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カブスが今季29セーブのキンツラーに興味か
2017.12.6 17:39 Wednesdayクローザーのウェイド・デービスがフリーエージェントとなり、クローザー経験者のヘクター・ロンドンをノンテンダーFAとしたカブスは試合終盤を任せることのできるリリーバーを必要としている。MLB.comのジョン・ポール・モロシによると、カブスはナショナルズからフリーエージェントとなったブランドン・キンツラーに興味を示しているようだ。
今年8月に33歳の誕生日を迎えたキンツラーは、今季ツインズで45試合、ナショナルズで27試合に登板し、計72試合で4勝3敗29セーブ、防御率3.03をマーク。ツインズではクローザー、ナショナルズではセットアッパーとして安定したピッチングを続け、登板数は自己最多(2013年の71試合)を更新した。シンカー主体のピッチングを展開するグラウンドボール・ピッチャーであるため奪三振率は極めて低く、相手打者を圧倒するようなピッチングを見せる投手ではないが、直近5シーズンで防御率2点台~3点台前半を4度記録するなど安定感は抜群。安心して試合終盤を任せることのできる投手である。
モロシは「交渉は進んだ段階ではない」とリポートしており、まだ本格的な交渉は開始されていない模様。カブスはデービスとの再契約に動く可能性も取り沙汰されており、トレード市場とフリーエージェント市場の両面で様々な選択肢を検討しながら最終的な判断を下すことになりそうだ。
野手陣は若くて才能豊かな選手で溢れており、カブスの今オフの課題は兎にも角にも投手陣の補強。ジェイク・アリエタ、ジョン・ラッキーの退団により先発ローテーションにも穴があり、リリーバーのみならず先発投手の補強も必須となっている。今季地区2位のブリュワーズは再建を終えてポストシーズン進出を狙えるチームを築き上げ、同3位のカージナルスも虎視眈々と復権を狙っており、地区2連覇中のカブスとはいえ、うかうかしていられない状況。セオ・エプスタイン野球部門社長の手腕が試されるオフシーズンとなりそうだ。
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元ブレーブスの有望株4人が他球団と契約合意
2017.12.6 16:30 Wednesday国外選手獲得の際の不正が発覚し、ブレーブスは12選手との契約が無効となった。ブレーブス以外の29球団とこれら12選手との契約が日本時間12月6日に解禁され、12選手のなかで最高の有望株と目されるケビン・マイタンを含む4選手が早くも他球団と契約に至っている。
国外選手を獲得する際にはインターナショナル・ボーナスプールの制限が設けられているが、今回の契約は特例として2017-18年の契約ピリオドと2018-19年の契約ピリオド、どちらのインターナショナル・ボーナスプールから契約金を出すかを選択することができる。また、各選手はブレーブスから受け取った契約金を保証されており、日本時間1月16日までに他球団と契約した場合には追加の契約金を受け取れる。同日以降に他球団と契約した場合は追加の契約金を受け取ることはできず、また、ブレーブスとの再契約を希望する場合は日本時間5月2日まで待たなければならない(当然ながらこの場合も追加の契約金はなし)。
解禁初日となった今日、エンゼルスがマイタン(遊撃手:契約金220万ドル)、リバン・ソト(遊撃手:同85万ドル)の2選手と契約。ロイヤルズはイェフリ・デル・ロサリオ(右腕:同65万ドル)、フィリーズはエイブラハム・グティエレス(捕手:同55万ドル)と契約合意に至ったようだ。残りの8選手はユニオール・セベリーノ(二塁手)、イェンシー・ペーニャ(遊撃手)、フアン・コントレラス(右腕)、フアン・カルロス・ネグレット(外野手)、ギレルモ・スニガ(右腕)、アントニオ・スクレ(外野手)、ブランドル・メスキータ(外野手)、アンヘル・ロハス(遊撃手)という顔ぶれになっている。
大谷翔平(北海道日本ハム)争奪戦において一次審査を突破したエンゼルスだが、今回のマイタンとソトに対する契約金は2018-19年のインターナショナル・ボーナスプールから出しており、今オフの大谷資金への影響はない。大谷の動向とともに、残る8選手の動向にも注目だ。
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ブレーブスがエース級の獲得に動く可能性は? 番記者が回答
2017.12.6 15:29 Wednesdayファンから寄せられた「ブレーブスの来季の開幕投手は現在のロースター内にいるのだろうか。それともトレードでエース級の投手を獲得する可能性はあるのだろうか」という質問に対し、MLB公式サイトでブレーブスの番記者を務めているマーク・ボウマンが自身の見解を述べている。
まずボウマンは予想される今オフのブレーブスの動きとして「控え選手の補強と、少なくとも1人のリリーバーを獲得すること」を挙げている。また、有望株のロナルド・アクーナのメジャー昇格が控えていることもあり、「マット・ケンプまたはニック・マーケイキスの放出を試みるかもしれない」としている。しかし、高額かつ高齢の両外野手に対してブレーブスが望む対価を差し出す球団が現れるとは考えにくく、アレックス・アンソポロス新GMが両外野手のトレードを成立させるのは難しいとの見通しを立てている。
そして、「エース級の投手を獲得することはチームに利益をもたらす」としつつも、ブレーブスが今オフ、エース級の投手の獲得に動く可能性は低いと予想している。ブレーブスは今季、ショーン・ニューカム、ルイス・ゴハラ、マックス・フリード、ルーカス・シムズらがメジャーデビューを果たし、才能豊かな若手先発投手を数多く抱えるようになった。マイナーにはマイク・ソローカやコルビー・アラードといった有望株も控えており、外部から先発投手を獲得することは若手投手の登板機会を奪ってしまうことになる。
