により1日前倒しの開催に変更。また、テレビ会議を使用してリモートで開催されることも決定している。なお、メジャーリーグ部門の指名は労使交渉成立後に改めて行われる可能性があるようだ。
ルール5ドラフトとは、簡単に言えば「他球団の戦力になりそうな選手を飼い殺しにしておくことを防ぐための制度」であり、各球団は一定の条件を満たした他球団の選手を獲得することができる(ただし、翌年のロースターに常に登録しなければならない、といった制約がある)。過去にはジョシュ・ハミルトンやホアキム・ソリアらがルール5ドラフトで他球団へ移籍し、オールスター選手へと成長した。
マイナーリーグ部門の指名も決して侮ることはできず、たとえば今季メジャー初先発でノーヒッターを達成したタイラー・ギルバート(ダイヤモンドバックス)は昨年のルール5ドラフトのマイナーリーグ部門でドジャースからダイヤモンドバックスに移籍した選手である。よって、ルール5ドラフトは各球団が他球団で埋もれている才能を発掘するための格好の機会となる。
ルール5ドラフトのマイナーリーグ部門では、一定の条件を満たした選手(18歳以下で入団して5年が経過、もしくは19歳以上で入団して4年が経過)のうち、他球団のAAA級のロースター38人に含まれていない選手を指名可能。ただし、ロースターがすでに38人で埋まっているチームには指名権がない。ロースターに空きがあるチームは38人に達するまで何度でも指名できる。
また、メジャーリーグ部門のように「特定の階級のロースターに登録しなければならない」といった制約もなく、移籍金2万4500ドルさえ支払えば、自軍のマイナーのどの階級にも送り込むことができる。マイナーの選手層に厚みを加えるための格好の機会であり、各球団のフロントオフィスの「眼力」が試されることになる。
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米野球専門誌が選ぶ年間最優秀監督 アストロズ・ベイカー監督が選出
2021.12.8 12:00 Wednesday日本時間12月8日、アメリカの野球専門誌「ベースボール・アメリカ」は2021年シーズンの年間最優秀監督にアストロズのダスティ・ベイカー監督を選出した。アストロズからの選出は1998年のラリー・ダーカー、2017年のAJ・ヒンチ(現タイガース監督)に続いて3人目。ベイカーはジャイアンツ時代の2000年にも受賞している。全米野球記者協会による最優秀監督賞の投票では3位に終わったが、史上初となる5球団での地区優勝、史上9人目となる両リーグでのリーグ優勝などが高く評価された。
今季のアストロズは、エース右腕のジャスティン・バーランダーがトミー・ジョン手術後のリハビリのためにシーズンを全休し、正三塁手のアレックス・ブレグマンが左大腿四頭筋痛で59試合の戦線離脱を強いられるなど、投打の主力選手を欠いた状態での戦いとなった。しかし、ベイカーはメジャー経験の少ない若手も含め、与えられた戦力をフル活用し、レイズに次いでリーグ2位となる勝率をマーク。ポストシーズンも順調に勝ち進み、ワールドシリーズでブレーブスに敗れたものの、チームを2年ぶり(直近5年間で3度目)のリーグ優勝に導いた。
ベイカーはサイン盗み問題に揺れるアストロズの監督に就任し、2年連続でポストシーズン進出を達成。2年契約は今季限りで終了したが、ジム・クレイン・オーナーはベイカーの手腕に高い評価を与えており、ベイカーはすでに1年契約を結んで来季もチームの指揮を執ることが決定している。
ベイカーはジャイアンツ時代の1993年、1997年、2000年にナ・リーグの最優秀監督賞を受賞。歴代12位となる通算1987勝をマークしており、ベイカーより勝利数が多い監督でアメリカ野球殿堂入りを果たしていないのは、まだ殿堂入りの資格がないブルース・ボウチーだけである。2022年シーズン中に通算勝利数でボウチー(2003勝)、レオ・ドローチャー(2008勝)、ウォルター・オルストン(2040勝)を抜くのはほぼ確実。ワールドシリーズ制覇の経験はないものの、将来の殿堂入りは当確と言えそうだ。
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アスレチックスが6人の監督候補と面接へ コッツェイが最有力か
2021.12.8 11:00 Wednesdayアスレチックスは今季まで11年間にわたってチームを率いたボブ・メルビンがパドレスの新監督に就任したため、その後任となる新監督選びを進めている。メジャーリーグ公式サイトが関係者から得た情報によると、すでにマーク・コッツェイとの面接を実施。コッツェイが採用された場合、三塁ベースコーチからの内部昇格となる。そのほかの候補者としては、ダレン・ブッシュ、マット・クアトラーロ、ジョー・エスパーダ、ウィル・ベナブル、マーカス・ジェンセンの名前が挙がっており、今後数週間以内に1回目の面接が行われる見込みだ。
コッツェイは「理想的なメルビンの後継者」と言われている。メジャーリーガーとして1997年から2013年まで17年間プレーし、そのうち4年間(2004~07年)はアスレチックスに在籍。2014年はパドレスのフロントオフィスで特別アシスタントを務め、2015年はパドレスの打撃コーチ、2016年からはアスレチックスのベンチコーチ、クオリティコントロールコーチ、三塁ベースコーチを歴任してきた。メルビンのもとで6年間コーチを務めたため、メルビンのやり方を熟知しており、アスレチックスがメルビン路線の継続を望む場合はうってつけの存在と言える。
クアトラーロはレイズのベンチコーチ、エスパーダはアストロズのベンチコーチを務めており、ともにメッツの新監督候補にも挙げられている。両者とも指導者としての評価は非常に高く、どこかのチームで監督交代が行われる際、必ずと言っていいほど新監督候補に浮上する。
ベナブルは2016年限りで9年間のメジャー生活を終え、2017年9月にカブスのGM特別補佐に就任。2018年からは一塁ベースコーチ、2020年からは三塁ベースコーチを務め、今季はレッドソックスでベンチコーチを担当した。父のマックス・ベナブルも元メジャーリーガーであり、1992~93年には千葉ロッテマリーンズでもプレーした(登録名・マックス)。
