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リーグ王者の2チームはどのように構築されたのか

2017.10.24 15:15 Tuesday

 ア・リーグ王者のアストロズとナ・リーグ王者のドジャースが明日開幕するワールドシリーズで激突する。各リーグを制した両軍のロースターはどのように構築されたのか。MLB.comのジョナサン・マヨ氏が分析している。

 7月31日の時点で地区2位に16ゲーム差をつけていたアストロズと14ゲーム差をつけていたドジャース。ポストシーズン進出はほぼ間違いない状況だったが、この両チームは先発ローテーションのアップグレードに動いた。ドジャースは7月末にレンジャーズからダルビッシュ有を獲得し、アストロズは8月末にタイガースからジャスティン・バーランダーを獲得したのだ。移籍後の両投手の活躍はご存知の通り。ドジャースのアンドリュー・フリードマン野球部門社長は「我々が最も必要としていたのは左投げのリリーフ投手だった。しかし、もし10月の戦いで大きな戦力となってくれる選手がいるならば獲得したいと考えていた。それにピッタリ当てはまったのがダルビッシュだったんだ」と10月はじめに語っていた。

 上記はあくまでも一例だが、アストロズとドジャースがトレードを通して戦力を整備してきたことは事実である。ポストシーズンのロースター25名のうち、ドジャースは過半数にあたる13人がトレードで獲得した選手。アストロズはトレード8人、ルール5ドラフト1人、ウエーバー3人と半数近くの12人がトレードやウエーバーを介して獲得した選手である。フリーエージェントで獲得した選手はドジャースがブランドン・モロー、ジャスティン・ターナー、チャーリー・カルバーソンの3人。一方のアストロズはルーク・グレガーソン、チャーリー・モートン、ジョシュ・レディック、カルロス・ベルトラン、フアン・センテーノの5人。アストロズはレディックと4年5200万ドル、モートンと2年1400万ドルの契約を結ぶなど、あくまでも「戦力補強」としてフリーエージェントを活用しているが、ドジャースがターナーを獲得した際の契約は1年100万ドル。モローやカルバーソンも含め、「拾い物」の色が濃い顔ぶれとなっている。

 もちろん生え抜き選手の活躍もチームの躍進には必要不可欠だ。ドジャースではクレイトン・カーショウやコディ・ベリンジャー、コリー・シーガー、アストロズではカルロス・コレアやホゼ・アルトゥーベ、ダラス・カイケルがその代表的存在。チームの骨格はやはり生え抜き選手が担っており、足りない部分をトレードやフリーエージェントで補うという手法は昔から変わらない。いかに適切に資金や人材を活用できるかが重要であるということを、この2チームのチーム作りから学ぶことができるだろう。両軍が激突するワールドシリーズの開幕まで18時間を切った。今年のワールドシリーズではいったいどんなドラマが待っているのだろうか。

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