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5月の各賞受賞者が発表

2017.6.3 12:53 Saturday

 歴代2番目に多い1060本塁打が飛び出した今年5月。日本時間6月3日に、5月の各賞受賞者(月間最優秀選手、月間最優秀投手、月間最優秀新人、月間最優秀リリーバー)が発表された。受賞者の活躍を簡単に振り返ってみたい。

ア・リーグ月間最優秀選手:カルロス・コレア(アストロズ)

 打率.386(101打数39安打)、24得点、8二塁打、7本塁打、26打点の大活躍で初受賞。打率と打点はリーグトップ、得点は同2位、出塁率.457は同3位、長打率.673は同4位の好成績だった。通算298試合目で322安打、50本塁打を記録し、キャリア最初の300試合で300安打と50本塁打をクリアしたのは球団ではランス・バークマン以来史上2人目となる快挙。自身のバットで好調アストロズを牽引し、チームはア・リーグ西部地区の首位を快走中。チームへの貢献度という点から見ても、文句なしの初受賞となった。

ナ・リーグ月間最優秀選手:チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)

 打率.359(117打数42安打)、24得点、6二塁打、5三塁打、6本塁打、29打点の大活躍で初受賞。打率、安打、三塁打はリーグトップ、得点と長打率.650は同3位、打点は同5位と、1番打者らしからぬ強打を発揮した。23日のフィリーズ戦では2本のツーランを放ち、47試合で40打点に到達。1920年以降、1番打者が47試合で40打点に到達したのは史上最速だった(従来の記録は2009年イアン・キンズラーと2016年ムーキー・ベッツの52試合)。なお、打率.344、11本塁打、21打点の好成績を残したジャスティン・ボーア(マーリンズ)は惜しくも受賞を逃した。

ア・リーグ月間最優秀投手:ランス・マカラーズJr.(アストロズ)

 6先発で36.1回を投げ、4勝0敗、防御率0.99、37奪三振という見事な成績をマークして初受賞。防御率は両リーグトップの数字であり、36.1回で自責点は僅かに4。21安打しか許さなかった。4月のダラス・カイケルに続いてアストロズから2ヶ月連続の受賞となったが、これはア・リーグでは2012年ホワイトソックス(4月ジェイク・ピービー、5月クリス・セール)以来の快挙。23日のタイガース戦では5回1安打無失点の好投を見せ、24回連続無失点はこの時点で今季メジャー最長の数字となった。また、本拠地では初先発以来26先発連続で3失点以下を継続しており、ア・リーグ史上最長記録となっている(ナ・リーグ記録は2013年から2015年にかけてクレイトン・カーショウが記録した30先発連続)。

ナ・リーグ月間最優秀投手:アレックス・ウッド(ドジャース)

 5先発で28.1回を投げ、5勝0敗、防御率1.27、7四球に対して41奪三振という見事な成績をマークして初受賞。勝利数と防御率はリーグトップの数字で、28.1回で許した安打は僅か22本。本塁打は1本も打たれなかった。8日と13日の登板では「2試合連続6回以下で10奪三振以上」という史上3人目となる珍記録を達成。2試合連続10奪三振以上は自身初でもあった。8日の登板から4先発連続で失点がなく、25.2回連続無失点を継続中。現在は左胸鎖関節の炎症で故障者リスト入りしているが、戦列復帰後、快投がどこまで続くか注目したい。

ア・リーグ月間最優秀新人:アーロン・ジャッジ(ヤンキース)

 打率.347(95打数33安打)、17得点、5二塁打、7本塁打、17打点、15四球の活躍で2ヶ月連続の受賞。2ヶ月連続受賞は昨年6月と7月に連続受賞したタイラー・ネークイン(インディアンス)以来となった。また、4月と5月の2ヶ月連続受賞は昨年のノマー・マザーラ(レンジャーズ)に続いて2年連続。安打、得点、本塁打、打点、四球、出塁率.441はいずれもリーグ新人トップの数字だった。5月末までに17本塁打を放った新人は1987年に19本塁打を放ったマーク・マグワイア(当時アスレチックス)以来史上2人目。黄金時代からの過渡期にあったヤンキースを自慢の強打で牽引し、ア・リーグ東部地区の首位を走るチームに大きく貢献している。

ナ・リーグ月間最優秀新人:コディー・ベリンジャー(ドジャース)

 打率こそ.245(106打数26安打)止まりながら、22得点、5二塁打、9本塁打、27打点を記録して初受賞。得点、安打、本塁打、打点はリーグ新人トップ、長打率.566は同3位の数字だった。6日のパドレス戦では9回にキャリア初の満塁弾を放ち、チームの勝利に貢献。キャリア最初の11試合で5本塁打を放ったのは1900年以降では球団初、また、同じくキャリア最初の11試合で5本塁打かつ14打点以上を叩き出したのは1999年マーク・クイン(当時ロイヤルズ)以来史上2人目となった。32試合で11本塁打は球団最速記録を更新するなど、4月25日にメジャーデビューを果たしたばかりの若きスラッガーは記録づくめのシーズンを送っている。なお、父クレイ(元ヤンキースなど)は通算12本塁打。早くも「父超え」が見えてきた。

ア・リーグ月間最優秀リリーバー:クレイグ・キンブレル(レッドソックス)

 12試合に登板して1勝0敗7セーブ(セーブ成功率100%)、防御率0.00、12.2回で25奪三振、1四球、被打率.025、WHIP0.16という驚異的な成績をマークし、ブレーブス時代の2013年8月以来自身4度目の受賞となった。現時点で自己最長となる31打者連続無安打を継続中で、その間18奪三振とまさしく「アンヒッタブル」な投球を続けている。今季まだ右打者に1本もヒットを許しておらず、また、25日のレンジャーズ戦では1回4奪三振を記録。ブレーブス時代の2012年にも同記録を達成しており、複数回の達成は史上4人目となった。アレックス・コロメイ(レイズ)も10セーブ、防御率1.26と素晴らしい1ヶ月を過ごしたが、キンブレルの圧倒的なパフォーマンスを上回ることはできなかった。

ナ・リーグ月間最優秀リリーバー:グレッグ・ホランド(ロッキーズ)

 9試合に登板して8セーブ(セーブ成功率100%)、防御率1.17の好成績をマークし、4月に続いて2ヶ月連続の受賞。キャリア通算では4度目の受賞となった。トミー・ジョン手術の影響で昨季を全休し、カムバック・イヤーとなった今季は好調ロッキーズの守護神として開幕から好投を続け、6月1日の試合で早くも今季20セーブ目を記録。チーム56試合目で20セーブはシーズン57セーブペースであり、2002年ジョン・スモルツ(当時ブレーブス)と2003年エリック・ガニエ(当時ドジャース)が記録した55セーブのナ・リーグ記録を更新する勢いでセーブを積み重ねている(メジャー記録は2008年フランシスコ・ロドリゲスの62セーブ)。ホランドのセーブ数がどこまで伸びるか、ロッキーズの今後の戦いから目が離せない。

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