ブッシュとジェンセンはコッツェイと同じくアスレチックスのコーチ。メルビンのもとでブッシュは打撃コーチ、ジェンセンはブルペンコーチを務めた。アスレチックスはベンチコーチのライアン・クリステンソンもパドレスへ流出しており、新監督候補となっているコーチ3人のいずれかがベンチコーチへ配置転換される可能性もある。
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メッツが監督候補6人と面接へ 候補はオースマス、ショウォルターら
2021.12.8 10:00 Wednesdayメジャーリーグ公式サイトが関係者から得た情報によると、メッツは解任したルイス・ロハス監督の後任となる新監督候補として、ブラッド・オースマス、ジョー・エスパーダ、ボブ・ゲレン、ドン・ケリー、マット・クアトラーロ、バック・ショウォルターの6人と面接を行う予定となっているようだ。正式な面接日程は不明だが、6人とも数日以内に1回目の面接を受けるとみられる。ロックアウトは新監督選びには影響しないため、メッツは移籍市場の動きが止まっているあいだに新監督選びのプロセスを進めることができる。
オースマスはメッツの新GMがビリー・エプラーに決まった時点で有力な新監督候補に浮上した。2014年から4年間タイガースの監督を務めたあと、2019年には1年だけエンゼルスの指揮を執ったが、アート・モレノ・オーナーがジョー・マドンの招へいを希望したため解任されることに。このとき、エプラーはオースマスの解任に納得していなかったと言われている。また、サンディ・アルダーソン球団社長、ブリン・アルダーソンGM補佐の親子と同じダートマス大学出身であり、2014年のタイガース時代にマックス・シャーザーが在籍していたという縁もある。
ショウォルターは6人のなかで最も経験豊富な候補者であり、ヤンキース、ダイヤモンドバックス、レンジャーズ、オリオールズで合計20年間にわたって監督を務め、通算1551勝、最優秀監督賞3度の実績を誇る。エプラーは2019年オフのオースマス解任後、モレノ・オーナーに対してマドンではなくショウォルターを招へいすることを進言したと言われており、ニューヨークの球団での監督経験があるということも含め、こちらも有力候補の1人に挙げられている。
他の4人はいずれも他球団のコーチ。エスパーダはアストロズ、ゲレンはドジャース、ケリーはパイレーツ、クアトラーロはレイズで今季ベンチコーチを務めた。このうち、ゲレンのみ監督経験があり、2007~11年にアスレチックスの指揮を執った。
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レンジャーズの桜山健スカウトが「年間最優秀スカウト」に選出
2021.12.6 10:00 Monday「カナディアン・ベースボール・ネットワーク」は日本時間12月4日に2021年シーズンのジム・リドリー賞(年間最優秀スカウト)の受賞者を発表し、レンジャーズの桜山健(さくらやま・たけし)スカウトが選出された。この賞は1994年に創設され、レンジャーズのスカウトが受賞するのは今回が初めて。また、カナダのメディアによる表彰のため、カナダ人が受賞するケースが非常に多く、カナダを拠点としないスカウトとしては史上5人目の受賞者となった(日本人では初受賞)。
桜山スカウトは日本プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスで2006年から2010年まで国際スカウトとして活躍したあと、2012年からレンジャーズでフルタイムのスカウトを務めている。学生時代は慶応大学を卒業後、インディアナ州立大学でスポーツマネジメントの修士号を取得した。また、アメリカでは「T-マネー」という愛称で親しまれているという。
桜山スカウトは今年、ドラフト5巡目指名のミッチ・ブラットを含む4人のカナダ人選手との契約を担当した。また、レンジャーズはドラフト外でもカナダ出身の選手2人と契約している。カナダのメディアによる表彰のため、こうしたカナダ人選手との契約が高く評価されたものと思われる。
レンジャーズで主にスカウト部門を担当するジョシュ・ボイドGM補佐は「レンジャーズの組織とスカウティング・スタッフを代表して、タケシにこの賞を授けてくれたことに感謝します。彼のスカウティングへの情熱は周囲にも大きな影響を与え、彼の労働倫理や選手を見つけるための競争心は、彼が同時に複数の場所にいることを可能にしているように思えます」とコメント。さらに「彼はスカウト先のコミュニティで自分自身とレンジャーズの存在をアピールすることに関して、他とは一線を画しています。選手や家族と個人的なつながりや関係を構築するための能力を生まれ持っており、彼がこの賞を受賞したことを祝福できることがとても嬉しいです」と述べ、桜山スカウトの受賞を祝福した。
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メッツ新監督 ショウォルター、オースマス、エスパーダらが候補に
2021.12.6 09:30 Mondayロックアウト期間中もメジャーリーグ選手会とは関係のない監督やコーチの人選は可能なため、現時点で監督が不在のメッツとアスレチックスの新監督探しの動向に注目が集まっている。ロックアウト突入直前に大型補強を見せたメッツは、新監督候補をリストアップする準備段階にあり、バック・ショウォルター、ブラッド・オースマス、ジョー・エスパーダ(アストロズ・ベンチコーチ)、マット・クアトラーロ(レイズ・ベンチコーチ)、ドン・ケリー(パイレーツ・ベンチコーチ)らの名前が挙がっているようだ。
「SNY」のアンディ・マルティノ記者によると、フロントランナー(最有力候補)の名前を挙げるにはまだ時期が早すぎるとのことだが、優秀な候補者としてエスパーダに注目が集まっているという。エスパーダはこれまでにも他球団の監督候補に名前が挙がってきた人物であり、マーリンズとヤンキースでのコーチ経験を経て2018年からアストロズでベンチコーチを務め、AJ・ヒンチ(現タイガース監督)やダスティ・ベイカーの右腕として活躍している。
