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1試合4本塁打の歴史を振り返る

2017.6.8 12:24 Thursday

 スクーター・ジェネット(レッズ)の1試合4本塁打に沸いた昨日のメジャーリーグ。ジェネットを含め、過去17人が達成している1試合4本塁打の歴史を簡単に振り返ってみよう。

①ボビー・ロウ(ビーンイーターズ:1894年5月30日)

 ロウは史上初となる1試合4本塁打を達成。うち2本は3回の1イニングで放ったものだった。ロウは決してスラッガーではなく、18年のメジャー生活で71本塁打を記録している。

②エド・デラハンティ(フィリーズ:1896年7月13日)

 4本塁打のうち2本がランニング本塁打という非常に珍しい記録の持ち主。歴代17度の1試合4本塁打のうち、ランニング本塁打が含まれているのはデラハンティだけである。デラハンティは16年のメジャー生活で101本塁打を記録。1893年の19本塁打が自己最多だった。

③ルー・ゲーリッグ(ヤンキース:1932年6月3日)

 ゲーリッグはア・リーグ史上初となる1試合4本塁打を達成。また、近代野球(1900年以降)でも初の快挙となった。この試合はヤンキースが20-13でアスレチックスに勝利。ゲーリッグは9回にもセンターへの大飛球を放ったが、スタンドへは僅かに届かなかった。ゲーリッグはこの年、34本塁打を記録。17年のメジャー生活で493本塁打を放った。

④チャック・クライン(フィリーズ:1936年7月10日)

 1933年に三冠王を獲得し、キャリア2度のサイクルヒットを達成したクラインは9-6でパイレーツに勝利したこの試合で4本のアーチを架けた。クラインはこの年、25本塁打を記録。17年のメジャー生活で300本塁打を放った。

⑤パット・シーリー(ホワイトソックス:1948年7月18日)

 シーリーはア・リーグ史上初となる延長戦での1試合4本塁打を達成。ダブルヘッダー第1戦でアスレチックス投手陣を粉砕した。シーリーのキャリアは短く、メジャー生活は7年のみ。その7年間で86本塁打を記録した。

⑥ギル・ホッジス(ドジャース:1950年8月31日)

 ホッジスは2回にこの日1本目の本塁打を名投手ウォーレン・スパーンから放つと、3回、6回、8回にもアーチを架け、1試合4本塁打を達成。この年32本塁打を放ったホッジスは、18年のメジャー生活で370本塁打を記録した。

⑦ジョー・アドコック(ブレーブス:1954年7月31日)

 アドコックは4人の投手からそれぞれ本塁打を放ち、二塁打1本と合わせて1試合18塁打を記録。これは当時のメジャー最多記録となった。シーズン16~19号本塁打を固め打ちしたアドコックは、この年23本塁打を記録。17年のメジャー生活で336本塁打を放った。

⑧ロッキー・コラビト(インディアンス:1959年6月10日)

 コラビトはオリオールズ投手陣から4打席連続本塁打を記録。ロウ、ゲーリッグに次ぐ史上3人目の4打席連発となった。コラビトはメジャー2年目の1956年から11年連続20本塁打以上を記録し、30本塁打以上が7度、40本塁打以上が3度。14年のメジャー生活で374本塁打を記録した。

⑨ウィリー・メイズ(ジャイアンツ:1961年4月30日)

 メジャーリーグが誇るレジェンドの一人であるメイズはこの試合、1回、3回、6回、8回にアーチを架け、4本塁打8打点の大暴れ。前夜に食べたスナックの影響で吐き気を催しながら試合に臨んでいたと伝えられている。メイズは22年にわたる長いキャリアの中で歴代5位となる660本塁打を記録した。

⑩マイク・シュミット(フィリーズ:1976年4月17日)

 フィリーズがカブスを18-16というスコアで破ったこの試合。名三塁手のシュミットにとっても記念すべき試合となった。チーム9本塁打のうち4本塁打がシュミットによるもので、5回、7回、8回、10回に4打席連続本塁打を記録し、チームの勝利に貢献。この年38本塁打を放ったシュミットは、18年のメジャー生活で548本塁打を記録した。

