電撃トレード マリナーズがマイク・リークを獲得
2017.8.31 10:33 Thursday
ポストシーズンに向けた補強期限が迫っている中、トレードを積極的に試みることで知られるマリナーズのジェリー・ディポートGMが動いた。マリナーズは21歳の遊撃手、ライデル・アスカニオを放出し、カージナルスから通算80勝の実績を誇る右腕、マイク・リークを獲得した。
驚きのトレードだった。リークは2015年オフにフリーエージェントの権利を手にし、カージナルスと5年総額8000万ドルで契約。残り3年4800万ドル(プラス2021年の相互オプション)が残っており、全球団に対するトレード拒否条項も含まれていたため、2年連続で防御率4点台と期待に応えるピッチングができていないリークを放出するのは難しいと考えられていたからだ。しかし、16年ぶりのポストシーズン進出を目指すマリナーズが、先発ローテーションの人材不足を解消するためにリーク獲得に手を挙げた。このトレードでは、カージナルスからマリナーズに1700万ドルとインターナショナルFAのスロット・マネーが譲渡されることになっており、マリナーズはリークの残り年俸のおよそ65%を負担し、マイナーリーガー1名を放出する代わりにリークを得たことになる。
「今季の残り4~5週間だけでなく、向こう3年間、ひょっとすると4年間、先発ローテーションの一角を任せることができる」とディポートGMはリーク獲得の意図を説明した。少なくとも2020年まで契約が残っているリークの獲得は、ワイルドカード獲得に向けての戦力補強となるだけでなく、来季以降の戦いを見据えたものでもあるというわけだ。しかし、カージナルス移籍後のリークのパフォーマンスは決して大型契約に見合うものではなく、カージナルスがリークの残り契約のどれだけを負担するかがトレード成立の決め手になったとも言われている。
リークは今季ここまで26試合に先発して7勝12敗、防御率4.21をマーク。シーズン最初の9先発で防御率1.91と好投したものの、徐々に調子を落とし、8月は5先発で0勝3敗、防御率8.88という大不振に陥っている。リーク獲得はマリナーズにとって必ずしも大幅な戦力アップを意味するわけではなく、カージナルスが1700万ドルという金額を負担しなければトレードは成立しなかったはずだ。
カージナルスとしては、若手右腕のルーク・ウィーバーが台頭し、マイナーにはジャック・フラハティら若手有望株も控えている状況であり、先発ローテーションに空きを作りたいという思惑があった。少なくともあと3年間、低調なパフォーマンスで先発ローテーションの一角を占めると見られていたリークをこのタイミングで放出できたのは、将来的なチーム構成を考えるうえで朗報と言えるだろう。
先発投手を欲していたマリナーズと先発投手が人材過多となっていたカージナルスが年俸負担の割合を上手く調整しながら成立させたトレード。そう結論付けて間違いないはずだ。
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