一方、「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマン記者は「ショウォルター、エスパーダ、オースマスの順に有力だと思う」と自身の見解を示した。ショウォルターはヤンキース、ダイヤモンドバックス、レンジャーズ、オリオールズで合計20年間指揮を執り、通算1551勝、最優秀監督賞3度の実績を誇る名将。オースマスはタイガースとエンゼルスで合計5年間の監督経験があり、現役時代はゴールドグラブ賞を3度受賞した名捕手だった。
なお、「ニューヨーク・ポスト」によると、メッツのビリー・エプラー新GMは、2019年オフにエンゼルスのアート・モレノ・オーナーがオースマスの解任を決めた際、オースマスの続投を望んでいたという。また、オースマスの後任にはジョー・マドンではなくショウォルターを据えるべきだとモレノ・オーナーに進言していたようだ。メッツの新監督候補としてショウォルターとオースマスの名前が浮上しているのは、こうした経緯も関係しているとみられる。
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時代委員会の殿堂入り投票 ミニョソ、オニールら6人が殿堂入り
2021.12.6 09:00 Monday日本時間12月6日、時代委員会によるアメリカ野球殿堂入り投票の結果発表が行われ、「アーリー・ベースボール時代」の候補者10名のうちバド・ファウラーとバック・オニールの2人、「ゴールデン・デイズ時代」の候補者10名のうちギル・ホッジス、ジム・カート、ミニー・ミニョソ、トニー・オリーバの4人、両時代を合わせて6人が新たに殿堂入りを果たした。一方、有力候補の1人とみられていたディック・アレンは選出されず、アメリカの記者から驚きの声が上がっている。
時代委員会による殿堂入り投票は、従来はベテランズ委員会による殿堂入り投票として行われていたものである。2010年7月にベテランズ委員会という名称は使用されなくなり、ベースボールの歴史を3つの時代に区分した時代委員会による殿堂入り投票に変更。2016年7月には「アーリー・ベースボール時代」(1871~1949年)、「ゴールデン・デイズ時代」(1950~69年)、「モダン・ベースボール時代」(1970~87年)、「トゥデイズ・ゲーム時代」(1988年以降)という4つの時代に再編された。
今年は「アーリー・ベースボール時代」と「ゴールデン・デイズ時代」を対象として殿堂入り投票が行われ、「アーリー・ベースボール時代」からはファウラーとオニールの2人が選出。ファウラーはアフリカ系アメリカ人最初のプロ野球選手として知られている。オニールはニグロリーグで一塁手や監督として活躍した人物だ。
一方、「ゴールデン・デイズ時代」からは、選手時代にドジャースで活躍し、監督として1969年メッツをワールドシリーズ制覇に導いたホッジス、通算283勝を挙げ、16度のゴールドグラブ賞を受賞したカート、通算2110安打を放ち、史上3人しかいない「5ディケード・プレーヤー」の1人であるミニョソ、新人王に輝いた1964年からの2年連続を含む3度の首位打者を獲得したオリーバの4人が選出された。
なお、各時代委員会は16名のメンバーで構成され、12票(得票率75%)以上で殿堂入りが決定する。昨年12月に亡くなったアレンは15年間のメジャー生活で通算OPS.912をマークするなど、60年代後半から70年代前半の最強打者の1人として殿堂入りが有力視されていたが、1票不足で落選。「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマン記者は「時代委員会は1つの例外を除いて素晴らしい仕事をした。アレンは選ばれるべきだった」とツイートした。
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労使交渉決裂でロックアウト突入 26年ぶりにメジャーの動きがストップ
2021.12.2 15:00 Thursday日本時間12月2日14時に現行の労使協定が失効し、メジャーリーグはロックアウトに突入した。メジャーの動きがストップするのは1994~95年のストライキ以来26年ぶり。メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は新たな労使協定の締結に向けて交渉を行っていたが、両者の溝は埋まらず、交渉がまとまらないまま現行の労使協定の失効期限を迎えた。メジャーリーグ公式サイトからは現役選手の顔写真や関連ニュースなど、様々なコンテンツが撤去される事態となっている。
ロックアウト突入が確実視されていたこともあり、今オフの移籍市場では失効期限直前の「駆け込みトランザクション」が目立った。FA市場にはすでに17億ドル以上の資金が投入され、契約延長に使われた資金も総額5億ドル規模。ここ数日だけでもマックス・シャーザー、コリー・シーガー、マーカス・セミエン、ロビー・レイ、ハビアー・バイエズといった大物FA選手たちが契約を決めた。
一方、菊池雄星のようにFAのままロックアウトを迎えた選手も多数おり、ポスティング制度による30日間の交渉期間中の鈴木誠也はメジャー球団との契約交渉を一時中断。今季ソフトバンクでプレーしたニック・マルティネスはパドレスとの契約合意が報じられたものの、ロックアウトまでに正式契約には至らず、厳密にはFAのままとなっている。
ロックアウト前の最終日となった日本時間12月2日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は45分間のミーティングのあと、休憩を挟んでミーティングを再開したものの、2度目のミーティングはわずか7分で終了。メジャーリーグ機構側の提案を選手会側が拒否し、ミーティングの続行が不可能になったという。FA制度から戦力均衡システム、ユニバーサルDH、ドラフト制度、ポストシーズン拡大など、議論の対象となっている項目は多岐にわたり、失効期限までに決着をつけることはできなかった。
双方ともロックアウトは「労使交渉に集中するための期間」と位置付けており、2022年シーズンの開幕を危険にさらすような事態になることは望んでいない。よって、遅くともスプリング・トレーニングが始まる2月中旬ごろまでには決着がつくものと思われるが、依然として両者の主張や提案には大きな乖離がある。交渉がまとまり、新たな労使協定が締結されるのはいったいいつになるのだろうか。
