ドジャース&ブレーブス トレードの狙いを探る
2017.12.18 10:49 Monday
日本時間12月17日、ブレーブスがマット・ケンプをドジャースへ放出し、エイドリアン・ゴンザレス、ブランドン・マッカーシー、スコット・カズミアー、チャーリー・カルバーソンの4選手を獲得するという衝撃のトレードが成立した。このトレードの狙いはいったい何だったのだろうか。
今回のトレードは戦力的な意味合いよりも経済的な意味合いの方が強いと見られている。カルバーソンはまだ年俸調停権を手にしていないが、ケンプとゴンザレスの来季年俸は2150万ドル(ケンプの年俸のうち300万ドルはパドレスが負担)、マッカーシーは1000万ドル、カズミアーは1600万ドルといずれも高額だ。また、ドジャースからブレーブスへ金銭450万ドルも譲渡されている。
ドジャースの最大の目的はぜいたく税の課税対象とならないように来季の年俸総額を1億9700万ドル以下に抑えることだ。長らく打線の軸として活躍してきたゴンザレスだが、今季は故障の影響もあって出場は71試合のみ。打率.242、3本塁打、30打点、OPS.642という不本意な成績に終わり、一塁のレギュラーポジションを新人のコディ・ベリンジャーに奪われてしまった。カズミアーは今季が3年契約の2年目となったが、股関節の故障が完治せず全休。マッカーシーは19試合(うち16先発)に登板して6勝を挙げたものの、故障の多さは相変わらずだった。ケンプはまだ契約が2年残っているが、ドジャースはケンプの残り契約を引き受けてでも来季の年俸総額を削減したかったのである。
一方のブレーブスは今回のトレードにより球団ナンバーワン有望株のロナルド・アクーナにポジションを用意できただけでなく、故障さえなければ2ケタ勝利を期待できる先発投手2名とメジャー最低年俸で雇える控え内野手1名を獲得することができた(ゴンザレスはすでにDFAとなっている)。来季だけを見ればブレーブスの年俸負担額は大きく増えることになるが、ゴンザレス、マッカーシー、カズミアーの3選手の契約はいずれもあと1年であり、来オフには影響を与えない。むしろ、2019年のケンプの年俸負担がなくなったため、来オフは動きやすくなった。また、マッカーシーやカズミアーが好調なシーズンを過ごした場合、シーズン途中でトレードすることも可能だろう。
来季の年俸総額を抑え、ぜいたく税を回避することで来オフに動きやすくなったドジャース。2019年のケンプの契約をドジャースに引き取ってもらうことで来オフに動きやすくなったブレーブス。将来を見据えた際の利害が一致したトレードと言えそうだ。
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