【戦評】投手戦を制しカーショウがリーグトップタイの8勝目
2017.6.8 15:11 Thursday

クレイトン・カーショウとスティーブン・ストラスバーグの初対決となったこの試合。好投手の直接対決に相応しい投手戦が展開され、最終的にはミスが勝敗を左右する結果となった。
先制したのはナショナルズ。2回表、先頭の4番ライアン・ジマーマンがインローの難しいボールを思いっきり引っ張ってレフトスタンドへ運び、リーグトップとなる17号ソロで先制点を叩き出す。しかし、その後はカーショウが流石のピッチング。2回から3イニング連続で四球を与えるなど、この日のカーショウは決して本調子ではなかったが、要所をしっかり締めてナショナルズに追加点を許さない。
一方のストラスバーグは4回裏に三者連続三振を奪うなど、5回まで危なげないピッチングでドジャース打線を零封。ところが、6回裏、簡単にツーアウトを取ったものの、2番コリー・シーガーに低めのフォーシームを捉えられ、センター後方へ8号同点ソロを浴びてしまう。
コーチがマウンドへ足を運び、一息ついたストラスバーグは3番エイドリアン・ゴンザレスを空振り三振に斬って取り、スリーアウトかと思いきや、捕手のホゼ・ロバトンがこれを後逸。振り逃げで出塁を許してしまう。ここで打席には4番ヤスマニ・グランダル。フルカウントからの6球目、外角のカーブを上手くバットに乗せた打球は決して会心の当たりではなかったものの、ライアン・レイバーンのグラブの先をかすめて左中間を破り、暴投により二塁へ進塁していたゴンザレスが生還。この回、ドジャースがもらったチャンスをしっかりモノにして2点を奪い、逆転に成功する。
逆転してもらったカーショウは7回表のナショナルズの攻撃を三者凡退に抑え、8回からペドロ・バイエズへバトンタッチ。ところが、バイエズが8回表、先頭の1番トレイ・ターナーに右中間へのスリーベースを浴びてしまう。無死三塁。絶体絶命の大ピンチ。しかし、バイエズは2番レイバーンを空振り三振に斬って取ると、3番ブライス・ハーパーのピッチャー返しをガッチリ捕球し、三塁走者のターナーは本塁で走塁死。ここでドジャースは守護神ケンリー・ジャンセンにスイッチし、4番ジマーマンを投手ゴロに抑えて事なきを得た。
9回表、ジャンセンは先頭の5番ダニエル・マーフィーにライト前ヒットを浴び、その後、一死二塁のピンチを背負ったものの、代打のアダム・リンドとマット・ウィータースを抑えて試合終了。ナショナルズにスイープを喰らえば1987年以来30年ぶり(当時はエクスポズ)となるところだったが、僅か3安打に終わったドジャースがワンチャンスをモノにしてなんとかスイープを回避した。
カーショウは7回3安打9奪三振1失点の好投で今季8勝目(2敗)。「良い打線だし、(ナショナルズは)本当に良いチームだよ。勝てたのは幸運だったね」と試合後に語ったカーショウは「スイープを阻止できて良かったよ」とホッとした様子。カーショウから先制本塁打を放ったジマーマンは「彼と対戦するのは楽しいんだ。今、メジャーで最高の投手の一人だし、おそらく史上最高の投手の一人でもあるからね」とカーショウとの対戦を振り返った。
