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昨季41セーブ セーブ王・ホランドの契約はなぜ決まらないのか

2018.2.28 15:30 Wednesday

 レギュラーシーズン開幕がおよそ1ヶ月後に迫るなか、昨季のセーブ王の契約がまだ決まらない。トミー・ジョン手術から復活を遂げ、ロッキーズの守護神として41セーブを挙げて自身初のタイトルを獲得したグレッグ・ホランドの契約はなぜ決まらないのだろうか。

 MLB.comのダニエル・クレイマーはホランドの契約が決まらない理由として以下の3つを挙げている。まず1つ目は「球速の低下」だ。ホランドがロイヤルズのクローザーとして活躍し、オールスター・ゲームに選出された2013~2014年の2シーズン、ホランドの速球は平均96.4マイルを記録していた。しかし、トミー・ジョン手術からの復帰1年目となった昨季は93.4マイル。自身初のセーブ王に輝いたものの、全盛期のスピードを取り戻すことはできていなかったのである。その結果、スライダーに依存する場面が増え、スライダーの投球割合は自己最高の49.8%まで上昇。ところが、スライダーの制球が甘くなり、痛打を浴びる場面も多々見受けられた。

 2つ目は「長期契約への不安」だ。昨季のホランドは8月上旬まで防御率1点台を維持していたものの、8月は11試合でセーブ失敗3度、防御率13.50という大乱調。キッチンで利き腕の指を切ってしまうというアクシデントがあったとはいえ、尋常ではない打たれっぷりだった。トミー・ジョン手術を経験しているだけでなく、すでに32歳という年齢もあり、長期契約を躊躇する球団が多いのは不思議なことではない。昨オフに大型契約を結んだ3人のリリーバーのうち、アロルディス・チャップマン(ヤンキース)とマーク・マランソン(ジャイアンツ)が期待を裏切ったことも、ホランドの市場に影響を与えているのかもしれない。

 そして3つ目は「リリーバー市場の充実」だ。今オフは移籍市場の動きが歴史的なスローペースとなったものの、リリーバー市場に関してはどんどん契約が決まっていった。ブランドン・モロー(カブス)、アディソン・リード(ツインズ)、ルーク・グレガーソン(カージナルス)らがすでに契約を決め、クローザー不在の球団はほとんどない。ホランドはクオリファイング・オファー物件であり、ドラフト指名権などを犠牲にしてまでホランドを獲得する必要はないというスタンスの球団が多いのだ。

 カブス、カージナルス、エンゼルスなどがホランド獲得候補として挙げられているが、あくまでも「獲得に動く可能性がある」という程度の噂話に過ぎない。選手オプションを破棄し、クオリファイング・オファーを拒否してまでフリーエージェント市場に打って出たホランドだが、望み通りの契約を手にする可能性はほとんどなくなったと言っても過言ではなさそうだ。


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