むしろ、ボウマンは先発1番手のフリオ・テーランのトレードを試みる可能性の方が高いのではないかと見ている。4年連続で開幕投手を務めているテーランだが、ここ数年の投球成績はせいぜい先発3番手レベル。ボウマンはテーランのトレード価値が下がり切ってしまう前に放出に動くのが得策だと考えているようだ。
「ブレーブスの再建ペースはマイク・フォルティネビッチ、ゴハラ、ニューカム、フリードらの成長速度次第だ」とボウマンは言う。有望な若手投手をかき集め、投手中心の再建を進めようとしているブレーブス。かつてのような投手王国を再び築き上げることはできるのだろうか。
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パドレス以外の6球団が大谷と面会を済ませる
2017.12.6 14:35 Wednesday移籍先の候補を7球団に絞り込んだ大谷翔平(北海道日本ハム)は日本時間12月5日にジャイアンツ、ドジャース、エンゼルス、同6日にカブス、レンジャーズ、マリナーズとの面会を済ませた。残る1球団であるパドレスとの面会は同7日に予定されている。
MLB.comのグレッグ・ジョーンズによると、マリナーズは日本時間12月6日に大谷と面会した。交渉内容の詳細は明らかになっていないものの、マリナーズは日本人選手が活躍してきた歴史や、シアトルの日本人コミュニティ、本拠地のセーフコ・フィールドの特長などを持ち出して大谷に対してアピールしたと見られている。ジェリー・ディポートGMは2週間前、「球界において私が思い出せる中で最もユニークな状況かもしれない。都市として、組織として、一人の人間として、アピールをしなければならない。こんなことは今までになかったよ」と大谷争奪戦について語っていた。
MLBネットワークのケン・ローゼンタールによると、カブスも同6日に大谷と面会した球団の一つである。カブスもマリナーズ同様、交渉内容については沈黙を貫いているが、セオ・エプスタイン野球部門社長は交渉術に長けた人物である。ジョン・レスターと契約した際は、フェイクのワールドシリーズ実況を盛り込んだリクルート映像を制作し、球団の熱意をアピール。ジェイソン・ヘイワードやベン・ゾブリストを獲得した際にも同様の手法を用いたという。西海岸を希望していると言われる大谷のハートに、カブスの熱意は届くだろうか。
レンジャーズも同6日に大谷と面会の場を設けた。共同オーナーのレイ・デービスのほか、ジョン・ダニエルズGM、ジェフ・バニスター監督のほか、ジョシュ・ボイドGM補佐、日本人スカウトのジョー古河、渡部一らも同席したという。バニスター監督は大谷の二刀流について前向きな姿勢を示しており、「それを実現するだけの能力がある」と大谷を高評価。高校卒業時に大谷獲得を目指していた球団でもあり、今回も総力を挙げて大谷との交渉に取り組む構えだ。
明日にも全7球団との面会が終了し、移籍先の候補がさらに絞り込まれる可能性がある。契約期限は日本時間12月23日に設定されているが、大谷はどの球団をメジャー挑戦の出発点として選択するのだろうか。
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インディアンスが救援右腕・オテロと2年間の契約延長
2017.12.6 12:34 Wednesdayテリー・フランコーナ監督が「ブルペンのワイルドカード」と呼ぶ便利屋右腕が少なくとも2019年までインディアンスの一員としてプレイすることになった。日本時間12月6日、インディアンスはダン・オテロと2年250万ドルで契約を延長したことを発表した。
オテロは2015年オフに金銭トレードでインディアンスに加入。移籍1年目の2016年に62試合で5勝1敗1セーブ、防御率1.53の好成績をマークすると、今季も52試合で3勝0敗0セーブ、防御率2.85と安定したパフォーマンスを継続し、チームの地区2連覇に大きく貢献した。イニングやスコアを問わず、必要とされた場面で登板し、自らの役割をしっかり果たす右腕に対する評価は非常に高く、クリス・アントネッティ野球部門社長は「ダン(・オテロ)は我々に多大な貢献をしてくれている。ブルペンにおいて様々な役割をこなしてくれるんだ。初回から登板することもあれば、試合終盤で起用されることもある。様々な役割でチームに貢献してくれているよ。契約を延長することができて本当に嬉しいよ」とオテロの貢献ぶりを絶賛している。
契約内容は2018年が年俸110万ドル、2019年が年俸130万ドル。2020年の契約は年俸150万ドルの球団オプションないし10万ドルのバイアウトとなっており、計250万ドルが保証される形となっている。また、各年とも最大10万ドルのインセンティブが設けられているようだ。
インディアンスは今オフ、ブライアン・ショウとジョー・スミスがフリーエージェントとなり、来オフにはコディ・アレン、アンドリュー・ミラー、ザック・マカリスターのフリーエージェントが控えている。「我々が考慮している部分の一つだよ」とアントネッティはブルペンの弱体化が懸念材料の一つであることを認めているが、「我々は来季のみでなく、その先を見据えて動いている。ダンのような選手を保有することは我々にとって非常に大きなことだよ」とオテロとの契約延長がブルペンに安定をもたらすことを期待している。
クローザーのアレン、セットアッパーのミラーを中心に、オテロ、マカリスター、タイラー・オルソン。2018年も強力ブルペン陣がインディアンスの戦いを支えることになりそうだ。
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ロイヤルズが右腕・ペラルタと1年契約
