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2017年シーズン 「最高の球種」はどれだ!?

2017.11.13 11:12 Monday

 メジャーリーグの2017年レギュラーシーズンでは計72万4625球が投じられた。アロルディス・チャップマン(ヤンキース)の時速104マイルの速球からフェルナンド・アバッド(レッドソックス)の時速50マイル台のチェンジアップまで、その球速は様々だ。MLB公式サイトでは球種ごとに「今季最高の使い手」を選出し、紹介している。

 Statcastを使って集計されたデータを基に、フォーシーム、ツーシーム(シンカーを含む)、カーブ(ナックルカーブを含む)、スライダー、チェンジアップの5球種について分析。球種ごとに「今季最高の使い手」が選出され、紹介されている。

 フォーシーム部門で選出されたのはチャド・グリーン(ヤンキース)。メジャー2年目の今季は40試合に登板して5勝0敗、防御率1.83という見事な成績を残した。フォーシームは最速99.4マイル、平均95.8マイルと球速自体も一流だが、何よりすごいのが毎分2484回転という平均スピンレートである。これはメジャーでもトップクラスの数字であり、打者からするとまさに浮き上がってくるような感覚。フォーシームは被打率.109、空振り率39.8%と驚異的な数字をマークしており、今季の奪三振率13.43という好成績も納得だ。次点にはクレイグ・キンブレル(レッドソックス)、クリス・セール(レッドソックス)、アンソニー・スウォーザック(ブリュワーズ)、ジャスティン・バーランダー(アストロズ)が選出されている。

 ツーシーム部門ではダラス・カイケル(アストロズ)が選出。低めへ制球されるツーシームで凡打の山を築き、ツーシームでのゴロ率は80.2%という驚異的な水準に達している。次点としてリチャード・ブライアー(オリオールズ)、J.A.ハップ(ブルージェイズ)、ジョー・ケリー(レッドソックス)、ブラッド・ピーコック(アストロズ)が挙げられている。

 カーブ部門ではコリー・クルーバー(インディアンス)が選出。今季までインディアンスで投手コーチを務めたミッキー・キャラウェイ(現メッツ監督)はこのボールをスライダーと呼んでいたが、クルーバー自身はカーブと呼んでいる。平均84.4マイルを誇るクルーバーのカーブは「球界最高のボール」との呼び声もあり、今季の被打率はわずか.104。MLB公式サイトのマット・ケリーは「球界最高のボールであるということに反論するのは困難だ」と最高級の賛辞を送っている。次点にはザック・ゴッドリー(ダイヤモンドバックス)、ランス・マカラーズJr.(アストロズ)、チャーリー・モートン(アストロズ)、デービッド・ロバートソン(ヤンキース)の4人が挙げられているものの、クルーバーが頭一つ抜けていると言っても過言ではないだろう。

 スライダー部門ではマックス・シャーザー(ナショナルズ)が選出。シャーザーは昨季からスライダーの使用頻度を上げているが、今季もそのアプローチを継続し、被打率.138、空振り率52.6%という素晴らしい数字をマークした。ストライクゾーン内に限定しても被打率はわずか.156に過ぎず、空振り率は40%近い水準。イチロー(マーリンズ)が体勢を崩しながら空振りしたシーンも印象的だ。次点にはカルロス・カラスコ(インディアンス)、ブラッド・ハンド(パドレス)、アンドリュー・ミラー(インディアンス)の3人が挙げられている。

 チェンジアップ部門ではスティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)が選出。地区シリーズの2試合で、カブス打線はストラスバーグのチェンジアップに対して15打数0安打12三振と文字通り完璧に封じ込まれた。90マイル前後の球速が出るストラスバーグのチェンジアップを速球と区別するのは至難の業。カブスの主砲アンソニー・リゾーは「彼は浮き上がる速球と沈むチェンジアップを投げるんだ。どうやって打てばいいかわからないよ」とお手上げ状態だった。次点にはルイス・カスティーヨ(レッズ)、カラスコ、ダニー・サラザー(インディアンス)、シャーザーが選出されている。

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