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テイラーが4年6000万ドル+オプション1年でドジャースと再契約へ
2021.12.2 11:30 ThursdayドジャースからFAとなり、クオリファイング・オファーを拒否していたユーティリティ・プレーヤーのクリス・テイラーが4年6000万ドル+オプション1年でドジャースに残留することになった。「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、2026年の球団オプションが行使された場合、5年間の総額は7300万ドルになるという。テイラー側はドジャース以外の他球団に対して「お金の問題ではない」と通達。テイラーはドジャース残留を希望し、ドジャースからのオファーを受け入れた。
現在31歳のテイラーは、今季ドジャースで148試合に出場して打率.254、20本塁打、73打点、13盗塁、OPS.782を記録。メジャー8年目にして自身初のオールスター・ゲーム選出を果たした。故障者が続出したチームのなかでユーティリティ・プレーヤーとして奮闘し、中堅で61試合(うちスタメン48試合)、二塁で46試合(同33試合)、左翼で30試合(同16試合)、遊撃で23試合(同19試合)、三塁で11試合(同9試合)、右翼で8試合(同7試合)にスタメン出場。今オフは同僚のコリー・シーガーもFAとなったが、「シーガーよりテイラーを引き留めるべき」との声も多かった。
ポストシーズンでもカージナルスとのワイルドカード・ゲームでサヨナラ本塁打、ブレーブスとのリーグ優勝決定シリーズでは第5戦で1試合3本塁打をマークするなど大活躍。2017年のリーグ優勝決定シリーズでMVPに選出されるなど、短期決戦にも非常に強く、ポストシーズン通算62試合で9本塁打、OPS.842を記録している。複数のポジションを守ることができるユーティリティ・プレーヤーとしても、ポストシーズンを勝ち抜いていくための戦力としても、ドジャースにとって必要不可欠な戦力となっていた。
シーガー(レンジャーズと契約)とマックス・シャーザー(メッツと契約)の引き留めには失敗したドジャースだが、テイラーとの再契約に成功。2年ぶりの地区優勝とワールドシリーズ制覇に向けて、ロックアウト後にどんな補強を見せるか注目したい。
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ストローマンが3年7100万ドルでカブスへ 自身のツイッターで発表
2021.12.2 10:30 Thursdayエンゼルスの補強ターゲットとして注目されていたマーカス・ストローマンは日本時間12月2日、自身のツイッターでカブスに入団することを発表した。「ESPN」のジェフ・パッサン記者によると、3年契約で総額は7100万ドル。2022年と2023年の年俸が2500万ドル、2024年の年俸が2100万ドルとなり、2年目のシーズン終了後にオプトアウト(契約破棄)できる権利が含まれているようだ。投球イニングの条件をクリアした場合、2024年の年俸は2500万ドルになるという。
現在30歳のストローマンは、今季メッツで33試合に先発して179イニングを投げ、10勝13敗、防御率3.02、158奪三振を記録。打線の援護に恵まれず黒星が先行したものの、防御率は4試合しか登板しなかった2015年を除けば自己ベストの数字だった。新型コロナウイルスのパンデミックのなかで行われた昨季は故障もあって出場辞退を選択したが、1年のブランクを感じさせない見事なパフォーマンスを見せた。
ブルージェイズ時代には2年連続(2016~17年)で200イニング以上を投げた実績があり、2017年には13勝9敗、防御率3.09の好成績をマーク。シーズン途中でブルージェイズからメッツ移籍した2019年も2球団合計で184回1/3を投げて10勝13敗、防御率3.22をマークしており、故障さえなければシーズン30先発以上かつ180イニング以上で2ケタ勝利、防御率3点台前半を確実に計算できる好投手である。
カブスのジェッド・ホイヤー編成本部長は今オフ、先発投手の補強を最優先課題に掲げており、ウエーバーでレッズから今季ノーヒッターを達成したウェイド・マイリーを獲得。エースのカイル・ヘンドリックスと合わせ、これで先発3本柱が確立した。4~5番手にはアドバート・アルゾライやアレック・ミルズが入る見込みだが、ロックアウト後にさらなる先発補強に動く可能性もありそうだ。
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ツインズが右腕・バンディを獲得 1年500万ドル+オプション1年
2021.12.2 10:00 Thursday日本時間12月2日、ツインズはエンゼルスからFAとなった先発右腕ディラン・バンディを獲得したことを発表した。契約条件は1年500万ドル+オプション1年であることが報じられており、来季の年俸は400万ドル、2023年の契約は年俸1100万ドルの球団オプション(またはバイアウト100万ドル)となる。ツインズは今季途中にホゼ・ベリオスとJ・A・ハップを放出し、前田健太がトミー・ジョン手術を受け、マイケル・ピネイダがFAとなったため、先発陣はメジャー経験に乏しい若手投手ばかりになっていた。
現在29歳のバンディは、エンゼルス移籍1年目の昨季、11試合に先発して65回2/3を投げ、6勝3敗、防御率3.29、72奪三振をマーク。短縮シーズンだったとはいえ、自己最高の成績を残し、サイ・ヤング賞投票では5ポイントを獲得して9位タイにランクインした。ところが、今季は23試合(うち19先発)に登板して2勝9敗、防御率6.06と大乱調。エースとして期待されたものの、その期待を大きく裏切り、自己最悪のシーズンを過ごした。
今季の年俸は832万5000ドルだったが、今季の成績を考えれば、来季の年俸が400万ドルと大幅ダウンするのは当然だ。しかし、2023年の球団オプションが年俸1100万ドルに設定されているのは、ツインズからの期待の表れと言えるだろう。若手ばかりが並ぶ先発ローテーションのなかで、エースとして2020年のようなピッチングを見せることができれば、ツインズがこのオプションを行使する可能性は十分にある。
