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いよいよホームラン・ダービー 優勝者は誰だ!?

2017.7.10 19:03 Monday

 「若手有望株のオールスター・ゲーム」であるフューチャーズ・ゲームを終え、いよいよ明日(日本時間7月11日)、「オールスター・ゲーム前夜祭」としてホームラン・ダービーが開催される。史上3人目の連覇を目指すジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)に7人のスラッガーが挑む今年のホームラン・ダービー。その行方を簡単に占ってみよう。

 今年のホームラン・ダービーで最も注目されるのがスタントンとアーロン・ジャッジ(ヤンキース)の対決である。「スタントン二世」と評されてきたジャッジが今季、本家スタントンを上回る大活躍を見せており、直接対決への期待が高まっている。スタントン自身も「双子のような存在だ」とジャッジとの対戦を楽しみにしているようだが、2人が対戦する可能性があるのは決勝戦。お互いに1次ラウンドと準決勝を突破しなければ対戦は実現しないのだ。「スタントンとジャッジなら大丈夫だろう」と考えるMLBファンも多いかもしれないが、スタントンが2014年の準決勝で1本もホームランを打てずに敗退していることを忘れてはならない。

 苦戦が予想されるのはチャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)とジャスティン・ボーア(マーリンズ)の2人。ブラックモンは「強打の1番打者」として打率.319、20本塁打、OPS.955の好成績をマークしているが、純粋なホームラン打者ではない。「打者天国」と呼ばれる本拠地クアーズ・フィールドで打率.390、13本塁打、OPS1.247という驚異的な成績を残している一方で、アウェイでは打率.261、7本塁打、OPS.718と平凡。広いマーリンズ・パークでホームランを量産できるかどうかは疑わしい。ボーアは故障者リストからの戦列復帰後にやや調子を落としており、本塁打の平均飛距離が出場8選手のなかで最も短いというデータもある。2015年のトッド・フレイジャー(当時レッズ、現ホワイトソックス)は本拠地開催のホームラン・ダービーを制したが、本拠地開催のホームラン・ダービーに出場した選手は第1ラウンドで敗退しているケースの方が多い。「ホームフィールド・アドバンテージ」には期待しないのが吉だろう。

 マイク・ムスターカス(ロイヤルズ)もデータ的には苦戦が予想される。ハードヒット率は出場8選手中7位であり、打球の平均初速度に関してはリーグ平均程度というデータもある。引っ張り専門のプル・ヒッティングで本塁打を量産しているムスターカスだが、自慢のプル・ヒッティングはホームラン・ダービーでも通用するだろうか。豪快なホームランを連発し、ホームラン・ダービーでの活躍も期待されるコディ・ベリンジャー(ドジャース)にも心配なデータがある。ホームラン・ダービーでは440フィート以上の本塁打を2本以上放った場合に30秒のボーナス・タイムが加算されるが、ベリンジャー(とボーア)は今季440フィート以上の本塁打を1本も打っていないのだ。ボーナス・タイムを得られなければ苦戦は必至。ベリンジャーはホームラン・ダービーで440フィートを超える本塁打を打てるのだろうか。

 上記の様々な観点からホームラン・ダービー優勝の有力候補に挙げられるのがスタントン、ジャッジ、ゲーリー・サンチェス(ヤンキース)、ミゲル・サノー(ツインズ)の4選手だ。スタントンに関しては改めて言うまでもないだろう。広いマーリンズ・パークを物ともせず本塁打を量産する規格外のパワー。スイングを大きく乱すようなことさえなければ順当に勝ち上がっていくに違いない。ジャッジは450フィート以上の本塁打、425フィート以上の本塁打ともメジャー最多。今季の最長本塁打と最速本塁打もこの男が放っている。初の大舞台に物怖じすることなく、本来の力を発揮できれば、スタントンとの頂上決戦が実現するはずだ。

 サンチェスは出場8選手中最少の13本塁打ながら、今季10本塁打以上を放った全選手の中で最も平均飛距離が長い(427フィート)というデータがある。本塁打の平均初速度もジャッジに次いでメジャー2位。本塁打数が少ないのは故障者リスト入りによる欠場も影響しており、「たった13本塁打」だからといって侮るべき存在ではない。サノーは今季途中まで打球の平均初速度メジャー1位の座に君臨していた。その後、ジャッジとベリンジャーに抜かれてしまったものの、現在でもメジャー3位にランクイン。メジャーリーグの中で最も強い打球を打てる打者の一人であることは間違いない。空振り率が高いことが心配材料だが、打ちやすいボールが来るはずのホームラン・ダービーで空振りを連発するようなことはないだろう。

 スタントンが史上3人目の連覇を成し遂げるのか。それとも「スタントン二世」のジャッジが本家スタントンを破るのか。あるいはサノー、サンチェス、ベリンジャーといった新世代のスラッガーたちが優勝トロフィーを手にするのか。メジャーリーグを代表するスラッガーたちが共演するホームラン・ダービーを見逃すな!


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