全体1位指名右腕・アッペルが「無期限休養」を発表
2018.2.2 12:00 Friday
2013年のドラフトで全体1位指名を受けてプロ入りしたマーク・アッペル(フィリーズ)は野球から離れ、「無期限休養」することを発表した。もしこのまま球界に戻らず、メジャーでプレイすることがなければ、全体1位指名選手としては史上3人目となる。
アッペルは2009年のドラフトでタイガースから15巡目(全体450位)指名を受けたが、入団を拒否してスタンフォード大学へ進学。大学3年時の2012年にはパイレーツから1巡目(全体8位)指名を受けたものの、このときも契約合意には至らず、翌2013年にアストロズから全体1位指名を受けて契約金635万ドルで入団が決まった。この年のドラフトではクリス・ブライアントがカブスから全体2位指名を受けており、ブライアントを回避してまでアッペルを指名したアストロズの期待は大きく、ジェフ・ルーノウGMは「アストロズの球団史上、アマチュア選手に対する最も大きな投資だ」と話していたが、プロ入り後はマイナーの打者有利な環境にも苦しめられ、思うような活躍をすることができなかった。
2015年にはAAA級まで到達していたが、この年のオフにケン・ジャイルズのトレードの交換要員の一人としてフィリーズへ移籍。ところが、フィリーズ移籍後は相次ぐ故障に悩まされ、2016年はAAA級で8試合に先発しただけ。昨季もAAA級での17先発で5勝4敗、防御率5.27という不本意な成績に終わり、メジャー昇格を果たすことはできなかった。アッペルによると、右肩の状態は現在も万全ではないそうで、もしアッペルがこのままメジャーでプレイすることなくキャリアを終えると、スティーブ・チルコット(1966年メッツ全体1位)とブライエン・テイラー(1991年ヤンキース全体1位)に続く史上3人目の「メジャー昇格を果たせなかった全体1位指名選手」となる。
全体1位指名のプレッシャーを感じながらプレイしてきたアッペルは現在、ビジネス・スクールに通うことを検討しているという。ビジネスの世界に興味があり、インターンとして働くことも考えているようだ。「野球のことを今でも愛している」と語るアッペルが球界に戻ってくる日は訪れるのか。それとも、球界とは別の世界で活躍していくのか。全体1位指名選手の今後を見守りたい。
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