2018年のメジャーリーグに関する「7つの予想」
2018.3.20 14:30 Tuesday
2018年のレギュラーシーズン開幕まであと10日となった。MLB公式サイトではマイク・ペトリエロが近年のトレンドやデータを用いながら、2018年のメジャーリーグに関する「7つの予想」を紹介している。ここではその「7つの予想」を簡単に見ていこう。
1つ目は「ヤンキースがチーム本塁打記録を更新する」。従来の記録は1997年にマリナーズが記録した264本塁打だが、今季のヤンキース打線はこれを更新する可能性がある。昨季59本塁打のジャンカルロ・スタントンが加入しただけでなく、攻撃面で穴となる可能性のあった二塁と三塁にニール・ウォーカーとブランドン・ドルーリーを補強。1番から9番までどこからでも一発が飛び出す強力打線が完成した。
2つ目は「エアー・ボール・レボリューションが継続する」。近年のメジャーリーグではゴロを打たない打撃を心掛け、成績を向上させている選手が目立っている。今季はヤスマニ・グランダル(ドジャース)やフアン・ラガレス(メッツ)らが打撃改造に取り組んでおり、ゴロを打たない打撃の波は今後も拡大していくことだろう。
3つ目は「速球がより速く、より高く投じられる」。近年、速球の平均球速は上昇の一途を辿っており、2008年の91.8マイルから昨季は93.6マイルまで上昇した。さらに、フライを打つことを心掛ける打者たちに対して高めに速球を投じる場面も目立っており、今季もエアー・ボール・レボリューション対策として高めの速球が大きな役割を果たすことになりそうだ。
4つ目は「速球の投球割合がさらに低下する」。近年、速球の投球割合は低下の一途を辿っており、2008年に60%を超えていた速球の割合は昨季55.3%まで低下した。速球は長打を浴びやすいということがデータ的にも証明されており、カーブなどの変化球を重用する球団が増加中。今季もこの傾向は続きそうだ。
5つ目は「先発投手の投球イニング数が減少する」。全投球イニング数における先発投手の投球イニング数の割合は2015年まで65~70%の水準を維持していたものの、2016年は63.6%、昨季は61.9%へ低下。早めに継投を仕掛ける球団が徐々に増えている。打者3巡目を迎える先発投手より打者1巡目のリリーフ投手のほうが打たれにくいということがデータ的にも証明されており、この傾向は加速していくだろう。
6つ目は「規定打席に到達する捕手が絶滅危惧種になる」。昨季、規定打席に到達した捕手はヤディアー・モリーナ(カージナルス)、J.T.リアルミュート(マーリンズ)、ゲーリー・サンチェス(ヤンキース)の3人だけだった。疲労を考慮して2人の捕手を併用したり、正捕手に休養を多く与えたりする球団が増えており、規定打席に到達する捕手が今後大幅に増えることはないと見られる。
そして7つ目は「球界最高のチームはアストロズだが、最も多くの白星を挙げるのはインディアンスである」。投打とも充実の戦力を誇るアストロズが現在の球界において最高のチームと目されているが、同地区の他球団も戦力補強を進めている。一方、インディアンスの所属地区には再建中の球団が多く、結果的にインディアンスのほうがより多くの白星を挙げる可能性が高い。
以上がペトリエロによる「7つの予想」である。このなかからいくつの項目が現実となるのか。これらの点に注目しながら、今季のメジャーリーグを見ていくのも面白いかもしれない。
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