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トラウトにMVP受賞のチャンスはあるのか

2017.8.24 12:19 Thursday

 フルシーズンプレイした5シーズンでMVPを2度受賞し、MVP次点が3度と毎年MVPレースに参戦しているマイク・トラウト(エンゼルス)。今季は左手親指の靱帯断裂によりおよそ7週間を欠場してしまったが、各スタッツを見れば自己ベストと言えるシーズンを過ごしている。トラウトが3度目のMVPを受賞するチャンスはあるのだろうか。

 トラウトは今季wRC+(平均よりどれだけ多くの得点を産み出しているかを表す指標。リーグや球場の特性なども考慮。平均は100)で197という驚異的な数字を叩き出している。近代野球において197を超えるwRC+が記録されたのは過去40回しかなく、その大半はテッド・ウィリアムス、バリー・ボンズ、ベース・ルースといった歴史的な強打者によるものだ。この数字だけでも、今季のトラウトが歴史的なシーズンを過ごしているということがハッキリとわかるだろう。現時点での打率.333、出塁率.457、長打率.677、OPS1.134はいずれもキャリアハイ。7週間を欠場したにもかかわらず、30本塁打を超えるのも確実だ(現時点で26本塁打)。

 選手のパフォーマンスを表す総合指標であるWARでも、ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)やアーロン・ジャッジ(ヤンキース)に大差をつけられていたものの、現時点でのWAR5.6は前述の2人に次ぐ野手リーグ3位の数字(FanGraphs版)。打席数が150以上少ないにもかかわらず、リーグのトップ選手に匹敵するWARを叩き出しているのである。このまま残り1ヶ月を過ごせば、シーズン終了後にはトラウトが野手リーグトップに立っている可能性は高い。出場試合数が130に満たなくてもMVPを受賞した例は過去に何度もあり、出場試合数が少ないというだけでトラウトをMVP候補から外してしまうのはナンセンスである(トラウトが規定打席に到達するのはほぼ確実)。

 MVP争いにおいてライバルとなるのはアルトゥーベ、ジャッジ、クリス・セール(レッドソックス)の3人だろう。ただし、ジャッジは後半戦の大スランプによりシーズン通算の成績を大幅に悪化させており、素晴らしいピッチングを続けているセールにしても投手のMVP受賞が難しいということは過去の例が示している。となると、リーグ断トツの高打率をマークしているアルトゥーベが最大のライバルということになるが、チーム内に好成績を残している選手が多く、同僚との間で票が分散してしまう可能性も否定できない。以上のことから考えても、トラウトがMVPを受賞する可能性は排除できない。

 トラウトが今季このまま圧倒的な好成績を残し、エンゼルスがワイルドカード争いを勝ち抜くような状況になれば、トラウトは一気にMVPの有力候補に浮上するだろう。実際に、今季のトラウトはそれだけのパフォーマンスを見せているのである。レギュラーシーズンは残りおよそ1ヶ月。ポストシーズン争いの行方とともに、個人タイトル争いの行方にも注目だ。


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