【戦評】ハリソンがノーヒッターの夢を打ち砕くサヨナラ弾
2017.8.24 13:14 Thursday

リッチ・ヒル(ドジャース)の完全試合の夢は味方のエラーによって消え、ノーヒッターの夢はピッツバーグの夜空へ消えていった。9回までノーヒットに抑えられていたパイレーツ打線が延長10回に放った初ヒットは、レフトスタンドに吸い込まれるサヨナラ本塁打。ジョシュ・ハリソンの一振りがノーヒッターの夢を打ち砕いた。
ノーヒッターを阻止する初ヒットがサヨナラ本塁打になったのはメジャー史上初の快挙だった。ヒルは8回までパイレーツ打線をパーフェクトに抑える完璧なピッチング。9回裏の先頭打者、ジョーディ・マーサーの三塁ゴロをローガン・フォーサイスがファンブルし、この試合初めての走者を許したものの、気落ちすることなく後続を打ち取り、9回終了までノーヒッターを継続した。しかし、ドジャース打線がチャンスを生かせず、9回まで無得点。10回表も三者凡退に抑えられ、10回裏の先頭打者、ハリソンに劇的なサヨナラ弾が飛び出した。
「1球だけ失投してしまってガッカリしているよ。でも、彼ら(パイレーツ)は素晴らしい試合をしたよね」とヒルは零封された味方打線を責めることなく、パイレーツの戦いぶりを称賛した。デーブ・ロバーツ監督も「我々は試合を通してランナーを出していた。(パイレーツ先発の)トレバー・ウィリアムスはしっかり投げ、必要なときにゴロを打たせていたね」と何度もピンチを凌ぎ、8回無失点の力投を見せたウィリアムスを称えていた。
「ファンタスティックな試合だったね。今日の試合は野球というゲーム、そして予想できない出来事の美しさを示してくれたんじゃないかな」とパイレーツのクリント・ハードル監督。「ウィリアムスは本当によく投げてくれた」と力投したウィリアムスをねぎらった。
8回までパーフェクト、9回までノーヒットに抑えられながら、10回裏に飛び出した初ヒットで勝利を手にしたパイレーツ。だから野球は面白い。
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