ドジャース対アストロズ ポジション毎に戦力比較
2017.10.23 16:06 Monday
ドジャースが勝てば1988年以来29年ぶり、アストロズが勝てば1962年の球団創設以来初の世界一となる今年のワールドシリーズ。MLB.comのマイク・ペトリエロ氏はこの両チームをポジション毎に戦力比較している。
●捕手
ドジャースはヤスマニ・グランダルとオースティン・バーンズ、アストロズはブライアン・マッキャンとエバン・ギャティスの併用だが、打撃面でも守備面でもドジャースに分がある。特に守備面ではドジャースが大きく上回っており、盗塁阻止率ではドジャース29%、アストロズ12%、フレーミング得点ではドジャース+34、アストロズ-6と大差がついている。
●一塁手
ドジャースのコディ・ベリンジャーとアストロズのユリ・グリエルの比較になるが、グリエルのポストシーズンでの好調ぶりを考慮してもドジャースが上回っていると見るべきだろう。豪快なスイングから繰り出される一発はもちろんのこと、ハイレベルな守備力もベリンジャーの魅力である。
●二塁手
アストロズが最大のアドバンテージを誇るのがこのポジションである。ドジャースの二塁はローガン・フォーサイスとチェイス・アトリーが併用されているが、球界最高の二塁手と言っても過言ではないホゼ・アルトゥーベには遠く及ばない。アルトゥーベはポストシーズンの11試合でも打率.400、5本塁打と大活躍。この男の存在はドジャースにとって脅威となるに違いない。
●三塁手
アストロズのアレックス・ブレグマンも決して悪くない選手だが、ナ・リーグ優勝決定シリーズのMVPに輝いたジャスティン・ターナーには及ばない。ナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦で放ったサヨナラスリーランを筆頭に、「ポストシーズン男」のターナーは今ポストシーズンでも随所に勝負強さを発揮しており、その存在感は随一である。
●遊撃手
ドジャースのコリー・シーガーは腰の状態に不安を抱えており、カルロス・コレアを擁するアストロズが上回っていると見るべきだろう。守備力ではシーガーが上回るが、パワーではコレアのほうが上。シーガーの状態が万全でない場合はクリス・テイラーやチャーリー・カルバーソンが遊撃のポジションに入ることになるが、その場合はさらにアストロズとの差は広がることになるだろう。
●左翼手
アストロズはマーウィン・ゴンザレスでほぼ固定されているが、ドジャースは相手投手の左右によってキケ・ヘルナンデスとカーティス・グランダーソンを使い分けている。ドジャースは他にもジョク・ピーダーソン、アンドレ・イーシアーらが控えているものの、総合的に見てゴンザレスを擁するアストロズのほうが上回っていると見るべきだろう。
●中堅手
アストロズはジョージ・スプリンガー、ドジャースはテイラーが守るこのポジション。しかし、シーガーの状態によってはテイラーが遊撃に回り、中堅にはピーダーソンやグランダーソンが入る可能性もある。いずれにせよ、攻守にハイレベルな能力を誇るスプリンガーがドジャース勢に劣っているというのは考えにくい。
●右翼手
ドジャースはヤシエル・プイーグが好調、一方のアストロズはジョシュ・レディックが絶不調と対照的な状態。ともにハイレベルな守備力を誇っているが、レギュラーシーズンの打撃成績ではややレディックに分がある。ポストシーズンの状態を考慮してここは引き分けとしておきたい。
●指名打者・ベンチ
両軍とも選手層が厚く、ベンチにも豊富な戦力を揃えている。アストロズはカルロス・ベルトラン、キャメロン・メイビン、デレク・フィッシャー、ドジャースはアトリー、イーシアー、ヘルナンデス、グランダーソン、ピーダーソンらがこのポジションに該当する選手だが、わずかにドジャースが上回っていると判断した。
●先発投手
ダラス・カイケル&ジャスティン・バーランダーというアストロズのダブル・エースは非常に強力だが、先発ローテーション全体の顔ぶれを比較するとドジャース優位であることは間違いないだろう。ドジャースはクレイトン・カーショウ、リッチ・ヒル、ダルビッシュ有、アレックス・ウッドとハイクオリティな投手を4人揃えている。一方のアストロズは3番手以降の投手の質がやや落ちる。
●救援投手
ここは間違いなくドジャースのほうが上である。ドジャースのリリーフ陣はリーグ優勝決定シリーズで1点も与えず、ポストシーズン全体でも防御率0.94をマーク。一方のアストロズは救援防御率5.03という状態である。ケンリー・ジャンセンを筆頭に前田健太、ブランドン・モローらを擁する安定感抜群のブルペンはワールドシリーズでもドジャースの戦いを支えてくれるに違いない。