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不運な今季を終え、来季盛り返す可能性のある打者たち

2017.11.27 11:23 Monday

 Statcastの導入により、打率、本塁打、打点といった旧来の指標のみでなく、様々な視点から打者を分析・評価することが可能になった。MLB.comのマット・ケリーはそうしたデータを見ながら「今季は不運であり、来季盛り返す可能性のある打者」をピックアップし、紹介している。

 まずはムーキー・ベッツ(レッドソックス)。MVP投票2位にランクインした昨季に比べると物足りないシーズンを過ごしたベッツだが、強い打球(初速95マイル以上)の数はメジャーで7番目に多かった。しかし、その過半数がアウトになっており、アウトになった強い打球の数はメジャー3位タイ。三振を減らした一方で四球を大幅に増やすなど、アプローチ面では進化を見せており、強い打球が少しでも多くヒットになれば、来季再びMVPレースに参戦する可能性もありそうだ。

 続いてはミゲル・カブレラとニコラス・カステヤーノスのタイガース・コンビ。両打者とも本拠地コメリカ・パークの広さの犠牲となり、飛距離380フィート以上の打球で10アウト以上を献上した5打者のうちの2人となった。また、ヒットになる可能性が50%以上の打球がアウトになったケースも非常に多く、両打者ともツキに恵まれないシーズンを過ごしたことは否めない。カブレラについては故障や年齢も不振の原因と見られているが、コンディションさえ万全ならば来季はカステヤーノスとともにタイガース打線を牽引してくれるはずだ。

 他に名前を挙げられているのはロビンソン・カノー(マリナーズ)、マニー・マチャド(オリオールズ)、ミッチ・モアランド(元レッドソックス、現在はフリーエージェント)の3人。年齢による衰えが懸念されるカノーだが、強い打球はメジャーで3番目に多かった。昨季と比べて三振を減らし、四球を増やすなど、アプローチ面に衰えは見られず、来季再びMVP級の活躍を見せる可能性は十分にある。マチャドは6月末の時点で打率.216の大不振に喘いでいたが、それ以降は復調。前半戦の不振はツキに恵まれなかった部分も大きく、フリーエージェント前のラストイヤーとなる来季は大爆発が期待できるかもしれない。モアランドはデータから導き出される想定打率(.270)と実際の打率(.246)のギャップがメジャーで4番目に大きかった。それだけツキに恵まれなかったことの証であり、フリーエージェント市場では意外な「お買い得物件」になる可能性がある。

 ツキに恵まれて好成績を残した選手がいれば、ツキに恵まれず成績を落とした選手もいる。そして、それを見極め、適切な戦力補強を施すのが各球団のGMらの腕の見せ所となる。各GMが今後、どのような動きを見せるのか。ややスロースタートな今オフの、今後の動向に注目だ。

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