見落とされた好打者・ウォーカーは殿堂入りに値するのか
2017.11.24 16:36 Friday
殿堂入り投票であまり話題に上らない名選手がいる。エクスポズ、ロッキーズなどで17シーズンにわたってプレイし、通算打率.313、383本塁打、OPS.965をマークした好打者、ラリー・ウォーカーだ。過去7度の投票では2012年に記録した得票率22.9%が最高。輝かしい実績と比較すると極めて寂しい得票率である。ウォーカーは殿堂入りに相応しい選手ではないのだろうか。
まずはウォーカーの実績を整理してみよう。エクスポズで6シーズン、ロッキーズで10シーズン半、カージナルスで1シーズン半プレイし、通算1988試合に出場。2160安打、471二塁打、62三塁打、383本塁打、1311打点、230盗塁を積み重ね、通算打率.313、出塁率.400、長打率.565、OPS.965をマークした。自己最多の49本塁打を放って本塁打王に輝いた1997年にはMVPを受賞。この年から1999年までの3年間は毎年.363以上の高打率をマークし、1998年、1999年、2001年と3度の首位打者に輝いている。オールスター・ゲーム選出5度、ゴールドグラブ受賞7度、シルバースラッガー受賞3度。故障が多く、150試合以上に出場したシーズンが1度しかなかったため、積み上げ系のスタッツにはやや物足りなさが残るものの、殿堂入りの可能性を完全に否定されてしまうような数字ではない。
メジャーリーグの歴史上、打率.300、出塁率.400、長打率.550、450二塁打、60三塁打、350本塁打、1250打点をすべてクリアした打者はウォーカーを含め6人しかいない。他の5人はスタン・ミュージアル、ベーブ・ルース、ジミー・フォックス、テッド・ウィリアムス、ルー・ゲーリッグという豪華な顔ぶれ。この5人はいずれも殿堂入り選手である。また、ウォーカーはBaseball-Reference版のWARで通算72.6を記録しているが、72.5以上の通算WARを記録している野手で殿堂入りを果たせていないのはウォーカーを含め5人しかいない。ウォーカーは最高得票率22.9%という数字が不思議なくらいの実績を残した選手なのだ。
ウォーカーの殿堂入りの是非を問う際に必ず話題に上るのが「打者天国」と呼ばれるクアーズ・フィールドの存在である。ウォーカーはクアーズ・フィールドで通算打率.381、OPS1.172という驚異的な数字をマーク。これが通算成績を押し上げていることは否めない。しかし、アウェイでも通算打率.278をマークしている。この打率より低い通算打率で殿堂入りしている選手は何人もいるのだ。クアーズ・フィールドを本拠地としていたという理由だけでウォーカーの殿堂入りを否定してしまうのはあまりに安直すぎるだろう。ゴールドグラブを7度も受賞しているように、打撃だけの選手ではなかったことも見落としてはいけない。
ウォーカーに与えられたチャンスはあと3回。各記者は最大10人に投票できるが、10人では足りないと言われるほどに殿堂入りに相応しい候補者が溢れており、ウォーカーの殿堂入りは難しいかもしれない。それでも、ウォーカーの実績が適切に得票率に反映されることを願うばかりである。