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元サイ・ヤング賞右腕・アリエタの契約が決まらない3つの理由

2018.2.26 12:30 Monday

 2015年にサイ・ヤング賞を受賞し、直近3シーズンで54勝(年平均18勝)をマークしているジェイク・アリエタの契約がまだ決まらない。なぜ各チームはアリエタとの契約を躊躇しているのか。MLB.comのマット・ケリーはその理由として3つの要素を挙げている。

 ケリーが挙げる1つ目の理由は「球速の低下」だ。アリエタはサイ・ヤング賞に輝いた2015年をピークとしてパフォーマンスを緩やかに低下させているが、それと比例するように各球種の平均球速も低下している。2015年以降、シンカーは95.3マイル→94.5マイル→92.2マイル、フォーシームは95.1マイル→94.2マイル→92.1マイルと推移し、90マイル中盤の速球を次々に投げ込んでいた2015年の姿はもはや過去のものとなっている。カーブ、スライダー、チェンジアップの各球種も同様に球速が低下し、それに伴って各球種の空振り率も低下。今やアリエタは攻略が難しい投手ではなくなっているのである。

 2つ目の理由は「被コンタクト率の上昇」だ。Statcastのデータによると、アリエタがボールをバットに当てられる割合や、強い打球を打たれる割合は、2015年以降どんどん悪化している。また、相手打者の平均打球角度も上昇しており、その結果、長打になりやすい打球を示す「バレル」の割合も上昇。2015年には10本しか打たれなかった本塁打が、2016年は16本、昨季はキャリアワーストの23本まで増加した。相手打者を圧倒できる投手でなくなっていることは間違いないだろう。

 そして3つ目は「年齢」である。アリエタは3月に32歳の誕生日を迎えるが、1995年以降のいわゆる「ワイルドカード時代」において、32歳以降のシーズンでサイ・ヤング賞を受賞した投手は4人しかいない。また、同期間に最優秀防御率のタイトルを手にした投手も4人だけだ。データサイト「Baseball-Reference」では31歳までのパフォーマンスがアリエタに似通っている投手としてピート・ブコビッチ、パット・ジャービス、ティム・ベルチャーらを挙げているが、33歳から4年連続2ケタ勝利をマークしたベルチャーを除いて、彼らは32歳以降のシーズンでほとんど活躍できなかった。32歳で今季開幕を迎えるアリエタに長期契約を与えるのはリスクが高すぎると言わざるを得ない。

 アリエタは実績を盾に大型契約を要求しているが、各チームはアリエタが今後どれだけチームに貢献できるかという目線で契約を考えている。アリエタが高望みを続ける限り、アリエタの要求に対して首を縦に振るチームは現れないのではないだろうか。


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