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【戦評】ロイヤルズが驚異の粘り アストロズ連勝ストップ

2017.6.7 15:55 Wednesday

 リリーフ陣の好投が味方の大逆転劇を呼び込んだ。

 本拠地カウフマン・スタジアムに11連勝中のアストロズを迎えている一昨年のワールドシリーズ王者・ロイヤルズ。4連戦の初戦を落として迎えた日本時間6月7日の第2戦。この試合はデービッド・ポーリーノ(アストロズ)、ジェイク・ジュニス(ロイヤルズ)の若手右腕対決となった。

 序盤から試合を優位に進めたのは11連勝中のアストロズ。3回表に3番ホゼ・アルトゥーベの犠牲フライなどで3点を先制すると、4回表には2番ジョシュ・レディックのタイムリーツーベース、5番カルロス・ベルトランの8号ツーランなどで4点を追加し、4回終了時点で7-2と大量5点をリード。ロイヤルズの先発・ジュニスを3.2回7失点でKOした。

 しかし、ここからロイヤルズのリリーフ陣がアストロズに追加点を許さない。5月29日に昇格後、3試合連続で無失点に抑えていた2番手ケビン・マッカーシーが2.1回を2安打無失点で切り抜けると、防御率9点台という大不振に喘いでいた3番手トラビス・ウッドも2回を無失点に抑え、味方の反撃に望みを託す。

 すると4点ビハインドの8回裏、一死からの3連打で1点を返すと、3回裏に今季1号本塁打を放った9番アレックス・ゴードンが四球を選んで二死満塁のチャンスを迎える。ここでアストロズのA.J.ヒンチ監督はこの回3人目の投手としてクローザーのケン・ジャイルズを投入。同点阻止、そして12連勝に向けて勝負を賭ける。

 打席には1番ウィット・メリーフィールド。昨日の試合で19試合連続安打がストップしてしまったものの、現在ロイヤルズで最も好調な打者の1人だ。スライダーの3連投であっという間にカウント0-2と追い込まれてしまったが、「打てないと思ったから見送ったんだ。そうしたらボールだったんだ」と試合後に振り返った外角への99.6マイルのフォーシームを見送り、カウント1-2。そして5球目。真ん中付近に入ってきた甘いスライダーを見逃さなかった。打球はレフトの左を襲い、走者一掃の同点タイムリーツーベース。一塁走者のゴードンが前のめりになりながら生還し、ロイヤルズがついに同点に追い付いた。

 9回表、ロイヤルズは4番手マイク・マイナーが二死から7番ユリエスキー・グリエルにヒットを許したものの、無失点に抑え、これでリリーフ陣は5.1回無失点という見事なパフォーマンス。あとは味方のサヨナラ劇を待つのみとなる。

 9回裏、アストロズはジャイルズが続投。3番ロレンゾ・ケインを三塁ゴロ、4番エリック・ホズマーを二塁ゴロに打ち取り、3球でツーアウトを取ったものの、5番サルバドール・ペレスにライト前ヒットを打たれて二死一塁。そして、ここで打席に入った6番マイク・ムスターカスがカウント0-1からの2球目、甘く入ったスライダーを見事に捉え、15号サヨナラツーランを豪快にライトスタンドへと叩き込んだ。

 試合後、ロイヤルズのネッド・ヨスト監督は「2-7になったときもベンチの雰囲気は悪くなかった。試合が決まったなんて思ってなかったよ」と語り、見事な逆転劇を演じたチームに満足げ。リリーフ陣の頑張りに打線が応え、まさにチーム一丸となって手にした会心の勝利となった。一方、敗戦投手となったジャイルズは「必要なときに自分の投球ができなかった。僕がチームを負けさせてしまったんだ。全部僕のせいだ。今日は勝てたはずの試合だった。打線はしっかり仕事をした。僕のせいだよ」とガックリ肩を落としていた。

 ロイヤルズの劇的な逆転勝利により、アストロズの連勝は11でストップ。明日の第3戦ではロイヤルズが今季好調のジェイソン・バルガスで連勝を狙う一方、アストロズはエース左腕のダラス・カイケルに連敗阻止を託す。

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