2017.12.6 11:56 Wednesday日本時間12月6日、ロイヤルズはブリュワーズからフリーエージェントとなっていた右腕、ウィリー・ペラルタと1年契約を結んだことを発表した。2018年の年俸は150万ドル、2019年の契約は年俸300万ドルの球団オプションまたは2万5000ドルのバイアウト。また、各年最大125万ドルのインセンティブが設けられているようだ。
ペラルタはドミニカ共和国出身の28歳右腕。2012年にメジャーデビューを果たし、メジャー2年目の2013年に自身初の2ケタ勝利(11勝)を記録。翌2014年には198回2/3を投げて17勝11敗、防御率3.53という自己最高の成績をマークした。しかし、2015年は5勝10敗、防御率4.80、2016年は7勝11敗、防御率4.86と伸び悩みが続き、今季は19試合(うち8先発)に登板して5勝4敗ながら防御率7.85と自己最悪の成績に終わった。
開幕時は先発ローテーションに入っていたものの、8先発で4勝2敗、防御率6.08と打ち込まれるとブルペンに配置転換。しかし、11試合で防御率11.94、被打率.368とさらに成績が悪化し、7月下旬にDFA→マイナー降格となった。なお、AAA級では13試合すべてにリリーフで登板し、防御率3.38、被打率.213をマークしたが、10奪三振に対して10与四球と不安定な投球内容は改善されなかった。ロイヤルズのデイトン・ムーアGMは「我々は彼をブルペンの一員として考えている。先発候補の一人になる可能性もあるけどね」とコメント。リリーフ転向後の成績が芳しくないこともあり、ムーアの思惑がどこまで成功するかは微妙なところだ。
ロイヤルズはエリック・ホズマーら主力選手がフリーエージェントとなり、彼らとの再契約を模索しつつも再建に舵を切る可能性も取り沙汰されている。投打ともにポストシーズン進出を狙うには戦力が不足しており、フリーエージェントとなった主力選手数名を引き留めたところで地区王者のインディアンスに対抗するのは難しいだろう。ムーアにとっては難しい舵取りを迫られるオフシーズンとなっている。
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タイガースが俊足好守の外野手・マーティンと1年契約
2017.12.6 11:25 Wednesday左打者、センターを守れる外野手、足の速い選手を必要としていたタイガースは一人の選手を獲得することにより、それらのニーズを全て満たすことに成功した。日本時間12月6日、タイガースは俊足好守の外野手、レオニス・マーティンを1年契約で獲得したことを発表した。
本格的な再建に取り掛かっているタイガースにとって、マーティンとの契約は先月中旬に契約したライアン・カーペンターに続く今オフ2件目のフリーエージェント市場でのメジャー契約となった。ただし、カーペンターはメジャー経験がなく、メジャー経験がある選手としては今オフ初の契約である。
今季のマーティンは開幕からなかなか調子が上がらず、4月20日時点で打率.111(54打数6安打)の大不振。4月23日にはDFAとなり、その後7月末までマリナーズ傘下のマイナー球団でプレイしていた。7月末にメジャー再昇格を果たしたものの、8月23日にマリナーズから今季2度目のDFA。8月末にはカブスへトレードされた。カブス移籍後も調子は上がらず、最終的な今季の成績は49試合で打率.172、3本塁打、9打点、7盗塁、OPS.513。昨季は自己最多の15本塁打を放ったが、その勢いを持続することはできず、期待はずれのシーズンとなった。
マーティンの魅力は何と言ってもハイレベルな外野守備。レンジャーズ時代の2013年から2015年にかけて、センターで3年連続守備防御点+14以上をマークしており、特に肩の強さはメジャーでもトップクラスに位置する。現在、タイガースの40人枠内にはメジャー経験のある外野手がマーティンのほかにニコラス・カステヤーノス、ジャコビー・ジョーンズ、マイキー・マートゥックの3人しかおらず、マーティンは右打者のジョーンズとのプラトーンで起用されることになりそうだ。
また、タイガースは右腕のエンリケ・バーゴス、元球宴捕手のデレク・ノリス、一塁手のエドウィン・エスピナル、外野手のジム・アドゥチとマイナー契約を結んだことを併せて発表している。
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セ・リーグ奪三振王のマイコラスがカージナルスと2年契約
2017.12.6 10:49 Wednesday日本時間12月6日、カージナルスは今季まで日本プロ野球の読売ジャイアンツでプレイしたマイルズ・マイコラスと2年契約を結んだことを発表した。契約条件は2年総額1550万ドルと見られており、マイケル・ガーシュGMは先発ローテーション候補の一人として考えているようだ。
10球団前後が興味を示していたと見られるマイコラスの争奪戦は意外な形で決着した。有望な若手投手を多数抱え、彼らのバックアップ要員としてある程度実績のある先発投手の獲得に動くと見られていたカージナルスが2年1550万ドルの好条件でマイコラスを射止めたのだ。ガーシュは「我々のスカウトが彼を調査し、投球のレパートリーが洗練されていること、ファストボールの球速が上昇し、日本球界において最も有効な球種の一つとなっていることなどを確認した。サンディエゴやテキサスでプレイしていたときも制球は安定していたけど、日本での3年間で各球種を磨き、三振を奪うことのできる投手になった」とマイコラスを評価した。
マイコラスは日本で過ごした3年間で計62試合に先発し、31勝13敗、防御率2.18の好成績をマーク。2015年は13勝3敗でリーグ最高の勝率.813をマークし、今季はリーグ最多の188イニングを投げてこちらもリーグ最多となる187奪三振を記録した。カージナルスにはエースのカルロス・マルティネスを筆頭にアダム・ウェインライト、マイケル・ワカ、ルーク・ウィーバー、アレックス・レイエス、ジャック・フラハティ、サンディ・アルカンタラ、ダコタ・ハドソンと先発ローテーション候補が目白押しだが、マイコラスはレイエス、フラハティ、アルカンタラ、ハドソンといった若手投手と先発ローテーションの座を争うことになりそうだ。
