【戦評】今年のチャンピオンはアストロズ 球団初の世界一
2017.11.2 14:36 Thursday

アストロズとドジャースによるワールドシリーズ第7戦。勝利した方が世界一に輝く大事な一戦はアストロズがダルビッシュ有の不安定な立ち上がりを攻めて5対1で勝利し、対戦成績4勝3敗で球団初の栄冠を手にした。
この日の先発はランス・マッカラーズJr.とダルビッシュ。第3戦と同じマッチアップとなった両者は前回の登板ではっきりと明暗が分かれた。マッカラーズJr.は5回1/3を投げて4安打3失点で勝利投手になっている。その一方でダルビッシュは1回2/3で4失点とメジャー移籍後最短で降板していた。降板後のインタビューでは「スライダーをいつものように投げることができなかった」と話していただけにこの第7戦では立ち上がりとスライダーの制球に注目が集まった。
最初にマウンドに上がったダルビッシュは先頭打者のジョージ・スプリンガーに課題のスライダーを二塁打にされてしまい、いきなりのピンチを迎えた。続くアレックス・ブレグマンを一塁へのゴロに打ち取ったかに思われたがコディ・ベリンジャーがカバーに入ったダルビッシュへ送球ミスをしてしまい、早くも1点を失ってしまう。ブレグマンに三盗を許した後、ホゼ・アルトゥーベの内野ゴロの間にさらに1点を追加され、初回は2失点スタートとなった。
これで勢いにのったアストロズ打線は2回表の攻撃でもブライアン・マッキャンが四球で出塁し、続くマーウィン・ゴンザレスの二塁打で無死二・三塁のチャンスをつくる。1死になった後、マッカラーズJr.の内野ゴロで3点目を取ると2死三塁となったところで打席には今ワールドシリーズMVP候補のスプリンガー。ダルビッシュは慎重に投球をするがカウントは3-2となり迎えた6球目のフォーシームを中堅スタンドへと運ばれ点差は一気に5点となりダルビッシュはここで降板となった。
この最終決戦は両軍監督ともに「総力戦」と話していただけにレギュラーシーズンではなかなか考えられない継投をする。ドジャースは2番手のブランドン・モローを挟み、3回表からはエースのクレイトン・カーショウを投入。ポストシーズンでは8被本塁打と心配な部分もありながらここまで3勝とチームを勝利に導いている。カーショウは4回を投げて2安打無失点と試合を立て直した。
対するアストロズの先発、マッカラーズJr.はダルビッシュとは対照的に3回途中無失点と好投する。この日は早めの継投を予定していたこともあり、チームは彼を早々と降板させた。6回裏に5番手のチャーリー・モートンがアンドレ・イーシアーに適時打を打たれ1点を失うも細かな継投でドジャース打線に的を絞らせなかった。6回から登場したモートンは最終回のマウンドにもあがり最後の打者、コリー・シーガーを二塁ゴロに抑えて試合終了。5対1でアストロズが勝利し、球団創設初の世界一となった。
今ワールドシリーズMVPは5本塁打を放ったスプリンガーに決定。レギュラーシーズン162試合、ポストシーズン18試合を戦い抜いてつかんだ栄光はとても大きなもので球団の歴史に新たな1ページが刻まれた日となった。
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