主力選手を次々に放出 マーリンズの再建は成功するのか
2018.1.26 18:30 Friday
日本時間1月26日にクリスチャン・イェリッチのトレードが成立し、マーリンズは今オフのうちに昨季のレギュラー野手8人のうち4人をトレードで放出したことになった。彼らの対価として若手有望株を手に入れたマーリンズだが、この大胆なチーム再建は成功するのだろうか。
まず、MLB公式サイトに掲載されている球団別プロスペクト・ランキングTOP30を見てみよう。チーム内で上位の有望株と言えるTOP10のうち、マーリンズ生え抜きの選手は3人だけ。1位のルイス・ブリンソン、2位のモンテ・ハリソン、9位のイサン・ディアスは今回のイェリッチとのトレードで獲得した選手であり、3位のサンディ・アルカンタラと7位のマグネウリス・シエラはマーセル・オズーナとのトレードでカージナルスから移籍。4位のジョエル・グスマンはジャンカルロ・スタントンのトレード、10位のニック・ニーダートはディー・ゴードンのトレードでマーリンズに加わった。
要するに、現在のマーリンズのマイナー組織は主力選手を放出して得た対価で成り立っている状態なのである。TOP10にランクインしている生え抜き選手のうち、5位のトレバー・ロジャースは昨年のドラフト全体13位、6位のブラクストン・ギャレットは一昨年のドラフト全体7位で指名した選手であり、ドラフト指名時の評価が持ち越されてこの位置に名を連ねているに過ぎない。マーリンズが発掘して育て上げた有望株はTOP10圏内にほぼ見当たらないのだ。
これはマーリンズの将来に不安を抱かせる事実であると言っても過言ではない。いくら主力選手を放出して有望株をかき集めたところで、その素材をモノにする環境が球団内に整っていないからだ。ただし、スタントンやオズーナ、イェリッチはマーリンズと契約してプロ野球選手になり、マーリンズに育てられてスター選手へと成長していった。素材が良ければ環境は関係ないという見方もできるかもしれないが、マーリンズがスター選手を育て上げたという事実があることは揺るがない。一連のトレードで獲得した有望株たちを彼らのように育て上げることができるかが、再建の成否を分けることになるだろう。
年俸総額の大幅な削減に成功したデレク・ジーターは今後、魅力的なチームを作り上げていくために有望株の育成に力を入れるはず。有望株をかき集めたところで満足せず、彼らをしっかり育て上げることができれば、マーリンズには明るい未来が待っているはずだ。
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