明日に迫るノンテンダー期限 近年の事例を振り返る
2017.12.1 17:33 Friday
年俸調停権を有している選手へ契約をテンダー(提示)する期限が日本時間12月2日に迫っている。2002年オフにデービッド・オルティスがツインズから契約をテンダーされず、レッドソックスと契約した例は有名だが、ここでは近年の事例を振り返ってみたい。
メジャーを代表する捕手として活躍しているラッセル・マーティン(ブルージェイズ)は2010年オフにドジャースとの契約交渉が決裂し、ノンテンダーFAとなった。その後、ヤンキースで2年、パイレーツで2年、ブルージェイズで3年プレイし、所属したチームは2011年から2016年まで6年連続でポストシーズンに進出。パンチ力と選球眼を兼ね備えた打撃と優秀なフレーミング技術を誇る守備の両面でチームに大きく貢献し、メジャーを代表する捕手としての地位を不動のものとしている。
メジャーを代表するスラッガーとして活躍するエドウィン・エンカーナシオン(インディアンス)もノンテンダーを経験した選手の一人である。21本塁打を放った2010年オフにブルージェイズからDFAとなり、ウエーバーでアスレチックスへ移籍。しかし、アスレチックスはエンカーナシオンに対して契約をテンダーせず、エンカーナシオンはブルージェイズと再契約を結んだ。すると、エンカーナシオンは2012年に42本塁打、110打点と大ブレイク。2012年から今季まで6年連続で34本塁打以上を放ち、同期間に100打点以上も5回記録している。
ドジャースで主軸打者として活躍しているジャスティン・ターナーも2013年オフにノンテンダーを経験した。メッツで控え内野手として3年間プレイしたターナーだが、メッツは年俸の上昇を嫌って契約をテンダーせず。ターナーは翌2014年2月にマイナー契約でドジャースに加入した。すると、移籍1年目に規定打席不足ながら打率.340をマークする活躍を見せ、そのまま正三塁手に定着。直近2年はいずれもMVP投票で10位以内にランクインするなど、リーグを代表する好選手へと成長を遂げた。
これらの事例が示すように、元所属球団から契約提示を拒否されたノンテンダーFAのなかにスター級の才能が眠っていることは多々ある。今オフ、ノンテンダーから新たなドラマが生まれるかもしれない。