トレード市場 「売り手」としてのジャイアンツ
2017.6.28 11:44 Wednesday
2010年以降の7シーズンでポストシーズンに4度出場し、3度のワールドシリーズ制覇を成し遂げた強豪・ジャイアンツが両リーグワースト2位の勝率に苦しんでいる。このままいくと、慣れない「売り手」として7月末のトレード・デッドラインを迎えることになりそうだ。
ジャイアンツの勝率.354(28勝51敗)は「メジャー最弱」と目されたパドレスすらを下回り、ナ・リーグ西部地区ワースト。メジャー全体でもフィリーズに次ぐワースト2位となっており、同地区の上位3チームが快進撃を続けていることもあって、トレード・デッドラインで「売り手」に回ることはほぼ確実だ。野手陣の平均年齢がリーグで2番目に高いため、主力選手を上手く売り捌きつつ、多少の若返りを目指すことになるだろう。
ボビー・エバンスGMがアンタッチャブル(放出不可)と位置付けているのは次の3選手のみだと見られている。エース左腕のマディソン・バムガーナー、メジャーを代表する捕手であるバスター・ポージー、そしてメジャー屈指の遊撃守備を誇るブランドン・クロフォードの3人だ。その他、ジョニー・クエイト、マーク・マランソン、ブランドン・ベルトといった主力選手は7月末のトレード・デッドラインでポストシーズン進出を目指すチームへ放出される可能性がある。
特に注目を集めているのが守護神・マランソンだ。昨オフに4年6200万ドルの大型契約でジャイアンツに加わったマランソンだが、今季はここまで21試合に登板して1勝2敗11セーブ、防御率4.58。故障者リスト入りも1度経験するなど、期待通りとは言えないピッチングが続いている。しかし、2015年に51セーブ、昨年は47セーブを記録し、直近4シーズンで3度の防御率1点台をマークしている安定感抜群のリリーバーに興味を示すチームは多く、クローザー不在に苦しむナショナルズが特に興味を示していると伝えられている。
ジャイアンツとしては期待通りの活躍を見せていない選手を放出するのは「安売り」に繋がってしまうため、なるべく避けたいところではあるものの、そんなことを言っていられない状況であることも確かだ。慣れない「売り手」としてトレード・デッドラインを迎えるジャイアンツがどのような動きを見せるのか。今後の動きに注目したい。
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