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【戦評】マリナーズが劇的なサヨナラ勝ちで勝率5割復帰

2017.6.8 18:02 Thursday

 「今季こそついにポストシーズン進出か」と期待されながらも開幕から情けない戦いが続いていたマリナーズが、ツインズ戦で劇的な逆転サヨナラ勝ちを収め、約1ヶ月ぶりに勝率5割に復帰した。

 4回まで安定したピッチングを見せていたマリナーズの先発ヨバニ・ガヤード。ところが、5回表に2番ジョー・マウアーに同点タイムリーを浴びると、続く3番ミゲル・サノーに今季15号となる勝ち越しスリーランを浴びてしまう。その裏、マリナーズは2番タイラー・スミスの犠牲フライで1点を返し、6回裏には5番カイル・シーガーの7号ソロが飛び出して1点差に迫る。

 ツインズ投手陣も粘りを見せ、2番手タイラー・ダフィーと3番手テイラー・ロジャースが7回、8回の2イニングを無失点に切り抜ける。そして9回裏。ツインズは今季15セーブを挙げているクローザーのブランドン・キンツラーを投入し、逃げ切りを図る。

 キンツラーは5番シーガーを二塁ゴロ、6番テイラー・モッターをショートゴロに打ち取り、あっという間にツーアウト。グラウンドボーラーらしいピッチングを展開してマリナーズを追い詰める。しかし、7番ベン・ギャメルが低めのシンカーをセンター前に弾き返して出塁し、打席には3回裏に同点ソロを放っている8番マイク・ズニーノ。カウント2-1からの4球目、外角へのシンカーを振りぬくと、そのまま打球はセンター後方のスタンドへ吸い込まれていった。

 「ビックリだね」とキャリア初のサヨナラ本塁打を振り返ったズニーノ。「(キンツラーは)良いシンカーを投げる投手だからね。彼は打たせて取ろうとしていたけど、僕はしっかり集中していた。そしてシンカーを上手く捉えることができたんだよ」

 マリナーズは直近10試合で9勝1敗となり、5月11日以来となる勝率5割に復帰した。マリナーズのスコット・サービス監督も「我々は良い野球をしているね。シーズン序盤はこれができなかったんだ」と現在のチーム状態に手応えを感じている。右ふくらはぎの張りで欠場した主砲ネルソン・クルーズの代役として控え捕手のカルロス・ルイーズを「9番・DH」で起用すると、そのルイーズが3回裏に一時は勝ち越しとなる今季1号本塁打。「捕手2人をスタメンで起用するのは危険かもしれないよ、と言ったんだけどね」とズニーノは笑いながら話したが、これもチーム状態が良いことの表れなのだろう。

 ジェームス・パクストンの戦列復帰に続き、故障離脱中のフェリックス・ヘルナンデスとミッチ・ハニガーもマイナーの試合で調整中。徐々に役者が揃いつつあるマリナーズの反撃がようやく始まりそうだ。

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