レイエスら若手投手には投球イニング制限が設けられる見込みであり、それらをカバーする意味でもマイコラスの加入は大きい。また、マイコラスが加入したことにより、先発投手を交換要員としてトレードを仕掛ける可能性も出てきた。カージナルスにはメジャーを代表する好捕手であるヤディアー・モリーナがおり、彼にリードしてもらえるだけでなく、投手有利の本拠地で投げられるという利点もある。4年ぶりのメジャー復帰となるマイコラスの活躍に期待したい。
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2017.12.5 18:36 Tuesdayカージナルスとジャイアンツによる一騎打ちの様相を呈しているジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)争奪戦。西海岸に本拠地を置くジャイアンツの優勢が伝えられているが、カージナルスも諦める様子を全く見せない。なぜカージナルスはこれほどにもスタントン獲得に執念を見せているのだろうか。
カージナルスは2000年から2015年までの16シーズンでポストシーズンに12度進出。うち4度はワールドシリーズへ進出し、2006年と2011年にワールドシリーズ制覇を成し遂げた。しかし、ここ2シーズンはカブスに地区優勝を譲り、ワイルドカードにも届かず。「カブスを上回ってポストシーズンに返り咲きたい」というモチベーションがあることは間違いない。
また、2000年代のカージナルスにはアルバート・プーホルスという主砲がいた。プーホルスはデビューイヤーの2001年から10年連続で「打率3割・30本塁打・100打点」をクリアし、カージナルスでのラストイヤーとなった2011年にも打率.299、37本塁打、99打点をマークしたが、プーホルス退団後、カージナルスでシーズン30本塁打以上を放ったのは2012年のカルロス・ベルトラン(32本塁打)と2016年のジェッド・ジョーコ(30本塁打)だけ。2009年途中に加入したマット・ホリデイが安定した活躍で「ポスト・プーホルス時代」の打線を支えていたが、迫力不足は否めなかった。「打線の核となる絶対的な主砲が欲しい」という希望を持つに至るのも決して不思議なことではない。
もちろん、両リーグ最多の59本塁打、132打点を叩き出し、ナ・リーグMVPに輝いたスタントンのような超大物スラッガーを獲得するチャンスなどめったに訪れないという事情もあるだろう。カージナルスは自軍の若手有望株を差し出したうえでスタントンの残り契約の大半を負担する意思を示しており、スタントン獲得にまさに「全力」を注いでいる。カージナルスの球団史上最高額の契約はホリデイに与えた7年1億2000万ドルだが、スタントンの獲得に成功した場合、これを大幅に更新することになる(スタントンの契約は残り10年2億9500万ドル)。
カージナルスは念願の主砲を獲得し、再びポストシーズンの常連となることができるのか。すべてはトレード拒否権を有するスタントンの決断に委ねられている。
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大谷争奪戦から脱落のヤンキース サバシアと再契約の可能性
2017.12.5 17:27 Tuesday大谷翔平争奪戦の一次審査で不合格通知を突き付けられたヤンキース。ブライアン・キャッシュマンGMは「可能であれば、我々は常に先発ローテーションのグレードアップを目指している」と語っているが、通算237勝を誇るベテラン左腕との再契約に動く可能性が浮上した。
ヤンキースは田中将大、ルイス・セベリーノ、ソニー・グレイの3人で来季の先発ローテーションの3番手までは確定。今季メジャーデビューを果たし、155回1/3を投げて9勝7敗、防御率3.88をマークしたジョーダン・モンゴメリーも先発ローテーション入りが有力視されるが、少なく見積もっても先発投手が1人足りない。マイナーに候補者がいないわけではないが、計算できる先発投手を1~2人獲得しておきたいところだろう。
そこで浮上したのが今季限りでフリーエージェントとなったCCサバシアとの再契約である。キャッシュマンは先日、サバシアの代理人を務めるカイル・サウザンドと話し合いの場を設けており、また、サバシアは繰り返しヤンキースへの復帰願望を口にしている。「サバシアは長い間ヤンキースで活躍してくれた。クラブハウスでもグラウンド上でも投手陣のなかでもリーダーの一人だった。そして今、彼はフリーエージェントだ」とキャッシュマンはサバシアについて語ったが、先発投手を補強したいヤンキースと、ヤンキースと再契約を結びたいサバシアの間で利害は一致しており、再契約に向けて何の障壁もないように思われる。
37歳のサバシアは今季27試合に先発して14勝5敗、防御率3.69をマーク。3年ぶりに規定投球回には届かなかったが、4年ぶりとなる2ケタ勝利をマークし、通算237勝の実力が健在であることを十二分にアピールした。サバシアは「若い選手たちと一緒にワールドシリーズを制したいんだ」とヤンキースへの思いを語っている。
ヤンキースはフリーエージェント市場でアレックス・カッブの獲得を狙う可能性も取り沙汰されているが、現時点ではサバシアと再契約を結ぶ可能性が最も高いと言えるだろう。「投手力は最も重要であり、特に先発ローテーションは大切だ」と語ったキャッシュマンの決断に注目だ。
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レンジャーズが救援右腕・バーネットと1年150万ドルで再契約
2017.12.5 16:20 Tuesday日本時間12月5日、レンジャーズは救援右腕のトニー・バーネットと1年150万ドルで再契約を結んだことを発表した。バーネットは今季終了後に来季の球団オプション(年俸400万ドル)を破棄され、フリーエージェントとなっていたが、年俸を下げて再契約に至った形だ。