ツインズはトミー・ジョン手術を受けた前田が来季の大部分もしくは全部を欠場するため、現時点では26歳のベイリー・オーバー、25歳のジョー・ライアン、26歳のランディ・ドブナック、27歳のグリフィン・ジャックスといった若手投手たちが先発ローテーション候補となる。バンディは復活を遂げ、ツインズの先発ローテーションの柱となることができるだろうか。
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Dバックスがブルペン補強 ベテラン右腕・マランソンと2年契約
2021.12.2 09:30 Thursday日本時間12月2日、ダイヤモンドバックスはパドレスからFAとなった救援右腕マーク・マランソンと2年契約を結んだことを発表した。2022年と2023年の年俸はいずれも600万ドルで、2024年の契約は年俸500万ドルの相互オプション(またはバイアウト200万ドル)になっているという。マイク・ヘイゼンGMは「彼は実績があり、試合終盤を任せられるリリーバーだ」とマランソンの加入を歓迎。今季はメジャー最多の39セーブを挙げており、新天地でもクローザーを務めることになりそうだ。
現在36歳のマランソンは、今季パドレスで64試合に登板して64回2/3を投げ、4勝3敗39セーブ、防御率2.23、59奪三振の好成績をマーク。パイレーツ時代の2013年、2015年、2016年に続いて自身4度目となるオールスター・ゲームに選出された。パイレーツ時代には絶対的クローザーとして活躍し、2015年に自己最多の51セーブを記録するなど、2013~16年の4年間で147セーブ、防御率1.80をマーク。通算244セーブは現役4位の数字となっている。
今季110敗を喫し、チーム再建を進めることが予想されるダイヤモンドバックスがマランソンを獲得するのは意外な動きと言えるが、ヘイゼンGMは「今オフの補強だけで30~35勝を上積みできるかどうかはわからないが、チームをよりよくするための努力をやめるつもりはない」と戦力補強に意欲を示している。今季は1点差ゲームに10勝31敗と大きく負け越したため、マランソンを獲得することで接戦を少しでも多くモノにしたいという狙いがあるようだ。
マランソンは「今季はスプリング・トレーニングの段階からダイヤモンドバックスを敵としてプレーしてきた。このチームにはたくさんのタレントがいるし、今季の勝敗はチームの実力を正確に示していないと思う」とコメント。ダイヤモンドバックスとはオフシーズン序盤から連絡を取っていたようだが、最終的には直近1週間ほどで交渉が本格化し、ロックアウト突入前に正式契約を結ぶことになった。
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フィリーズがクローザー候補を獲得 右腕・クネーベルと1年契約
2021.12.2 09:00 Thursday日本時間12月2日、フィリーズはドジャースからFAとなった救援右腕コリー・クネーベルと1年契約を結んだことを発表した。「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマン記者は、クネーベルの年俸が1000万ドルであることを伝えている。フィリーズは今オフ、ヘクター・ネリス、アーチー・ブラッドリー、イアン・ケネディといった主力リリーバーがFAとなり、新たなクローザー候補の獲得が急務となっていたが、2017年に39セーブをマークした実績を持つクネーベルの獲得に成功した。
現在30歳のクネーベルは、今季ドジャースで27試合(うち4先発)に登板して25回2/3を投げ、4勝0敗3セーブ、防御率2.45、30奪三振を記録。右広背筋を痛めて長期離脱したため、登板試合数自体は少なかったものの、速球の平均球速が2020年の94.3マイルから96.3マイルへ上昇するなど、全盛期に近いパフォーマンスを取り戻していた。
ブリュワーズ時代にはクローザーとして活躍した実績があり、2017年はリーグ最多の76試合に登板して1勝4敗39セーブ、防御率1.78、126奪三振という好成績をマーク。オールスター・ゲームにも選出された。しかし、2018年は不振でマイナー降格も経験し、2019年はトミー・ジョン手術で全休。昨季はトミー・ジョン手術からの復帰1年目ということもあって防御率6点台と精彩を欠き、オフにトレードでドジャースへ放出された。
フィリーズのデーブ・ドンブロウスキー編成本部長は今オフ、ブルペンの補強が最優先課題であることを何度も強調していたが、大きな補強はこれが初めて。ウエーバーでライアン・シェリフ、ケント・エマニュエル、ヨアン・ロペス、トレードでニック・ネルソンを獲得しているものの、勝ちパターンの継投を任せられる人材が不足しており、ロックアウト明けの移籍市場でも引き続きブルペンの補強を目指すことになりそうだ。
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ロックアウトまであと1日 ノンテンダーFAなど日本時間1日のまとめ
2021.12.1 15:00 Wednesday現行の労使協定が失効する「ロックアウト・デッドライン」(日本時間12月2日13時59分)まで残り24時間を切った。メジャーリーグでは「ロックアウト・デッドライン」が迫る状況のなか、「駆け込み」のトレードやFA契約が目立っており、日本時間12月1日にも多くの動きがあった。また、サービスタイム(メジャー登録日数)6年未満の選手に対して来季の契約をオファーする期限を迎え、来季の契約をオファーされなかった選手が「ノンテンダーFA」となった。ここでは日本時間12月1日の主な動きを整理していく。
ノンテンダーFA
メジャーリーグ公式サイトのノンテンダーFA一覧によると、ノンテンダーFAとなったのは以下の40選手。このうち、レッズのブランドン・ベイリーとフィリーズのカイル・ドーイはマイナー契約での残留が決まっている。
ティム・ロカストロ外野手(レッドソックス)
マシュー・ボイド投手(タイガース)
グレイソン・グライナー捕手(タイガース)
リチャード・ラブレイディ投手(ロイヤルズ)
ダニー・クーロム投手(ツインズ)
トレバー・メギル投手(ツインズ)
