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メッツ 守備力を重視する方針へ転換

2017.11.8 15:52 Wednesday

 メッツのサンディ・アルダーソンGMはこれまでの打撃重視の方針を転換し、今後は守備力を重視していく方針を明らかにした。投手力の底上げのためには守備力の向上も必要であるという判断に至ったようだ。

 メッツは今季、各ポジションから3名ずつが選ばれるゴールドグラブ賞のファイナリストをチームから一人も輩出することができなかった。ゴールドグラブ賞受賞者がいないのは3年連続、ここ9シーズンで8度目であり、2008年にデービッド・ライトとカルロス・ベルトランが選出されたあとは、2014年にフアン・ラガレスが選ばれただけという状況。「投手はすべての打者から三振を奪えるわけではない。だから守備力が重要になってくるんだ」とアルダーソンGMは9月に話していたが、期待の先発投手陣に故障が相次ぐ中で、守備力の重要性を再認識したようだ。

 今季のメッツは失策数こそ92とリーグ平均レベルだったものの、DRS(=守備防御点)-73は両リーグワースト。ナ・リーグだけを見ればメッツに次ぐのはブレーブスの-43であり、メッツの数字がいかにずば抜けたものであるかがわかるだろう。ポジション別に見ると、内野守備の酷さが目立つ。外野はレフトが±0、センターが+2、ライトが+9とまずまずの数字を残しているが、内野は投手が-15、捕手が-1、一塁が-10、二塁が-17、三塁も-17、遊撃が-24という有様だ。

 新人のドミニク・スミスが一塁で-7を記録するなど、若手選手を積極的に起用したことも守備力低下の要因となっているが、衰えが顕著なホゼ・レイエスを遊撃で起用し続けたり、アズドゥルバル・カブレラやウィルマー・フローレスを本職以外のポジションで起用したりしたことによって守備が崩壊に向かっていったことは否定できない。故障者続出の影響もあるとはいえ、ただ「守れる」というだけでゲーム感覚で守備位置を決めてしまうようなやり方は改めるべきだろう。

 センターで+15を記録したラガレスのような好守の選手もおり、全ての選手が守備に問題を抱えているわけではない。アルダーソンGMはアメッド・ロサリオ、スミス、ブランドン・ニモといった若手選手を積極的に起用していく意向を明らかにしているが、適切なポジションに選手を固定することも守備力向上のためには必要だろう。現状では二塁にカブレラ、三塁にフローレスが入る布陣が有力だが、守備力向上を目指すのであれば内野手の補強が必要になるかもしれない。

 ただし、守備力を重視し過ぎた結果、攻撃力が極端に低下してしまっては意味がない。「守備力が改善されることを望んでいる。しかし、常に大切なのはバランスだ。守備力の向上がどれくらいチームにとってプラスになるのか。そのあたりのバランスはしっかり考えていかなくてはならない」とアルダーソンGMは攻守のバランスを取りつつ、チーム力の向上を図る方針を明らかにしている。ミッキー・キャラウェイ新監督のもとで投手陣の立て直しに成功し、そこに守備力の向上が加われば、来季のメッツは面白いチームになりそうだ。


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