バーネットは2010年から6シーズンにわたって日本プロ野球のヤクルトでプレイし、2015年オフにレンジャーズと2年350万ドルで契約。来日前にメジャー経験がなかったバーネットにとって、レンジャーズ1年目の2016年がデビューイヤーとなったが、53試合に登板して7勝3敗15ホールド、防御率2.09の好成績をマークした。しかし、今季は50試合で2勝1敗2セーブ、防御率5.49に終わり、ホールドも4つだけ。昨季の好成績を維持することができず、シーズン終了後に球団オプションを破棄されてフリーエージェントとなっていた。
先発、リリーフとも補強を必要とするレンジャーズにとって、2年連続で50試合以上に登板しているバーネットは年俸400万ドルを支払うわけにはいかないものの、ブルペンの一角として必要な戦力だったのだろう。最終的には年俸150万ドルの1年契約で再契約を結ぶに至ったが、これはメジャー1年目の2016年と同じ金額だ。レンジャーズとしては、2016年ほどの好成績とまではいかなくとも、今季の不振を脱し、ブルペンの一角としてチームに貢献してくれることを期待しているはずだ。
また、レンジャーズはチチ・ゴンザレス、アンソニー・ゴーズ、デービッド・ハールバット、クリスチャン・ロープスの4選手とマイナー契約で合意に至ったことも併せて発表している。ゴンザレスは今年7月にトミー・ジョン手術を受けており、来季中の復帰は絶望的。先日ノンテンダーFAとなったばかりだが、2019年以降に備えてキープした格好だ。
ダグ・フィスター、マイク・マイナーを獲得し、バーネットと再契約。着々と投手補強を進めているレンジャーズだが、質量ともに不足している状況に変わりはない。今後、さらなる補強が行われることになりそうだ。
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フィリーズのギャルビス&ヘルナンデスに獲得オファー
2017.12.5 15:16 Tuesdayプロスペクトの台頭により内野手が人員余剰気味になりつつあるフィリーズ。NBCフィラデルフィアのジム・ソールズベリーによると、フィリーズのもとにはフレディ・ギャルビスやセザー・ヘルナンデスの獲得を希望するトレードのオファーが届いているようだ。
ギャルビスは正遊撃手として今季全162試合に出場し、打率.255、12本塁打、61打点、OPS.690をマーク。本塁打や打点は前年から減少してしまったが、三振を25個減らして四球を20個増やすなどアプローチ面での成長を見せ、OPSでは自己ベストの数字をマークした。遊撃手として155試合に先発出場したが、有望株のJ.P.クロフォードがメジャーへ昇格してきたこともあり、シーズン終盤には数試合のみながら外野の守備にも就いた。
ヘルナンデスは左腹斜筋を痛めて6月中旬から1ヶ月ほど戦列を離れたため128試合のみの出場にとどまったものの、正二塁手として打率.294、9本塁打、34打点、OPS.793と安定した成績をマークした。出塁率(.373)で自己ベストの数字を残しただけでなく、長打率も自身初の4割超え(.421)。当然ながらOPS.793は自己ベストを大きく更新した。二塁の守備では前年からやや数字を落としたものの、攻守をトータルで見れば十分な貢献ぶりだった。
しかし、フィリーズは二塁にスコット・キンガリー、遊撃にクロフォードという有望株が控えている。キンガリーは今季AA級とAAA級で計132試合に出場し、打率.304、26本塁打、29盗塁、OPS.889の好成績をマーク。来季のメジャーデビューはほぼ確実だ。クロフォードは9月にメジャーデビューを果たし、打率.214ながら出塁率.356をマークするなど、優れたアプローチをアピール。昇格後は三塁を守ることが多かったが、来季は正遊撃手として起用される見込みだ。
こうした状況もあり、フィリーズはギャルビスとヘルナンデスの放出を検討している。ただし、決して彼らを安売りするつもりはなく、適切なオファーがなければ来季も彼らをキープし続ける方針だ。ソールズベリーによると、現在フィリーズのもとに届いているオファーはフィリーズを満足させるようなものではないという。正一塁手のトミー・ジョセフや正三塁手のマイケル・フランコにもトレードの可能性が取り沙汰されているフィリーズ。今オフ要注目のチームとなるかもしれない。
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レンジャーズが複数年契約で左腕・マイナーと契約合意
2017.12.5 14:26 Tuesday現地の報道によると、レンジャーズがフリーエージェントの左腕、マイク・マイナーと複数年契約で合意に至ったようだ。今季はロイヤルズでリリーバーとして活躍したが、レンジャーズは先発での起用を検討している模様。契約の詳細は現時点では明らかになっていない。
マイナーは左肩の故障により2015年シーズンを全休し、同年オフにノンテンダーFAとなった。翌2016年2月にロイヤルズと2年契約を結び、2016年シーズンは2年連続の全休に終わったものの、今季はリリーバーとして65試合に登板し、6勝6敗6セーブ17ホールド、防御率2.55の好成績をマーク。クローザーのケルビン・ヘレーラが不調に陥ったこともあり、シーズン終盤にはクローザーを務めた。来季の契約は相互オプションとなっていたが、マイナー側がこれを破棄。フリーエージェントとなり、リリーフ左腕を欲する球団からの注目を集めていた。
リリーバーとして復活を遂げたマイナーだが、レンジャーズはマイナーを先発ローテーションの一角として起用することを検討しているようだ。マイナーはブレーブス時代の2013年に204回2/3を投げて13勝9敗、防御率3.21、181奪三振の好成績をマーク。前年の2012年にも11勝を挙げるなど、ブレーブス時代は先発投手として活躍した。ダグ・フィスターを獲得したとはいえ、先発ローテーションはコール・ハメルズ、マーティン・ペレス、フィスターの3枠しか埋まっておらず、先発投手は少なくともあと2枚必要。空いている2枠のうちの1枠にマイナーを起用しようという考え方は決して不思議ではない。