フアン・ミナヤ投手(ツインズ)
フィル・ゴスリン内野手(エンゼルス)
デービッド・ガルシア捕手(レンジャーズ)
ヨヘル・ポゾ捕手(レンジャーズ)
ビリー・マッキニー外野手(レンジャーズ)
ジャシール・デラクルーズ投手(ブレーブス)
リチャード・ロドリゲス投手(ブレーブス)
ヨハン・カマルゴ内野手(ブレーブス)
ルイス・ブリンソン外野手(マーリンズ)
ロバート・グセルマン投手(メッツ)
スティーブン・ノゴセック投手(メッツ)
マーク・ペイトン外野手(メッツ)
カイル・ドーイ投手(フィリーズ)
ロマン・クイン外野手(フィリーズ)
ライン・ハーパー投手(ナショナルズ)
ワンダー・スエロ投手(ナショナルズ)
マイク・フォード内野手(ナショナルズ)
ジェイソン・アダム投手(カブス)
マイケル・ハーモシーヨ外野手(カブス)
ブランドン・ベイリー投手(レッズ)
ジョン・カーティス投手(ブリュワーズ)
ダニエル・ボーグルバック内野手(ブリュワーズ)
スティーブン・ブロールト投手(パイレーツ)
チャド・クール投手(パイレーツ)
コリン・モラン内野手(パイレーツ)
ホゼ・ロンドン内野手(カージナルス)
テイラー・クラーク投手(ダイヤモンドバックス)
アンドリュー・バスケス投手(ドジャース)
ホゼ・カスティーヨ投手(パドレス)
マット・ストラーム投手(パドレス)
トレイ・ウィンジェンター投手(パドレス)
サム・デラプレーン投手(ジャイアンツ)
ジョー・パランボ投手(ジャイアンツ)
ルイス・ゴンザレス外野手(ジャイアンツ)トレード
マーリンズはマイナー外野手のキャメロン・マイズナーとのトレードでレイズから今季オールスター・ゲームに初選出された内野手、ジョーイ・ウェンドルを獲得した。
パドレスは金銭または後日指名選手1名とのトレードでマーリンズからホルヘ・アルファロを獲得した。マーリンズは前日にゴールドグラブ賞捕手のジェイコブ・ストーリングスを獲得し、アルファロは余剰戦力だった。
契約延長
マリナーズは救援右腕アンドレス・ムニョスと4年総額750万ドル以上の契約延長で合意目前となっていることが報じられている。3年分の球団オプションが盛り込まれているとの報道もあり、最長7年の長期契約となる。
FA契約
タイガースはメッツからFAとなったスター遊撃手、ハビアー・バイエズと6年1億4000万ドルで合意した。一部の球団に対するトレード拒否権と、2年目終了後にオプトアウト(契約破棄)できる権利が盛り込まれている。
エンゼルスは自軍からFAとなった救援右腕ライセル・イグレシアスと4年5800万ドルで再契約を結ぶことで合意した。クオリファイング・オファーを拒否されたあとも再契約交渉を継続していることが報じられていた。
ジャイアンツはエンゼルスからFAとなった先発右腕アレックス・カッブを獲得したことを正式発表した。契約条件は2年2000万ドル+オプション1年であることが報じられている。
カブスはアスレチックスからFAとなったベテラン捕手、ヤン・ゴームスと2年1300万ドル+オプション1年で合意した。ヤンキースからFAとなったクリント・フレイジャーと1年契約で合意したことも報じられている。
ホワイトソックスは自軍からFAとなったユーティリティ・プレーヤー、レウリー・ガルシアと3年契約を結ぶことで合意した。内外野兼用のユーティリティとして2019年は140試合、今季も126試合に出場している。
パイレーツはインディアンスからFAとなった強肩好守の捕手、ロベルト・ペレスと1年500万ドルで合意した。マーリンズへ放出されたストーリングスに代わって正捕手を務めるとみられる。
オリオールズはヤンキースからFAとなった長距離砲、ルーグネッド・オドーアとメジャー契約を結んだことを発表した。レンジャーズとの契約が残っているため、オリオールズはメジャー最低保証年俸のみを負担する。
ナショナルズはホワイトソックスからFAとなったベテラン二塁手、セザー・ヘルナンデスと1年400万ドルで合意した。新天地では正二塁手としての起用が予想されている。
レッドソックスはマリナーズからFAとなった先発左腕ジェームス・パクストンと1年1000万ドル+オプション2年で合意した。2年分の球団オプションが行使された場合、3年間の総額は最大3500万ドルになるようだ。
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エンゼルスがイグレシアスと4年5800万ドルで合意 カッブは流出決定
2021.12.1 14:00 Wednesdayメジャーリーグ公式サイトのジョン・ポール・モロシ記者によると、エンゼルスは自軍からFAとなった救援右腕ライセル・イグレシアスと4年5800万ドルで再契約に合意したようだ。エンゼルスはイグレシアスにクオリファイング・オファーを拒否されたあとも再契約に向けた交渉を継続していることが報じられていたが、守護神の引き留めに成功した。なお、イグレシアス同様に再契約の可能性があるとみられていた先発右腕アレックス・カッブはジャイアンツ移籍が決定。ジャイアンツがカッブとの2年契約を正式発表した。
現在31歳のイグレシアスはエンゼルス加入1年目の今季、安定感を欠いたブルペンのなかで孤軍奮闘し、65試合に登板して70イニングを投げ、7勝5敗34セーブ、防御率2.57、103奪三振の好成績をマーク。7月には月間最優秀リリーバーに選出され、シーズン終了後の「オールMLB」の投票では救援投手部門でセカンドチームに名を連ねた。シーズン終了後にFAとなり、ブルペンの補強を目指すフィリーズなどとの争奪戦も予想されたが、エンゼルスは無事に守護神を引き留めることができた。
現在34歳のカッブはイグレシアス同様に今季からエンゼルスに加入し、18試合に先発して93回1/3を投げ、8勝3敗、防御率3.76、98奪三振を記録。故障もあってフルシーズン活躍することはできなかったが、健康時には先発ローテーションの一角として安定した活躍を見せた。ジャイアンツとの契約規模は2年2000万ドル+球団オプション1年(1000万ドル)と報じられており、エンゼルスにとっては予算オーバーだったのかもしれない。
