【戦評】ベニンテンディがスランプ脱出の2ホーマー
2017.6.5 15:22 Monday

開幕前、各媒体で球界ナンバーワン・プロスペクト(若手有望株)に挙げられ、「新人王間違いなし」との声さえあったアンドリュー・ベニンテンディ(レッドソックス)。昨年8月にメジャーへ昇格し、34試合で打率.295、OPS.835と結果を残した若き好打者は、今年4月も打率.333、OPS.870の好成績をマークし、一時は4番に据えられていた。
ところが、5月10日から昨日までの73打数で打率.123、OPS.358、長打は二塁打1本のみというスランプに陥り、先月末に4番を外され、開幕時の打順である2番に戻されていた。「大本命」に挙げられていた新人王レースでも猛打爆発のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)に水をあけられる苦しい展開。しかし、球界ナンバーワン・プロスペクトはこのまま終わるようなヤワな人間ではなかった。
敵地ボルティモアでのオリオールズ4連戦の最終戦。「2番・レフト」で先発出場したベニンテンディは1点ビハインドの3回表に右中間へ今季6号となる同点ソロを放つと、7回表にはライトスタンドへこの日2本目となる7号ソロ。9回表にもダメ押しとなるタイムリーヒットを放ち、この日は2本塁打を含む3安打3打点の大活躍でチームを勝利に導いた。
レッドソックスの先発クリス・セールはベニンテンディの活躍にも助けられ、6回6安打9奪三振3失点で今季7勝目をマーク。「言うまでもなく、俺たちは彼の活躍を必要としていた。今日は彼がスランプから立ち直るために大きな一日になったね」とベニンテンディのスランプ脱出を歓迎した。ア・リーグ東部地区の「本命」と見られながらもやや出遅れた感のあったレッドソックスだが、今日の勝利によって首位ヤンキースまで2ゲーム差。球界ナンバーワン・プロスペクトの復調とともに、「本命」の快進撃が幕を開けるかもしれない。