年数や金額といった契約の詳細は現時点では明らかになっていないものの、先発がダメでもリリーフに回すことができるため、比較的リスクの少ない投資と言える。今季の好成績がホンモノであるならば、むしろお買い得な契約になる可能性もあるだろう。フリーエージェント市場の動きが停滞気味になるなか、着実に補強を進めているレンジャーズ。ジョン・ダニエルズGMの次なる一手に注目したい。
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ヤンキースがブーンの監督就任を正式に発表
2017.12.5 12:26 Tuesday2003年にヤンキースをワールドシリーズへ導いた男が再びヤンキースに戻ってくる。ヤンキースは日本時間12月5日、球団33代目監督にアーロン・ブーンが就任したことを正式に発表した。契約期間は3年。2021年の契約は球団が選択権を持つオプションになっているという。
「ヤンキースの監督としてもう一度ピンストライプのユニフォームに袖を通すなんて、言葉では言い表せないほど光栄だよ」と監督就任の喜びを語ったブーン。「私のことを信頼してくれたスタインブレナー一家とブライアン・キャッシュマンGMに感謝したい。ヤンキースは球団史に残る黄金期に突入しつつあると確信しているし、その一部になれることにワクワクしている。監督としての仕事を始めるのを待ちきれないし、もう仕事はスタートしているんだ」
ブーンは2003年途中にレッズからヤンキースへ移籍し、同年のリーグ優勝決定シリーズ第7戦でティム・ウェイクフィールド(レッドソックス)からワールドシリーズ進出を決めるサヨナラ本塁打を放った。同年オフ、バスケットボールをして遊んでいる最中に左膝の靱帯を断裂する重傷を負い、契約違反として解雇されてしまったが、ニューヨークではチームをワールドシリーズに導く劇的な一発を放った男として記憶されている。ヤンキースでプレイ経験のある監督は球団史上18人目であり、また、監督やコーチの経験が全くない監督は1946年のビル・ディッキー以来72年ぶりとなった。
ブーン一家はメジャー屈指の野球一家として知られており、祖父・レイ、父・ボブ、兄・ブレットはいずれも元メジャーリーガー。3世代でメジャーリーガーを輩出したのはブーン一家が史上初である。また、ボブはレッズ(1995~1997年)とロイヤルズ(2001~2003年)で監督を務めた経験があり、親子でメジャーリーグの監督を務めるのはジョージとディックのシスラー親子、ボブとジョエルのスキナー親子に次いで史上3組目となった。
ヤンキースで28シーズンにわたってベンチコーチなどを務めたロブ・トムソンがフィリーズへ流出した一方、投手コーチのラリー・ロスチャイルドはヤンキース残留が決定。来季のヤンキースは3月に45歳の誕生日を迎える新指揮官のもと、2009年以来9年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指す。
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2017年の「バレル王」はジャッジ 2位はスタントン
2017.12.5 11:51 Tuesday近年、注目を浴びるようになった新指標「バレル」。歴代最多の6105本塁打が飛び交った今季、「バレル」に該当する打球は打率.826、長打率2.889を記録し、その6割以上が本塁打となった。そして、最も多くの「バレル」を記録したのはヤンキースの新人スラッガーだった。
そもそも「バレル」とは何なのか。簡単に説明すると、「打率.500以上かつ長打率1.500以上を記録する打球の初速と発射角度に該当する打球」である。打球の初速により発射角度の幅は変化するが、大まかな目安としては「初速が時速98マイル以上かつ発射角度が26~30度の打球」ということになる。「バレル」の測定はStatcastが導入された2015年に開始され、昨季は打率.822、長打率2.386を記録。今季はそれをさらに上回った(打率.826、長打率2.889)。
そして、今季の「バレル王」はアーロン・ジャッジ(ヤンキース)だった。ジャッジは昨季のミゲル・カブレラ(タイガース)の77度を大きく上回る87度の「バレル」を記録(ポストシーズンでも5度)。これは「バレル」の測定が開始されて以降、史上最多の数字となった。ジャッジの全打球のうち、実に4分の1以上が「バレル」となったが、この割合はもちろん両リーグ最高。ポストシーズンを含めた今季の56本塁打のうち、「バレル」でなかったのは1本だけだった。6月には今季最速となる初速121.1マイルの本塁打と、飛距離495フィートの本塁打を記録。「バレル王」に相応しい活躍ぶりだった。
2位は76度のジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)。故障がちだった2015年は45度、昨季は44度に終わっていたが、自己最多の159試合に出場した今季、一気に数字を伸ばした。スタントンは「バレル」に該当する打球で打率.920、長打率3.213をマーク。その7割近くが本塁打となった。
3位には67度のクリス・デービス(アスレチックス)、4位には60度のJ.D.マルティネス(ダイヤモンドバックス)とネルソン・クルーズ(マリナーズ)がランクイン(マルティネスはポストシーズンでも1度)。上位の顔ぶれを見てもわかるように、メジャーを代表する強打者は「バレル」を量産している。「バレル」をいかに増やすかが活躍のカギを握っていると言っても過言ではないだろう。
