【戦評】レスターまさかの10失点 パイレーツ大勝
2017.7.10 12:31 Monday

「勝率5割ターン」を託されたカブスのエース左腕、ジョン・レスター。しかし、初回に味方の2失策も絡んでまさかの10失点を喫した。キャリアで初めて初回を投げ切ることができず、0.2回10失点(自責点4)で屈辱のノックアウト。昨年の前半戦を53勝35敗で終えたカブスは、1年後、43勝45敗でシーズンを折り返すことになった。
「チームメイトの多くがフラストレーションを感じているし、自分たちにがっかりしていると思う。僕もそうだよ。こんな形でオールスター・ブレイクを迎えたくなかった」とカブスが誇る若きスーパースター、クリス・ブライアントは語ったが、前年のワールドシリーズ優勝メンバーが1人もオールスター・ゲームに出場できないのは史上初。期待外れの前半戦を象徴するような一戦だった。
1回表、パイレーツは先頭のジョシュ・ハリソンがセンターへのヒットで出塁すると、2番フランシスコ・セルベリは三塁ゴロに倒れたものの、3番アンドリュー・マカッチェンが四球を選んで一死一、二塁。ここで4番デービッド・フリーズのゲッツー性の当たりを三塁ブライアントがファンブルし、一死満塁のチャンスを迎える。すると、5番ジョシュ・ベル、6番ホゼ・オスーナ、7番ジョーディ・マーサーに三者連続タイムリーが飛び出し、一挙5点を先制した。さらに、8番マックス・モロフが四球を選び、9番チャド・クールが送りバントを決めて二死二、三塁となった後、1番ハリソンが四球を選んで二死満塁。このチャンスで2番セルベリが左中間へ4号グランドスラムを叩き込み、続く3番マカッチェンにも17号ソロが飛び出して10点目。ブライアントのエラーをきっかけにパイレーツ打線が爆発し、レスターをノックアウトした。
パイレーツは先発予定のジェイムソン・タイオンが試合開始直前に登板を回避するアクシデントがあったものの、急遽先発のマウンドに上がったクールが3回2安打1失点と試合を作る。その後はウェイド・ルブランが1イニング、A.J.シューゲルが3イニング、ヤン・マリーネズが2イニングを投げ、試合全体ではカブス打線に11安打を浴びながらも反撃を3点に抑え、前半戦の最終戦を14-3の大勝で飾った。
5打点を叩き出したセルベリは「俺たちが初回に10点を取ったのは良いニュースだった。クールは必要以上に考える必要がなかったからね」と初回の猛攻がクールの好投を引き出したと分析。3日前に今季最長の7イニングを投げたばかりのクールについて、クリント・ハードル監督は「信じられないよ。今季最長イニングを投げたばかりだったのに。彼(の3イニング)が試合を6イニングに縮めてくれた」とその仕事ぶりを称えていた。
「私は(チームに)自信を持っている。選手たちを信じているし、オールスター・ブレイク後の戦いが楽しみだよ」とカブスのジョー・マドン監督は語ったが、首位ブリュワーズとは5.5ゲーム差。選手を信頼するのは悪いことではないが、悠長に構えていられなくなりつつあることも事実である。後半戦に向けてカブスがどのように動いていくのか、今後の動きに注目したい。
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