【戦評】ウェインライトの投打にわたる活躍で貯金1
2017.6.2 10:33 Friday

カルロス・マルティネスの好投で勝率を5割に戻したカージナルスは本拠地ブッシュ・スタジアムでの対ドジャース4連戦、最終戦のマウンドに通算139勝を誇るベテラン右腕アダム・ウェインライトを送り込んだ。一方のドジャースはここまで8先発で5勝1敗、防御率3.28と安定した投球を続けているブランドン・マッカーシーが先発のマウンドへ。所属地区の上位につける両チームの対戦は、前日に続く投手戦となった。
1回表、ウェインライトは先頭のクリス・テイラーから三振を奪うと、続くコリー・シーガーとコディー・ベリンジャーを内野ゴロに打ち取り、上々の立ち上がり。対するマッカーシーは2安打を許して二死一、三塁のピンチを背負ったものの、5番ヤディアー・モリーナをインハイへの速球でキャッチャーへのファウルフライに打ち取って事なきを得た。
試合が動いたのは2回裏。カージナルスは一死から好調の新人ポール・デヨングがセンターへのヒットで出塁し、続くアレドミス・ディアスは投手ゴロに倒れたものの、二死二塁のチャンスを迎える。ここで打席に立ったのがウェインライト。カウント2-2と追い込まれたあとの5球目、真ん中低めのカーブをしっかり捉え、セントルイスの野球ファンの大歓声の中、打球はレフトスタンドに吸い込まれた。今季2本目となるウェインライトの先制ツーランは通算10本目となる記念の一発。昨季18打点でDH制導入後の投手による最多打点記録を更新した男が、自慢のバットで貴重な先制点を叩き出した。
3回以降もウェインライトはドジャース打線に連打を許さない安定したピッチングを続け、101球を投げて6回4安打6奪三振無失点。5月14日から4先発連続でクオリティー・スタートを達成し、その間26.1回で1失点(防御率0.34)と抜群の安定感を見せている。開幕直後に7点台まで跳ね上がった防御率も3.79まで向上。一時は限界説も囁かれたベテラン右腕が自身の健在ぶりを見せつけた、見事なピッチングだった。
カージナルスは毎回のように走者を出しながら追加点を奪えなかったものの、7回表をマット・ボーマン、8回表をトレバー・ローゼンタール、そして最終回を守護神オ・スンファンが無失点で繋ぎ、4投手による完封リレーでドジャースに連勝。貯金を1として、ナ・リーグ中部地区の首位を走るブリュワーズとの1.5ゲーム差をキープした。一方、敗れたドジャースはこの日勝利したロッキーズに抜かれ、ナ・リーグ西部地区首位の座から陥落。右手人差し指のまめで降板したマッカーシーのあとを受けたブルペン陣が4回無失点と好投したものの、その頑張りに打線が応えることができなかった。