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大谷&スタントンの両獲りを目指すジャイアンツ
2017.12.5 11:21 Tuesday今オフの話題を独占している大谷翔平(北海道日本ハム)とジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)。この2人を両獲りする可能性を残すチームが1つだけ存在する。今季、両リーグワーストタイの64勝98敗に終わったサンフランシスコ・ジャイアンツである。
ジャイアンツは大谷争奪戦の一次審査を突破した7球団に名を連ねており、スタントン獲得の最有力候補と言われる2球団のうちの一つでもある。スタントン獲得レースの対抗馬であるカージナルスは大谷争奪戦から脱落し、スタントンの第一希望と報じられているドジャースは大谷争奪戦の一次審査を突破したものの、ぜいたく税の問題もあってスタントン獲得レースには消極的だ。両獲りの可能性を残すのはジャイアンツだけであると断言しても間違いではないだろう。
大谷は二刀流を実現するために指名打者制を採用しているア・リーグの球団を希望するのではないかとの見方もあったが、一次審査を突破した7球団のうち、ア・リーグの球団はエンゼルス、マリナーズ、レンジャーズの3つだけ。エンゼルスにはアルバート・プーホルス、マリナーズにはネルソン・クルーズというスター級の指名打者がおり、大谷を指名打者として起用する際には彼らを他のポジションへ移さなければならない。ひょっとすると、大谷は指名打者制という要素をあまり重視していないのかもしれない。となると、ナ・リーグ所属のジャイアンツにも獲得のチャンスは十分にある。
ジャイアンツがスタントンを欲しがる理由は明白だ。各地で本塁打が乱れ飛んだ今季、ジャイアンツは両リーグ最少の128本塁打に終わった。チーム本塁打王は18本塁打のブランドン・ベルトであり、20本塁打以上の打者は皆無。それどころか、バリー・ボンズが現役ラストイヤーの2007年に28本塁打を放って以降、この数字を超えた打者は現れていないのである(2013年のハンター・ペンスの27本塁打が最多)。ジャイアンツにとってスタントンは、チームの長年の課題である長打力不足を解消するための切り札なのだ。
2010年からの5シーズンで3度のワールドシリーズ制覇を成し遂げたジャイアンツは、再びワールドシリーズ制覇を狙えるチームを作り上げることを目指している。大谷とスタントンの両獲りにより、大型補強を成功させることはできるのだろうか。
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大谷争奪戦の一次審査突破は7球団 面会一番手はジャイアンツ
2017.12.5 10:46 Tuesday書類選考による一次審査の結果、直接交渉するチームをジャイアンツ、エンゼルス、カブス、ドジャース、マリナーズ、パドレス、レンジャーズの7球団に絞り込んだ大谷翔平。現地の報道によると、7球団の先陣を切ってジャイアンツが大谷と面会の場を設けたようだ。
NBCスポーツによると、ジャイアンツは日本時間12月5日にロサンゼルスで大谷と面会。ジャイアンツからは球団副社長のブライアン・セイビアンのほか、ボビー・エバンスGM、ブルース・ボウチー監督、球宴捕手であり元ナ・リーグMVPのバスター・ポージーなど豪華な面々が大谷との面会に参加したという。ボウチー監督は大谷の二刀流について、300~400打席程度の出場機会を与えることを考えていると発言。「来年のスケジュールを考慮すると、これまでよりも二刀流はやりやすくなると思うよ。新しいスケジュールを見てごらん。休みが増えているからね」とボウチー監督は二刀流に対して肯定的な姿勢を見せている。
ジャイアンツはジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)の獲得にも積極的に動いており、今オフの主役2人を両獲りする可能性も出てきた。今季は両リーグワーストタイの64勝98敗に終わるなど、まさに屈辱のシーズン。2010年から2014年までの5年間で3度のワールドシリーズ制覇を成し遂げた栄光を取り戻すためにも、狙った獲物は逃さないという覚悟がうかがえる。
一次審査を突破した7球団のうち、最も多くのインターナショナル・ボーナスプールを残しているのはレンジャーズ(353万ドル)。ジャイアンツは前年にインターナショナル・ボーナスプールの上限額を超過したペナルティにより、一人の選手に対して最大30万ドルしか提示できないというハンデを背負っている。しかし、レンジャーズ同様に300万ドル以上のインターナショナル・ボーナスプールを残していたヤンキースやツインズが一次審査で脱落したように、大谷が金銭面の条件を重視していないことは明白だ。来季はメジャーを代表する捕手であるポージーとバッテリーを組む大谷の姿が見られるかもしれない。
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カムバック賞にムスターカスとホランドが選出
2017.12.4 18:25 Monday日本時間12月2日、メジャーリーグ機構が選出する今季のカムバック賞の受賞者が発表され、ア・リーグはマイク・ムスターカス(ロイヤルズ)、ナ・リーグはグレッグ・ホランド(ロッキーズ)が選出された。なお、両選手とも現在はフリーエージェントとなっている。
両者とも今季は、故障で長期欠場した昨季からの見事な復活を遂げたシーズンとなった。右膝前十字靭帯断裂により昨季わずか27試合のみの出場に終わったムスターカスは、今季148試合に出場して打率.272、38本塁打、85打点、OPS.835をマーク。球団のシーズン本塁打記録を更新するなどキャリアハイのシーズンを過ごし、ファイナル・ボートで自身2度目のオールスター・ゲーム選出も果たした。ホランドはトミー・ジョン手術のリハビリにより昨季を無所属で過ごし、今年1月下旬にロッキーズと契約。61試合に登板して3勝6敗41セーブ、防御率3.61をマークし、ケンリー・ジャンセン(ドジャース)と並んで最多セーブのタイトルを獲得しただけでなく、開幕から2ヶ月連続で月間最優秀救援投手に選出される活躍で3年ぶりにオールスター・ゲームにも選出された。
