2017年の「バレル王」はジャッジ 2位はスタントン
2017.12.5 11:51 Tuesday
近年、注目を浴びるようになった新指標「バレル」。歴代最多の6105本塁打が飛び交った今季、「バレル」に該当する打球は打率.826、長打率2.889を記録し、その6割以上が本塁打となった。そして、最も多くの「バレル」を記録したのはヤンキースの新人スラッガーだった。
そもそも「バレル」とは何なのか。簡単に説明すると、「打率.500以上かつ長打率1.500以上を記録する打球の初速と発射角度に該当する打球」である。打球の初速により発射角度の幅は変化するが、大まかな目安としては「初速が時速98マイル以上かつ発射角度が26~30度の打球」ということになる。「バレル」の測定はStatcastが導入された2015年に開始され、昨季は打率.822、長打率2.386を記録。今季はそれをさらに上回った(打率.826、長打率2.889)。
そして、今季の「バレル王」はアーロン・ジャッジ(ヤンキース)だった。ジャッジは昨季のミゲル・カブレラ(タイガース)の77度を大きく上回る87度の「バレル」を記録(ポストシーズンでも5度)。これは「バレル」の測定が開始されて以降、史上最多の数字となった。ジャッジの全打球のうち、実に4分の1以上が「バレル」となったが、この割合はもちろん両リーグ最高。ポストシーズンを含めた今季の56本塁打のうち、「バレル」でなかったのは1本だけだった。6月には今季最速となる初速121.1マイルの本塁打と、飛距離495フィートの本塁打を記録。「バレル王」に相応しい活躍ぶりだった。
2位は76度のジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)。故障がちだった2015年は45度、昨季は44度に終わっていたが、自己最多の159試合に出場した今季、一気に数字を伸ばした。スタントンは「バレル」に該当する打球で打率.920、長打率3.213をマーク。その7割近くが本塁打となった。
3位には67度のクリス・デービス(アスレチックス)、4位には60度のJ.D.マルティネス(ダイヤモンドバックス)とネルソン・クルーズ(マリナーズ)がランクイン(マルティネスはポストシーズンでも1度)。上位の顔ぶれを見てもわかるように、メジャーを代表する強打者は「バレル」を量産している。「バレル」をいかに増やすかが活躍のカギを握っていると言っても過言ではないだろう。