エンゼルスは来季のペイロールが今季と同規模と仮定した場合、今オフの補強に使える予算は最大6000万ドル程度だった。ノア・シンダーガードを1年2100万ドル、アーロン・ループを2年1700万ドル、マイケル・ロレンゼンを1年675万ドルで獲得し、イグレシアスの4年5800万ドルを加えると、アート・モレノ・オーナーがペイロールの増額を許可しない限り、優秀な先発投手を獲得できるような予算は残されていない。あとは控え野手やリリーフ投手を中心に戦力の頭数を揃えて補強終了となる可能性もありそうだ。
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レイズがウェンドルをマーリンズへ放出 若手の台頭で余剰戦力に
2021.12.1 11:00 Wednesday日本時間12月1日、マーリンズはマイナー外野手のキャメロン・マイズナーとのトレードでレイズから今季オールスター・ゲーム初選出の内野手、ジョーイ・ウェンドルを獲得したことを発表した。ウェンドルはブランドン・ラウ、ランディ・アロザレーナに次ぐチーム3位のWARを記録するなど、球団新記録のシーズン100勝を挙げたレイズの快進撃に大きく貢献したが、ワンダー・フランコ、テイラー・ウォールズ、ビダル・ブルハーンといった若手内野手の台頭により余剰戦力となりつつあった。
現在31歳のウェンドルはメジャー6年目の今季、136試合に出場して打率.265、11本塁打、54打点、8盗塁、OPS.741をマーク。三塁や遊撃の守備でも堅実なプレーを見せ、オールスター・ゲームに初選出されただけでなく、三塁手部門でゴールドグラブ賞のファイナリストにもノミネートされた。来季が年俸調停期間2年目(予想年俸400万ドル)のシーズンとなり、FAまであと2年保有可能。新天地では三塁のレギュラー、もしくは内野のユーティリティとしての起用が有力だ。
レイズは二塁にラウ、三塁にヤンディ・ディアス、そして遊撃に大型契約を結んだばかりのフランコがおり、ウェンドルは必ずしも必要な戦力ではなかった。ウェンドルの年俸が400万ドル近くまで上昇すると予想されていることや、ウォールズ、ブルハーンといった若手内野手が台頭していることも、ウェンドルの放出を後押ししたとみられる。レイズは今年5月にもフランコの昇格に備えて正遊撃手ウィリー・アダメスをブリュワーズへ放出しており、戦力の入れ替えをチームのプラン通りにスムーズに進めている。
レイズが獲得したマイズナーは23歳の外野手で、2019年ドラフト1巡目(全体35位)指名でマーリンズに入団。今季はA+級とAA級で合計102試合に出場し、打率.253、12本塁打、59打点、26盗塁、OPS.788をマークした。「MLBパイプライン」による球団別プロスペクト・ランキングではマーリンズの21位にランクインしていたが、選手育成に定評のあるレイズでどんな成長を見せるか注目だ。
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今季王者ブレーブス スニッカー監督の2024年のオプションを行使
2021.12.1 10:30 Wednesday日本時間12月1日、1995年以来26年ぶりのワールドシリーズ制覇を成し遂げたブレーブスは、ブライアン・スニッカー監督の2024年シーズンの契約オプションを行使したことを発表した。スニッカー監督は今年2月に2022年からスタートする2年+オプション1年の契約を結んでおり、今回のオプション行使により3年分の契約が保証された形となる。現在66歳のスニッカー監督は、2016年途中からブレーブスの監督に就任。就任3年目の2018年から今季まで4年連続地区優勝を継続している。
スニッカー監督は1977年にブレーブスでプロ野球選手としてのキャリアをスタート。1976年のドラフト25巡目でカブスに指名されたものの、大学に残ることを選択し、翌年ドラフト外でブレーブスに入団した。捕手兼一塁手としてマイナーで4年間プレーしたものの、メジャー昇格を果たすことはできず、1980年に解雇。しかし、当時ブレーブスのファーム・ディレクターを務めていたハンク・アーロンからインストラクターの職を紹介され、指導者としてのキャリアをスタートした。
1982年にマイナーで初めて監督を務め、そこから40年以上にわたってブレーブスのメジャーもしくはマイナーで監督やコーチを務める生活がスタート。ところが、メジャーの監督を務める機会はなかなか巡ってこず、2016年途中にフレディ・ゴンザレス監督が解任され、ようやく暫定監督としてチームの指揮を執ることになった。暫定監督としての手腕を評価され、2016年10月には正式にメジャーの監督に就任。選手からの信頼も厚く、メジャーの監督として6シーズン目を迎えた今季、ついにワールドシリーズ制覇を成し遂げた。
2018年からの地区4連覇の期間中、2018年は最優秀監督賞を受賞し、2019年は同賞の投票で3位、昨季と今季はいずれも4位にランクイン。リーグを代表する名将との評価は不動のものとなりつつある。メジャー6年間の通算成績は441勝390敗(勝率.531)となっている。
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カブスがゴームスらを獲得 正捕手コントレラスはトレード放出か
2021.12.1 10:00 WednesdayカブスはアスレチックスからFAとなった34歳のベテラン捕手、ヤン・ゴームスと2年1300万ドル+オプション1年で契約合意に達したようだ。レギュラー級の実力を持つベテラン捕手の加入により、正捕手ウィルソン・コントレラスがトレードで放出される可能性が高まっている。また、カブスはクリント・フレイジャーとも1年契約で合意したことが報じられている。27歳のフレイジャーは11月中旬にDFAでヤンキースの40人枠から外れ、その後FAとなっていた。
現在34歳のゴームスはインディアンス時代の2014年に自己最多の21本塁打を放ってシルバースラッガー賞を受賞し、2018年にはオールスター・ゲーム選出の経験もあるベテラン捕手。ナショナルズ移籍1年目の2019年はワールドシリーズ制覇を経験し、今季は7月末のトレード・デッドラインでナショナルズからアスレチックスへ移籍し、2球団で合計103試合に出場して打率.252、14本塁打、52打点、OPS.723をマークした。
