ムスターカス獲得レースは本命不在 売れ残りの可能性も
2018.2.14 12:30 Wednesday
ロイヤルズの球団記録を更新する38本塁打を放ったマイク・ムスターカスにとって、三塁手を探しているチームが少ない今オフは極めて難しいものとなっている。キャンプイン直前になってもムスターカスに明確な関心を示しているチームはなく、無所属のまま開幕を迎える可能性すら出てきた。
つい先日まで三塁手の補強を目指していたメッツがトッド・フレイジャーと契約し、ムスターカスは後のない状況に追い込まれた感がある。エンゼルスは遊撃手のザック・コザートを獲得して三塁に据える決断をし、ジャイアンツはレイズの看板選手であるエバン・ロンゴリアをトレードで獲得。ロンゴリアを放出したレイズは昨季全休のマット・ダフィーを正三塁手として起用する方針であり、再建中のブレーブスは今オフの戦力補強に大金を投じる意思はない。
「価格が下がれば獲得に動く可能性がある」と報じられたヤンキースは、昨季の年俸総額がぜいたく税の対象となる上限金額を超えていたため、クオリファイング・オファー物件であるムスターカスを獲得するとドラフト指名権2つ&インターナショナル・ボーナスプール100万ドルを失わなくてはならない。また、来オフの大型補強に向けて、今季の年俸総額をぜいたく税の対象となる上限金額以内に収めたいという思惑もある。ミゲル・アンドゥハーやグレイバー・トーレスといったメジャー定着間近の有望株も控えており、ヤンキースがムスターカス獲得に動く可能性は極めて低いと見ていいだろう。
では、古巣のロイヤルズはどうか。デイトン・ムーアGMはチェスラー・カスバートを正三塁手に据える方針であり、ハンター・ドージャーも虎視眈々とレギュラーの座を狙っている。三塁にレギュラー候補が複数いる一方で、一塁は明らかに人材を欠いており、ロイヤルズはエリック・ホズマーとの再契約に全力を注ぐ方針。ムスターカスのロイヤルズ残留が実現する可能性は低そうだ。
以上のように、現時点ではムスターカスを欲しがっているチームが皆無という状況。キャリアハイのシーズンを過ごした強打の三塁手にとっては厳しい現実だが、新天地を見つけるためには希望条件の大幅な引き下げが必要になってくるかもしれない。
関連ニュース