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電撃トレード!カブスがキンターナを獲得

2017.7.14 10:52 Friday

 ナ・リーグ中部地区首位のブリュワーズから5.5ゲーム差の地区2位タイで前半戦を終えたカブスが早速動いた。後半戦の巻き返しを狙う昨季のワールドシリーズ王者が若手有望株4人を放出し、ホワイトソックスから安定感抜群の左腕ホゼ・キンターナを獲得した。

 このトレードは大きな衝撃を与えた。通常であれば各メディアの敏腕記者たちがトレードの情報をキャッチし、交渉の進展状況などを逐一Twitterなどで発信してくれるのだが、このトレードに関してはそのような前情報は一切なし。日本時間7月14日の午前0時過ぎにホワイトソックスの公式アカウントが「キンターナとの交換でイロイ・ヒメネス、ディラン・シーズ、マット・ローズ、ブライアント・フリートを獲得した」と発表したのだ。

 キンターナ獲得に関して、カブスのセオ・エプスタイン野球部門社長はチームの前半戦の不振を受けての動きであることを否定。クリス・ブライアント、アンソニー・リゾー、アディソン・ラッセルといった若き主力選手たちとともにもう一度ワールドシリーズ制覇を目指すチームを作るための動きであることを強調した。

 「前半戦は不振だったが、我々はそれに対して責任があるし、このチームを信じている。我々は中心選手を放出することは考えていないし、もし可能なら中心選手をキープしたまま、このチームでもう一度ワールドシリーズを制覇したいと思っている」

 1年前にはヤンキースからアロルディス・チャップマンを獲得するためにグレイバー・トーレスら若手有望株を放出。今回のトレードでも球界屈指の有望株であるヒメネスらを放出したが、それは現在の主力選手たちへの信頼の表れでもあるのだろう。

 今季のキンターナは開幕から本調子ではなかったものの、6月以降はすっかり復調し、本来の姿を取り戻している。球団オプションを含めると2020年まで保有できるのも大きな魅力だ。昨季と比べて成績を落としている先発投手陣の補強になるのはもちろんのこと、今季終了後にジェイク・アリエタとジョン・ラッキーがFAとなるだけに、来季以降に向けても大きな補強となった。

 「ヒメネスとシーズを放出しなければこのトレードが成立する可能性はゼロだった」とエプスタインが語ったように、カブスはキンターナ獲得のために大きな対価を支払った。しかし、若手有望株は所詮「可能性」であり、確実に戦力になる保証はどこにもない。キンターナの「実績」という得がたいものを手に入れたカブス。この電撃トレードによって今夏のトレード市場の幕が切って落とされた。


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