山を下りると一流投手 タイラー・チャットウッド
2017.6.9 12:23 Friday
昨季自身初の2桁勝利(12勝)をマークしたタイラー・チャットウッド(ロッキーズ)。このチャットウッドのある数字が注目を浴びている。
今季ここまで13試合に先発しているチャットウッド。本拠地クアーズ・フィールドでのホームゲームで6試合、アウェイゲームで7試合に先発しており、ホーム/アウェイ別の成績は以下のようになっている。
ホーム 6試合 2勝4敗 防御率7.03
アウェイ 7試合 4勝3敗 防御率2.52
ホームでは防御率7点台、被打率3割台という「三流投手」に成り下がってしまうチャットウッドが、アウェイでは防御率2点台、被打率1割台という「一流投手」に変貌を遂げるのである。
この傾向は昨季も全く同じであり、ホームでの14先発で4勝8敗、防御率6.12、被打率.303に終わったチャットウッドは、アウェイでは13先発で8勝1敗、防御率1.69、被打率.190という素晴らしい成績をマーク。ホーム防御率が両リーグワーストだった一方、アウェイ防御率は両リーグベストの数字だった。
ホームとアウェイで奪三振率や与四球率に大差はなく、目立つのはやはり被打率の差。奪三振率がそれほど高くない「打たせて取るタイプ」の投手だけに、打球が良く飛び、なおかつヒットが出やすいクアーズ・フィールドとは絶望的に相性が悪いのかもしれない。
ナ・リーグ西部地区の首位を走るロッキーズは今季、アントニオ・センザテラ、カイル・フリーランド、ヘルマン・マルケス、ジェフ・ホフマンの新人カルテットがチーム39勝のうち22勝を挙げる大活躍。ここに故障離脱中のジョン・グレイが復帰すれば若さと実力を兼ね備えた非常に魅力的な先発ローテーションが完成する。同じく故障離脱中で、昨季5勝、防御率3.54をマークしたタイラー・アンダーソンも控えており、今後チャットウッドが余剰戦力となる可能性も十分にある。山の上では本来のピッチングができないチャットウッドに対してトレードでの放出やブルペンへの配置転換の可能性も含め、チームがどのような判断を下すのか。チャットウッドの今後のピッチング、そしてロッキーズの今後の動きに注目したい。
