English Español 韓国語

将来の殿堂入りを確実視される名遊撃手・ビスケル

2017.12.7 18:38 Thursday

 遊撃手としては史上2位となる通算11度のゴールドグラブ賞を受賞しているオマー・ビスケルが今回からアメリカ野球殿堂入りの投票対象者となった。初年度での殿堂入りは難しいと見られているが、この名遊撃手は数年後必ず殿堂入りを果たすことになるだろう。

 1984年4月、16歳のときにマリナーズと契約したビスケルは、1989年にメジャーデビューを果たした。メジャー5年目の1993年にゴールドグラブ賞を初受賞し、同年オフにフェリックス・ファーミン、レジー・ジェファーソン(元西武)とのトレードでインディアンスへ移籍。インディアンスでは不動の正遊撃手として活躍し、2001年まで9年連続でゴールドグラブ賞の遊撃手部門を独占した。インディアンス移籍後は打撃面でも成長が見られ、1999年には打率.333、42盗塁、OPS.833の好成績をマーク。キャリアで唯一、MVP投票で得票したシーズンとなった。2005年にジャイアンツへ移籍すると、ここでも2年連続でゴールドグラブ賞を受賞。レンジャーズ、ホワイトソックス、ブルージェイズで過ごした現役最後の4年間は内野のユーティリティを務めたが、現役ラストイヤーとなった2012年も45歳ながら遊撃手として10試合に出場している。

 ビスケルのチームメイトはすでに3人(エディ・マレー、デーブ・ウィンフィールド、ロベルト・アロマー)が殿堂入りを果たしており、今回の投票でジム・トーメイがほぼ間違いなく4人目となる。トーメイと同時に初年度で殿堂入りする可能性は低いものの、ゴールドグラブ賞11度だけでなく、通算2877安打、404盗塁という数字を積み上げたビスケルが数年後に殿堂入りを果たすのはほぼ確実だ。

 ビスケルの実績で何よりも輝いているのが「遊撃手として2709試合出場」というメジャー記録である。ルイス・アパリシオの2581試合を抜き、あのデレク・ジーターでさえも2674試合でビスケルには及ばなかった。現役最多はホゼ・レイエスの1602試合。ビスケルまではまだ1000試合以上の道のりがあり、ビスケルの数字がいかにずば抜けているかがわかる。フランシスコ・リンドーア(インディアンス)らがビスケルの記録を更新する可能性はあるが、現時点ではビスケルが「メジャー史上最も多くの試合に遊撃手として出場した選手」なのである。

 今回の投票ではチッパー・ジョーンズ、トーメイ、トレバー・ホフマン、ブラディミール・ゲレーロらの殿堂入りの行方はもちろんのこと、ビスケルがどれだけの票を集めるかにも注目だ。

spotvnow