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【戦評】エース復活!インディアンス投手陣が圧巻の奪三振ショー

2017.6.2 15:47 Friday

 ア・リーグ連覇、そしてその先にある栄光を目指すインディアンスに頼れるエースが戻ってきた。腰痛により5月3日に故障者リスト入りしていたコリー・クルーバーが約1ヶ月ぶりに戦列復帰。本拠地プログレッシブ・フィールドでのアスレチックス戦に先発し、エースの名に相応しい圧巻のピッチングを披露した。

 まずは1回表。復帰後の初球は1番マット・ジョイスへ投じた147km/hのシンカー。これをジョイスが打ち上げて、セカンドフライで1アウト。そしてここからクルーバーの奪三振ショーが幕を開ける。2番マーク・キャナに対してはカウント1-1からアウトローへのカーブを2球続けて空振り三振。3番ライオン・ヒーリーに対してはカウント1-2と追い込んだ後、真ん中低めへのカーブを投じて2者連続の空振り三振に斬って取った。続く2回表はクリス・デービス、ヨンダー・アロンゾ、チャド・ピンダーの3人からいずれもカットボールで空振り三振を奪い、なんと5者連続の空振り三振。本拠地プログレッシブ・フィールドに詰め掛けたファンの目の前でエース復活を強烈にアピールした。

 3回表は8番ラジェイ・デービスの内野安打と盗塁、1番ジョイスへの四球で二死一、三塁のピンチを迎えたものの、2番キャナを再びアウトローへのカーブで空振り三振に斬って取り、無失点。4回表、5回表は各1奪三振で三者凡退に抑え、6回表は先頭の9番アダム・ロサレスにヒットを許したものの、続く1番ジョイスを三振ゲッツーに抑えた後、2番キャナにはカーブを3球続けて3球三振を奪い、「彼のボールはよく動いていた。今日は何をやっても彼に対する解決策が見つからなかったよ」とキャナはすっかりお手上げ状態。故障明けということもあって6回限りでお役御免となったが、6回77球を投げて2安打10奪三振無失点と復帰戦を見事なピッチングで飾った。

 エースを援護したいインディアンス打線は3回裏に相手先発ジャーレル・コットンの暴投で1点を先制すると、6回裏に打線がつながり、一挙4得点。なお、6回裏にはレフトのスプリンクラーが誤作動するアクシデントが発生した。7回裏にもフランシスコ・リンドーアとマイケル・ブラントリーのタイムリーに相手のエラーが絡んで3点を追加し、8-0となって勝負あり。7回以降はブライアン・ショウ、ニック・グッディー、ダニー・サラザーの3人が計7奪三振とクルーバーに勝るとも劣らない奪三振ショーを披露し、チーム合計17奪三振で完封リレーを完成させた。開幕からなかなかエンジンがかからなかったインディアンスだが、現時点でア・リーグ中部地区首位のツインズとゲーム差なしの2位に肉薄。女房役のロベルト・ペレスが「彼が試合に戻ってきてくれたのは良いことだ。今日のピッチングは素晴らしかったね」と語ったように、エース復活がリーグ王者の快進撃スタートの狼煙となるかもしれない。

 なお、この試合が終わった時点でインディアンスのチーム奪三振率(9回あたりの奪三振数)は10.20となり、両リーグトップを快走中。ここ数年の三振増の傾向により、昨季ドジャースが奪三振率の歴代最高記録を更新(9.35)したものの、今季はインディアンス以外にもアストロズ、レッドソックスなど複数のチームが昨季のドジャースを上回る奪三振率を記録しており、2年連続での記録更新となりそうな気配が漂っている。メジャー全体の本塁打数と同様に、こちらの記録にも注目していきたいところだ。

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