⑪ボブ・ホーナー(ブレーブス:1986年7月6日)

 2回に先制ソロを放ったホーナーは、4回にソロ、5回にスリーラン、9回にもソロを放ち、1試合4本塁打を達成。なお、ホーナーの4本塁打6打点の大活躍にもかかわらず、ブレーブスは8-11でエクスポズに敗れている。この年27本塁打を放ったホーナーは、翌年ヤクルトに入団。93試合で31本塁打を放ち、「ホーナー旋風」を巻き起こした。メジャー生活は通算10年で、218本塁打を記録した。

⑫マーク・ウィッテン(カージナルス:1993年9月7日)

 ダブルヘッダー第2戦、初回に満塁本塁打を放ったウィッテンは6回と7回にスリーラン、9回にツーランを放ち、1試合4本塁打と1試合12打点のメジャー最多タイ記録を同時に達成(1試合12打点は1924年にジム・ボトムリーが記録)。「史上最高のパフォーマンス」との呼び声もある。ウィッテンはこの年、自己最多となる25本塁打、99打点を記録。11年のメジャー生活で105本塁打を放った。

⑬マイク・キャメロン(マリナーズ:2002年5月2日)

 イチローと鉄壁の右中間を形成したキャメロンはこの試合、1回に2本塁打を放つと、3回と5回にもアーチを架け、5回までに4本塁打を記録。ルー・ピネラ監督は「人生で数多くの試合を見てきたけど、最初の5イニングで4本塁打なんて初めて見たよ」と驚きを隠せなかった。なお、ブレット・ブーンとキャメロンは同一イニングに2度の2者連続本塁打を記録。これは現在でも史上唯一の記録となっている。キャメロンは17年のメジャー生活で278本塁打を記録した。

⑭ショーン・グリーン(ドジャース:2002年5月23日)

 キャメロンの快挙達成から3週間。グリーンは4本塁打のほかに単打1本、二塁打1本を放ち、1試合19塁打のメジャー新記録を樹立した。この試合が始まるまで僅か5本塁打だったグリーンはこの試合をきっかけに復調し、この年42本塁打を記録。15年のメジャー生活で328本塁打を放った。

⑮カルロス・デルガド(ブルージェイズ:2003年9月25日)

 この年すでに37本塁打を放っていたデルガドはこの試合、1回に38号スリーランを放つと、4回、6回、8回にも本塁打を放ち、1試合4本塁打を達成。デルガドはこの日、体調不良だったと伝えられているが、試合中にはその影響を全く見せなかった。この日1本目の本塁打で通算300本塁打に到達したデルガドは、この日3本目の本塁打で自身3度目となるシーズン40本塁打にも到達。17年のメジャー生活で473本塁打を記録した。

⑯ジョシュ・ハミルトン(レンジャーズ:2012年5月8日)

 1回、3回、7回、8回と4本のツーランを放ったハミルトン。うち2本はジェイク・アリエタ(当時オリオールズ)から放ったものだった。4回にはアリエタから二塁打を放っており、1試合18塁打はア・リーグ最多記録となっている。今年1月に再起を目指してレンジャーズとマイナー契約を結んだハミルトンだったが、4月にリリースされ、現在は無所属。通算200本塁打は2015年を最後に変わっていない。

⑰スクーター・ジェネット(レッズ:2017年6月6日)

 今季3本塁打だったジェネットは3回に4号満塁本塁打を放つと、4回に5号ツーラン、6回に6号ソロ、8回に7号ツーランを放ち、1回の先制タイムリーと合わせて5打数5安打4本塁打10打点の大暴れ。この時点で通算42本塁打となったジェネットだが、もちろんこれは1試合4本塁打を達成した17人の中で最少の数字。今後、ジェネットがどこまで通算本塁打数を増やしていけるか注目したい。

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