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【戦評】トレイ・ターナーが機動力野球を牽引

2017.6.9 15:17 Friday

 四球後の二盗→三盗。意表をつくダブルスチール。トレイ・ターナーの快足をフルに活用したナショナルズが機動力野球でオリオールズのバッテリーを翻弄し、序盤で試合を決定づけた。

 今月6試合で5盗塁を記録しているターナーが今日も元気に走り回った。1回裏、四球で出塁したターナーは2番ウィルマー・ディフォーの打席で相手先発アレック・アッシャーのモーションを完全に盗み、今季19個目の盗塁に成功。さらに、3番ブライス・ハーパーの打席では今季20盗塁目となる三盗を見事に決め、一死三塁のチャンスを作る。ここでハーパーがショートへの内野安打を放ち、ナショナルズが1点を先制。「足攻」に苛立つアッシャーをさらに攻め立て、6番スティーブン・ドリュー、7番マイケル・テイラーの連続タイムリーで3点を加えたナショナルズが、幸先よく4点を先制した。

 ナショナルズの「足攻」はこれだけでは終わらない。2回裏、先頭の1番ターナーがセンター前ヒットで出塁すると、3番ハーパーが四球を選び、一死一、二塁のチャンスを作る。ここでナショナルズはダブルスチールを敢行。意表をつかれたオリオールズの捕手ケイレブ・ジョセフはどこにも投げられず、一死二、三塁とチャンスが広がる。そして4番アダム・リンドがセンターへの犠牲フライを打ち上げ、ナショナルズが5-0とリードを広げた。

 2回までに5点の援護を得たナショナルズの先発ジョー・ロスはここ3先発の不振が嘘のような安定したピッチングを披露し、8回途中まで4安打12奪三振1失点の好投で今季3勝目(2敗)をマーク。ナショナルズは3回裏にも7番テイラーが二盗に成功し、アッシャーとジョセフのバッテリーを大量5盗塁で翻弄した。「イライラしたよ」とナショナルズの機動力野球を振り返ったアッシャー。「正確なデータは知らないし、シーズンを通してこんなに盗塁を試みられることがあるかどうかはわからない。でも、今後は改善していかないといけないね」

 ロスは「彼(ターナー)が走り出してしまえばアウトにするのはとても困難なんだよ。ラッキーなことに、僕はそれを気にする必要はない。彼のスピードを心配しなくていいように同じチームにいられたらいいね」と試合を決めたターナーのスピードを絶賛した。ターナーは今日の3盗塁を加えて今月7試合で8盗塁となり、今季21盗塁でリーグ2位に浮上。ハーパー、ダニエル・マーフィー、ライアン・ジマーマンという強力クリーンアップを抱えるナショナルズ打線にターナーのスピードというスパイスが加われば、もう誰にも止められない。

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