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球速ランキングに異変?最速王は誰だ

2017.6.6 19:03 Tuesday

 2015年から集計が始まったStatcastによる各種データ。MLB公式サイトからStatcastのリーダーボードへと飛び、「Fastest Pitches」の項目を選択すると各シーズンの球速トップ50を確認することができる。過去2年はアロルディス・チャップマン(現ヤンキース)の独擅場。しかし、今季はその球速ランキングに異変が起きている。

 チャップマンがエンジン全開になる前に故障離脱してしまったこともあり、今季の球速トップ50には様々な名前が並んでいる。昨季までは「チャップマン・フィルター」を使ってチャップマンをランキングから排除しなければ他の投手の名前が出てこなかっただけに、様々な名前が並ぶランキングを見るのは非常に新鮮な感覚だ。

 日本時間6月6日時点で今季最速の投球はジョー・ケリー(レッドソックス)が4月28日のカブス戦でアンソニー・リゾーに投じた102.1マイル(約164.3km/h)のツーシームとなっている。他にチャップマンが102マイル以上のフォーシームを2球投げており、今季のメジャーリーグで102マイル以上の投球はこの3球だけ。ちなみに、101マイル以上まで範囲を広げると投手別の投球数は以下のようになる。

 

チャップマン 14球(最速102.1マイル)
ケリー 9球(最速102.2マイル)
トレバー・ローゼンタール(カージナルス) 9球(最速101.7マイル)
フェリペ・リベロ(パイレーツ) 5球(最速101.6マイル)
フランキー・モンタス(アスレチックス) 4球(最速101.3マイル)
エニー・ロメロ(ナショナルズ) 2球(最速101.5マイル)
デリン・ベタンセス(ヤンキース) 1球(最速101.0マイル)

 

 やはり流石チャップマンといった結果になってしまうのだが、「Average Pitch Veocity」、要するに球種別の平均球速ランキングを見ると話が少し変わってくる。こちらのランキングではチャップマンのフォーシームは平均98.2マイルで7位。チャップマンより上の顔ぶれは以下のようになっている。

 

1位 ローゼンタール フォーシーム(平均99.2マイル)
2位 ケリー ツーシーム(平均98.9マイル)
3位 ノア・シンダーガード(メッツ) フォーシーム(平均98.7マイル)
4位 ライン・スタネック(レイズ) フォーシーム(平均98.5マイル)
5位 ケリー シンカー(平均98.4マイル)
6位 ホゼ・アルバラード(レイズ) フォーシーム(平均98.3マイル)

 

 ケリーが2球種でランクイン。また、ローゼンタールのフォーシームが平均球速ランキングではトップに立っている。そして、基本的に救援投手ばかりがランキングに名を連ねる中、シンダーガードのフォーシームが平均球速3位にランクインするという衝撃の結果となっている。

 チャップマンがまだ本領を発揮しておらず、昨季台頭してきた新世代の速球王マウリシオ・カブレラ(ブレーブス)も今季まだメジャーでは1球も投げていないため、暫定的なものにはなってしまうが、今季のメジャーリーグの「最速王」は先発投手がシンダーガード、救援投手がローゼンタールまたはケリーということになりそうだ。

 今後、シーズン終了までに「Fastest Pitches」と「Average Pitch Velocity」のランキングがどのように変化していくのか。Statcast導入によってより身近になった球速ランキングにもぜひ注目してみてほしい。

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