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【戦評】いよいよエンジン全開!?カブレラがサヨナラ弾

2017.6.16 16:08 Friday

 ファン、チームメイト、監督・コーチ、球団スタッフ、誰もが待ち望んでいた本塁打が、誰もが必要としていた場面で飛び出した。日本時間5月21日以来、6月に入って初となるミゲル・カブレラ(タイガース)の一発が、終盤までもつれた試合にピリオドを打った。

 「感触は良かったけど、打球の行方を見るまで確信はできなかったよ」とカブレラは振り返ったが、右方向へのカブレラらしい一発だった。ジャスティン・バーランダー(タイガース)とアレックス・カッブ(レイズ)の両先発が苦しみながらも試合を作り、終盤まで接戦が続いたこの試合。7回裏にタイガースが相手のタイムリーエラーで1点を勝ち越したものの、直後の8回表にスティーブン・スーザJr.に12号ソロが飛び出してレイズが同点に追い付いた。

 9回表、タイガースはクローザーのジャスティン・ウィルソンを投入してレイズの攻撃をゼロに抑えると、その裏、一死一塁の場面で主砲カブレラに打席が回ってきた。今季は4月下旬に右股関節痛で故障者リスト入りするなど開幕からなかなか調子が上がらず、5月末の時点で打率.260、5本塁打と「現役最強打者」らしからぬ成績に留まっていた。6月に入って少しずつ打撃の状態は上向いてきたものの、なかなか一発が出ない。気が付けは最後に本塁打を打ってから1ヶ月近くになろうとしていた。

 カブレラも寄る年波には勝てないのか……そんなことを考えたファンも少なくないはずだ。しかし、カブレラの打棒は決して衰えてはいなかった。誰もが待ち望んでいた一発が、最高の場面で飛び出した。この一発で4試合連続マルチヒットとなり、打率は.280まで上昇。OPSも.823まで上がってきた。それでも「物足りない」と言われてしまうのは「現役最強打者」の証。ようやく本来の姿を取り戻しつつある「現役最強打者」が、まだ半分以上残っている2017年シーズンを面白くしてくれるに違いない。

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