契約条件は2年1300万ドル+オプション1年。2024年の球団オプションは年俸600万ドルとなっており、スタメン出場試合数に基づく出来高も設けられているという。よって、カブスはゴームスを正捕手に据えることを考えていると思われる。今後は来季終了後にFAとなる正捕手コントレラスのトレード放出に向けた動きが加速することになりそうだ。
現在27歳のフレイジャーは1年契約で合意したことが報じられている。今オフ初めて年俸調停権を取得しており、FAまであと3年保有可能。今季は眩暈(めまい)の症状で長期離脱し、66試合で打率.186、5本塁打、15打点、OPS.633と不本意な成績に終わったが、2019年は69試合で12本塁打、OPS.806、短縮シーズンの昨季も39試合で8本塁打、OPS.905と限られた出場機会のなかで好成績をマーク。コンディションさえ万全ならば、強打の外野手として大きな戦力になるはずだ。
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バイエズが6年1億4000万ドルでタイガースへ 大物遊撃手は残り2人
2021.12.1 00:00 Wednesdayメジャーリーグ公式サイトのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、タイガースはメッツからFAとなったスター遊撃手、ハビアー・バイエズと6年1億4000万ドルで契約合意に達したようだ。「デトロイト・フリー・プレス」のエバン・ペトゾルド記者はオプトアウト(契約破棄)の権利が含まれていることを報じている。大物遊撃手の獲得に動くことが確実視されていたタイガースだが、3億ドル規模の超大型契約が必要となるカルロス・コレアではなく、バイエズを手に入れた。
現在28歳のバイエズは、今季カブスで91試合、メッツで47試合、合計138試合に出場して打率.265、31本塁打、87打点、18盗塁、OPS.813を記録。28四球に対してリーグ最多の184三振を喫したように、粗いアプローチには依然として改善の兆しが見えないものの、OPS.599に終わった昨季の大不振を脱した。メッツの遊撃には大親友のフランシスコ・リンドーアがいるため、メッツ移籍後は二塁を守っていたが、新天地タイガースでは再び遊撃を守ることになる。
若手の着実な成長もあり、再建モードから徐々に勝負モードへ移行しつつあるタイガースは今オフ、トレードでタッカー・バーンハート、FAでエドゥアルド・ロドリゲスを獲得するなど積極的な補強を展開。さらなる先発投手補強と並行して遊撃手補強を目指し、AJ・ヒンチ監督との関係性からコレア獲得の最有力候補に挙げられることも多かったが、アル・アビラGMは1人の選手に3億ドル規模の超大型契約を与えることを回避するという選択をした。
今オフのFA市場における「遊撃手ビッグ5」のうち、マーカス・セミエンとコリー・シーガーはすでにレンジャーズと合意して「総額5億ドルの二遊間」を形成することが決まっており、市場から消えるのはバイエズが3人目。残りはコレアとトレバー・ストーリーの2人だけとなり、アストロズ、ヤンキース、エンゼルスなど遊撃手の補強を必要としているチームの動向が注目される。
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ロックアウト前の「駆け込み」目立つ移籍市場 日本時間30日のまとめ
2021.11.30 14:00 Tuesday現行の労使協定が現地時間12月1日23時59分(日本時間12月2日13時59分)をもって失効し、ロックアウト突入が濃厚となっているため、今オフの移籍市場ではロックアウト前の「駆け込み」のトレードやFA契約が目立っている。日本時間11月30日もマックス・シャーザー、コリー・シーガー、ロビー・レイといった大物FA選手が移籍先を決めるなど、移籍市場には大きな動きがあった。ここでは日本時間11月30日に報じられた主な移籍情報を整理していく。
メッツがシャーザーと3年契約で合意
メッツはドジャースからFAとなった先発右腕マックス・シャーザーと3年1億3000万ドルで合意した。年平均4333万ドルは史上最高額であり、総額1億ドル以上の契約を結んだ選手としては史上最年長(37歳)となった。
レンジャーズがシーガーと10年契約で合意
レンジャーズはドジャースからFAとなった強打の遊撃手、コリー・シーガーと10年3億2500万ドルで合意した。総額3億2500万ドルは史上6位タイの超大型契約である。前日のマーカス・セミエンに続く大型補強となった。
マリナーズがレイと5年契約で合意
マリナーズはブルージェイズからFAとなった先発左腕ロビー・レイと5年1億1500万ドルで合意した。昨季は大不振に陥ったが、今季はア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞する大活躍を見せ、大型契約を手に入れた。
マーリンズがストーリングスを獲得
マーリンズは右腕ザック・トンプソン、マイナー右腕カイル・ニコラス、マイナー外野手コナー・スコットの3選手とのトレードでパイレーツから今季のゴールドグラブ賞捕手、ジェイコブ・ストーリングスを獲得した。
レイズがレイリーと2年契約で合意
レイズはアストロズからFAとなった救援左腕ブルックス・レイリーと2年1000万ドル+オプション1年で合意した。韓国球界から復帰後、アストロズのブルペンを2年間支えたサウスポーがレイズに加わることになった。
ブレーブスがイエーツと2年契約で合意
ブレーブスはブルージェイズからFAとなった救援右腕カービー・イエーツと2年825万ドル+オプション1年で合意した。トミー・ジョン手術で来季途中まで投げられないため、来季の年俸は100万ドルと格安に設定されている。
ドジャースがハドソンと1年契約で合意間近
ドジャースはパドレスからFAとなった救援右腕ダニエル・ハドソンと1年700万ドル前後で合意間近となっているようだ。今季はナショナルズで好投していたハドソンだが、パドレス移籍後は調子を落とし、期待外れに終わった。
ジャイアンツがカッブと2年契約で合意間近
ジャイアンツはエンゼルスからFAとなった先発右腕アレックス・カッブと2年2000万ドル前後で合意間近となっているようだ。以前からジャイアンツが獲得に向けて積極的に交渉を進めていることが報じられていた。