大型補強のブリュワーズがナ・リーグ中部地区を面白くする
2018.1.26 14:30 Friday
クリスチャン・イェリッチとロレンゾ・ケインを獲得し、ポストシーズン進出を目指す姿勢を明確にしたブリュワーズ。今季のナ・リーグ中部地区では、カブス、ブリュワーズ、カージナルスによる「三つ巴」の熾烈な優勝争いが繰り広げられることになりそうだ。
まずは昨季の順位表を見てみよう。カブスが92勝70敗で地区2連覇を成し遂げ、そこから6ゲーム差の2位にブリュワーズ。3位のカージナルスはカブスと9ゲーム差だった。しかし、現時点でこの差はほとんどなくなったと見ていいだろう。カブスが戦力を維持する程度の補強にとどまっている一方、ブリュワーズとカージナルスは外野を中心に積極的な補強を展開。「打倒・カブス」の態勢を着実に整えているのである。
カブスは先発ローテーションからジェイク・アリエタとジョン・ラッキー、ブルペンからウェイド・デービス、上原浩治、ヘクター・ロンドンらが抜け、投手の補強を目指すオフシーズンとなった。現時点での大きな動きはラッキーの穴埋めとしてタイラー・チャットウッド、デービス&上原の穴埋めとしてブランドン・モローとスティーブ・シーシェックを獲得したことくらい。戦力的な上積みはほぼない。
2011年以来7年ぶりのポストシーズン進出を目指すブリュワーズは先発ローテーションにヨーリス・チャシンとヨバニ・ガヤード、ブルペンにブーン・ローガンを加えただけでなく、レギュラー3人が固まっていた外野にイェリッチとケインを獲得。これによりドミンゴ・サンタナやキーオン・ブロクストンが余剰戦力となり、彼らをトレードのコマとしてさらなる補強が可能になった。ジミー・ネルソンの離脱期間を埋める先発投手を獲得できれば投打ともにほとんど穴はなくなり、カブスの地区3連覇を阻止する可能性はグッと高まるだろう。
2年連続ポストシーズン逸の屈辱を味わったカージナルスは、打線の核としてマーセル・オズーナを獲得。ランス・リンが抜けた先発ローテーションには日本からマイルズ・マイコラス、昨季不安定だったブルペンにはルーク・グレガーソンとドミニク・リオンを加えた。派手さという点ではブリュワーズに見劣りするものの、実力では決して負けていない。昨季ブレイクした選手たちが引き続き好成績を残せるようであれば、激戦のナ・リーグ中部地区を制してもおかしくないチームだ。
少なくとも、ブリュワーズの大型補強はカブスとカージナルスに強烈なインパクトを与えたはず。これに呼応して両球団はどのように動くのか。そして、ブリュワーズは余剰気味の外野手を使って誰を狙うのか。開幕後はもちろんのこと、開幕までの期間にも様々なドラマが待っていそうな気配である。
関連ニュース
1月26日 今オフ最大のFA契約!ケインが5年8000万ドルでブリュワーズへ
1月26日 ブリュワーズが1対4のトレードでイェリッチを獲得
1月24日 ブリュワーズがイエリッチにトレードオファーか
1月22日 ブリュワーズがダルビッシュにオファーを提示
1月17日 ブリュワーズがアリエタ&ムスターカスの獲得に興味
1月16日 右肩の手術から順調な回復を見せるブリュワーズ・ネルソン
1月10日 フリーエージェントの右腕・ガーザが右肩の手術へ