「グラウンドに戻ってきたかったんだ」と語ったのはムスターカス。「カンザスシティや(リハビリ施設のある)フロリダでたくさんのリハビリに取り組み、フルシーズン活躍できるように準備してきたんだ。復活を手助けしてくれた人々には感謝しきれないよ。僕はただ、もう一度チームメイトと一緒に野球をしたかった。彼らのおかげでそれを実現できたんだ」とリハビリをサポートしてくれた球団トレーナーらへの感謝を口にした。
メジャーリーグ機構が選出するカムバック賞は各球団から1人ずつ、計30人の候補者が選出され、そこからMLB.comの番記者30人によって最終的な受賞者が決定される。昨季はリック・ポーセロ(レッドソックス)とアンソニー・レンドン(ナショナルズ)が選出されたが、ムスターカスとホランドはいずれも球団史上初のカムバック賞受賞者となった。
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パドレスがプレラーGMと3年間の契約延長
2017.12.4 17:52 Monday日本時間12月4日、パドレスはA.J.プレラーGMとの契約を3年間延長したことを発表した。これによりプレラーは少なくとも2022年までパドレスのGMを務めることになる。チーム再建に取り組み、マイナー組織の立て直しに成功したことなどが評価された格好だ。
オーナーのロン・ファウラーは「A.J.(プレラー)は精力的な働き者であり、球界において最も明晰な頭脳の持ち主の一人である。我々は彼が球団を正しい方向へ導くのに適切な人物であるということに何の疑いも持っていない。ここ数年間でA.J.と彼のスタッフはマイナー組織を球界でも有数のものに作り替えてくれた。今後、有望株たちの才能が次々に開花していくだろう。我々はサンディエゴにワールドシリーズ制覇をもたらすという共通の目標に向かって取り組んでいくよ」とプレラーへの信頼を口にした。
「これは私自身だけでなく、球団全体、チーム全体にとって大きなことだよ。我々の向かっている方向が正しいということをオーナーが認めてくれたということだからね」とプレラー。8月にはアンディ・グリーン監督の契約が2021年まで延長されており、ウィル・マイヤーズ、マニュエル・マーゴ、ハンター・レンフロー、オースティン・ヘッジスといった主力選手を筆頭に、大半の選手が2022年まで球団の保有下にある。グリーンとプレラーのコンビはマイヤーズ、マーゴといった顔ぶれを中心として、ワールドシリーズ制覇を狙えるチーム作りを進めていくことになるだろう。
プレラーは2014年オフにマイヤーズのほか、マット・ケンプ(現ブレーブス)、ジャスティン・アップトン(現エンゼルス)、クレイグ・キンブレル(現レッドソックス)などを獲得する大型補強に打って出た。しかし、これが大失敗。するとプレラーはすぐに再建モードへと舵を切り、これらの選手との交換で若手有望株を獲得した。それが現在の充実したマイナー組織に繋がっているのである。充実したマイナー組織を抱えるパドレスの未来は間違いなく明るい。プレラー率いるパドレスの数年後が楽しみだ。
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ブルージェイズが元球宴遊撃手・ディアスを獲得
2017.12.4 16:36 Monday二遊間のバックアップを務めることのできる内野手を探していたブルージェイズが、若手外野手のJ.B.ウッドマンとの交換でカージナルスからアレドミス・ディアスを獲得するトレードを成立させた。ディアスはデビューイヤーの昨季、オールスター・ゲームに選出されている元球宴遊撃手である。
ディアスはメジャーデビューを果たした昨季、111試合に出場して打率.300、17本塁打、65打点、OPS.879の好成績をマーク。同僚のマット・カーペンターの代替選手としてオールスター・ゲームに選出され、新人王投票では5位にランクインした。しかし、今季は攻守ともに精彩を欠き、6月下旬にマイナー降格。シーズン終盤になってメジャー再昇格を果たしたものの、今季は79試合で打率.259、7本塁打、20打点、OPS.682に終わった。正遊撃手の座を新人のポール・デヨングに奪われ、三塁や左翼を守ることもあった。
ブルージェイズは二塁のデボン・トラビスと遊撃のトロイ・トゥロウィツキーが故障がちなこともあり、彼らのバックアップ要員となり得る内野手を探していた。「我々の最優先課題は内野手の層を厚くすることだ。必要なときに出場するだけでなく、内野の複数ポジションを守りながら常時出場するような選手が得られればベターだね」とロス・アトキンスGMは語っていたが、その条件にピタリと当てはまるのがディアスだった。
元球宴遊撃手のディアスとはいえ、レギュラーの座は確約されていない。しかし、トラビスとトゥロウィツキーがともに故障なくシーズンを過ごすとは考えにくく、三塁や外野で出場する可能性があることも考慮すれば、ディアスにはレギュラー級の出場機会が与えられる可能性もあるだろう。「できれば毎日試合に出たい。だから二塁や三塁の練習もしたんだ」と語るディアス。2022年まで保有可能な点もブルージェイズにとっては大きな魅力となる。
一方、カージナルスへ移籍するウッドマンは22歳の外野手。2016年のドラフトでブルージェイズから2巡目(全体57位)指名を受けて入団し、今季はA級で96試合に出場して打率.240、7本塁打、45打点、OPS.699をマークした。414打席で157三振を喫したようにまだ粗削りな素材であり、メジャー昇格までにはしばらく時間が掛かりそうだ。
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