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ナ・リーグ一塁手部門は大混戦!?

2017.6.5 19:23 Monday

 日本時間7月12日にマイアミのマーリンズ・パークで開催される第88回オールスター・ゲーム。すでにファン投票は開始されており、日本時間5月31日にナ・リーグの第1回中間発表が行われた。得票数トップは90万79票を集めたブライス・ハーパー(ナショナルズ・外野手1位)。今回は激戦が予想されるナ・リーグ一塁手部門の行方を占ってみる。

 第1回中間発表で暫定スタメンの座を得たのはバスター・ポージー(ジャイアンツ・捕手)、アンソニー・リゾー(カブス・一塁手)、ダニエル・マーフィー(ナショナルズ・二塁手)、クリス・ブライアント(カブス・三塁手)、コリー・シーガー(ドジャース・遊撃手)、ハーパー、チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ・外野手2位)、ジェイソン・ヘイワード(カブス・外野手3位)の8名。各ポジションでカブス勢が上位につける中、ハーパー以外にポージー、シーガー、ブラックモンがファン投票選出圏内に名を連ねた。

 マーフィーやブライアントがすでに60万を超える票を得ている一方で、一塁手部門トップのリゾーは約45万票、遊撃手部門トップのシーガーは約40万票。この2部門では2位以下の選手にも幅広く票が入っており、熾烈な争いが繰り広げられていることが窺える。特に一塁手部門は好成績を残している選手も多く、最後の最後まで激しい争いが続きそうだ。では、一塁手部門の有力選手をチェックしていこう。

アンソニー・リゾー(カブス)

 第1回中間発表では一塁手部門最多の45万2620票を獲得。昨季もファン投票でオールスターに選出されており、現在のナ・リーグで最も人気のある一塁手と言っても過言ではないだろう(チームの人気を差し引く必要はあるかもしれないが)。今季は5月に打率.194のスランプに陥るなど、ここまで打率.236とあまり元気がない。しかし、三振(28)以上の四球(32)を選ぶなど、打撃の質自体は決して悪くなく、極端に低いBABIP(.221)が上向くにつれて打率も上昇するはずだ。

ライアン・ジマーマン(ナショナルズ)

 全盛期の強打を失い、不良債権化したはずの男が今季まさかの復活。両リーグ断トツの打率.374をマークするなど、打撃各部門で好成績をマークし、第1回中間発表では一塁手部門2位となる35万9055票を獲得した。一時は打撃3部門を独占し、4月は打率.420、11本塁打の好成績で月間MVPを受賞。その勢いは衰えつつあるとはいえ、5月も打率3割をクリアしており、6月も3試合で6安打と決して「春の珍事」ではなさそうだ。

フレディ・フリーマン(ブレーブス)

 チーム状況も影響して打点こそ伸び悩んでいるものの、出場37試合で打率.341、14本塁打、OPS1.209という驚異的な打棒を見せていたフリーマン。しかし、5月17日のブルージェイズ戦で受けた死球によって左手首を骨折し、痛恨の戦線離脱。前半戦での戦列復帰はほぼ絶望という状況になっている。第1回中間発表では一塁手部門3位の28万6389票を獲得していたが、試合に出場していないだけに、今後急激に得票数が伸びることはないだろう。なお、チームは穴埋め要員としてカージナルスからマット・アダムスを獲得。今のところ、アダムスは期待に応える活躍を見せている。

ポール・ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)

 走攻守3拍子揃った、一塁手には珍しいオールラウンドプレイヤー。昨季は24本塁打、32盗塁を記録し、今季もここまで13本塁打、12盗塁と「30-30」を狙えるペースで数字を積み上げている。ゴールドグラブ賞2回を誇る一塁守備に対する評価も高く、性格面も文句なし。打率.306、OPS.999と昨季やや物足りなかった打撃成績でも盛り返しており、第1回中間発表の一塁手部門4位(20万5828票)からさらなるランクアップも期待できそうだ。

エリック・テームズ(ブリュワーズ)

 開幕直後の球界を席巻した「逆輸入スラッガー」。4月13日から5試合連続本塁打を記録するなど、開幕直後に本塁打を量産し、4月は打率.345、11本塁打の好成績をマーク。5月は打率.221と失速したものの、出塁率.375と優れた選球眼に狂いはなし。OPSも「10割超え」をキープしている。直近5試合で2本塁打とやや当たりが戻りつつあり、今後の活躍次第では第1回中間発表の一塁手部門5位(17万244票)からの大幅ランクアップも夢ではないだろう。

ウィル・マイヤーズ(パドレス)

 昨季ついに開花し、初のオールスター出場を果たしたパドレスの看板選手。今季は4月10日のロッキーズ戦でサイクルヒットを達成するなど開幕から絶好調だったが、5月に入って打率.214と失速。ここまで打率.260、12本塁打、OPS.803とやや物足りない成績に落ち着いてしまった(それでもOPSは昨季を上回っているが)。16四球に対して70三振と打撃が粗くなっている点も心配。2年連続のオールスター出場に向けて6月以降の巻き返しに期待したい。

ブランドン・ベルト(ジャイアンツ)

 昨季は最終枠の投票でオールスター初出場。自己最多の41二塁打、82打点、104四球、OPS.868を記録して一皮剥けた感もあったが、今季はここまで打率.234と低調なシーズンを送っている。本塁打は自己最多を更新するペースで放っており、自身初の20本塁打が現実味を帯びつつあるが、この調子では2年連続のオールスター出場はかなり難しいと言わざるを得ないだろう。

マーク・レイノルズ(ロッキーズ)

 打者天国コロラドで輝きを取り戻した長距離砲。ダイヤモンドバックス時代の2009年には44本塁打、24盗塁、223三振というダイナミックな成績を残し、シーズン223三振は現在も歴代最多記録となっている。昨季は自己最高の打率.282を記録し、今季はマイナー契約でロッキーズと再契約。イアン・デズモンドの故障離脱もあって開幕ロースター入りを勝ち取り、5月5日から4試合連続本塁打を記録するなど、ここまで打率.295、14本塁打、OPS.901と昨季以上の好成績をマークしている。

ジョーイ・ボットー(レッズ)

 メジャー最高級の選球眼を持つ男。打率.326、OPS.985を記録しながら「昨季のパフォーマンスに満足できなかった」とWBC出場を辞退して臨んだ今季は、打率こそ.286と物足りないものの、14本塁打、OPS.985を記録し、31三振に対して42四球と流石の数字をマーク。DRS-14まで悪化した一塁守備でも今季はDRS+5と本来の姿を取り戻している。昨季は内野フライを1本も打たなかったが、今季はすでに1本。2009年から8年連続で2本以下だが、今季はどうなるか。

ジャスティン・ボーア(マーリンズ)

 今季急成長を遂げたマーリンズの正一塁手。昨季までは左投手を苦手としており、なかなかフルでの出場機会を得られずにいたが、今季はここまで打率.350、5本塁打、OPS1.197と苦手の左投手を完全に克服。シーズントータルでも打率.295、16本塁打、OPS.959の好成績をマークし、16本塁打はすでに昨季を上回っている。5月以降だけで12本塁打とここにきて調子を急激に上げており、地元開催でのオールスターに選出される可能性も十分にありそうだ。

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